JP2559704Y2 - 樹脂成形アクセルペダル - Google Patents

樹脂成形アクセルペダル

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JP2559704Y2
JP2559704Y2 JP10779691U JP10779691U JP2559704Y2 JP 2559704 Y2 JP2559704 Y2 JP 2559704Y2 JP 10779691 U JP10779691 U JP 10779691U JP 10779691 U JP10779691 U JP 10779691U JP 2559704 Y2 JP2559704 Y2 JP 2559704Y2
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教介 植村
文久 川合
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デュポン株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、樹脂成形アクセルペダ
ルに関し、さらに詳しくは、軽量でかつ強度の向上を図
った樹脂成形による車速調整装置用のアクセルペダルに
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の速度調節装置に用いられるアク
セルペダルは従来、スチール製であったが、近年では自
然環境の保護を目的として、自動車の排気ガスの軽減が
図られつつあり、自動車の軽量化を進めるための一環と
してアクセルペダルの樹脂化が行われてきた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の樹脂製アクセルペダルとしては、未強化あるいは
強化型のポリアセタール樹脂またはポリアミド樹脂等に
より成形されてきたが、使用に耐え得る強度を得るため
に、図5〜図7に示すようにその断面形状をコの字型の
ものとし、その内側にリブRを設けて長手方向に設けら
れる両側の桁材G間を補強するものとしていた。一般
に、アクセルペダルAでは、自動車への取り付け上の制
約があり回転支持部Sからペダル踏部Pに延在されるペ
ダル支持部PSがこれらの図に示すように途中で曲がる
形状に成らざるを得ないので、ペダル踏部Pの踏み込み
方向の負荷により曲げモーメントだけでなくねじりモー
メントが生じるため、さらに十分な強度・剛性を確保す
ることが要求されると共に、他方ではより一層の軽量化
が要求されている。なお、これらの図において、Fは桁
G間を結合している頂板、WEはワイヤエンドである。
【0004】また、図7に示すように強度・剛性を確保
するために、リブRを多数トラス状に設けた樹脂製アク
セルペダルでは、リブRが複雑なため成形性にも悪影響
を与え、しかもリブRの接合箇所に応力集中が生じて破
壊されやすくなる外、成形品寸法精度の低下という問題
が生じる。また、破壊に至るまでの許容変形量を抑制す
べく、例えばペダル踏部Pの下部に変形量を制限するた
めのストッパー機構(不図示)が必要とされる場合もあ
る。また、リブ接合箇所の応力集中を避けるために角を
丸めるなどのことをすると金型加工に費用がかかる。
【0005】本考案の目的は、上述したような従来のア
クセルペダルに比べて強度および剛性の向上を図ること
ができ、かつ同一の強度および剛性を得るには従来に比
べて軽量の樹脂成形アクセルペダルを提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本考案は、回転支持部とペダル踏部およびワイヤ
ーエンドとが樹脂系材料により一体成形されてなる樹脂
成形アクセルペダルにおいて、前記ワイヤーエンドと前
記回転支持部と前記ペダル踏部とを鉛直面内で結合し長
辺が鉛直方向の方形断面を有する主桁と、該主桁の一方
の側にほぼ並設され、少なくとも前記ワイヤーエンドと
前記回転支持部との間を結合する方形断面の第1の側桁
と、前記ペダル踏部の前記主桁の他方の側にほぼ並設し
た方形断面の第2側桁と、前記主桁と前記第1側桁およ
び前記主桁と前記第2側桁との間を結合する複数のリブ
と、前記回転支持部と前記ペダル踏部との間で前記主桁
と前記第1側桁および第2側桁とをトラス状に結合する
ための方形断面の斜桁とを具備したことを特徴とする。
【0007】
【作用】本考案によれば、長辺が鉛直方向の方形断面を
有する主桁によってワイヤーエンドからペダル踏部まで
を鉛直面内で結合した上で、主桁と第1側桁および複数
のリブとによって回転支持部とワイヤーエンドとの間を
構成し、また主桁と第2側桁および複数のリブとによっ
てペダル踏部を構成し、さらに主桁と斜桁およびリブと
によって回転支持部とペダル踏部との間をトラス状に構
成するもので、主桁を中心とするこれら4つの桁材とそ
の間のリブとの結合により曲げモーメントと捩れとの双
方に対して強い合理的な桁構造とすることができる。
【0008】
【実施例】以下に、図面を参照しつつ本考案の実施例を
具体的に説明する。
【0009】なお、本考案の最も顕著な特徴は先に述べ
たようにガラス強化ナイロン樹脂(化学名:ポリアミ
ド)によって成形するアクセルペダルにおいて、そのワ
イヤーエンドからペダル踏部までの強度的な主要骨材と
なる縦方向の主桁材を左右に湾曲させることなく鉛直面
で一体に構成した点にある。図1は本考案の一実施例を
示す。図1の(A)において、1は上記のように鉛直面
に沿って一線状に形成された主要骨材をなす主桁材、2
は円筒状に形成される回転支持部、3は主桁材1とほぼ
平行に配置され、その間に回転支持部2を保持する側桁
であり、側桁3の一方の端部と主桁材1の同方向の端部
とはワイヤーエンド4に一体化して結合されると共に、
側桁3の他方の端部は回転支持部2からペダル踏部5ま
でのペダル支持部6の左右方向の曲りに応じて回転支持
部2の付け根近傍から緩やかに折曲げられ、斜桁3Aと
して主桁材1と一体に結合されている。
【0010】さらにまた、ペダル支持部6ではその曲り
による捩れに抗するために、図1の(B)に示す断面の
ように主要骨材である主桁材1を中にしてその両側に前
記の斜桁3Aとペダル踏部5の幅方向に斜行する斜桁7
Aとが、互いに平行の形で設けられていて、さらにペダ
ル踏部5の形成部では、他の側桁7が踏板5Aの下面で
これに平行する主桁材1と共に複数のリブ8,8Aおよ
び9によって補強されている。また、10および10A
は回転支持部2とワイヤーエンド4形成部との間の主桁
材1と側桁3との間を結合、補強しているリブである。
特にリブ8Aおよび10Aは斜桁3A,7Aとともに回
転支持部2とペダル踏部5との間をトラス状に結合して
いる。さらにまた、図1の(A)に示す11はこのよう
なアクセルペダル12を成形する時の好適な樹脂注入用
ゲート位置の一例を示す。
【0011】図3は樹脂系材料(ポリアミド)のガラス
繊維強化によって成形した上記のアクセルペダル12を
固定具13にピン14を介して回動自在に支持させた状
態を示す。すなわち、回転支持部2に予め形成されてい
る支持孔2A(図2参照)に差込んだピン14を固定具
13の軸受孔13Aに支持させることにより、図3の状
態に保つことができる。なお、アクセルペダル12の動
作については周知であり、ここではその説明を省略す
る。
【0012】なお、本考案者は、さらに成形によって上
記のように構成したアクセルペダルの試験体を同形,同
材料によるA−1,A−2,A−3の3体用意する一
方、従来例を代表する試験体として、図6に示した形態
のものをB−1,B−2,B−3と3体用意し、図4に
示すような試験装置を用いてペダル踏込みによる荷重試
験の比較を行った。試験装置20において、21は加圧
ピストン21Aを具えた圧縮試験機、22は圧縮試験機
21によって加圧される荷重を記録表示する記録計、2
3は試験体24の支持ピン15を支持する支持台、25
は試験体24のワイヤーエンド4またはWEを固定した
状態に保つ固定具である。かくして、図4に示す状態に
試験体24を保った上、圧縮試験機21の加圧ピストン
21Aを矢印方向に降下させてペダル踏部5またはPに
荷重をかけ、ペダル踏部の下降による試験体24の変形
量(mm単位)および破壊荷重(kg)を計測し、下記
の表1に示すような結果が得られた。
【0013】
【表1】
【0014】但し、上記による試験体は本考案によるも
のおよび従来品とも、ガラス強化ポリアミド樹脂によっ
て成形されたものであって、それぞれにおける数値の差
異は固体差によるものである。
【0015】表1によっても明らかなように、本考案に
よれば、ペダル踏体への踏込み荷重通常操作力5〜20
kgにおける変形量が少ない上、破壊荷重の点でも著し
くその限界が高められることを確認した。
【0016】なお、表2として比強度比較を下記に示
す。
【0017】
【表2】
【0018】なお、以上に述べた実施例では樹脂系材料
に好適例としてガラス強化ポリアミド樹脂を用いたが、
ポリアセタール樹脂やポリアミド樹脂等を用いて成形す
ることもできる。また、ペダル踏板に滑り止めの凹凸を
設けたり滑り止め部材を自在に貼設したりすることが可
能なことはいうまでもない。
【0019】
【考案の効果】以上説明してきたように、本考案によれ
ば、ワイヤーエンドと前記回転支持部と前記ペダル踏部
とを鉛直面内で結合し長辺が鉛直方向の方形断面を有す
る主桁と、該主桁の一方の側にほぼ並設され、少なくと
も前記ワイヤーエンドと前記回転支持部との間を結合す
る方形断面の第1の側桁と、前記ペダル踏部の前記主桁
の他方の側にほぼ並設した方形断面の第2側桁と、前記
主桁と前記第1側桁および前記主桁と前記第2側桁との
間を結合する複数のリブと、前記回転支持部と前記ペダ
ル踏部との間で前記主桁と前記第1側桁および第2側桁
とをトラス状に結合するための方形断面の斜桁とを具備
したことによって、従来の樹脂成形アクセルペダルに比
較して、たわみ強度と共に剛性を高めることができ、踏
み込み動作を規制するために格別にストッパーを設けた
りする必要がない上、従来のように頂板や底板を必要と
する構成でないために従来と同程度の強度,剛性を有す
る本考案のアクセルペダルにおいては軽量化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例による構成を裏面図(A)、
そのA−A線矢視図(B)およびB−B線矢視図(C)
によって示す説明図である。
【図2】本考案にかかるアクセルペダルの構成例を示す
斜視図である。
【図3】本考案にかかるアクセルペダルの取付状態を示
す斜視図である。
【図4】本考案と従来の樹脂成形アクセルペダルとの強
度比較試験を行った試験装置の説明図である。
【図5】樹脂成形アクセルペダルの第1従来例の構成を
下面図(A)および側面図(B)によって示す説明図で
ある。
【図6】樹脂成形アクセルペダルの第2従来例の構成を
下面図(A)および側面図(B)によって示す説明図で
ある。
【図7】樹脂成形アクセルペダルの第3従来例の構成を
上面図(A)および一部破砕の側面図(B)によって示
す説明図である。
【符号の説明】
1 主桁材(主要骨材) 2 回転支持部 3 側桁 3A,7A 斜桁 4 ワイヤーエンド 5 ペダル踏部 5A ペダル踏板 6 ペダル支持部 7 側桁 8,9,10,8A,10A リブ 14 ピン

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転支持部とペダル踏部およびワイヤー
    エンドとが樹脂系材料により一体成形されてなる樹脂成
    形アクセルペダルにおいて、 前記ワイヤーエンドと前記回転支持部と前記ペダル踏部
    とを鉛直面内で結合し長辺が鉛直方向の方形断面を有す
    る主桁と、 該主桁の一方の側にほぼ並設され、少なくとも前記ワイ
    ヤーエンドと前記回転支持部との間を結合する方形断面
    の第1の側桁と、 前記ペダル踏部の前記主桁の他方の側にほぼ並設した方
    形断面の第2側桁と、 前記主桁と前記第1側桁および前記主桁と前記第2側桁
    との間を結合する複数のリブと、 前記回転支持部と前記ペダル踏部との間で前記主桁と前
    記第1側桁および第2側桁とをトラス状に結合するため
    の方形断面の斜桁とを具備したことを特徴とする樹脂成
    形アクセルペダル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10071765B2 (en) 2014-08-07 2018-09-11 F-Tech Inc. Vehicle pedal arm

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US10071765B2 (en) 2014-08-07 2018-09-11 F-Tech Inc. Vehicle pedal arm

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