JP2565906B2 - 放電加工装置 - Google Patents

放電加工装置

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JP2565906B2 JP62160893A JP16089387A JP2565906B2 JP 2565906 B2 JP2565906 B2 JP 2565906B2 JP 62160893 A JP62160893 A JP 62160893A JP 16089387 A JP16089387 A JP 16089387A JP 2565906 B2 JP2565906 B2 JP 2565906B2
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、放電加工状態をリアルタイムで正確に判定
して放電加工を制御することのできる放電加工装置に関
する。
(従来の技術) 被加工体を一方の電極とする一対の放電電極およびこ
れら両放電電極間に介在する充放電回路よりなる放電加
工装置はワイヤ放電加工或いは形彫り放電加工などに広
く実用されている。すなわち、充放電回路のコンデンサ
やリアクトルなどのエネルギ蓄積素子に電気エネルギを
一度蓄え前記放電電極間に間欠的に放電を起生させ、一
方の放電電極をなす被加工体について所要の加工、例え
ば切断や形彫りなど施す加工手段はよく知られ、広く実
用されている。
ところで、この種の放電加工において、所要の放電加
工を効率よく実施するためには安定した放電が望まれ、
一般に上記放電電極間の電圧や電流を検出し、放電電極
の送り速度を調節するか或いは充放電回路の電気条件例
えば容量の異なるコンデンサや抵抗値の異なる抵抗体に
置き換えることによって放電の安定化を行なっている。
しかしながら、前記調節手段においては次のような不
都合がある。すなわち、放電電極間の電圧や電流を検出
し電気条件を制御する場合についてみると、正常放電か
ら異常放電へ移行する際、極間電圧もしくは電流の読み
取りだけでは詳細に放電状態を判断し難いため放電状態
を正常化するのに時間遅れを生ずる。また、上記異常放
電を回避して所要の放電加工を行なうとすると放電加工
可能なスピードに対し70〜80%程度の加工スピードを保
持する必要があり、そのため放電加工効率の低下を必然
的に招来する。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記事情を勘案してなされたもので、所要
の放電が円滑に行なわれ、もって、効率よく微細な放電
加工なども実施しうるよう改善された放電加工装置を提
供しようとするものである。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段と作用) 放電電圧信号を設定電圧値により複数の電圧領域に分
類し、かつ、分類した各電圧領域ごとに所定長の複数の
測定期間につき放電パルス数を計数して放電パルス数信
号を各電圧領域ごとに出力させるとともに、各放電電圧
信号に対応する放電電流信号に基づいて上記各放電状態
ごとの放電パルスのエネルギー値の総和を上記測定期間
ごとに算出して放電エネルギー信号を出力させ、放電パ
ルス数信号及び放電エネルギー信号により得られた各電
圧領域間の平均放電パルス数の大小比較による放電加工
状態の判定及び各電圧領域間の平均エネルギー値の大小
比較による放電加工状態の判定の組合せにより総合的に
放電加工状態の良否を判定することにより放電加工の制
御を行うようにしたものである。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳述する。
第1図は、この実施例の放電加工装置を示している。
この装置は、抵抗体,電源並びに切換手段としてのコン
デンサ群からなる充放電回路を有し実際の放電加工を行
う本体部(1)と、この本体部(1)により矢印(2)
に送行されるワイヤ(3)とこのワイヤ(3)によりワ
イヤ放電加工される被加工体(4)とに電気的に接続さ
れ両者間の電圧つまり放電電圧測定を行い検出信号VDを
出力する例えば電圧プローブなどの電圧検出部(5)
と、ワイヤ(3)を流れる放電電流を検出して検出信号
IDを出力する例えば電流センサなどの電流検出部(6)
と、電圧検出部(5)の出力側に接続されアナログ信号
である検出信号VDをデジタル検出信号SDに変換するA/D
変換器(7)と、このA/D変換器(7)の出力側に接続
され検出信号SDをあらかじめ設定されている第1及び第
2の設定値VO1,VO2により検出信号SDを3種に分類し分
類された第1乃至第3の検出信号SD1,SD2,SD3を出力
する放電パルス分類部(8)と、この放電パルス分類部
(8)から出力された第1乃至第3の検出信号SD1,S
D2,SD3を各別に入力して所定の期間ごとにパルス数を
計測する放電パルス数計測部(9)と、アナログ検出信
号IDを入力してデジタル検出信号SIに変換するA/D変換
器(10)と、このA/D変換器(7)から出力された検出
信号SI及び上記第1乃至第3の検出信号SD1,SD2,SD3
に基づいて各放電パルスごとのエネルギーを算出部(1
1)にて算出されたエネルギー値を示す信号ED及び上記
放電パルス数計測部(9)にて計測された放電パルス数
を示す信号ND1,ND2,ND3を入力しこれら信号ED,ND1,N
D2,ND3に基づいて放電加工状態を判定しこの判定結果
に従って本体部(1)に加工状態を最適化するために必
要な制御信号SFを出力する加工状態判定部(12)とから
構成されている。しかして、A/D変換器(7),(10)
のサンプリング間隔は、例えば0.1μSであって、両者
同一タイミングでA/D変換するように設けられている。
また、放電パルス数計測部(9)は、第1乃至第3の検
出信号SD1,SD2,SD3を各別に入力する3個のカウンタ
(13a),(13b),(13c)からなっている。
つぎに、上記構成の放電加工装置の作動について述べ
る。
まず、本体部(1)を起動して、ワイヤ(3)に通電
しながらこのワイヤ(3)を矢印(2)方向に送行させ
る。すると、被加工体(4)とワイヤ(3)との間に放
電が発生し、この放電により被加工体(4)のワイヤカ
ットが行われる。このワイヤカット期間中、電圧検出部
(5)にては放電電圧が測定され、その検出信号VDがA/
D変換器(7)に出力される。すると、このA/D変換器
(7)にては、検出信号VDが0.1μSのサンプリング間
隔でA/D変換され、デジタル検出信号SDが放電加工分類
部(8)に出力される(第2図、信号VD,SD,参照)。し
かして、この放電加工分類部(2)にては、第2図に示
すように、第1及び第2の設定値VO1,VO2が設定されて
いて、検出信号SDの示す電圧値が設定値VO1より大きけ
ればそのときの電圧値を示す第1の検出信号SD1が、同
じく電圧値が設定値VO1と設定値VO2との間のときそのと
きの電圧値を示す第2の検出信号SD2が、同じく電圧値
が、設定値VO2以下のときそのときの電圧値を示す第3
の検出信号SD3が、放電パルス数計測部(9)並びにエ
ネルギー算出部(11)に出力される。ところで、第1及
び第2の設定値VO1,VO2は、放電加工が、正常に行われ
ているかどうかを峻別するためのもので、例えばそれぞ
れ印加電圧の70%及び5%に設定され、電圧値が第1の
設定値VO1以上のときは、「加工状態が正常であり、余
力がある」、また、電圧値が第2の設定値VO2以下のと
きは、「加工状態が異常」、また、電圧値が第1及び第
2の設定値VO1,VO2間にあるときは、「加工状態が適正
値である」というふうに分類されるようになっている。
しかして、放電パルス数計測部(9)のカウンタ(13
a),(13b),(13c)に各別に入力した検出信号SD1
SD2,SD3は、それぞれパルス数をあらかじめ定められた
測定期間(例えば5〜100m秒)ごとに例えば1〜100秒
おきに複数回計数され、それらの計数値を示す放電パル
ス数信号ND1,ND2,ND3が加工状態判定部(12)に出力
される。このように測定期間を5〜100m秒に定めるの
は、通常、放電パルスの幅が0.1〜3μ秒であることに
よる。また、計数を複数回行うのは、放電がランダムに
生じるため、これを平均化する必要があるからである。
他方、電流検出部(6)にては、放電電流て測定され、
そのアナログ検出信号IDがA/D変換器(10)に出力され
る。ついで、このA/D変換器(10)から出力されたデジ
タル検出信号SIは、前記第1乃至第3の検出信号SD1,S
D2,SD3とともに同期して、エネルギー算出部(11)に
入力する。しかして、このエネルギー算出部(11)にて
は、次式により各パルスごとにサンプリングされた電圧
値と、これに対応する電流値との積が算出されるととも
に、各測定期間ごとに上記算出された積の総和を算出
し、パルスエネルギーEを求める。(第3図参照)。E
=I1V1+I2V2+…+InVnそして、算出されたパルスエネ
ルギーEの大きさを示すエネルギー信号EDは、加工状態
判定部(12)に出力される。しかして、エネルギー信号
ED並びに放電パルス数信号ND1,ND2,ND3を入力した加
工状態判定部(12)においては、各測定期間におけるエ
ネルギーEとパルス数が対応関係をもっていったん格納
されたのち、加工状態が良好か否かの最終判定がなされ
る。すなわち、まず、各放電パルス数信号ND1,ND2,ND
3ごとに、パルス数の総和を求め、求めた総和を測定期
間の数で除することにより平均パルスAND1,AND2,AND3
を求める。つぎに、同様にして、各放電パルス数信号ND
1,ND2,ND3ごとに、平均パルスエネルギーEA1,EA2,E
A3を算出する。つぎに、平均パルス数の大小比較を行
う。その結果、AND1>AND2>AND3の場合には、「加工状
態・正常加工速度をもっと上げることが可能」と判定す
る。つぎに、AND3>AND2>AND1のときは、「加工状態・
異常」つまり残留イオンや加工屑により電極間が導通状
態になっていると判定し、制御信号SFを本体部(1)に
印加し、例えば充放電回路の電気条件切換手段のコンデ
ンサを容量の大きいものに切換え、もしくは加工電圧を
上げるなどして安定した放電エネルギーを速やかに供給
して、加工状態を正常に復帰させる。最後にAND2>AND1
>AND3又はAND2>AND3>AND1のときは、加工速度として
は適正とするが加工面への影響の良し悪しの峻別がパル
ス数だけでは困難であるので、平均パルスエネルギーの
大小比較により加工状態をより詳しく判定する。すなわ
ち、平均パルスエネルギーの大小順序がEA2>EA1>EA3
の場合のみ「加工状態・異常」とし制御信号SFを出力す
る。一方、他の場合は「加工状態・正常」と判定し放電
加工を継続する。
もしくは、これらの値により放電状態をより正確に検
出できるため、よりち密な制御により限界加工速度を得
ることや、加工面を良好に仕上げることも容易である。
以上のように、本実施例の放電加工装置は、放電加工
の異常判定を正確に行うことができ、かつ、この異常に
即応して、異常を解除することができるようにしたの
で、加工能率を犠牲とすることなく、加工精度及び加工
歩留が著しく向上する。
なお、上記実施例においては、AND1>AND2>AND3又は
AND3>AND2>AND1の場合は平均パルスエネルギーを勘案
していないが、これに限ることなくすべての場合につい
て、平均パルス数と平均パルスエネルギーを勘案して、
加工状態を総合判定するようにしてもよい。さらに、加
工異常の判定基準は、加工条件の変化に従って、適宜変
更してよい。とくに、設定電圧値の数は、任意に設定し
てよい。
〔発明の効果〕
本発明は以下のような格別の効果を奏する。すなわ
ち、〈1〉放電電圧信号を設定電圧値により複数の電圧
領域に分類し、かつ、分類した各電圧領域ごとに所定長
の複数の測定期間につき放電パルス数を計数して放電パ
ルス数信号を各電圧領域ごとに出力させるとともに、各
放電電圧信号に対応する放電電流信号に基づいて上記各
放電状態ごとの放電パルスのエネルギー値の総和を上記
測定期間ごとに算出して放電エネルギー信号を出力さ
せ、放電パルス数信号及び放電エネルギー信号により得
られた各電圧領域間の平均放電パルス数の大小比較によ
る放電加工状態の判定及び各電圧領域間の平均エネルギ
ー値の大小比較による放電加工状態の判定の組合せによ
り総合的に放電加工状態を判定することにより放電加工
の制御を行うようにしているので、放電加工状態判定精
度が飛躍的に向上する。とくに、本願発明においては、
放電パルス数信号に基づく放電加工判定の不完全さを、
放電エネルギー信号に基づく放電加工判定により補完す
るようにしているので、両者の相乗効果として放電加工
状態の判定精度が飛躍的に向上する。さらにまた、平均
放電パルス数及び平均エネルギー値により放電加工状態
を判定するようにしているので、一過性の偶発的な放電
パルスの影響を解消することができるようになること
も、放電加工状態判定精度の向上に大きく寄与してい
る。〈2〉放電加工状態の判定をリアルタイムできめ細
かく行うことが可能となるので、放電加工能率を減殺す
ることなく、放電加工精度および歩留を改善することが
できる加工制御が可能となる。よって、本発明の放電加
工装置は、放電状態の安定度が加工精度に敏感に影響す
る微細加工に適用した場合に顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の放電加工装置の構成図、第
2図は同じく異常判定方法の説明のためのグラフ、第3
図は同じく放電エネルギー算出の説明図である。 (1):本体部,(3):ワイヤ,(4):被加工体,
(5):電圧検出部,(6):電流検出部,(8):放
電パルス分類部,(9):放電パルス数計測部,(1
1):エネルギー算出部,(12):加工状態判定部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工体をワイヤにより放電加工する加工
    装置本体部と、上記ワイヤと上記被加工体間における放
    電加工電圧を検出して放電電圧信号を出力する電圧検出
    手段と、上記ワイヤと上記被加工体間における放電加工
    電流を検出して上記放電電圧信号に同期して放電電流信
    号を出力する電流検出手段と、上記放電電圧信号をあら
    かじめ設定された設定電圧値により複数の電圧領域に分
    類する放電パルス分類手段と、上記放電パルス分類手段
    による各電圧領域に含まれている放電パルス数を所定長
    の複数の測定期間につき計数して放電パルス数信号を上
    記各電圧領域ごとに出力する放電パルス数計測手段と、
    上記放電パルス分類手段による各電圧領域ごとの放電電
    圧信号及びこれら各放電電圧信号に対応する上記放電電
    流信号に基づいて上記各電圧領域ごとの放電パルスのエ
    ネルギー値の総和を上記各測定期間ごとに算出して放電
    エネルギー信号を出力する放電エネルギー算出手段と、
    上記放電パルス数信号に基づいて上記各電圧領域ごとに
    平均放電パルス数を算出するとともに上記放電エネルギ
    ー信号に基づいて上記各電圧領域ごとに平均エネルギー
    値を算出し上記算出された平均放電パルス数の大小比較
    結果及び上記算出された平均エネルギー値の大小比較結
    果に基づいて上記ワイヤ放電加工の加工状態を判定し判
    定結果に基づいて上記加工装置本体部による放電加工を
    制御する加工状態判定手段とを具備することを特徴とす
    る放電加工装置。
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