JP3457978B2 - 粉体プラズマアーク肉盛溶接方法及びプラズマトーチ - Google Patents
粉体プラズマアーク肉盛溶接方法及びプラズマトーチInfo
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Description
融点金属をプラズマアークを利用して肉盛溶接する方法
及び該方法に用いることができるプラズマトーチに関す
るものである。
舶の機関の軸受等の軸受滑動部は、高荷重と回転軸の高
速回転に耐え得るものでなければならない。そのためこ
れらの軸受滑動部には、従来から低融点金属であるホワ
イトメタルを肉盛溶接している。JISのH5401に
規定されたSn、Sb、Cu組成の1種、2種及び2種
Bのホワイトメタルの凝固温度範囲は230℃〜250
℃である。従来、このような低融点金属を鋼板のような
基材に肉盛溶接する場合には、鋳掛法とワイヤまたはロ
ッド材料を用いるTIG溶接法による肉盛溶接が用いら
れていた。
は、接合強度を高めるために、鋼板(基材)表面に機械
加工によるアリ溝の下地加工を施す必要があるため、作
業工程が多くなる問題がある。また鋳掛法では、アリ溝
の下地加工を施して肉盛を行っても、界面の溶着強度が
低く、肉盛が剥離しやすい問題がある。またTIG溶接
では、溶込みが大きいために鋼材(基材)側から肉盛部
に希釈してくるFeの量が多くなりやすい。そのためF
e量の希釈を押えるために、少なくとも2層の肉盛溶接
を行う必要があり、作業工程が多くなる問題がある。
なる低融点金属粉末を肉盛溶接することができる粉体プ
ラズマアーク肉盛溶接方法を提供することにある。
からなる低融点金属粉末を肉盛溶接することができる粉
体プラズマアーク肉盛溶接方法に用いるのに適したプラ
ズマトーチを提供することにある。
外の肉盛溶接としては、粉体プラズマアーク肉盛溶接方
法が知られている。粉体プラズマアーク肉盛溶接方法
は、プラズマアークの熱エネルギが非常に大きいため
に、低融点の金属の肉盛溶接には不向きであると考えら
れており、もっぱら高融点の金属(融点が700℃以上
の金属)の肉盛溶接に用いられているのが現状である。
したがって当業者の常識に従うと、ホワイトメタルのよ
うな低融点金属を粉体プラズマアーク肉盛溶接方法によ
って基材に肉盛溶接する発想は出てこない。しかしなが
ら本出願の発明者は、溶込みが少なく、1層肉盛溶接で
もFe量の希釈を小さくできる粉体プラズマアーク溶接
方法を用いて、ホワイトメタルのような低融点金属を基
材に肉盛溶接できないものか研究してみた。予想通り、
既存のプラズマトーチを用いてホワイトメタルのような
低融点金属を基材に肉盛溶接すると、溶接条件を厳密に
管理したとしても、プラズマトーチの粉体噴出口近傍で
粉末金属が溶融または半溶融状態になってしまうことが
判った。そして粉体噴出口近傍で溶融または半溶融状態
になった粉末金属が落下せずに粉体噴出口近傍に付着す
ると、冷却水によって冷却されているノズルによって溶
融した粉末金属が冷却されて凝固し、凝固した溶融金属
が粉体噴出口を塞いでしまい、連続して肉盛溶接するこ
とができないことが判った。
間の距離が近いために、基材から反射してくる輻射別が
原因となって、粉体噴出口近傍で低融点の粉末金属が溶
融または半溶融状態になってしまうのではないかと考え
た。そこでプラズマトーチと基材との間の距離を大きく
してアーク長を延ばしてみたが、これによっても粉体噴
出口が塞がれる現象はなくならなかった。次に粉体噴出
口の位置がプラズマアークの出口に近過ぎるために、粉
体噴出口近傍で低融点の粉末金属が溶融または半溶融状
態になってしまうのではないかと考えた。そこでプラズ
マトーチの許容寸法内において許容可能な距離だけ粉体
噴出口の位置をプラズマアークの出口から離してみた
が、これによっても粉体噴出口が塞がれる現象はなくな
らなかった。
近傍で低融点の粉末金属が溶融または半溶融状態になっ
てしまう主たる原因が、プラズマアークによる輻射熱の
うちプラズマアークの出口及び粉体噴出口が開口するプ
ラズマトーチの端面に沿う方向(即ちラジアル方向)に
放射される光によって発生する輻射熱にあるのではない
かと推測してみた。そこでこのようなラジアル方向に放
射される光が直接的に粉体噴出口近傍に当たる量を制限
すれば、粉体噴出口近傍で低融点の粉末金属が溶融また
は半溶融状態になるのを防げるのではないかと考えた。
ラジアル方向に放射される光が直接的に粉体噴出口近傍
に当たらないようにする方法としては、プラズマアーク
の出口と粉体噴出口との間に光遮蔽用の突出壁を設ける
ことが考えられたが、このような突出壁を設けるとプラ
ズマアークからの光でこの突出壁が集中的に加熱されて
しまい、トーチの冷却性能を大幅に上げなければなら
ず、実用的でないことがわかった。
れる光が直接的に粉体噴出口近傍に当たらないようにす
るために、プラズマアークの出口より後方に粉体噴出口
を下げることにした。
は、プラズマトーチを用いてホワイトメタル粉末からな
る低融点金属粉末を溶融させて基材上に肉盛溶接する方
法を対象とする。
出口近傍で輻射熱により金属粉末が溶融しない位置まで
粉体噴出口をプラズマアークの出口より後方に下げたプ
ラズマトーチを用いる。そして、基材が鋼材であり、低
融点金属粉末としてホワイトメタル粉末を用いて、粉体
噴出口をプラズマアークの出口より1〜4mm下げ、粉体
噴出口の中心を通る中心線と前記プラズマアークの出口
の中心を通る中心線との間の角度を25〜37.5度と
する。そして、プラスマアークの出口と基材との間の距
離を15〜25mmとする。
ットルとして肉盛り溶接をするのが好ましい。
ークの出口の外側に配置した粉体噴出口からプラズマア
ークに向かって金属粉末を噴出させるプラズマトーチを
対象とする。本発明では、粉体噴出口近傍で輻射熱によ
り金属粉末が溶融しない位置まで粉体噴出口をプラズマ
アークの出口より後方に下げる。そして、粉体噴出口を
プラズマアークの出口より1〜4mm下げ、粉体噴出口の
中心を通る中心線と前記プラズマアークの出口の中心を
通る中心線との間の角度は、25〜37.5度とする。
末が溶融する主たる原因は、プラズマアークからラジア
ル方向に放射される光が直接的に粉体噴出口近傍に当た
ることであると考えられる。本発明のように、粉体噴出
口をプラズマアークの出口より後方に下げると、局部的
に加熱される部分を作ることなく、ラジアル方向に放射
される光が直接的に粉体噴出口近傍に当たる量を減少さ
せることができる。そこで粉体噴出口近傍で輻射熱によ
り金属粉末が溶融しない位置まで粉体噴出口をプラズマ
アークの出口より後方に下げると、ホワイトメタルの低
融点金属粉末を用いても、粉体噴出口近傍で粉体が溶融
または半溶融状態にならないため、粉体噴出口が溶融し
て凝固した金属によって塞がれることがなくなる。その
ため粉体プラズマアーク肉盛溶接により、低融点金属粉
末を用いて支障なく1層肉盛溶接を行うことができる。
また粉末の供給がスムーズに行われるため、連続的なア
ーク状態となり、正常なビード形状が得られるようにな
る。
ため、金属粉末の融点やアーク長との関係で粉体噴出口
をプラズマアークの出口よりどの程度下げればよいのか
は、一義的には定め難い。低融点金属粉末としてホワイ
トメタル粉末を用いるときには、プラズマアークの出口
と基材との間の距離即ちアーク長を15〜25mmとし、
粉体噴出口をプラズマアークの出口より1〜4mm下げる
ことにより、適当な溶接条件で1層肉盛溶接でもFe量
の希釈を小さくして溶込みの小さな肉盛溶接を行うこと
ができる。アーク長が15mmより小さくなると、基材か
ら反射して来る輻射熱の影響が大きくなり過ぎる。アー
ク長が25mmより大きくなると、アークの移行が不安定
になる。粉体噴出口をプラズマアークの出口から下げる
距離を1mmより小さくすると、プラズマアークからラジ
アル方向に放射される光が直接的に粉体噴出口近傍に当
たる量が増えて、粉体噴出口の詰まりが発生する。また
粉体噴出口をプラズマアークの出口から下げる距離を4
mmより大きくすると、粉体噴出口とプラズマアークとの
間の距離が長くなり過ぎて、金属粉末が飛び散り、肉盛
の厚み及び幅寸法を制御できなくなる。ちなみに高融点
の金属粉末を従来のプラズマトーチを用いて粉体プラズ
マアーク肉盛溶接法により肉盛溶接する場合の、平均的
なアーク長は10mm以下である。
ホワイトメタル粉末を用いるときには、溶接電流及び粉
体供給量は適宜に定めればよいが、プラズマガス量を特
定すると、良好な肉盛溶接を得ることができる。プラズ
マガス量は、溶け込み量に大きな影響を与える。また、
粉体噴出口の中心を通る中心線とプラズマアークの出口
の中心を通る中心線との間の角度θを25〜37.5度
に定めるので、良好な溶接結果を得ることができる。こ
の角度θは金属粉末のプラズマアークへの入射角とな
り、粉体噴出口の位置が一定であれば、この角度θが変
わることによって、金属粉末がプラズマアークに入る位
置が変わる。この角度θが大きくなるほど、金属粉末は
プラズマアークの上部(高温部)に入射することにな
り、低融点の金属を高温部に入射させると、基材に到達
する前に気化が発生する。またこの角度θが小さくなる
ほど、金属粉末はプラズマアークの下部(低温部)に入
射することになる。しかしながらこの角度θが小さくな
ると、粉体噴射口からプラズマアークまでの入射距離が
延びることになり、金属粉末の広がり大きくなって、金
属粉末の飛散量が増加する。ちなみに従来のプラズマト
ーチでは、この角度を45度にしている。
トルの範囲にすると1層肉盛溶接でもFe量の希釈を1
%以下にすることができる。ちなみに高融点の金属粉末
を従来のプラズマトーチを用いて粉体プラズマアーク肉
盛溶接法により肉盛溶接する場合の、平均的なプラズマ
ガス量は毎分5リットル程度である。
る。図1は本願発明のプラズマトーチの一実施例の要部
の部分断面図を示している。また図2には、本実施例で
用いるノズルの拡大断面図を示している。このプラズマ
トーチは、ノズル1の構成を除いては、従来のプラズマ
トーチと同じ構造を有している。ノズル1は、環状のベ
ース2と該ベースにろう付けされたオリフィス3とから
構成される。これらベース2とオリフィス3は、それぞ
れクロム銅等の銅合金を金属加工して形成されている。
2aが形成されており、この貫通孔2aの先端部には、
オリフィス3が嵌合されてろう付けされる段部2bが設
けられている。ベース1の下部には、段部2bの先端部
またはプラズマアークの出口即ちオリフィス3の出口3
aよりも後方(上方)に下がった位置に平坦面2cが形
成されている、またベース1の上部には、2本のシール
ド用Oリングが同心的に嵌合される2本の環状溝2d及
び2eが形成されている。これら2本の環状溝2d及び
2eの間には、トーチ本体4側から延びる第1及び第2
の粉末供給路5a及び5bと整合して連通する粉体噴射
路2f及び2gの入口部2f1 及び2g1 が形成されて
いる。粉体供給路5a及び5bは、銅合金製の導電部材
6内に形成され、図示しない粉体供給管に接続されてい
る。金属粉末は、キャリアガスによって搬送される。
心線L2 及びL3 がオリフィス3の軸線方向に延びる中
心線L1 と所定の角度θを成して交差するように傾斜し
て延びている。本実施例では、この所定の角度θを約3
0度としている。またオリフィス3の中心と粉体噴射路
2f及び2gの粉体噴出口2f2 及び2g2 の中心との
間の寸法Wは約13mmとしている。図5に示す従来のノ
ズルでは、角度θを約45度としており、寸法Wを7.
5mmとしている。尚ホワイトメタルのような低融点金属
粉末を供給する場合には、角度θを25度〜37.5度
の範囲内に定めるのが好ましいことが試験によって判っ
た。なお寸法Wは、選択した角度θに応じて適宜に定め
ればよい。
2 及び2g2 は、平坦面2cに開口している。その結
果、粉体噴出口2f2 及び2g2 は、オリフィス3の出
口3aより後方に下がって位置することになる。オリフ
ィス3の出口3aと平坦面2cとの間の距離Dが、いわ
ゆるセットバック距離と呼ぶものであり、本発明ではこ
のセットバック距離を粉体噴出口2f2 及び2g2 の近
傍で輻射熱により金属粉末が溶融しない距離に定める。
金属粉末としてホワイトメタルを用いる場合には、溶接
条件によっても異なってくるが、この距離Dを1〜4mm
に設定するのが好ましい。図1には示していないが、図
2に示すように、ベース2の下部には、治具セット用の
孔2h…が周方向に所定の間隔を開けて複数個設けられ
ている。
介して導電部材6に嵌合されて固定されている。導電部
材6の中央部には軸線方向に延びる貫通孔6aが形成さ
れており、この貫通孔6aにセラミック製のセンタリン
グ・ブッシュ7が嵌合されている。センタリング・ブッ
シュ7の内部には、タングステン電極8が挿入されてい
る。センタリング・ブッシュ7には、図示していない
が、プラズマガスをオリフィス3の内部に噴出するプラ
ズマガス噴出通路が形成されている。またベース2の貫
通孔2aとオリフィス3と導電部材6の貫通孔との間に
形成された冷却室内9には、導電部材6の内部に形成さ
れた冷却水供給路から冷却水が供給されている。冷却室
9に冷却水が供給される結果、ノズル1全体が冷却され
ている。大気から肉盛溶接金属部を保護するシールドガ
スは、ノズル1の外周を囲むように配置されたガスノズ
ル10から噴射される。なお図1には、ガスノズル10
のガス噴出口は図示していないが、シールドガスはオリ
フィス3から出るプラズマアークの周囲を囲むようにガ
スノズル10のガス噴出口から噴射される。図1におい
て、11a〜11eはオーリングである。
材)の上にホワイトメタルを肉盛溶接する場合には、基
本的には公知の粉体プラズマアーク肉盛溶接方法をその
まま実施すればよい。ただし、ホワイトメタルは低融点
であるため、溶接条件は高融点の粉末金属を肉盛する場
合と異なってくる。まずオリフィス3の出口3aと基材
12の表面との間のエクステンション距離即ちアーク長
Hは、15〜25mmの範囲内にするのが好ましい。そし
てセットバック距離Dは、1〜4mmとするのが好まし
い。
トンメタルを粉体プラズマアーク肉盛溶接方法により肉
盛溶接する場合の、溶接電流、プラズマガス量、ホワイ
トメタル粉末の送給量等についての条件を説明する。溶
接電流は、アーク長と粉体の供給量及びプラズマガスの
供給量に応じて定まるため、一概に範囲を特定すること
はできない。プラズマガス量は、毎分0.8〜1.3リ
ットルの範囲にするのが好ましい。これは毎分0.8リ
ットルより少なくすると、十分な溶け込み量が得られな
くなる問題が生じ、プラズマガス量が毎分1.3リット
ルより多くなると溶け込み量が多くなり過ぎて、Feの
希釈量が1%より多くなるからである。Feの希釈量が
大きくなってもよい用途では、プラズマガス量を更に増
やしてもよいのは勿論である。ホワイトメタル粉末の送
給量も、溶接電流、ウィービング速度、アーク長等の他
の因子との関係で定まることになるため、その範囲を特
定することはできない。ホワイトメタルを肉盛する場合
の、トーチのウィービング速度は任意である。
cまたは粉体噴出口2f2 及び2g2との間の距離D、
即ちセットバック距離を0〜5.0mmの範囲で変えた場
合の溶接作業性を調べるために行った試験の結果につい
て説明する。この試験では、図2に示した構造のプラズ
マトーチを用いて鋼材上に実際に粉体プラズマアーク肉
盛溶接方法を用いてホワイトメタルを肉盛溶接した。試
験に用いたホワイトメタルは、JISで規定されるSn
基ホワイトメタル[2種]で、その化学成分は、Sbが
9.1重量%、Cuが5.3重量%、Pbが0.01重
量%、Znが0.01重量%、Feが0.03重量%、
そして残部がSnであった。比較のために、図5に示す
従来のノズルを用いたプラズマトーチ(セットバック距
離0mm、θが45度、Wが7.5mm)についても同じ条
件で作業性を試験した。結果は、下記の表1に示す通り
である。下記の表には記載していないが、溶接速度は5
0mm/min であり、ウイービング幅は20mmであり、ウ
イービングの回数は30回/min であった。試験結果
は、表1に示す通りであった。
プラズマアーク肉盛溶接方法により肉盛溶接する場合に
は、セットバック距離を1〜4mmの範囲にするのが好ま
しい。セットバック位置0mm(プラズマアーク柱が発生
する面と粉末噴出口が同一レベル)では、粉の飛散は良
好であるが、粉づまりが著しくてビードが形成できなか
った。また0.5mmセットバックしても粉づまりが発生
した。1mmセットバックした場合には、長時間溶接する
と多少の粉づまりが発生するが、溶接が不可能になるよ
うな粉づまりは発生しなかった。またこの場合には、ビ
ード形状が多少悪くなるが、実用上は問題がなかった。
4mmセットバックした場合には、粉の飛散が発生し、ビ
ード形状が多少悪くなるが、実用上は問題がなかった。
セットバック位置1.5mm〜3.0mmのノズルでは、粉
づまりもなく安定したビード形状が得られ、問題がなか
った。しかしセットバック位置を5.0mmとした場合粉
づまりは発生しないが、粉の飛散が起こり、ビード形状
が悪くなった。溶接電流及びエクステンション距離を変
える場合でも、セットバック距離は1〜4mmの範囲にす
るのが好ましい。
接法と本発明のプラズマトーチを用いて粉体プラズマア
ーク肉盛溶接を行い、肉盛溶接部のFe量について調べ
た。その結果を表2に示す。
e量は4.8%であり、2層肉盛を行った場合の肉盛部
でFe量は0.3%であった。これに対して本発明の粉
体プラズマアーク肉盛溶接法では、1層肉盛を行った場
合の肉盛部のFe量はセットバック位置が2.0mm,
3.0mm,4.0mmとも0.5%で同じであった。しか
し、セットバック位置を2.0mmにしたノズルで電流値
を100A,120A,140Aと変化させた場合、1
層肉盛による肉盛部のFe量は電流値の上昇に伴い多く
なった。この結果から、肉盛部のFe量をできるだけ減
らすためには、できるだけ溶接電流を小さくするのが好
ましいことが判る。
に用いることができる他のノズルの変形例を示してい
る。図3のノズルでは、粉体噴射路2f及び2gの粉体
噴出口2f2 及び2g2 がオリフィス3の出口3aの径
方向外側に形成された凹部2i、2i(図2の凹部2h
に相当)内に開口している。これらの凹部2iの内壁部
は、粉体噴射路2f及び2gが延びる方向に同様にして
延びている。
向外側の壁部がオリフィス3の軸線方向に延びる中心線
L1 と平行に延びている点で図3のノズルと凹部2iの
形状が相違する。
熱により金属粉末が溶融しない位置まで粉体噴出口をオ
リフィスの出口より後方に下げたプラズマトーチを用い
るため、ホワイトメタルからなる低融点金属粉末を用い
ても、粉体噴出口近傍で粉体が溶融または半溶融状態に
ならないため、粉体噴出口が溶融して凝固した金属によ
って塞がれることがない。そのため粉体プラズマアーク
肉盛溶接により、低融点金属粉末を用いて支障なく1層
肉盛溶接を行うことができる利点がある。また粉末の供
給がスムーズに行われるため、連続的なアーク状態とな
り、正常なビード形状が得られる利点がある。
としてホワイトメタル粉末を用い、オリフィスの出口と
基材との間の距離を15〜25mmとし、粉体噴出口をオ
リフィスの出口より1〜4mm下げることにより、適当な
溶接条件で1層肉盛溶接でもFe量の希釈を小さくして
溶込みの小さな肉盛溶接を行うことができる利点があ
る。また、粉体噴出口の中心を通る中心線とプラズマア
ークの出口の中心を通る中心線との間の角度θを25〜
37.5度に定めるので、良好な溶接結果を得ることが
できる。
面図である。
面図である。
ノズルの変形例を示す断面図である。
ノズルの他の変形例を示す断面図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 プラズマトーチを用いてホワイトメタル
粉末からなる低融点金属粉末を溶融させて鋼材の基材上
に肉盛溶接する粉体プラズマアーク肉盛溶接方法であっ
て、 前記プラズマトーチとして、プラズマアークの出口の外
側に配置した粉体噴出口から前記プラズマアークに向か
って金属粉末を噴出させる構造を有し且つ前記粉体噴出
口近傍で輻射熱により前記金属粉末が溶融しない位置ま
で前記粉体噴出口が前記プラズマアークの出口より後方
に1〜4mm下がり、しかも前記粉体噴出口の中心を通る
中心線と前記プラズマアークの出口の中心を通る中心線
との間の角度が25〜35.25度になったプラズマト
ーチを用い、 前記プラズマアークの出口と前記基材との間の距離を1
5〜25mmとすることを特徴とする粉体プラズマアーク
肉盛溶接方法。 - 【請求項2】 プラズマガス量を毎分0.8〜1.3リ
ットルとすることを特徴とする請求項1に記載の粉体プ
ラズマアーク肉盛溶接方法。 - 【請求項3】 プラズマアークの出口の外側に配置した
粉体噴出口から前記プラズマアークに向かってホワイト
メタル粉末からなる低融点金属粉末を噴出させるプラズ
マトーチであって、 前記粉体噴出口近傍で輻射熱により前記金属粉末が溶融
しない位置まで前記粉体噴出口が前記プラズマアークの
出口より1〜4mm後方に下がって おり、前記粉体噴出口の中心を通る中心線と前記プラズマアー
クの中心を通る中心線との間の角度が25〜35.25
度であること特徴とするラズマトーチ。
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JP24241693A JP3457978B2 (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | 粉体プラズマアーク肉盛溶接方法及びプラズマトーチ |
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JPH0799097A JPH0799097A (ja) | 1995-04-11 |
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JP2006106159A (ja) * | 2004-10-01 | 2006-04-20 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 光走査装置 |
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