JP2559166B2 - ダイヤフラムの溶接方法 - Google Patents

ダイヤフラムの溶接方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、四角筒状の柱基材の両端部内仮付位置に仮
付けされたダイヤフラムの全周をそれぞれ溶接するダイ
ヤフラムの溶接方法に関する。住宅ユニットの骨組みを
構成する柱の製造に利用できる。
〔背景技術〕
ユニット住宅を構成する住宅ユニットの骨組みは、四
角筒状の柱の両端部に梁を溶接して構成される。柱の両
端部に梁を溶接する場合、梁が溶接される柱端部の強度
を高めるために、柱の両端部内にダイヤフラムを溶接す
ることが行われている。
通常、柱の両端部内にダイヤフラムを溶接する場合、
予め、柱の両端部側のダイヤフラム仮付位置にダイヤフ
ラム仮付孔を穿孔しておき、その柱の両端部内仮付位置
にダイヤフラムをセットし、この状態において、ダイヤ
フラムの複数個所を仮付け溶接した後、ダイヤフラムの
全周を溶接ロボットなどで溶接する作業手順が採られ
る。
ところで、ダイヤフラムの全周を溶接ロボットで溶接
するに際して、溶接条件から溶接ロボットの溶接ヘッド
を常に下向きにした状態で溶接作業を行うことが好まし
い。しかし、柱を水平な姿勢(柱の1外側面が水平な姿
勢)に位置決めした状態では、ダイヤフラムが垂直な姿
勢にセットされるため、ダイヤフラムの4つの溶接面全
てについて溶接ヘッドを常に下向きにした状態で溶接す
ることはできない。
そこで、従来では、ダイヤフラムの外周と柱の内周と
が接する4つの面のうち、まず、下側に位置する面を溶
接した後、柱をその軸線を中心として90度回転させて次
に下側に位置する面を溶接し、順次、下側に位置する面
を溶接して4つの面を全て溶接するようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、従来のような溶接方法では、ダイヤフラム
の外周と柱の内周とが接する4つの面のうち、まず、下
側に位置する面を溶接した後、柱をその軸線を中心とし
て90度回転させて次に下側に位置する面を溶接するとい
う作業手順をとらなければならないから、つまり、溶接
作業が間欠的にならざるを得ないから、作業能率が悪い
という欠点がある。
しかも、柱を90度ずつ正確に回転させるための装置の
ほかに、柱を90度ずつ回転させる都度、その柱を位置決
めするための機構が必要であるから、装置が複雑化する
という欠点もある。
ここに、本発明の目的は、このような従来の欠点を解
消し、四角筒状の柱基材の両端部内仮付位置に仮付けさ
れたダイヤフラムの全周を能率的に、かつ、安定した品
質で溶接することができるダイヤフラムの溶接方法を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
そのため、本発明のダイヤフラムの溶接方法は、四角
筒状の柱基材の両端部内仮付位置に仮付けされたダイヤ
フラムの全周を柱基材にそれぞれ溶接するダイヤフラム
の溶接方法であって、前記柱基材をその一端部側を上方
にして起立させ、この状態においてその一端部上方位置
に設置した溶接ロボットによりダイヤフラムの全周を柱
基材に溶接し、ついで、柱基材を倒伏させた後、その柱
基材の軸線および前記起立方向に対して直交する方向へ
搬送し、ついで、柱基材をその他端部側を上方にして起
立させ、この状態においてその他端部上方位置に設置し
た溶接ロボットによりダイヤフラムの全周を柱基材に溶
接する、ことを特徴とする。
〔作 用〕
従って、柱基材の一端部側を上方にして起立させ、こ
の状態において、その一端部上方位置に設置した溶接ロ
ボットにより柱基材の一端部側のダイヤフラムを溶接し
た後、柱基材を倒伏させ、続いて、その柱基材の軸線お
よび前記起立方向に対して直交する方向へ搬送した後、
柱基材を他端部側を上方にして起立させ、この状態にお
いて、その他端部上方位置に設置した溶接ロボットによ
り柱基材の他端部側のダイヤフラムを溶接するようにし
ているから、柱基材の両端部側に仮付けされた2つのダ
イヤフラムを連続的にかつ能率的に溶接することができ
る。しかも、溶接作業を上方から下向きに行えるので、
品質的にも安定しダイヤフラムを柱基材に強固に溶接す
ることができる。
このことは、搬送方向の前後の各溶接位置に設置した
2台の溶接ロボットを遊びなく活用できる。つまり、後
段の溶接ロボットが溶接作業を行っているときには、前
段の溶接ロボットは次に搬入された柱基材の溶接作業を
行えるから、溶接作業を能率的に進めることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は、第2図に示す天井パネル1、床パネル2お
よび2個の妻パネル3,4によって組み立てられる住宅ユ
ニット5(第3図参照)の生産工程を示すブロック図で
ある。
天井パネル1は、長辺梁生産ライン21で生産された長
辺梁11を天井パネル生産ライン22に搬入し、この生産ラ
イン22において、2本の長辺梁11を平行に配置し、その
間に野縁12を連結し、かつ、天井用面材13を取り付ける
ことにより作られる。
床パネル2は、長辺梁生産ライン21で生産された長辺
梁11を床パネル生産ライン23に搬入し、この生産ライン
23において、2本の長辺梁11を平行に配置し、その間に
根太(図示省略)を連結し、かつ、床用面材14を取り付
けることにより作られる。
妻パネル3,4は、柱生産ライン24で生産された柱15お
よび短辺梁生産ライン25で生産された短辺梁16をそれぞ
れ妻パネル生産ライン26に搬入し、この生産ライン26に
おいて、2本の柱15を平行に配置し、その両端部間に短
辺梁16を連結することにより作られる。なお、柱15の両
端部には、短辺梁16と直角方向に仕口17が取り付けられ
る。
これらの天井パネル1、床パネル2および妻パネル3,
4は、それぞれ総組みライン27へ搬入され、この総組み
ライン27において、上下に平行に配置された天井パネル
1および床パネル2の両側に妻パネル3,4が配置され、
それぞれの仕口17が天井パネル1および床パネル2の各
長辺梁11の両端部に嵌合した状態で溶接されることによ
り住宅ユニット5(第3図参照)が組み立てられる。
住宅ユニット5は、外壁パネル取付ライン28へ送ら
れ、そこで、外面の所定位置に外壁パネルが取り付けら
れた後、続いて、造作・設備取付ライン29へ送られ、そ
こで、内部の所定位置に階段ユニット、キッチンユニッ
ト、バスユニットなどが取り付けられて完成される。な
お、完成した複数の住宅ユニット5をトラックなどで建
築現場に輸送し、そこで、これらを組み合わせればユニ
ット住宅を建てることができる。
第4図は前記柱生産ライン24の詳細工程を示すブロッ
ク図、第5図はそれによって生産される柱15の詳細斜視
図である。ストック工程41にストックされた四角筒状の
複数本の柱基材31は、1本ずつ第1の搬送コンベア42に
搬入される。そこで、まず、切断工程43で住宅ユニット
5の各モジュールに対応した長さ寸法に切断され、続い
て、穿孔工程44で柱基材31の両端部側に3つのダイヤフ
ラム仮付孔32が穿孔される。なお、この穿孔工程44にお
いて、柱基材31の上端部側には、軒先ユニット取付用の
2つの破風孔33が穿孔される。
次に、第2の搬送コンベア45に搬入される。そこで、
まず、ダイヤフラム仮付工程46で柱基材31の両端部内仮
付位置にダイヤフラム34がそれぞれ仮付けされ、続い
て、板厚検出工程47で柱基材31の板厚が検出される。そ
の後、ダイヤフラム本付工程48で柱基材31の両端部内仮
付位置に仮付けされたダイヤフラム34の全周がそれぞれ
溶接される。
次に、第3の搬送コンベア49によってエンドプレート
仮付工程50に搬入され、柱基材31の両端面にエンドプレ
ート35が仮付けされた後、第4の搬送コンベア51に搬入
される。そこで、まず、エンドプレート本付工程52でエ
ンドプレート35の全周が溶接され、続いて、サンディン
グ工程53でエンドプレート35の4つの溶接面のうち2面
(仕口17および短辺梁16が取り付けられる2面)のサン
ディングが行われる。
次に、第5の搬送コンベア54に搬入される。そこで、
まず、仕口仮付工程55で柱基材31の両端部に仕口17が仮
付けされ、続いて、仕口本付工程56で仕口17の全周が溶
接される。このようにして生産された柱15は、次工程の
妻パネル生産ライン26へ送られる。
第6図は前記ダイヤフラム本付工程48における溶接手
順を示している。前記第2の搬送コンベア45によって水
平な姿勢のまま長手方向へ搬送されてきた柱基材31は、
向きを変えることなく搬送コンベア45の搬送方向に対し
て直角方向へ搬送されながら第1の溶接位置WP1で停止
される。
ここで、柱基材31を一端部側を上方にして略垂直状態
まで起立させ、この状態において、その端部上方より溶
接ロボット120の溶接ヘッドを挿入し、一端部側(上端
部側)のダイヤフラム34の全周を柱基材31に連続的に溶
接する。
この後、柱基材31は、水平状態まで倒伏された後、水
平状態のまま前方、つまり水平状態にある柱基材31の軸
線および前記起立方向に対してそれぞれ直交する方向へ
搬送されながら第2の溶接位置WP2で停止される。
ここで、柱基材31を他端部側を上方にして略垂直状態
まで起立させ、この状態において、その端部上方より溶
接ロボット120の溶接ヘッドを挿入し、他端部側(上端
部側)のダイヤフラム34の全周を柱基材31に連続的に溶
接する。この後、柱基材31は、水平状態まで倒伏され、
続いて、水平状態のまま前方へ搬送された後、第3の搬
送コンベア49によって次工程のエンドプレート仮付工程
50へ搬入される。
第7図は前記第1および第2の溶接位置WP1,WP2の各
位置に設置される溶接ロボット120および起伏装置121の
詳細構造を示している。同起伏装置121は、図示しない
ベースに水平に支持された軸122と、この軸122に起伏可
能に設けられかつ起伏支柱124を有する起伏ベース123
と、ピストンロッドを前記起伏ベース123に連結しその
起伏ベース123を起伏させるシリンダ125と、前記起伏支
柱124に平行に取り付けられ柱基材31の上面側に当接さ
れる当接支柱126と、柱基材31を当接支柱126に当接させ
た状態でクランプするクランプ機構127とから構成され
ている。
いま、起伏支柱124が起立した状態において、柱基材3
1が各溶接位置WP1,WP2まで搬入されてきたとき、シリン
ダ125の駆動によって起伏支柱124を倒伏させると、当接
支柱126が柱基材31の上外側面に当接される。ここで、
クランプ機構127によって柱基材31をクランプさせた
後、シリンダ125の駆動によって起伏支柱124を起立させ
れば、起伏支柱124とともに柱基材31が起立された状態
となるため、その柱基材31の上端部側より溶接ロボット
120の溶接ヘッドを挿入してダイヤフラム34の全周を連
続的に溶接することができる。
従って、本実施例によれば、搬送されてきた柱基材31
を一端部側を上方にして略垂直状態まで起立させ、この
状態において、その一端部上方より溶接ロボット120の
溶接ヘッドを挿入してダイヤフラム34の全周を柱基材31
に溶接するようにしたので、ダイヤフラム34の全周を連
続的に溶接することができる。よって、溶接作業を能率
的に行うことができる。しかも、このとき、溶接ロボッ
ト120の溶接ヘッドを常に下向きにした状態で溶接作業
を行うことができるので、品質的にも安定しダイヤフラ
ム34を柱基材31に強固に溶接することができる。
また、柱基材31の一端部側のダイヤフラム34を溶接し
た後、柱基材31を水平状態まで倒伏させ、続いて、前方
へ搬送した後、柱基材31を他端部側を上方にして略垂直
状態まで起立させ、この状態において、その他端部上方
より溶接ロボット120の溶接ヘッドを挿入してダイヤフ
ラム34の全周を柱基材31に溶接するようにしたので、柱
基材31の両端部側に仮付けされた2つのダイヤフラム34
を連続的にかつ能率的に溶接することができる。
このことは、各溶接位置WP1,WP2に設置された2台の
溶接ロボット120を遊びなく活用できる。つまり、溶接
位置WP2の溶接ロボット120が溶接作業を行っているとき
には、溶接位置WP1の溶接ロボット120は次に搬入された
柱基材31の溶接作業を行えるので、溶接ロボット120の
遊びがなく溶接作業を能率的に進めることができる。
なお、上記実施例では、柱基材31を垂直状態に起立さ
せた状態で溶接作業を行うようにしたが、溶接ロボット
120による溶接作業が常に下向きになる角度であれば、
必ずしも垂直に限られるものではない。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明によれば、柱基材の両端部内仮付
位置に仮付けされたダイヤフラムの全周を能率的に、か
つ、安定した品質で溶接することができる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施例を示すもので、第1図は住宅ユニ
ットの生産工程を示すブロック図、第2図は住宅ユニッ
トの分解斜視図、第3図は住宅ユニットの組立斜視図、
第4図は柱生産ラインの詳細工程を示すブロック図、第
5図は第4図の柱生産ラインによって生産される柱を示
す斜視図、第6図はダイヤフラム本付工程における作業
順序を示す図、第7図は起伏装置および溶接ロボットを
示す図である。 31……柱基材、32……ダイヤフラム仮付孔、34……ダイ
ヤフラム、120……溶接ロボット、121……起伏装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四角筒状の柱基材の両端部内仮付位置に仮
    付けされたダイヤフラムの全周を柱基材にそれぞれ溶接
    するダイヤフラムの溶接方法であって、 前記柱基材をその一端部側を上方にして起立させ、この
    状態においてその一端部上方位置に設置した溶接ロボッ
    トによりダイヤフラムの全周を柱基材に溶接し、 ついで、柱基材を倒伏させた後、その柱基材の軸線およ
    び前記起立方向に対して直交する方向へ搬送し、 ついで、柱基材をその他端部側を上方にして起立させ、
    この状態においてその他端部上方位置に設置した溶接ロ
    ボットによりダイヤフラムの全周を柱基材に溶接する、 ことを特徴とするダイヤフラムの溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS529537A (en) * 1975-07-11 1977-01-25 Sekiden Kaihatsu Shoji Kk Hanger
JPS6453778A (en) * 1987-08-25 1989-03-01 Nakajima Kokan Kk Method and device for welding inner diaphragm of steel pipe

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