JP2558897B2 - 自動放電加工装置 - Google Patents

自動放電加工装置

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JP2558897B2
JP2558897B2 JP1302026A JP30202689A JP2558897B2 JP 2558897 B2 JP2558897 B2 JP 2558897B2 JP 1302026 A JP1302026 A JP 1302026A JP 30202689 A JP30202689 A JP 30202689A JP 2558897 B2 JP2558897 B2 JP 2558897B2
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晴美 渡邉
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、例えば荒加工から仕上げ加工まで自動的に
行なう自動放電加工装置に関する。
(従来の技術) 例えば放電加工にはワイヤ放電加工や形彫り放電加工
などがあるが、このうち例えばワイヤ放電加工について
説明すると、これは被加工物に対してワイヤ電極を所定
間隔おいて配置してこれら被加工物及びワイヤ電極を加
工槽の中に浸透し、この状態に被加工物とワイヤ電極と
の間に直流電圧を印加する。そして、例えばワイヤ電極
を被加工物に接近させてそのギャップ量が所定量になる
とワイヤ電極と被加工物との間にパルス放電が発生す
る。しかるに、このパルス放電によるエネルギによって
被加工物は加工される。
ところで、かかる放電加工は先ず荒加工が行なわれ、
次に仕上げ加工が数回行なわれる。そして、これら加工
が行なわれる毎に放電エネルギなどが新たに設定され
る。
このため、被加工物への加工が所定の精度に達するま
でに数回加工を繰返すので、その都度放電エネルギを設
定変更しなければならず大変繁雑であった。
(発明が解決しようとする課題) 以上のように放電加工の毎に放電エネルギなどを設定
変更しなければならず、放電加工が大変繁雑なものであ
った。
そこで本発明は、荒加工から仕上げ加工終了まで自動
的に、かつ、高精度・高能率で放電加工を行なうことが
できる自動放電加工装置を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、下記構成(イ)〜(チ)を具備し、被加工
物とワイヤ放電電極との間に周期的に放電電圧を印加し
て前記被加工物を放電加工する自動放電加工装置であ
る。
(イ)前記被加工物を荒加工から仕上げ加工に至るまで
複数回のステップで放電加工する際の前記各ステップご
との放電加工条件が格納された加工条件格納手段。
(ロ)前記加工条件格納手段に格納された放電加工条件
に基づいて放電を制御する放電制御手段。
(ハ)前記放電制御手段により放電制御されているとき
の前記被加工物と前記ワイヤ放電電極との間の放電電圧
及び放電電流を検出する検出器。
(ニ)前記検出器からの放電電圧検出信号及び放電電流
検出信号を所定の信号採取期間にわたってディジタル変
換して取り込む信号採取手段。
(ホ)前記信号採取手段で採取された放電電圧検出信号
及び放電電流検出信号に基づいて放電発生ごとの放電デ
ータを作成する放電データ作成手段。
(ヘ)前記放電データ作成手段で作成された放電データ
をあらかじめ設定されている放電限界値と比較し、この
比較結果に基づいて異常放電データを検出するとともに
異常放電データを除外した放電電圧データについてヒス
トグラムを作成し、作成したヒストグラムの頻度分布に
基づいて正常放電データ及び前記正常放電データの低値
側にて異なる分布モードを呈する過渡的放電データとに
分類する放電分類手段。
(ト)前記放電分類手段により分類された放電データに
基づいて加工状態を評価する加工状態評価手段。
(チ)前記加工状態評価手段により評価された加工状態
に基づいて前記加工条件格納手段に格納されている次の
ステップの放電加工条件を変更する加工進行変更手段。
(作用) このような手段を備えたことにより、被加工物と放電
電極との間に加わる放電電圧及びこれら被加工物と放電
電極との間に流れる放電電流が検出器により検出される
と、これら放電電圧及び放電電流により分析評価手段は
放電パルス間隔などから成る放電データを求め、この放
電データから前記被加工物の加工状態を分析評価する。
そして、この分析評価結果に応じて加工進行変更手段は
被加工物と放電電極との間に供給される放電エネルギな
どの加工条件を加工進行に伴う加工荒さに応じた値に順
次変更する。
(実施例) 以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明
する。
第1図はワイヤ加工放電に適用した自動放電加工装置
の全体構成図である。加工槽1の内部には被加工物2が
浸透されている。この被加工物2には所定間隔をおいて
ワイヤ電極3が配置されている。なお、このワイヤ電極
3は上部ワイヤガイド体4及び図示しない下部ワイヤガ
イド体により支持されている。これら被加工物2とワイ
ヤ電極3との間には放電制御回路5を介して直流電源6
が接続されて放電回路を形成している。この場合、直流
電源6は正極を被加工物2に接続している。かかる放電
回路には電圧検出器7が直流電源6に対して並列接続さ
れるとともに電流検出器8が直流電源6には対して直列
接続されている。
一方、10は放電加工装置本体であって、この放電加工
装置本体10には各アッテネータ(ATT)11,12が備えら
れ、一方のアッテネータ11には電圧検出器7が接続され
るとともに他方のアッテネータ12に電流検出器8が接続
されている。これらアッテネータ11,12にはそれぞれメ
モリが内蔵された各A/D(アナログ/ディジタル)変換
器13,14が接続され、これらA/D変換器13,14はバス15を
介してCPU(中央処理装置)16に接続されている。このC
PU16にはバス15を介してタイミングコントローラ17、RA
M(ランダム・アクセス・メモリ)18、ROM(リード・オ
ンリ・メモリ)19、表示駆動部20、プリンタ駆動部21、
キーボードなどの入力操作部22及び出力部23が接続され
ている。タイミングコントローラ17はA/D変換器13,14に
おける信号取込みタイミングを制御ものである。又、表
示駆動部20にはCRTディスプレイなどの表示装置24が接
続されており、プリンタ駆動部21にはプリンタ25が接続
されている。
ROM19には、タイミングコントローラ17でのA/D変換器
13,14に対する信号採取タイミングプログラムが記憶さ
れている。しかるに、この信号採取タイミングプログラ
ムにより各A/D変換器13,14は一定間隔ΔH毎の信号採取
期間に例えばx ns毎に同時に電圧検出信号、電流検出信
号をそれぞれ8ビットにディジタル変換して1回の信号
採取期間で例えば1024〜65536 Bのデータを採取するも
のとなる。しかるに、各A/D変換器13,14、CPU16、タイ
ミングコントローラ17及びROM19により信号採取手段が
構成されている。
また、ROM19には、前記信号採取タイミングプログラ
ムとともに、放電加工状態を解析して評価する分析評価
プログラム及び加工進行変更プログラムが格納されてい
る。しかして、これら各プログラムを実行するために、
CPU16は、第2図に示すように、信号採取手段16−1、
分析評価手段16−2及び加工進行変更手段16−3を有し
ている。さらに、分析評価手段16−2は、放電データ作
成手段16a、放電分類手段16b及び加工状態評価手段16c
を有している。
分析評価手段16−2は、電圧検出器7及び電流検出器
8でそれぞれ検出された放電電圧及び放電電流により放
電パルス間隔などから成る放電データDを求め、この放
電データDから被加工物の加工状態を分析評価する機能
を有するものである。具体的には放電データ作成手段16
a、放電分類手段16b、ヒストグラム作成手段16c及び解
析算出手段16dの各機能から成っている。
放電データ作成手段16aは、信号採取手段で採取され
たディジタル電圧検出信号及びディジタル電流検出信号
から各放電における放電電圧や放電電流などのパラメー
タから成る放電データDを作成する機能を有するもので
ある。
又、放電分類手段16bは上記放電データDのうち放電
電圧値から放電を異常放電、過渡的な放電及び正常放電
の3つに分類する機能を有するものである。ここで、異
常放電は、アーク放電パルス及び短絡であり、過渡的な
放電は、被加工物2とワイヤ電極3との間にかなりの加
工屑が存在する状態に発生するものである。正常放電は
被加工物2とワイヤ電極3との間に加工層が存在しない
状態に発生したものである。
ヒストグラム作成手段16cは放電データDにおける各
放電の放電電圧や放電電流、放電エネルギなどの各ヒス
トグラムを作成し、例えば放電エネルギのヒストグラム
からその最頻値を求める機能を有するものであり、解析
算出手段16dは上記放電データDや各ヒストグラムから
求められた最頻値から放電加工の効率や安定度、表面あ
らさなどを算出する機能を有するものである。
加工進行変更手段16−3は分析評価手段16−2の分析
評価結果に応じて被加工物2とワイヤ電極3との間に供
給される放電エネルキなどを加工進行に伴う加工荒さに
応じた値に順次変更する機能を有するものである。
RAM18には加工進行変更手段16−3を実行するための
第3図及び第4図に示す加工荒さに応じた各放電エネル
ギ値及びパルス発生数が記憶されている。第3図におい
て荒加工時の加工エネルギはE1であることを示し、続い
て仕上加工1回目の加工エネルギはE2、2回目の加工エ
ネルギはE3,…であることを示している。又第4図にお
いて荒加工時のパルス発生数はT1であることを示し、続
いて仕上加工1回目のパルス発生数はT2、2回目のパル
ス発生数はT3…であることを示している。
さらにRAM18には放電加工における速度等の加工条件
を向上させるための放電パルス幅等の各パラメータが記
憶されている。ここで、パラメータにはパルス幅La、パ
ルス間隔Lb、放電電流Ld、放電電圧Le、異常検出レベル
Lfが設定されており、又加工条件には速度向上、あらさ
向上、さらには精度向上が設定されている。
しかるに上記加工進行変更手段16−3は、分析評価結
果から被加工物2の加工状態の良否に応じて加工条件を
変更する機能を有している。例えば速度向上であれば放
電制御回路5に制御指令を発してパルス幅Laを広くし、
パルス間隔Lbを狭くし、さらに放電電流Ldを増加させる
とともに放電電圧Leを高くし、かつ異常検出レベルLf
低下させる機能を有している。
次に上記の如く構成された装置の作用について第5図
に示す自動放電加工流れ図に従って説明する。
放電加工開始の前に放電加工の形状データ及びその加
工精度が入力操作部22から入力されると、CPU16はステ
ップS1において形状データ及び加工精度を取込んでRAM1
8に記憶する。
次に入力操作部22から放電加工開始の指示が入力され
ると、CPU16はステップS3においてRAM18に記憶されてい
る荒加工における加工エネルギE1及びパルス発生数T1
読み出して設定する。
この状態にCPU16から出力部23を通して放電制御回路
5に加工エネルギE1及びパルス発生数T1の指令が送られ
ると、被加工物2とワイヤ電極3との間に直流電源6か
ら放電制御回路5を通して直流電圧が印加され、この状
態に被加工物2とワイヤ電極3とのギャップ量が所定量
となると、被加工物2とワイヤ電極3との間にパルス放
電が発生し、このパルス放電のエネルギにより被加工物
2は加工される。
この状態に電圧検出器7は被加工物2とワイヤ電極3
との間のパルス放電電圧を検出してその電圧検出信号を
出力し、又電流検出器8は被加工物2からワイヤ電極3
に流れたパルス放電電流を検出してその電流検出信号を
出力する。これら電圧検出信号及び電流検出信号はそれ
ぞれアッテネータ11,12で処理しやすいレベルに減衰さ
れてA/D変換器13,14に入力する。このとき、各A/D変換
器13,14は共にタイミングコントローラ17により制御さ
れてそれぞれ電圧検出信号、電流検出信号をディジタル
変換して取込む。つまり、各A/D変換器13,14は第6図に
示すように一定間隔ΔH周期ごとの各信号採取期間H1
E2…においてそれぞれ例えばx ns毎に同時に電圧検出信
号、電流検出信号をそれぞれ8ビットにディジタル変換
して取込む。これにより、1回の信号採取期間例えば信
号採取期間H1において例えば1024〜65536 Bのデータが
取込まれる。このように1回の信号採取期間で取込んだ
ディジタル電圧検出信号及びディジタル電流信号にはそ
れぞれ各A/D変換器13,14内のメモリに一次記憶され、各
信号採取期間H1,H2…の経過の後にCPU16によってRAM18
に移されて記憶される。
このようにディジタル電圧検出信号及びディジタル電
流信号が取込まれてRAM18に記憶され、例えば10回の信
号採取期間が終了すると、CPU16はステップS4に移って
分析評価を行なう。以下、この分析評価について説明す
る。放電データ作成手段16aは各ディジタル電圧検出信
号及びディジタル電流信号からそれぞれ第7図に示すよ
うに放電電圧及び放電電流の各波形を求め、これら波形
から放電発生の順番に発生番号「1」「2」…「N」た
だし、電圧を印加しても被加工物2とワイヤ電極3との
間に放電が発生せず、放電電流が全く流れない無放電の
場合は、発生番号を付さない。つまり、番号を付すのは
あくまでも放電が発生した場合のみである。そして、放
電データ作成手段16aは、これら波形から各放電におけ
る放電開始a1,a2…anや放電終了b1,b2…bn、放電電圧c
1,c2,cn、電流ピーク値d1,d2…dn、電流パルス幅e1,e2
…en、放電エネルギf1,f2…fn、パルス間隔g1,g2,…gn
などの各パラメータから成る放電データDを求め、この
放電データDをRAM18にテーブル化して記憶する。
このように放電データDが求められるとCPU16は加工
状態を判定する。この場合、CPU16はRAM18に記憶された
ディジタル電流検出信号から電流ピーク値d1を読み出
し、この電流ピーク値d1と予め設定されたしきい値とを
比較する。この比較により、電流ピーク値d1がしきい値
よりも大きければ、CPU16は現在行なわれている放電加
工が荒加工であると判断し、又電流ピーク値d1がしきい
値よりも小さければ、CPU16は放電加工が仕上げ加工で
あると判断する。
次に放電分類手段16bは予め設定された放電限界電圧
と各放電電圧c1,c2…cnとを比較して放電限界電圧より
もレベルが低い放電電圧例えばc2を異常放電であるアー
ク放電パルス及び短絡として検出する。このように異常
放電が検出されると、この異常放電c2の発生番号「2」
の放電開始a2や放電終了b2、放電電圧c2、電流ピーク値
d2の各データがテーブルから抹消される。なお、この場
合、発生番号「2」はRAM18に形成された異常放電のテ
ーブルに移される。
次に放電分類手段16bは異常放電が抹消された放電デ
ータDから放電電圧c1,c3,c4…cn−1,cnを抽出して第8
図に示す放電電圧のヒストグラムを作成する。このよう
にして作成されたヒストグラムには2つのヒストグラム
群Q1,Q2が現れる。ここで、ヒストグラム群Q1は被加工
物2とワイヤ電極3との間が加工液の流れにより十分に
清浄化されて加工屑が取り去られた状態における放電電
圧を示しており、この状態で放電電圧がヒストグラム群
Q1を示すのは被加工物2とワイヤ電極3との間の僅かな
残留加工屑により放電抵抗値の変動やワイヤ電極3の振
動等による被加工物2とワイヤ電極3との間のギャップ
量の変化によってばらつくことに起因する。一方、ヒス
トグラム群Q2は被加工物2とワイヤ電極3との間にかな
りの加工屑が残り、この加工屑によってギャップ間の抵
抗値が小さくなって放電電圧が低くても放電が生じてい
る過渡的な放電を示している。しかるに、放電分類手段
16bはヒストグラム群Q1を正常放電とするとともにヒス
トグラム群Q2を過渡的な放電として分類する。
そうして、加工状態評価手段16cは、正常放電の電流
パルス幅e1,e2,e3,e4……enの合計期間Etを求めるとと
もに、12回の信号採取期間の合計期間H1+H2+H12を求
め、これら合計期間の比、つまり放電電流波形のデュー
ティ比Qを効率として算出する。
Q=Et/(H1+H2+…+H12) …(1) このように効率Qが算出されると、解析算出手段16dは
効率Qを表示駆動部20に送って表示装置24に表示させ
る。第9図は効率Qの表示例であって、バー表示されて
いる。
又、加工状態評価手段16cは異常放電の発生数Naと過
渡的な放電の発生数Ntとを求め、これら発生数の全放電
発生数Nに対する割合を安定度Seとして算出する。すな
わち、 Se=(Na+Nt)/N …(2) である。ところで、この安定度Seは被加工物2とワイヤ
電極3とが接近し過ぎているかをも表している。すなわ
ち、例えば加工層が無い状態で被加工物2とワイヤ電極
3とが接近し過ぎていると、被加工物2とワイヤ電極3
との間の抵抗値が小さくなって上記異常放電及び過渡的
な放電が発生するからである。そして、加工状態評価手
段16cは安定度Seを表示駆動部20に送って表示装置24に
バー表示する。この場合、安定度Seの表示は第9図に示
すように低率、良好及び不安定(危険)の3つの度合い
に分けられている。
次に、加工状態評価手段16cにては、RAM18に格納され
ている放電エネルギーf1,f2…fnに基づいて、ヒストグ
ラムを求め、求めたヒストグラムから最頻値の放電エネ
ルギEを求める。そして、求めた放電エネルギーEと表
面粗さRmが比例関係にあることにより次式(3)を用い
て算出する。
Rm=β・E ……(3) ここで、βは、比例定数で、被加工物の材質や放電加工
条件により決定され、実験的に求める。
しかして、算出した表面粗さRmは、表示装置24にて表
示する。また、加工状態評価手段16cは、上記12回の信
号採取期間H1,H2…における正常放電の電流パルス幅の
合計期間Etと、信号採取期間H1,H2…の合計期間H0との
比、つまり正常放電のパルス発生間隔Qtを次式(4)を
用いて算出する。
Qt=H0/Et ……(4) 続いて、ギャップ量Fを次式(5)を用いて算出す
る。
F=a・W・f(E,V,発生数)/Qt ……(5) ここで、aは実験的に求められる定数である。また、
Wは、グラフィック出力時の描画定数(ドット数)であ
る。また、f(E,V,発生数)は、E(1放電パルスに要
する加工エネルギで、1放電パルス期間中における放電
電圧と放電電流の積の積分値)及びV(放電電圧)及び
“発生数”(全信号採取期間における、正常放電データ
数と過渡的放電データ数との和)により決定される関数
である。この関数は、ギャップ量Fは、異常放電データ
数が一定とした場合、“発生数”の減少に伴い増加する
傾向を示し、また、Eの増加に伴い、減少する傾向を示
す特性を考慮して定式化されている。さらに、Qtは上記
パルス発生間隔である。
次に、加工状態評価手段16cにては、ワイヤ電極3と
被加工物2との間の加工屑の排出状況に応じた加工エネ
ルギ範囲Deを求めるものである。この場合、この加工エ
ネルギ範囲Deは、絶対的な値を示すものではなく、ワイ
ヤ電極3にと被加工物2との間の放電がどの範囲まで正
常に行われているかを示すためのものである。すなわ
ち、第10図において、ワイヤ電極3を基準位置とする加
工エネルギ範囲Deの範囲指示枠Kが被加工物2の手前に
ある場合は、“正常放電状態”を示し、逆に、加工エネ
ルギ範囲Deの範囲指示枠Kが被加工物2の内部にある場
合は、“異常放電状態”を示す。このような加工エネル
ギ範囲Deは、次式(6)で表される。
De=F+f(Xs) ……(6) ここで、Fは、ギャップ量である。また、f(Xs)は、
加工限界値であって、Xs(異常放電データ数と過渡的放
電データ数との和)により決定される関数である。
一般に、正常放電だけの場合は、十分絶縁状態が回復
し、加工屑がほぼ完全に排出されてから、次の放電が起
こる。この正常放電は、放電ギャップの雰囲気(加工屑
の排出状態)の影響を大きく受けないため、設定した条
件に最も近い形での放電を形成することができる。しか
し、加工屑の一部が残存したままであると絶縁が完全に
回復していないので、比抵抗が低くなり、低電流かつ低
電圧で次の放電が起こる。これが、過渡的放電である。
この過渡的放電は、電気的導通(アーク放電又は短絡)
状態である異常放電と異なり、放電加工は行われるが、
その加工能力は小さい。このような過渡的放電の発生
は、正常放電が発生した後の絶縁回復状態に依存する。
ところで、異常放電は、ギャップ量Fがかなり狭くな
ってから発生する傾向があり、このような場合の放電ギ
ャップの雰囲気(加工屑の排出状態)をギャップ量Fだ
けで判断することはできない。そこで、ギャップ量F
に、異常放電データ数と過渡的放電データ数により決定
される加工限界値f(Xs)を加えることにより、放電ギ
ャップの雰囲気(加工屑の排出状態)を表示するように
定式化したものが、式(6)である。すなわち、この式
(6)は、放電ギャップに加工屑が増え始め、正常放電
に過渡的放電が加わりだすと、加工エネルギ範囲Deも大
きくなり、加工エネルギ範囲Deの範囲指示枠Kが被加工
物2に近接した状態となる。また、放電ギャップに加工
屑が激増し電気的導通が生じ異常放電が発生しだすと、
加工エネルギ範囲Deは急増し、加工エネルギ範囲Deの先
端Kが被加工物2の内部となる。よって、加工エネルギ
範囲Deの範囲指示枠Kがどこにあるかにより、放電加工
状態を判定することができる。
しかして、加工状態評価手段16cにて求められた効率
Q,安定度Se,表面粗さRm,ギャップ量F及び加工エネルギ
範囲Deは、RAM18に蓄積される。
さらに、RAM18に蓄積されている効率Q,安定度Se,表面
粗さRm,ギャップ量F及び加工エネルギ範囲Deについ
て、加工進行変更手段16−3にては、予め設定されてい
る許容範囲と各別に比較する。そして、これらのうち、
表面粗さRmが基準値よりも低い場合は、加工進行変更手
段16−3にては、第5図のステップS5のように、表面粗
さRmを向上させなければならないと判断し、次の仕上げ
加工1回目における加工条件のうち、例えばパルス幅を
狭く設定するとともに、パルス間隔を長く設定する。た
だし、この加工条件の変更は、効率Q,安定度Se,ギャッ
プ量F及び加工エネルギ範囲Deの許容範囲内において行
う。
このようにして仕上げ加工1回目の加工条件が設定さ
れると、この加工条件の加工エネルギE2及びパルス発生
数T2が出力部23を通して放電制御回路5に送られる。こ
れにより、被加工物2とワイヤ電極3との間に直流電源
6から放電制御回路5を通して直流電圧が印加されて1
回目の仕上げ加工が行なわれる。
そうして、仕上げ加工1回目の放電加工が開始される
と、上記同様に放電電圧、放電電流が検出されて放電の
解析が行なわれる。そして、この解析の結果、解析デー
タが加工精度許容範囲内にあれば、CPU16は1回目の仕
上げ加工が終了したと判断してステップS6に移って放電
加工の終了を判断するとともに仕上げ加工2回目の加工
条件を設定する。又、解析データが加工精度許容範囲外
にあれば、仕上げ加工1回目の解析データに基づいて仕
上げ加工2回目の加工条件が変更設定される。すなわ
ち、CPU16は仕上げ加工1回目の解析データに基づいて
仕上げ加工2回目の加工エネルギE3及びパルス発生数T3
を変更設定し、かつ出力部23を通して放電制御回路5に
加工エネルギE3及びパルス発生数T3の指令を送る。これ
により、被加工物2とワイヤ電極3との間に直流電源6
から放電制御回路5を通して直流電圧が印加されて2回
目の仕上げ加工が行なわれる。
以下、同様に解析データが加工精度許容範囲外にあれ
ば、次の放電加工の加工エネルギ及びパルス発生数が変
更設定されながら荒加工から次の仕上げ加工への放電加
工が進行する。
このように上記一実施例においては、被加工物2とワ
イヤ電極3との間の放電電圧及び放電電流により放電パ
ルス間隔などから成る放電データDを求め、この放電デ
ータDから前記被加工物の加工状態を分析評価して、こ
の分析評価結果に基づいて次の放電加工における加工条
件つまり被加工物2とワイヤ電極3との間に供給される
放電エネルギなどを加工進行に伴う加工荒さに応じた値
に順次変更するようにしたので、荒加工や各仕上げ加工
の毎に放電エネルギ及びパルス発生数をオペレータによ
り変更設定せずに自動的に変更設定されて荒加工から仕
上げ加工まで自動的に行なえる。そして、荒加工及び各
仕上げ加工において表面あらさRmなどが加工精度許容範
囲内にあるかを判断するので、所定の精度に加工でき
る。
なお、本発明は上記一実施例に限定されるものでなく
その主旨を逸脱しない範囲で変形しても良い。例えば、
上記一実施例において異常放電の分類は放電電圧によっ
て行なっているが、放電ピーク値により分類しても良
い。又、効率などの表示はバー表示に限られるものでは
ない。
[発明の効果] 本発明は、被加工物とワイヤ放電電極との間に周期的
に放電電圧を印加して前記被加工物を放電加工する自動
放電加工装置であって、荒加工から仕上げ加工に至るま
で複数回のステップで放電加工する際の前記各ステップ
ごとの放電加工条件が加工条件格納手段に格納され、か
つ、加工条件格納手段に格納された放電加工条件に基づ
いて放電を制御する際に、信号採取手段で採取された放
電電圧検出信号及び放電電流検出信号に基づいて放電発
生ごとの放電データを作成し、この放電データに基づい
てあらかじめ設定されている放電限界値と比較し、この
比較結果に基づいて異常放電データを検出するとともに
異常放電データを除外した放電電圧データについてヒス
トグラムを作成するとともに作成したヒストグラムの頻
度分析に基づいて正常放電データ及び前記正常放電デー
タの低値側にて異なる分布モードを呈する過渡的放電デ
ータとに分類した後、分類結果に基づいて評価された加
工状態に基づいて次のステップの放電加工条件を変更す
るようにしたもので、荒加工から仕上げ加工に至るま
で、自動的に、かつ、高精度・高能率で放電加工するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第10図は本発明に係わる自動放電加工装置の
一実施例を説明するための図であって、第1図は構成
図、第2図は機能ブロック図、第3図及び第4図は加工
進行変更の各値を示す図、第5図は自動放電加工流れ
図、第6図は信号採取期間を示す模式図、第7図は放電
電圧及び放電電流の波形図、第8図は放電分類の作用を
説明するための図、第9図は加工状態の表示例を示す
図、第10図は放電ギャップイメージの表示例を示す図で
ある。 1…加工槽、2…被加工物、3…ワイヤ電極、4…上部
ワイヤガイド体、5…放電制御回路、6…直流電源、7
…電圧検出器、8…電流検出器、10…解析装置本体、1
1,12…アッテネータ、13,14…A/D変換器、15…バス、16
…CPU、16−1…信号採取手段、16−2…分析評価手
段、16−3…加工進行変更手段、16a…放電データ作成
手段、16b…放電分類手段、16c…ヒストグラム作成手
段、16d…解析算出手段、17…タイミングコントロー
ラ、18…RAM、19…ROM、20…表示駆動部、21…プリンタ
駆動部、22…入力操作部、23…出力部、24…表示装置、
25…プリンタ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構成(イ)〜(チ)を具備し、被加工
    物とワイヤ放電電極との間に周期的に放電電圧を印加し
    て前記被加工物を放電加工する自動放電加工装置。 (イ)前記被加工物を荒加工から仕上げ加工に至るまで
    複数回のステップで放電加工する際の前記各ステップご
    との放電加工条件が格納された加工条件格納手段。 (ロ)前記加工条件格納手段に格納された放電加工条件
    に基づいて放電を制御する放電制御手段。 (ハ)前記放電制御手段により放電制御されているとき
    の前記被加工物と前記ワイヤ放電電極との間の放電電圧
    及び放電電流を検出する検出器。 (ニ)前記検出器からの放電電圧検出信号及び放電電流
    検出信号を所定の信号採取期間にわたってディジタル変
    換して取り込む信号採取手段。 (ホ)前記信号採取手段で採取された放電電圧検出信号
    及び放電電流検出信号に基づいて放電発生ごとの放電デ
    ータを作成する放電データ作成手段。 (ヘ)前記放電データ作成手段で作成された放電データ
    をあらかじめ設定されている放電限界値と比較し、この
    比較結果に基づいて異常放電データを検出するとともに
    異常放電データを除外した放電電圧データについてヒス
    トグラムを作成するとともに作成したヒストグラムの頻
    度分布に基づいて正常放電データ及び前記正常放電デー
    タの低値側にて異なる分布モードを呈する過渡的放電デ
    ータとに分類する放電分類手段。 (ト)前記放電分類手段により分類された放電データに
    基づいて加工状態を評価する加工状態評価手段。 (チ)前記加工状態評価手段により評価された加工状態
    に基づいて前記加工条件格納手段に格納されている次の
    ステップの放電加工条件を変更する加工進行変更手段。
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