JP2559324B2 - 耐熱性セラミック材料 - Google Patents

耐熱性セラミック材料

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JP2559324B2
JP2559324B2 JP5035135A JP3513593A JP2559324B2 JP 2559324 B2 JP2559324 B2 JP 2559324B2 JP 5035135 A JP5035135 A JP 5035135A JP 3513593 A JP3513593 A JP 3513593A JP 2559324 B2 JP2559324 B2 JP 2559324B2
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實 亀間
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    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
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    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性セラミック材料に
関する。
【0002】
【従来技術及び問題点】セラミックスは金属に比べて高
温での耐熱性、断熱性に優れたものであり、近年高温で
の構造材料として開発が進められている。しかしながら
高温での使用に際しては、熱衝撃抵抗も重要な特性であ
り、熱衝撃抵抗を向上させるために、高温での強度、靭
性等を向上させることや熱伝導率、熱膨脹性等の改善を
行なうことなど試みられ、そのための手段として、セラ
ミックスの複合化、コーティング層の形成等の方法が検
討されている。
【0003】セラミックス材料を複合化する方法につい
ては、種々の材料で研究が進められているが、満足のい
く熱衝撃抵抗を得るには至っておらず、またプロセスが
複雑でコストが高くなるという難点もある。一方、セラ
ミック材料にコーティング層を形成する方法としては、
CVD、PVD、溶射法等の方法が検討されているが、
大型形状、複雑形状を有する材料については、コーティ
ング層を形成することが難しく、特に、CVD、PVD
法等の場合には、コーティング層が薄く、緻密質なため
熱衝撃抵抗の向上にあまり効果がなく、コストが高くつ
くといった難点がある。また、溶射法の場合には、CV
D、PVD法等に比べてコストは安価であるが、なお高
価であり、またコーティング層が焼結されているので母
材と熱膨脹差があると使用時に剥離が生じ易く、このた
め母材との密着性が悪く熱衝撃抵抗は必ずしも満足のい
くものではない。
【0004】
【問題点を解決するための技術】本発明者は上記した従
来技術の問題点に鑑みて耐熱衝撃抵抗の良好なセラミッ
クス材料を得るべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、
主としてα−Al2 3からなり、粒径、気孔率、気孔
径及び密度を特定範囲の値になるように制御したセラミ
ックスコーティング層は、セラミックス材料の耐熱衝撃
性を大きく向上させることができ、しかもこの様なコー
ティング層は、α−Al2 3 を含有するセラミックス
コーティング材料に被処理物をディッピングし、コーテ
ィング層を焼結させることなく、500℃以下の比較的
低温度で乾燥、脱水するという非常に簡単な方法で形成
できることを見出し、ここに本発明を完成するに至っ
た。
【0005】即ち、本発明は、主としてα−Al2 3
からなり、平均結晶粒径が0.2〜2.0μm、気孔率
が15〜40%、平均気孔径が0.01〜0.3μm、
かさ密度が2.3〜2.8g/cm3 であるセラミック
コーティング層を有する耐熱性セラミック材料に係る。
【0006】以下に、本発明耐熱性セラミック材料のセ
ラミックコーティング層が満足すべき要件について詳細
に説明する。
【0007】a)コーティング層は、主としてα−Al
2 3 からなること。
【0008】コーティング層は、主としてα−Al2
3 からなることが必要であり、α−Al2 3 は、コー
ティング層中に70重量%以上存在することが好まし
い。この様に、主としてα−Al2 3 からなるコーテ
ィング層は、α−Al2 3 が、化学的に安定で、耐蝕
性、耐熱性に優れているために、高い耐熱衝撃抵抗を有
するものとなる。Al2 3 以外の成分としては、S
i、Fe、Ti等の金属酸化物をAl2 3 に対して5
重量%程度以下、アルカリ金属酸化物をAl2 3に対
して0.2重量%程度以下含有してもよい。
【0009】また、コーティング層には、フッ化マグネ
シウム及びフッ化カルシウムの少なくとも一種を、好ま
しくは30重量%程度以下、より好ましくは5〜20重
量%程度含有させることができる。これらは、母材とコ
ーティング層との密着強度を高める効果があり、熱衝撃
によるコーティング層の剥離やクラックの発生抑制を防
止する働きをする。これらの添加量が30重量%を上回
ると気孔率、平均気孔径等が小さくなり、耐熱衝撃抵抗
の低下をきたすので好ましくない。
【0010】b)平均結晶粒径を0.2〜2.0μmと
する。
【0011】コーティング層における平均結晶粒径を
0.2〜2.0μmとすることによって、気孔率及び気
孔径を適度に調整することができ、母材との適切な密着
強度を付与することができる。平均結晶粒径が0.2μ
mを下回ると母材との密着強度は高くなるものの熱衝撃
によりコーティング層にクラック、剥離等が生じ、また
場合によっては母材に至るまで破壊が生じるので好まし
くない。一方、平均結晶粒径が2.0μmを上回ると母
材との密着強度が低下して剥離しやすくなり、耐熱衝撃
性が不十分となる。平均結晶粒径は、好ましくは0.2
〜1.0μmとする。
【0012】c)気孔率を15〜40%とする。
【0013】本発明において、気孔率、及び以下で述べ
る平均気孔径、かさ密度は水銀圧入法を用いたポロシメ
ーターにより測定したものである。気孔率を15〜40
%とすることによって、断熱性が良好になり、また熱伝
導速度が遅くなって、良好な熱衝撃抵抗を有するものと
なる。気孔率が15%未満の場合、コーティング層が緻
密になって母材とコーティング層との間に熱歪が大きく
発生し、コーティング層の剥離、クラックの発生等によ
り熱衝撃抵抗が低下するので好ましくない。気孔率が4
0%を上回ると、強度低下がおこり、また熱伝導速度の
遅延効果が少なくなり、やはり熱衝撃抵抗の低下をきた
すので好ましくない。気孔率は、好ましくは20〜30
%とする。
【0014】d)平均気孔径を0.01〜0.3μmと
する。
【0015】平均気孔径が0.01μmを下回ると、気
孔率が小さい場合と同様に熱衝撃抵抗の低下が起こる。
一方、平均気孔径が0.3μmを上回ると、コーティン
グ層の強度が低くなり、また母材とコーティング層との
密着性が悪くなり、熱衝撃抵抗向上の効果が少なくなる
ので好ましくない。平均気孔径は、好ましくは0.02
〜0.2μmとする。
【0016】e)かさ密度を2.3〜2.8g/cm3
とする。
【0017】かさ密度が2.3g/cm3 を下回ると気
孔率の増大を伴い、接着強度と熱衝撃抵抗が低下する。
また、かさ密度が2.8g/cm3 を上回るとコーティ
ング層が緻密となり母材との間の熱膨脹差による歪が大
きくなってコーティング層の剥離や崩壊につながるので
好ましくない。かさ密度は、好ましくは2.4〜2.7
g/cm3 とする。
【0018】本発明の耐熱性セラミックス材料では、コ
ーティング層の厚さは通常10μm程度以上とすること
が好ましい。また、最大厚さは母材が受ける熱衝撃の度
合により異なるが、通常3mm程度までとすることが好
ましい。
【0019】本発明の耐熱性セラミックス材料は、良好
な耐熱衝撃性を有するものであり、コーティング層を形
成すべき母材としては、溶融金属中への浸漬用セラミッ
クス、測温用保護管、鋳ぐるみ、溶鋼用酸素センサ等の
使用時に過酷な熱衝撃を受けるセラミックス材料が適当
であり、材質は特に限定されない。
【0020】本発明耐熱性セラミックス材料は、例えば
以下に示す方法で製造できる。
【0021】まず、Al2 3 原料に、バインダー及び
分散剤を添加し、水、エチルアルコール等の溶媒中で、
Al2 3 の平均結晶粒径が0.2〜2.0μm程度と
なるように、ポットミル、アトリッションミル等の粉砕
機を用いて湿式で粉砕、混合、分散してコーティング材
のスラリーを得る。Al2 3 原料としては、平均粒子
径0.2〜2μm程度で最密充填しやすい粒径分布を有
するものを用いることが好ましい。バインダーとして
は、通常の焼結体の製造に用いるものを使用でき、灰分
の少ないものが好ましい。バインダーの具体例として
は、ポリビニルアルコール(PVA)、ワックスエマル
ジョン、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙
げることができる。分散剤としては、スルホン酸アンモ
ニウム塩、ピロリン酸ソーダ等を使用できる。フッ化マ
グネシウム及びフッ化カルシウムの少なくとも一種を配
合する場合には、スラリーの調製の際に必要量を添加
し、粉砕、混合、分散を行なえばよい。スラリーの粘度
は、スラリー粒度とコーティング厚さに応じて20〜1
000cp程度の範囲に適宜調整する。粘度調整は、上
記した溶媒及び分散剤を適宜添加することによって行え
ばよい。
【0022】次いで、上記コーティング材料に、コーテ
ィング層を形成すべき母材を浸漬し、厚さ10μm〜3
mm程度となるようにコーティング材料を付着させる。
その後、水和物がない場合には、常温〜200℃程度で
乾燥し、水和物が形成されている場合には、これが脱水
分解する温度以上であって500℃程度以下の温度で乾
燥脱水することが好ましい。このようにして、本発明の
セラミックコーティング層を有する耐熱性セラミック材
料を得ることができる。
【0023】
【発明の効果】本発明の耐熱性セラミック材料では、セ
ラミックスコーティング層が母材の耐熱衝撃向上に有効
であり、しかも熱膨脹係数の異なる材料にコーティング
しても剥離や割れが生じにくい特徴がある。また、この
コーティング層は、湿式スラリー法により容易に任意の
厚さに形成でき、しかもコーティング材を焼結させるこ
となく、高強度を有するものとなるため、低コストであ
る。
【0024】
【実施例】
実施例1 平均粒子径0.5〜5.0μmの種々のα−Al2 3
粉末に、バインダーとしてワックスエマルジョンを固形
分100重量部に対して10重量部添加し、分散剤とし
てスルホン酸アンモニウム塩を固形分100重量部に対
して5重量部添加し、スラリー粘度が200cpとなる
ように水を添加して、Al2 3 製ポットミルとボール
を用いて粉砕・分散・混合し、コーティング用スラリー
を作製した。得られたスラリー中のα−Al2 3 粉末
の平均粒子径は表1に示す通りである。フッ化マグネシ
ウム又はフッ化カルシウムを添加する場合は、所定量の
原料を加えた後、上記した粉砕・分散・混合を行なっ
た。
【0025】このコーティング用スラリーに、4.5×
3.0×35mmの一端封管のZrO2 管(Mg−PS
Z)を浸漬し、厚さ80μmのコーティング層をZrO
2 管の外表面に形成し、150℃で乾燥した。形成され
たコーティング層のかさ密度、気孔率、平均気孔径、平
均粒径及び添加剤量を表1に示す。添加剤量は、コーテ
ィング層中の重量%で示す。この様にしてコーティング
層を形成したZrO2管について、一端封管側より20
mmの深さまで1600℃の溶鋼中に浸漬し、引き上げ
て母材及びコーティング膜の損傷程度を比較した。その
結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】損傷程度;○:母材、コーティング層共に
クラック及び剥離が認められない。
【0028】△:コーティング層にクラック又は剥離が
認められた。
【0029】×:母材にまでクラック及び破壊が認めら
れた。
【0030】No.1〜7の試料は、本発明のコーティ
ング層を形成した材料であり、溶鋼中に浸漬して引き上
げた場合にもZrO2 管の破壊は全く認められず、また
コーティング層にクラック、剥離等も全く認められなか
った。コーティングを行なわなかったZrO2 管(試料
No.8)は全て破壊した。No.9〜13の試料は、
本発明の要件を満足しないコーテイング層を形成した材
料であり、熱衝撃によりコーティング層にクラックなど
の損傷が認められ、また、熱衝撃によりZrO2 管に破
壊、クラックの発生等が認められたものもあった。
【0031】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−285885(JP,A) 特開 平4−280887(JP,A) 特開 昭60−156510(JP,A) 特開 平3−161162(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主としてα−Al2 3 からなり、平均結
    晶粒径が0.2〜2.0μm、気孔率が15〜40%、
    平均気孔径が0.01〜0.3μm、かさ密度が2.3
    〜2.8g/cm3 であるセラミックコーティング層を
    有する耐熱性セラミック材料。
  2. 【請求項2】セラミックコーティング層がフッ化マグネ
    シウム及び/又はフッ化カルシウムを30重量%以下含
    有するものである請求項1に記載の耐熱性セラミック材
    料。
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JP4724529B2 (ja) * 2005-10-21 2011-07-13 株式会社ニッカトー 分離膜用アルミナ質基体管及びその製造方法
JP4961506B1 (ja) * 2011-11-30 2012-06-27 株式会社ニッカトー コーティング層を有するジルコニア製酸素センサー素子

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