JP2559530Y2 - プラズマアークガウジング用トーチ - Google Patents
プラズマアークガウジング用トーチInfo
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- JP2559530Y2 JP2559530Y2 JP1799092U JP1799092U JP2559530Y2 JP 2559530 Y2 JP2559530 Y2 JP 2559530Y2 JP 1799092 U JP1799092 U JP 1799092U JP 1799092 U JP1799092 U JP 1799092U JP 2559530 Y2 JP2559530 Y2 JP 2559530Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、プラズマア−クガウジ
ング用ト−チの改良に関する。
ング用ト−チの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラズマア−クガウジング用ト
−チT´は図11に示されるものであって、1は流体に
より冷却されるプラズマ電極で、このプラズマ電極1は
銅または銅合金より成る電極基材2と、この電極基材2
の先端凹部に装着されたタングステンやハフニウム等の
高融点金属の挿入体3とにより構成されている。4´は
ト−チT´の先端に支持された中空のチップで、先端中
央部にプラズマ流が噴出するプラズマ噴出孔401が穿
設されている。5は絶縁カップである。上記ト−チT´
において、電極1とチップ4´との間にプラズマア−ク
を発生させ、加工時に適宜の作動ガスをプラズマ噴出孔
401から噴出させてプラズマア−ク6を発生させ、ト
−チT´を被加工物Wに対して30度乃至40度傾斜さ
せて矢印で示す方向にト−チT´を移動させつつ、プラ
ズマア−ク6により被加工物Wの表面部のガウジング作
業を行っている。上記チップ4´は、プラズマア−クガ
ウジングに一般的に用いられている標準チップ(以降、
ノ−マルタイプのチップと呼ぶ)であり、チップ4´の
先端面402に直交するプラズマ噴出孔401が直接開
口するように形成されている。また、図12はダイバ−
ゼントタイプと呼ばれているチップ4´を設けた、他の
従来例を示すものであって、プラズマ噴出孔401の先
端にチップの先端面402に向かうに従って径が大きく
なるラッパ状の開口部403が、プラズマ噴出孔401
と同軸に形成されている。なお、プラズマア−クガウジ
ング作業においては、図3に示すようなガウジング溝が
ほぼ左右均一で溝底部で十分なア−ルがとれた形状を良
質な溝形状とし、上記以外の、例えば図4に示すような
ガウジング溝の形状を不良な溝形状として取扱ってい
る。
−チT´は図11に示されるものであって、1は流体に
より冷却されるプラズマ電極で、このプラズマ電極1は
銅または銅合金より成る電極基材2と、この電極基材2
の先端凹部に装着されたタングステンやハフニウム等の
高融点金属の挿入体3とにより構成されている。4´は
ト−チT´の先端に支持された中空のチップで、先端中
央部にプラズマ流が噴出するプラズマ噴出孔401が穿
設されている。5は絶縁カップである。上記ト−チT´
において、電極1とチップ4´との間にプラズマア−ク
を発生させ、加工時に適宜の作動ガスをプラズマ噴出孔
401から噴出させてプラズマア−ク6を発生させ、ト
−チT´を被加工物Wに対して30度乃至40度傾斜さ
せて矢印で示す方向にト−チT´を移動させつつ、プラ
ズマア−ク6により被加工物Wの表面部のガウジング作
業を行っている。上記チップ4´は、プラズマア−クガ
ウジングに一般的に用いられている標準チップ(以降、
ノ−マルタイプのチップと呼ぶ)であり、チップ4´の
先端面402に直交するプラズマ噴出孔401が直接開
口するように形成されている。また、図12はダイバ−
ゼントタイプと呼ばれているチップ4´を設けた、他の
従来例を示すものであって、プラズマ噴出孔401の先
端にチップの先端面402に向かうに従って径が大きく
なるラッパ状の開口部403が、プラズマ噴出孔401
と同軸に形成されている。なお、プラズマア−クガウジ
ング作業においては、図3に示すようなガウジング溝が
ほぼ左右均一で溝底部で十分なア−ルがとれた形状を良
質な溝形状とし、上記以外の、例えば図4に示すような
ガウジング溝の形状を不良な溝形状として取扱ってい
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】図5は、ノ−マルタイ
プのチップ4´を備えたト−チを用いてプラズマア−ク
ガウジング作業を行なう場合に、チップ4´の噴出孔4
01の直径dとガウジング溝の断面積Sとの関係を下記
のガウジング条件で調べたものである。 ガウジング電流:120A ガウジング速度:50cm/min プラズマガス:プリミックガス[Ar(70%)+H2 (30%)] プラズマガスの設定圧力:4Kg/cm2 ト−チ角度:30度 被加工物:SS41材19mmt ……(1) ノ−マルタイプのものでは、プラズマア−クの拘束が強
過ぎるため、図5に示すように、上記の良質なガウジン
グ溝の形状となるのは、実用的なガウジング速度、例え
ば50cm/minにおいて、プラズマ噴出孔401の直径d
が5mm位以上と比較的大きい場合に限られる。ところ
で、通常プラズマ噴出孔401の単位面積あたりの作動
ガスの流量はプラズマ噴出孔401の寸法に拘わらずほ
ぼ一定としているため、ガス流量は噴出孔401の断面
積に比例することとなる。このため、プラズマ噴出孔4
01が比較的大きいチップでガウジング作業を実施する
と必然的にガスの消費量が多くなる。しかも、良質なガ
ウジング加工におけるガウジング能力、即ちガウジング
溝の断面積は、図5に示されるごとく、小さい値であっ
た。すなわち、ガウジング作業の能率が悪いという欠点
があった。また、ダイバ−ゼントタイプのものでは、図
6の点線で示されるように良質な溝形状を得られるプラ
ズマ噴出孔401の直径の範囲は幾分拡大されるが、ガ
ウジング能力(=ガウジング溝の断面積)はノ−マルタ
イプものより低下していた。なお、図6のダイバ−ゼン
トタイプにおける噴出孔401の直径dとガウジング溝
の断面積Sとの関係は、ラッパ状の開口部403の開き
角度を40度とし、ガウジング条件は条件(1)と同じ
条件で調べたものである。そこで、本考案の目的は、高
能率なガウジング作業を可能にするプラズマア−クガウ
ジング用ト−チを提供することにある。
プのチップ4´を備えたト−チを用いてプラズマア−ク
ガウジング作業を行なう場合に、チップ4´の噴出孔4
01の直径dとガウジング溝の断面積Sとの関係を下記
のガウジング条件で調べたものである。 ガウジング電流:120A ガウジング速度:50cm/min プラズマガス:プリミックガス[Ar(70%)+H2 (30%)] プラズマガスの設定圧力:4Kg/cm2 ト−チ角度:30度 被加工物:SS41材19mmt ……(1) ノ−マルタイプのものでは、プラズマア−クの拘束が強
過ぎるため、図5に示すように、上記の良質なガウジン
グ溝の形状となるのは、実用的なガウジング速度、例え
ば50cm/minにおいて、プラズマ噴出孔401の直径d
が5mm位以上と比較的大きい場合に限られる。ところ
で、通常プラズマ噴出孔401の単位面積あたりの作動
ガスの流量はプラズマ噴出孔401の寸法に拘わらずほ
ぼ一定としているため、ガス流量は噴出孔401の断面
積に比例することとなる。このため、プラズマ噴出孔4
01が比較的大きいチップでガウジング作業を実施する
と必然的にガスの消費量が多くなる。しかも、良質なガ
ウジング加工におけるガウジング能力、即ちガウジング
溝の断面積は、図5に示されるごとく、小さい値であっ
た。すなわち、ガウジング作業の能率が悪いという欠点
があった。また、ダイバ−ゼントタイプのものでは、図
6の点線で示されるように良質な溝形状を得られるプラ
ズマ噴出孔401の直径の範囲は幾分拡大されるが、ガ
ウジング能力(=ガウジング溝の断面積)はノ−マルタ
イプものより低下していた。なお、図6のダイバ−ゼン
トタイプにおける噴出孔401の直径dとガウジング溝
の断面積Sとの関係は、ラッパ状の開口部403の開き
角度を40度とし、ガウジング条件は条件(1)と同じ
条件で調べたものである。そこで、本考案の目的は、高
能率なガウジング作業を可能にするプラズマア−クガウ
ジング用ト−チを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案の構成は、加工用の電極とプラズマ噴出孔の
穿設されたチップとの間にパイロットア−クを発生さ
せ、加工時に作動ガスを介して前記プラズマ噴出孔から
プラズマア−クを噴出させるプラズマア−クガウジング
用ト−チにおいて、前記プラズマ噴出孔の先端に該プラ
ズマ噴出孔と同軸の有底状の開口部を配設し、前記チッ
プの各部を としたとき、前記チップを2.2mm≦d≦4.4mmおよ
び40度≦α≦100度(ただし、チップ開き角度αは
前記噴出孔および前記開口部の夫々の端縁を通る直線の
なす角度。α=2tan -1{(D−d)/2E})を満足
する値に形成したことを特徴とする。
め、本考案の構成は、加工用の電極とプラズマ噴出孔の
穿設されたチップとの間にパイロットア−クを発生さ
せ、加工時に作動ガスを介して前記プラズマ噴出孔から
プラズマア−クを噴出させるプラズマア−クガウジング
用ト−チにおいて、前記プラズマ噴出孔の先端に該プラ
ズマ噴出孔と同軸の有底状の開口部を配設し、前記チッ
プの各部を としたとき、前記チップを2.2mm≦d≦4.4mmおよ
び40度≦α≦100度(ただし、チップ開き角度αは
前記噴出孔および前記開口部の夫々の端縁を通る直線の
なす角度。α=2tan -1{(D−d)/2E})を満足
する値に形成したことを特徴とする。
【0005】
【実施例】以下、本考案を図示の実施例により詳細に説
明する。図1および図2において、1はプラズマ電極で
このプラズマ電極1は、銅または銅合金より成る電極基
材2と、この電極基材2の先端凹部に装着されたタング
ステンやハフニウム等の高融点金属の挿入体3とにより
構成されている。4はト−チTの先端に支持された中空
のチップで、中央部にプラズマ流が噴出するプラズマ噴
出孔401が穿設されている。404はプラズマ噴出孔
401の先端にプラズマ噴出孔401と同軸に配設され
た有底状の開口部である。
明する。図1および図2において、1はプラズマ電極で
このプラズマ電極1は、銅または銅合金より成る電極基
材2と、この電極基材2の先端凹部に装着されたタング
ステンやハフニウム等の高融点金属の挿入体3とにより
構成されている。4はト−チTの先端に支持された中空
のチップで、中央部にプラズマ流が噴出するプラズマ噴
出孔401が穿設されている。404はプラズマ噴出孔
401の先端にプラズマ噴出孔401と同軸に配設され
た有底状の開口部である。
【0006】図2において、プラズマ噴出孔401の直
径をd,開口部404の直径をD,奥行をEとし、プラ
ズマ噴出孔401の端縁をイ,ロ、開口部404の端縁
をハ,ニとしたとき、直線イハと直線ロニとのなす角度
をαとする。(以後αをチップ開き角度と称する。)チ
ップ開き角度αはチップ4の各部の寸法により下記の式
で表わされる。 α=2tan -1{(D−d)/2E} ……(2)
径をd,開口部404の直径をD,奥行をEとし、プラ
ズマ噴出孔401の端縁をイ,ロ、開口部404の端縁
をハ,ニとしたとき、直線イハと直線ロニとのなす角度
をαとする。(以後αをチップ開き角度と称する。)チ
ップ開き角度αはチップ4の各部の寸法により下記の式
で表わされる。 α=2tan -1{(D−d)/2E} ……(2)
【0007】図6の実線は、本考案に係るト−チにおい
て使用するチップ4を、開口部404の直径D=8mm,
奥行E=5mmとし、噴出孔401の直径dを変化させた
ときの噴出孔401の直径dとガウジング溝の断面積S
との関係を、前記図5に示されるノ−マルタイプのチッ
プを用いたガウジング作業の場合と同じ条件(1)で調
べたものである。図6の実線より、本考案に係るト−チ
によれば、噴出孔401の直径dが2.2mm以上5mm以
下の範囲において、良質なガウジング溝が得られること
がわかる。図6において、本考案に係るト−チとダイバ
−ゼントタイプのチップを使用したト−チとを比較する
と、チップ4の噴出孔401の直径dが4.4mm以下で
はガウジング溝の断面積Sに比較的大きい差異が生じ、
噴出孔401の直径dが小さくなるほどこの差異は大き
くなる。上記のごとく、噴出孔401の直径dが4.4
mmが臨界点となるが、この状態を更に詳述する。図7
は、チップ4の噴出孔401の直径dが4.4mmの場
合、ガウジング速度Vとガウジング溝の断面積Sとの関
係を本考案に係るト−チ(実線)とダイバ−ゼントタイ
プのチップを使用したト−チ(点線)とについて調べた
ものである。なお、図7におけるガウジング作業の条件
は、ガウジング速度を除いて条件(1)と同じである。
図7において、例えばガウジング溝の断面積Sが8mm2
のガウジング溝を得るためには、ガウジング速度Vはダ
イバ−ゼントタイプのものでは50cm/minであるが、本
考案に係るト−チによれば75cm/minの速度でガウジン
グ作業が可能である。即ち、同じ断面積のガウジング溝
を得るためには本考案に係るト−チでは、ダイバ−ゼン
トタイプのものを使用する場合の約1.5倍の速度でガ
ウジング加工することができる。この場合、D=8,d
=4.4,E=5を上記式(2)に代入すると、α=2
tan -10.36となる。即ち、チップ開き角度αは40
度である。なお、式(2)においてdが4.4mmより小
さくなるに従ってαが大となる。例えば、d=2.2mm
のときα=60度である。また、チップ4の噴出孔40
1の直径dが4.4mm未満のときも本考案に係るト−チ
によれば、ダイバ−ゼントタイプものより高速でガウジ
ング作業を行なえる。以上により、図6に示されるごと
く、チップ4の噴出孔401の直径dが4.4mmよりも
小さくなるにつれて、本考案に係るト−チとダイバ−ゼ
ントタイプのものとでは、ガウジング溝の断面積Sの差
が徐々に大きくなる。即ち、本考案に係るト−チはダイ
バ−ゼントタイプのものよりガウジング能力が大きく、
噴出孔401の直径dが小さくなるほどガウジング溝の
断面積Sの差が大きくなる。また、図7に示されるごと
く、同一のガウジング溝の断面積Sを得るためには、本
考案に係るト−チではダイバ−ゼントタイプのものより
速い速度でガウジング作業が可能である。さらに、本考
案に係るト−チでは、ダイバ−ゼントタイプのものでは
良好な加工の行なえなかった小径の噴出孔401のもの
まで、即ち噴出孔401の直径dが2.2mmまでを採用
することができる。このように、噴出孔401の直径d
が比較的小径であってもガウジング能力が大きい、良質
なガウジング溝が得られるので、プラズマガスの消費量
の少ない高能率なガウジング作業が可能である。
て使用するチップ4を、開口部404の直径D=8mm,
奥行E=5mmとし、噴出孔401の直径dを変化させた
ときの噴出孔401の直径dとガウジング溝の断面積S
との関係を、前記図5に示されるノ−マルタイプのチッ
プを用いたガウジング作業の場合と同じ条件(1)で調
べたものである。図6の実線より、本考案に係るト−チ
によれば、噴出孔401の直径dが2.2mm以上5mm以
下の範囲において、良質なガウジング溝が得られること
がわかる。図6において、本考案に係るト−チとダイバ
−ゼントタイプのチップを使用したト−チとを比較する
と、チップ4の噴出孔401の直径dが4.4mm以下で
はガウジング溝の断面積Sに比較的大きい差異が生じ、
噴出孔401の直径dが小さくなるほどこの差異は大き
くなる。上記のごとく、噴出孔401の直径dが4.4
mmが臨界点となるが、この状態を更に詳述する。図7
は、チップ4の噴出孔401の直径dが4.4mmの場
合、ガウジング速度Vとガウジング溝の断面積Sとの関
係を本考案に係るト−チ(実線)とダイバ−ゼントタイ
プのチップを使用したト−チ(点線)とについて調べた
ものである。なお、図7におけるガウジング作業の条件
は、ガウジング速度を除いて条件(1)と同じである。
図7において、例えばガウジング溝の断面積Sが8mm2
のガウジング溝を得るためには、ガウジング速度Vはダ
イバ−ゼントタイプのものでは50cm/minであるが、本
考案に係るト−チによれば75cm/minの速度でガウジン
グ作業が可能である。即ち、同じ断面積のガウジング溝
を得るためには本考案に係るト−チでは、ダイバ−ゼン
トタイプのものを使用する場合の約1.5倍の速度でガ
ウジング加工することができる。この場合、D=8,d
=4.4,E=5を上記式(2)に代入すると、α=2
tan -10.36となる。即ち、チップ開き角度αは40
度である。なお、式(2)においてdが4.4mmより小
さくなるに従ってαが大となる。例えば、d=2.2mm
のときα=60度である。また、チップ4の噴出孔40
1の直径dが4.4mm未満のときも本考案に係るト−チ
によれば、ダイバ−ゼントタイプものより高速でガウジ
ング作業を行なえる。以上により、図6に示されるごと
く、チップ4の噴出孔401の直径dが4.4mmよりも
小さくなるにつれて、本考案に係るト−チとダイバ−ゼ
ントタイプのものとでは、ガウジング溝の断面積Sの差
が徐々に大きくなる。即ち、本考案に係るト−チはダイ
バ−ゼントタイプのものよりガウジング能力が大きく、
噴出孔401の直径dが小さくなるほどガウジング溝の
断面積Sの差が大きくなる。また、図7に示されるごと
く、同一のガウジング溝の断面積Sを得るためには、本
考案に係るト−チではダイバ−ゼントタイプのものより
速い速度でガウジング作業が可能である。さらに、本考
案に係るト−チでは、ダイバ−ゼントタイプのものでは
良好な加工の行なえなかった小径の噴出孔401のもの
まで、即ち噴出孔401の直径dが2.2mmまでを採用
することができる。このように、噴出孔401の直径d
が比較的小径であってもガウジング能力が大きい、良質
なガウジング溝が得られるので、プラズマガスの消費量
の少ない高能率なガウジング作業が可能である。
【0008】図8(a)乃至図8(c)は、ガウジング
溝の加工方向に沿った断面図である。図8(a)は、良
質なガウジング溝が得られるときのガウジング溝の加工
状況を示す図であり、ト−チの移動方向、即ち、X1 方
向の被加工物Wの表面付近がガウジング溝底部より先に
溶融して、いわゆるノントンネル形のガウジング溝を形
成している。図8(b)および図8(c)は、不良なガ
ウジング溝となる場合のガウジング溝の加工状況を示す
図である。図8(c)はガウジング溝底部が被加工物W
の表面付近より先行して溶融するいわゆるトンネル形の
ガウジング溝であり、図8(b)はガウジング溝底部に
ほぼ垂直な溶融壁を形成するセミトンネル形と呼ばれる
ガウジング溝であり、セミトンネル形のガウジング溝は
ノントンネル形からトンネル形に移行するときに現われ
る。上記のセミトンネル形やトンネル形のガウジング溝
が形成されると、ガウジング溝が左右不均一で溝底部に
十分なア−ルが形成されない不良なガウジング溝となる
だけでなく、プラズマア−クによって溶融した金属がプ
ラズマト−チ方向に吹上がり、ト−チ各部、特にチップ
4´や絶縁カップ5が損傷したり、ガウジング作業者自
身にふりかかったりするため、作業性が悪くなる。図6
の実験において、本考案に係るト−チでは、噴出孔40
1の直径dが2.2mm以上5mm以下の範囲においてノン
トンネル形のガウジング溝であり、噴出孔401の直径
dが2mmでセミトンネル形となり、さらに2mm未満でト
ンネル形のガウジング溝となった。即ち、本考案に係る
ト−チでは、噴出孔401の直径dが2.2mm≦d≦
4.4mmのとき、ダイバ−ゼントタイプのものよりもガ
ウジング能力が大であって高能率の加工ができる。
溝の加工方向に沿った断面図である。図8(a)は、良
質なガウジング溝が得られるときのガウジング溝の加工
状況を示す図であり、ト−チの移動方向、即ち、X1 方
向の被加工物Wの表面付近がガウジング溝底部より先に
溶融して、いわゆるノントンネル形のガウジング溝を形
成している。図8(b)および図8(c)は、不良なガ
ウジング溝となる場合のガウジング溝の加工状況を示す
図である。図8(c)はガウジング溝底部が被加工物W
の表面付近より先行して溶融するいわゆるトンネル形の
ガウジング溝であり、図8(b)はガウジング溝底部に
ほぼ垂直な溶融壁を形成するセミトンネル形と呼ばれる
ガウジング溝であり、セミトンネル形のガウジング溝は
ノントンネル形からトンネル形に移行するときに現われ
る。上記のセミトンネル形やトンネル形のガウジング溝
が形成されると、ガウジング溝が左右不均一で溝底部に
十分なア−ルが形成されない不良なガウジング溝となる
だけでなく、プラズマア−クによって溶融した金属がプ
ラズマト−チ方向に吹上がり、ト−チ各部、特にチップ
4´や絶縁カップ5が損傷したり、ガウジング作業者自
身にふりかかったりするため、作業性が悪くなる。図6
の実験において、本考案に係るト−チでは、噴出孔40
1の直径dが2.2mm以上5mm以下の範囲においてノン
トンネル形のガウジング溝であり、噴出孔401の直径
dが2mmでセミトンネル形となり、さらに2mm未満でト
ンネル形のガウジング溝となった。即ち、本考案に係る
ト−チでは、噴出孔401の直径dが2.2mm≦d≦
4.4mmのとき、ダイバ−ゼントタイプのものよりもガ
ウジング能力が大であって高能率の加工ができる。
【0009】図9の実線は、本考案に係るト−チにおい
て、チップ4の噴出孔401の直径d=3mm,開口部4
04の奥行E=5mmとし、開口部404の直径Dを変化
させたときの開口部404の直径Dとガウジング溝の断
面積Sとの関係を前記ガウジング条件(1)と同じ条件
で調べたものである。また、図9の点線は、ダイバ−ゼ
ントタイプのものについて同様の実験をした結果であ
る。図9の点線に示されるごとく、ダイバ−ゼントタイ
プのものでは狭い範囲でしか良質なガウジング溝が得ら
れない。しかし、図9の実線に示されるごとく、本考案
に係るト−チによればチップ4の開口部404の直径D
が6.5mm以上15mm以下、即ちチップ開き角度αが3
9度以上100度以下の範囲において、図8(a)に示
されるようなノントンネル形のガウジング溝となり、良
質なガウジング溝が得られる。勿論、前記の図6で説明
したのと同様に、本考案に係るト−チによれば、ダイバ
−ゼントタイプのものより大きい速度、能力でガウジン
グ作業を行なうことができる。即ち、高能率な加工が可
能である。
て、チップ4の噴出孔401の直径d=3mm,開口部4
04の奥行E=5mmとし、開口部404の直径Dを変化
させたときの開口部404の直径Dとガウジング溝の断
面積Sとの関係を前記ガウジング条件(1)と同じ条件
で調べたものである。また、図9の点線は、ダイバ−ゼ
ントタイプのものについて同様の実験をした結果であ
る。図9の点線に示されるごとく、ダイバ−ゼントタイ
プのものでは狭い範囲でしか良質なガウジング溝が得ら
れない。しかし、図9の実線に示されるごとく、本考案
に係るト−チによればチップ4の開口部404の直径D
が6.5mm以上15mm以下、即ちチップ開き角度αが3
9度以上100度以下の範囲において、図8(a)に示
されるようなノントンネル形のガウジング溝となり、良
質なガウジング溝が得られる。勿論、前記の図6で説明
したのと同様に、本考案に係るト−チによれば、ダイバ
−ゼントタイプのものより大きい速度、能力でガウジン
グ作業を行なうことができる。即ち、高能率な加工が可
能である。
【0010】図10の実線は、本考案に係るト−チにお
いて、チップ4の噴出孔401の直径d=3mm,開口部
404の直径D=8mmとし、開口部404の奥行Eを変
化させたときの開口部404の奥行Eとガウジング溝の
断面積Sとの関係を前記ガウジング条件(イ)と同じ条
件で調べたものである。また、図10の点線は、ダイバ
−ゼントタイプのものについて同様の実験をした結果で
ある。ただし、タイバ−ゼントタイプのものにおいて、
ラッパ状の開口部403の奥行、即ちチップの先端面4
02から噴出孔401までの長さをEとしている。図1
0の点線に示されるごとく、ダイバ−ゼントタイプのも
のでは狭い範囲でしか良質なガウジング溝が得られな
い。しかし、図10の実線に示されるごとく、本考案に
係るト−チによれば、チップ4の開口部404の奥行E
が2mm以上7mm以下、即ちチップ開き角度αが39度以
上103度以下の範囲において、図8(a)に示される
ようなノントンネル形のガウジング溝となり、良質なガ
ウジング溝が得られる。勿論、本考案に係るト−チによ
れば、ダイバ−ゼントタイプのものより大きい速度,能
力でガウジング作業を行なうことができるのは前記と同
様である。
いて、チップ4の噴出孔401の直径d=3mm,開口部
404の直径D=8mmとし、開口部404の奥行Eを変
化させたときの開口部404の奥行Eとガウジング溝の
断面積Sとの関係を前記ガウジング条件(イ)と同じ条
件で調べたものである。また、図10の点線は、ダイバ
−ゼントタイプのものについて同様の実験をした結果で
ある。ただし、タイバ−ゼントタイプのものにおいて、
ラッパ状の開口部403の奥行、即ちチップの先端面4
02から噴出孔401までの長さをEとしている。図1
0の点線に示されるごとく、ダイバ−ゼントタイプのも
のでは狭い範囲でしか良質なガウジング溝が得られな
い。しかし、図10の実線に示されるごとく、本考案に
係るト−チによれば、チップ4の開口部404の奥行E
が2mm以上7mm以下、即ちチップ開き角度αが39度以
上103度以下の範囲において、図8(a)に示される
ようなノントンネル形のガウジング溝となり、良質なガ
ウジング溝が得られる。勿論、本考案に係るト−チによ
れば、ダイバ−ゼントタイプのものより大きい速度,能
力でガウジング作業を行なうことができるのは前記と同
様である。
【0011】以上のように、噴出孔401の直径dが
2.2mm≦d≦4.4mmおよびチップ開き角度αが40
度≦α≦100度を満足するチップを備えたプラズマア
−クガウジング用ト−チによれば、高能率なガウジング
作業を行なうことができる。
2.2mm≦d≦4.4mmおよびチップ開き角度αが40
度≦α≦100度を満足するチップを備えたプラズマア
−クガウジング用ト−チによれば、高能率なガウジング
作業を行なうことができる。
【0012】
【考案の効果】チップ4の噴出孔401の直径dが4.
4mmよりも小さくなるにつれて、本考案に係るト−チと
ダイバ−ゼントタイプのものとではガウジング溝の断面
積Sの差が徐々に大きくなる。即ち、本考案に係るト−
チはダイバ−ゼントタイプのものよりガウジング能力が
大きく、噴出孔401の直径dが小さくなるほどガウジ
ング能力の差が大きくなる。また、同一のガウジング溝
の断面積Sを得るためには、本考案に係るト−チではダ
イバ−ゼントタイプのものより速い速度でガウジング作
業が可能である。さらに、本考案に係るト−チでは、ダ
イバ−ゼントタイプのものでは良好な加工の行なえなか
ったチップ4の噴出孔401の直径dが2.2mmまでを
採用することができ、ガウジング能力が大きく、プラズ
マガスの消費量の少ない高能率なガウジング作業が可能
である。以上の説明で明らかなように、本考案に係るプ
ラズマア−クガウジング用ト−チによれば、ガウジング
能力が大であって高能率なガウジング作業を行なうこと
ができる。
4mmよりも小さくなるにつれて、本考案に係るト−チと
ダイバ−ゼントタイプのものとではガウジング溝の断面
積Sの差が徐々に大きくなる。即ち、本考案に係るト−
チはダイバ−ゼントタイプのものよりガウジング能力が
大きく、噴出孔401の直径dが小さくなるほどガウジ
ング能力の差が大きくなる。また、同一のガウジング溝
の断面積Sを得るためには、本考案に係るト−チではダ
イバ−ゼントタイプのものより速い速度でガウジング作
業が可能である。さらに、本考案に係るト−チでは、ダ
イバ−ゼントタイプのものでは良好な加工の行なえなか
ったチップ4の噴出孔401の直径dが2.2mmまでを
採用することができ、ガウジング能力が大きく、プラズ
マガスの消費量の少ない高能率なガウジング作業が可能
である。以上の説明で明らかなように、本考案に係るプ
ラズマア−クガウジング用ト−チによれば、ガウジング
能力が大であって高能率なガウジング作業を行なうこと
ができる。
【図1】本考案の実施例の要部を示す一部断面図
【図2】図1に示されるト−チの先端部の拡大断面図
【図3】良質なガウジング溝を示す断面図
【図4】不良なガウジング溝を示す断面図
【図5】従来のノ−マルタイプのチップを用いるプラズ
マア−クガウジング用ト−チにおいて使用するチップの
噴出孔の直径dとガウジング溝の断面積Sとの関係を示
す図
マア−クガウジング用ト−チにおいて使用するチップの
噴出孔の直径dとガウジング溝の断面積Sとの関係を示
す図
【図6】従来のダイバ−ゼントタイプのチップを用いる
プラズマア−クガウジング用ト−チおよび本考案に係る
ト−チにおいて夫々使用するチップの噴出孔の直径dと
ガウジング溝の断面積Sとの関係を示す図
プラズマア−クガウジング用ト−チおよび本考案に係る
ト−チにおいて夫々使用するチップの噴出孔の直径dと
ガウジング溝の断面積Sとの関係を示す図
【図7】従来のダイバ−ゼントタイプのチップを用いる
プラズマア−クガウジング用ト−チおよび本考案に係る
ト−チにおいて夫々使用するチップのガウジング速度V
とガウジング溝の断面積Sとの関係を示す図
プラズマア−クガウジング用ト−チおよび本考案に係る
ト−チにおいて夫々使用するチップのガウジング速度V
とガウジング溝の断面積Sとの関係を示す図
【図8】ガウジング溝の加工方向に沿った加工状況説明
図
図
【図9】従来のダイバ−ゼントタイプのチップを用いる
プラズマア−クガウジング用ト−チおよび本考案に係る
ト−チにおいて夫々使用するチップの開口部の直径Dと
ガウジング溝の断面積Sとの関係を示す図
プラズマア−クガウジング用ト−チおよび本考案に係る
ト−チにおいて夫々使用するチップの開口部の直径Dと
ガウジング溝の断面積Sとの関係を示す図
【図10】従来のダイバ−ゼントタイプのチップを用い
るプラズマア−クガウジング用ト−チおよび本考案に係
るト−チにおいて夫々使用するチップの開口部の奥行E
とガウジング溝の断面積Sとの関係を示す図
るプラズマア−クガウジング用ト−チおよび本考案に係
るト−チにおいて夫々使用するチップの開口部の奥行E
とガウジング溝の断面積Sとの関係を示す図
【図11】従来例の要部を示す一部断面図
【図12】他の従来例の要部を示す一部断面図
1 プラズマ電極 4 チップ 401 プラズマ噴出孔 404 有底状の開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 宮内 正直 大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式 会社ダイヘン内 (56)参考文献 特開 平5−237664(JP,A) 実開 昭64−38178(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】 加工用の電極とプラズマ噴出孔の穿設さ
れたチップとの間にパイロットア−クを発生させ、加工
時に作動ガスを介して前記プラズマ噴出孔からプラズマ
ア−クを噴出させるプラズマア−クガウジング用ト−チ
において、前記プラズマ噴出孔の先端に該プラズマ噴出
孔と同軸の有底状の開口部を配設し、 前記チップの各部を ・プラズマ噴出孔:直径dmm ・有底状の開口部:直径Dmm 奥行Emm としたとき、前記チップを2.2mm≦d≦4.4mmおよ
び40度≦α≦100度(ただし、チップ開き角度αは
前記噴出孔および前記開口部の夫々の端縁を通る直線の
なす角度。α=2tan -1{(D−d)/2E})を満足
する値に形成したことを特徴とするプラズマア−クガウ
ジング用ト−チ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1799092U JP2559530Y2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | プラズマアークガウジング用トーチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1799092U JP2559530Y2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | プラズマアークガウジング用トーチ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0570772U JPH0570772U (ja) | 1993-09-24 |
JP2559530Y2 true JP2559530Y2 (ja) | 1998-01-19 |
Family
ID=11959164
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1799092U Expired - Lifetime JP2559530Y2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | プラズマアークガウジング用トーチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2559530Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101115186B1 (ko) * | 2009-12-29 | 2012-02-24 | 대우조선해양 주식회사 | 플라즈마 가우징 토치 |
WO2017047252A1 (ja) * | 2015-09-16 | 2017-03-23 | コマツ産機株式会社 | プラズマトーチ用ノズル、及び交換部品ユニット |
-
1992
- 1992-02-25 JP JP1799092U patent/JP2559530Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0570772U (ja) | 1993-09-24 |
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