JP2560222B2 - パルスドチャープレーダ送信変調信号の形成方法およびパルスドチャープレーダ装置 - Google Patents

パルスドチャープレーダ送信変調信号の形成方法およびパルスドチャープレーダ装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、パルスドチャープレーダ送信変調信号形成
方法及びその方法を実施するパルスドチャープレーダ装
置に関する。特に、中・短波帯で使用されるパルスドチ
ャープレーダ送信電波に含まれるスプリアス(不要輻
射)を低減させ、また、距離に対するレーダ感度特性を
改善する事を可能とするパルスドチャープレーダ送信変
調信号の形成方法及びその方法を実施するパルスドチャ
ープレーダ装置に関する。
(従来の技術) レーダの方式の一つにFMCW方式があり、同じ平均送信
電力のパルス方式に比べて送信電力の尖頭値が少なくて
すむ特長がある。このレーダを中・短波帯で実現する
と、送信電波が直接受信機に回り込んでターゲットから
の反射信号を抑圧してしまうために、送信点と受信点を
数十km離すか、送信と受信を時間的に切り替えて同一地
点で送受信する。後者をパルスドチャープレーダ(送受
切り替え型FMCWレーダ、あるいはFMICWレーダとも言
う)と呼ぶ。
FMCWレーダは時間的に周波数を変えながら観測電波を
送信し、ターゲットからの散乱信号は距離に応じた時間
遅れて受信されるので、そのときの受信電波と送信電波
との周波数差からターゲットまでの距離を算出する。こ
のようなFMCWレーダの中で、パルスドチャープレーダは
送信信号が直接受信機に入り込むのを防ぐために送信と
受信を切り替えるので、ターゲットからの散乱信号はレ
ーダが受信状態になっている時間だけ有効に受信機に入
力し、送信の期間に到着した散乱信号は無効となる。タ
ーゲットからの散乱電波が有効に受信される割合を受信
時間率と呼ぶが、距離に対して一様な受信時間率を得る
ために送受信を例えば1ビット乱数にしたがって切り替
える。
ところで、パルスドチャープレーダも含めて、レーダ
は一般にターゲットからの散乱信号は距離の4乗に比例
して弱くなるので、距離に対する信号強度の変化をなる
べく少なくするために、パルスレーダ同様、パルスチャ
ープレーダに於いても、レーダ装置や信号処理過程で特
に近距離からの信号を弱めるよう様々な工夫がなされて
いる。例えば、中間周波増幅器に周波数特性を持たせた
り、正弦波で周波数変調して高次モードを選択して受信
する等である。
(発明が解決しようとする課題) パルスドチャープレーダは送信電波を断続するので送
受切り替え信号に対応する送信変調信号のスペクトルに
対応して送信電波のスペクトルが広がる。一方、パルス
ドチャープレーダにおいて、ターゲットまでの距離を計
測するのに必要なスペクトル成分は搬送波、言い替える
と送信変調信号のスペクトル成分の内、直流分のみであ
る。よって、送信変調信号におけるスペクトルの広がり
は不要であり、送信変調信号のスペクトルの広がりを抑
制する事が課題になる。処で、距離に対して一様な受信
時間率を得るために送受信を1ビット乱数に従って切り
替えようとする場合に、送信変調信号として矩型波を基
本波形とする1ビット乱数を用いると、搬送波から周波
数fだけ離れた周波数でのパワースペクトルW(f)は
Aを振幅、Tをクロック周期として と表わされ、右辺の第1項がスプリアス、第2項が必要
な直流(搬送波)成分に対応する。上式でもわかるとお
り、スプリアスはfのオクターブ当り6dBの割合で低下
する。
一般に矩形波の立ち上がり、立ち下がりが急峻である
ほど、広い周波数範囲のスペクトルを生じ、スプリアス
が強くなる。ここで、スプリアスの低減率を大きくする
ために、送信変調信号として矩型波を使用することな
く、矩型波を低域フィルターに通して滑らかにした信号
を使用する事が考えられるが、パルスドチャープレーダ
にこのような低域フィルターを通す手法を使用する事は
できない。すなわち、前述のようにパルスドチャープレ
ーダは送信期間と受信期間とを時間的に切り替え、同一
地点で送受信を行うレーダ方式であるため、送信機から
出力される直接波成分が、ターゲットからの反射、散乱
成分よりも桁違いに強い(特に、中・短波帯の場合)。
このため、レーダが受信状態の時に、送信機からの直接
波が受信機に回り込むと、その回り込んだ直接波がター
ゲットからの反射、散乱波を抑圧してしまう。ここで、
送信機から受信機に直接回り込む成分を分離できればよ
いが、パルスドチャープレーダでは1周波数掃引期間中
の受信機における全出力を周波数解析する事によりター
ゲットまでの距離を算出するため、パルスレーダのよう
にタイムオブフライト(A−スコープ表示)の時間差に
よって送信機から受信機に回り込む直接波成分を分離す
ることはできない。従って、パルスドチャープレーダで
は、受信期間中に送信信号は僅かでも残ることは許され
ない。一方送信変調信号として矩型波を使用した場合、
送信から受信への切り替えは矩型波の立ち下がり部分
(または立ち上がり部分)で画されることになるが、こ
の矩型波を低域フィルターに通すと、立ち下がり部分
(または立ち上がり部分)が指数関数的に減衰して尾を
引く形になるので受信期間中に送信信号が残ってしま
う。従って、この手法をパルスドチャープレーダに使用
することはできない。狭いバンドの中に多数の無線局が
存在し、国際的に電波が錯綜する中・短波帯では無線局
間の干渉を防ぐことが強く求められ、、広い占有バンド
幅を要する無線局を設置することは困難な状態になって
いる。従って、パルスドチャープレーダにおいては、低
域フィルターを使用する手法によること無く、スプリア
ス強度を下げ、占有バンド幅を狭める手法の開発が望ま
れている。
スプリアス成分を低減するために抵抗、コンデンサに
よる時定数とダイオードの非直線性を利用した波形平滑
回路で受信の期間にかからないように矩型波の立ち上が
りと立ち下がり部分を滑らかにして送信変調信号とする
手法があるが、時定数の調整がむずかしく、回路の再現
性が悪い。またクロック周波数の変更に対応するのに難
点がある。
また、ターゲットまでの距離の変化に対応して変わる
受信信号強度を補正するため、パルスレーダでは、STC
(Sensitivity Time Control)によりレーダ感度補正を
行うのが一般的である。すなわち、送信パルス発信後、
受信機の初段或いは中間周波数段で増幅度を時間的に変
化させて近接物体からの強い信号を抑圧する。しかし、
パルスドチャープレーダでは距離は中間周波数段の中心
周波数からの周波数偏移として現れるので、パルスレー
ダと同様のレーダ距離感度補正を行うことは困難であ
る。また、正弦波で周波数変調し、この高次モードを選
択して受信する方式もあるが、この方式は基本モードに
比べて信号強度が弱くなるという欠点がある。
この発明は以上のような困難(欠点、問題点)を克服
するものであり、パルスドチャープレーダにおいて、送
受信の切り替えに応じて送信電波を変調するに際し、変
調に伴うスプリアス成分の発生を極限まで低減させ、且
つ、ターゲットまでの距離に対するレーダ感度特性を改
善することができ、また、送受信の切り替えタイミング
の基礎とする乱数の生成時のクロック周波数の変更に無
調整で対応することができる送信変調信号の形成方法を
提供することを目的とする。
また、そのような送信変調信号の発生方法を実施して
送受信を行うパルスドチャープレーダ装置を提供する事
を目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明のレーダ送信変調信号の発生方法は上記の目的
を達成するために、周波数変調された搬送波を送信期間
と受信期間との切り替えに応じて振幅変調するために生
成するFMCWレーダ(パルスドチャープレーダ)送信変調
信号の形成方法に於いて、時間的に滑らかな繰り返し信
号を形成するとともに、送信期間と受信期間とを切り替
える送受切り替え信号を前記時間的に滑らかな繰り返し
信号の任意の周期に同期させて形成し、該切り替え信号
の立ち上がり及び立ち下がりエッジ部分であって送信期
間内にあり、かつ前記時間的に滑らかな繰り返し信号の
最低値から最高値に変化する期間、あるいは最高値から
最低値に変化する期間をそれぞれ前記時間的に滑らなか
繰り返し信号の最低値から最高値までの期間、最高値か
ら最低値までの期間に置き換えることにより、パルスド
チャープレーダ送信変調信号を形成するものとした。
また、本発明のレーダ装置は上記目的を達成するため
に、周波数変調された搬送波を送信期間と受信期間との
切り替えに応じて振幅変調するための送信変調信号を形
成する送信変調信号形成手段を有し、送信と受信を交互
に行うFMCW方式のレーダ(パルスドチャープレーダ)装
置において、該送信変調信号形成手段として、時間的に
滑らかな繰り返し信号を発生する繰り返し信号発生手段
と、該時間的に滑らかな繰り返し信号の任意の周期に同
期してレベルが変化する矩形波信号を送受切り替え信号
として発生する送受切り替え信号発生手段と、該送受切
り替え信号の立ち上がり及び立ち下がりエッジ部分であ
って送信期間内にあり、かつ前記時間的に滑らかな繰り
返し信号の最低値から最高値に変化する期間、及び最高
値から最低値に変化する期間をそれぞれ、時間的に滑ら
かな繰り返し信号の最低値から最高値までの期間、最高
値から最低値までの期間に置き換える信号切り替え手段
を備え、周波数変調された搬送波を該信号切り替え手段
により形成された送信変調信号で振幅変調することによ
り形成されるパルスドチャープレーダ送信信号の振幅
が、送信期間の開始直後に滑らかに増大し、送信期間の
終了直前に滑らかに消滅するものとした。
ここで、本発明に於いて時間的に滑らかな繰り返し信
号とは、一定周期で同一波形を繰り返し、波形とその時
間微分がそれぞれ時間的に連続する信号を言う。
(作用) かかる構成に於て、繰り返し信号発生手段は例えば正
弦波信号のように時間的に滑らかな繰り返し信号を発生
し、送受切り替え信号発生手段は前記繰り返し信号に任
意の周期に同期したタイミングにレベルが変化する矩型
波信号を送受切り替え信号として発生する。そして、信
号切り替え手段は前記送受切り替え信号のエッジ部分を
検出し、該エッジ部分の信号であって送信期間内の範囲
の信号を前記滑らかな繰り返し信号の最低値から最高値
までの期間、あるいは最高値から最低値までの期間で置
換することにより、低減したスプリアス成分を持ち、且
つターゲットまでの距離に対する感度特性を改善するこ
とのできるパルスドチャープレーダ送信変調信号を得る
ものである。
(実施例の説明) 以下、添付図面にしたがって本発明による実施例を詳
細に説明する。
第3図は実施例のパルスドチャープレーダのブロック
構成図、第4図は第3図のパルスドチャープレーダの動
作模式図である。一般にレーダは制御部、送信機、受信
機、アンテナ部から構成される。本実施例に於いては掃
引信号発生器9と送受切り替え信号発生器10が制御部、
変調器11と送信増幅器12が送信機、送受切り替え器13と
送受信アンテナ14がアンテナ部に対応する。
第3図に於て掃引信号発生器9は時間に対して直線的
に周波数が増加する周波数掃引信号hを発生する。変調
器11は送受切り替え信号発生器10が供給する送信変調信
号gに従って周波数掃引信号hを振幅変調する。なお、
この実施例の周波数掃引信号hは、本発明における周波
数変調された搬送波に相当するものである。送信信号は
送信増幅器12で所要の電力まで増幅され、送受切り替え
器13を通して送受信アンテナ14に出力される。送受切り
替え器13は送受切り替え信号iに従ってアンテナ14を送
信増幅機12か受信機15に切り替える。受信機15は周波数
掃引信号hと受信信号の周波数の差の信号をベースバン
ド信号mとして出力する。
第4図に示すように時間とともに周波数が変わる送信
信号は送受切り替え信号iにしたがって断続される。タ
ーゲットから散乱される受信信号はターゲットまでの距
離に比例した時間遅れて受信されるが、そのときの送信
信号との周波数の差は距離に比例する。FCMWレーダは送
信信号と受信信号の周波数差からターゲットまでの距離
を算出する。受信信号は第3図の送受切り替え器13が受
信機側になっている期間だけ有効に受信機に入力され、
送信の期間に到着したターゲットからの散乱信号は無効
になる。
第1図(a)は第3図に示した実施例の送受切り替え
信号発生器10のブロック構成図、第1図(b)は第1図
(a)の回路の各部分のタイミングチャートである。第
3図の信号g,h,i,jは、第1図の信号g,h,i,jにそれぞれ
対応している。第1図(a)に於いて、時間的に滑らか
な繰り返し信号として、例えば正弦波発振器1から出力
される正弦波aからクロック発生器2は第1図(b)に
示すように正弦波に同期したクロックパルスbを作り出
す。1ビット乱数発生器3はクロックパルスbの立ち上
がり時にレベルが変化する1ビット乱数パルスcを発生
する。。このようなクロック発生器2は例えば、正弦波
aのピークとボトムを検出する不図示のコンパレータ回
路と不図示のフリップフロップ回路によって容易に構成
できる。1ビット乱数パルスcを半クロック遅延させて
送受切り替え信号iが得られる。このようにして得られ
る送受切り替え信号iは時間的に滑らかな繰り返し信号
としての正弦波aの任意の周期にランダムに同期したも
のとなる。立ち上がり検出回路4は乱数信号パルスcの
立ち上がりに対応して半クロック長のパルスdを出力
し、立ち下がり検出回路5は同様に乱数信号パルスcの
立ち下がりに対応して半クロック長のパルスeを出力す
る。半クロック遅延回路6はパルスdをさらに半クロッ
ク遅らせる。正弦波信号aと送受切り替え信号iはスイ
ッチ回路7の入力端B,Aにそれぞれ供給される。また、
半クロック遅れた立ち上がり検出信号kと立ち下がり検
出信号eの論理和fがスイッチ回路7の制御信号となり
端子Sに供給される。スイッチ回路7は検出信号kまた
は検出信号eのいずれかがアクティブになると、正弦波
信号aを、インアクティブになると送受切り替え信号i
に接続される。すなわち送受切り替え信号iの立ち上が
り直後には正弦波信号aの上昇期間を、立ち下がり直前
では正弦波信号aの下降期間を、その他の時は信号iを
選択して出力端Oから出力し、これが送信電波の変調信
号gとなる。信号aと信号iの振幅を等しくすれば、送
信期間の開始直後に滑らかに立ち上がり、送信期間の終
了直前に滑らかに立ち下がる変調信号gが得られ、スプ
リアスの少ない送信信号jが得られる。なお、信号aと
信号iとの振幅が異なる場合には図不示の減衰器、ある
いは増幅器によりレベル及び振幅を調節すれば、送信期
間の開始直後に滑らかに立ち上がり、送信期間の終了直
前に滑らかに立ち下がる変調信号gが容易に得られる。
また、半クロック遅延した1ビット乱数信号を送受信の
切り替え信号iとして使用しているので、上記のように
して得られた送信電波は受信の期間に出力されない。
第1図(a)のブロック図に於て正弦波発振器1以外
の各構成要素は時定数回路を含まない。従って正弦波a
の周波数を変えても各信号間のタイミングの関係は維持
される。
1ビット乱数としてクロック周波数200kHzの最長系列
疑似ランダム符号(以下M系列と呼ぶ)パルスと、上記
のようにして立ち上がりと立ち下がりを滑らかに接続し
た信号のスペクトルを第2図(a)と(b)にそれぞれ
示す。M系列パルスは全体として6[dB/オクターブ]
の低減率であるのに対し、滑らかにした信号は15[dB/
オクターブ]の低減率になり、スプリアスを低減する上
で本発明の効果は明白である。参考までに、抵抗、コン
デンサ、ダイオードを組み合わせた平滑回路による信号
の低減率は11.5[dB/オクターブ]であった。
一般に距離dにあるターゲットからの受信信号強度p
(d)は で表わされる。但しPtは送信電力、Gはアンテナ利得、
λは電波の波長である。また、σはターゲットの散乱断
面積である。
この式に示したように、同じ散乱断面積を有する物体
からの散乱信号は距離の4乗に反比例するので、近接物
体からの強い反射信号によって遠距離物体からの反射信
号が抑圧される。このため、パルスレーダでは、STC等
の機能を付加して近接物体からの反射信号に対する感度
を下げている。
これに対して、パルスドチャープレーダでは前述した
ようにSTCを付加することはできない。パルスドチャー
プレーダでは距離dにある物体からの反射波(送信信号
が伝搬時間を経てレーダに到着した受信信号)は、受信
期間中にのみ有効となり、送信期間中にレーダに到着し
た反射波(受信信号)は無効となる(第4図参照)。こ
こで反射波が有効に受信機に入力する割合をRTR(d)
とすると、受信機に有効に入力する平均受信信号強度Pr
(d)は、 Pr(d)=RTR(d)・p(d) で表される。送信信号の変調波形の時間変化をT
(t),受信の重み付け関数の波形の時間変化をR
(t)とすると、 で表される。
従って、従来のパルスドチャープレーダ送信変調信号
を使用した場合のように、送信と受信とを単に矩型波を
使用して切り替える場合、すなわち、T(t)とR
(t)とが互いに相補的な1ビット乱数矩型波である場
合には、近距離、すなわち矩型波の最も短いパルス幅よ
りも少ない伝搬時間では、2d/cだけ遅れたT(t)のパ
ルスがR(t)に重なることとなるので、RTR(d)は
距離dに比例する関数となる。従って、平均受信信号強
度Pr(d)は、距離dの3乗に反比例することとなる。
これに対して、本発明の実施例のパルスドチャープレ
ーダ送信変調信号は、そのエッジ部分が正弦波で置き換
えられており、この正弦波は位相角の小さいところで
は、すなわち近距離では、位相角の2乗に比例する曲線
で近似できるので、 で近似することができる。この積分を実行すると、RTR
(d)は距離の5乗に比例する関数となり、結局、平均
受信信号強度Pr(d)は近距離では距離に比例した関数
となる。よって、パルスレーダや上述の送信変調信号に
矩型波を使用したパルスドチャープレーダと反対に、本
発明の実施例では、ターゲットとの距離が近いほど信号
強度は弱くなる。従って、距離に対するレーダ感度を改
善するために特別な装置を付加することが不要となる。
なお、上記実施例では時間的に滑らかな繰り返し信号
として正弦波を用いたが、変調器の特性等に応じて適当
な波形を選択することが可能である。また該信号に同期
した送受信切り替え信号iとして1ビット乱数波形を用
いたが、これに限らず、時間的に滑らかな繰り返し信号
の任意の周期に同期したパルス信号をレーダの要求する
特性に応じて適当に選択することが可能である。
上記実施例では周波数掃引信号hとして時間的に周波
数が増加する信号を用いたが、時間的に周波数が減少す
る信号を用いることもできる。
(発明の効果) 以上述べたごとく本発明によれば、パルスドチャープ
レーダの送信変調信号として時間的に滑らかな繰り返し
信号と、該信号の任意の周期に同期した送受切り替え信
号を切り換えることにより、レーダ送信電波に含まれる
スプリアスを大幅に低減し、周波数資源を有効に利用す
ることが可能になる。また、何等付加的な装置やデータ
処理を施す事なくレーダの距離感度特性を補正し、ター
ゲットからの散乱信号強度の距離による違いをなくすこ
とが可能になる。
また、本発明によれば変調波形発生部分の回路に時定
数を含まないので、時間的に滑らかな繰り返し信号の周
波数を変えるだけで、該信号に同期した矩形波信号のク
ロックを変えて、容易にレーダの特性を変えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明による実施例の送信切り変え信号
発生器のブロック図、第1図(b)は第1図(a)の回
路のタイミングチャート、 第2図(a)は1ビット乱数パルスのパワースペクト
ル、第2図(b)は第2図(a)と同じクロック周波数
で本発明に記した方法でパルスの立ち上がりと立ち下が
りを滑らかな繰り返し信号に接続した波形のパワースペ
クトル、 第3図は実施例のパルドチャープレーダのブロック図、 第4図は第3図のパルスドチャープレーダの送受信信号
の模式図。 図中1は正弦波発振器、2はクロック発生器、3は1ビ
ット乱数発生器、4は立ち上り検出回路、5は立ち下り
検出回路、6は半クロック遅延回路、7はスイッチ回
路、8は半クロック遅延回路、9は掃引信号発生器、10
は送受切り替え信号発生器、11は変調器、12は送信増幅
器、13は送受切り替え器、14は送受信アンテナ、15は受
信機である。 図中、aは正弦波信号、bはクロックパルス、cは1ビ
ット乱数パルス、dは立ち上がり検出信号,eは立ち下が
り検出信号、fはdとeの論理和、gは送信変調信号、
hは周波数掃引信号、iは送受切り替え信号、jは送信
信号、kは半クロック遅れた立ち上がり検出信号であ
り、mはベースバンド信号である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周波数変調された搬送波を送信期間と受信
    期間との切り替えに応じて振幅変調するために生成する
    FMCWレーダ(パルスドチャープレーダ)送信変調信号の
    形成方法に於いて、時間的に滑らかな繰り返し信号を形
    成するとともに、送信期間と受信期間とを切り替える送
    受切り替え信号を前記時間的に滑らかな繰り返し信号の
    任意の周期に同期させて形成し、該切り替え信号の立ち
    上がり及び立ち下がりエッジ部分であって送信期間内に
    あり、かつ前記時間的に滑らかな繰り返し信号の最低値
    から最高値に変化する期間、あるいは最高値から最低値
    に変化する期間をそれぞれ前記時間的に滑らかな繰り返
    し信号の最低値から最高値までの期間、最高値から最低
    値までの期間に置き換えることにより、パルスドチャー
    プレーダ送信変調信号を形成することを特徴とするパル
    スドチャープレーダ送信変調信号の形成方法。
  2. 【請求項2】周波数変調された搬送波を送信期間と受信
    期間との切り替えに応じて振幅変調するための送信変調
    信号を形成する送信変調信号形成手段を有し、送信と受
    信を交互に行うFMCW方式のレーダ(パルスドチャープレ
    ーダ)装置において、該送信変調信号形成手段として、
    時間的に滑らかな繰り返し信号を発生する繰り返し信号
    発生手段と、該時間的に滑らかな繰り返し信号の任意の
    周期に同期してレベルが変化する矩形波信号を送受切り
    替え信号として発生する送受切り替え信号発生手段と、
    該送受切り替え信号の立ち上がり及び立ち下がりエッジ
    部分であって送信期間内にあり、かつ前記時間的に滑ら
    かな繰り返し信号の最低値から最高値に変化する期間、
    あるいは最高値から最低値に変化する期間をそれぞれ、
    時間的に滑らかな繰り返し信号の最低値から最高値まで
    の期間、最高値から最低値までの期間に置き換える信号
    切り替え手段を備え、周波数変調された搬送波を該信号
    切り替え手段により形成された送信変調信号で振幅変調
    することにより形成されるパルスドチャープレーダ送信
    信号の振幅が、送信期間の開始直後に滑らかに増大し、
    送信期間の終了直前に滑らかに消滅することを特徴とす
    るパルスドチャープレーダ装置。
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