JPH0757447B2 - 断線予測装置 - Google Patents

断線予測装置

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JPH0757447B2
JPH0757447B2 JP1166891A JP16689189A JPH0757447B2 JP H0757447 B2 JPH0757447 B2 JP H0757447B2 JP 1166891 A JP1166891 A JP 1166891A JP 16689189 A JP16689189 A JP 16689189A JP H0757447 B2 JPH0757447 B2 JP H0757447B2
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discharge
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voltage
disconnection
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JP1166891A
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晴美 渡邊
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Toshiba Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、例えばワイヤ放電加工におけるワイヤ電極の
断線を予測する断線予測装置に関する。
(従来の技術) 放電加工にはワイヤ放電加工や形彫り放電加工などがあ
るが、このうち例えばワイヤ放電加工について説明する
と、これは被加工物に対してワイヤ電極を所定間隔おい
て配置してこれら被加工物及びワイヤ電極を加工槽の中
に浸透し、この状態に被加工物とワイヤ電極との間に直
流電圧を印加する。そして、例えばワイヤ電極を被加工
物に接近させてそのギャップ量が所定量になるとワイヤ
電極と被加工物との間に放電が発生する。しかるに、こ
の放電エネルギーによって被加圧物は加工される。
かかるワイヤ放電加工では加工状態の良否が判断される
が、この判断は放電状態が正常であるか異常であるかに
より判断しており、この判断は次のような方法によって
行われている。すなわち、 作業員が放電柱を目視し、この放電柱の輝度から経験
や勘によって放電状態を判断する。
作業員が放電の音を聞き、この放電の音から経験や勘
によって放電状態を判断する。
ワイヤ放電加工装置にオシロスコープが備えられてい
れば、このオシロスコープに例えばワイヤ電極と被加工
物との間の放電電圧及び放電電流の波形を表示させ、こ
れら放電電圧及び放電電流から放電状態を判断する。
ワイヤ放電加工装置に予め放電状態の良否の基準が設
定されていれば、この基準に従って放電状態を判断す
る。
しかしながら、上記各方法ではいずれも定量的な放電状
態の判定でなく、このため異常放電は検出できるものの
その信頼性は低い。さらに、ワイヤ放電加工では例えば
放電エネルギが大きくなるとワイヤ電極が断線すること
がある。ところが、上記各方法ではワイヤ電極の断線を
作業員が放電の音や放電柱を監視することによって判断
しているために、ワイヤ電極の断線を予測することが全
く困難であり、ワイヤ電極が断線することが多かった。
例えば、昼夜に亙って無人でワイヤ放電加工を行う場
合、加工エネルギやパルス幅などはワイヤ電極が断線し
ない安全な値に設定しているが、これら設定された値は
作業員の感覚に頼っているので、ワイヤ電極が断線する
ことが多い。
(発明が解決しようとする課題) 以上のようにワイヤ電極の断線を作業員が放電の音や放
電柱を監視することによって判断しているために、ワイ
ヤ電極の断線を予測することが全く困難であり、ワイヤ
電極が断線することが多かった。なお、このことはワイ
ヤ放電加工に限らず他の放電加工にもいえる。
そこで本発明は、放電電極の断線を予測できる断線予測
装置を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 請求項1に対応する発明は、被加工物とワイヤ放電電極
との間の放電電圧及び放電電流を検出する検出器と、前
記検出器からの各検出信号を所定の信号採取期間にわた
ってディジタル変換して取り込む信号採取手段と、前記
信号採取手段で採取された放電電圧検出信号及び放電電
流検出信号に基づいて電圧印加にもかかわらず放電電流
が生じない無放電を除く放電発生ごとの放電電圧データ
を作成する放電データ作成手段と、前記放電データ作成
手段で作成された放電電圧データを予め設定されている
放電限界電圧値と比較し、この比較結果に基づいて正常
放電よりも低電圧で導通することにより生じる異常放電
データを検出するとともに、前記異常放電データを除外
した放電データについてヒストグラムを作成し、この作
成したヒストグラムの頻度分布に基づいて前記正常放電
データ及び前記正常放電データの低電圧側にて異なる分
布モードを呈する過渡的放電データとに分類し、前記異
常放電データの数と前記過渡的放電データの数との和に
対する前記信号採取期間における放電電圧データの全数
の比を接近度合として算出するとともに、この算出され
た接近度合を予め設定された接近度合しきい値とを比較
し、この比較結果に基づいて前記ワイヤ放電電極の断線
が生じる危険性が高いことを判定する接近度合算出手段
と、前記接近度合算出手段の断線予測結果に基づいて前
記ワイヤ放電電極の断線が生じる危険性が高いことを表
示する断線表示手段とを具備した断線予測装置である。
請求項2に対応する発明は、被加工物とワイヤ放電電極
との間の放電電圧及び放電電流を検出する検出器と、前
記検出器からの各検出信号を所定の信号採取期間にわた
ってディジタル変換して取り込む信号採取手段と、前記
信号採取手段で採取された放電電圧検出信号及び放電電
流検出信号に基づいて電圧印加にもかかわらず放電電流
が生じない無放電を除く放電発生ごとの放電電圧データ
及び放電開始時点データ及び放電終了時点データを作成
する放電データ作成手段と、前記放電データ作成手段で
作成された放電電圧データを予め設定されている放電限
界電圧値と比較し比較結果に基づいて正常放電よりも低
電圧で導通することにより生じる異常放電データを検出
し、この検出した異常放電データに対応する前記放電開
始時点データ及び前記放電終了時点データに基づいて前
記信号採取期間における異常放電発生時間を求め、前記
異常放電発生時間に対する前記信号採取期間の比を接触
率として算出するとともに、この算出された接触率を予
め設定された接触率しきい値と比較し、この比較結果に
基づいて前記ワイヤ放電電極の断線が生じる危険性が高
いことを判定する接触率算出手段と、前記接触率算出手
段の断線予測結果に基づいて前記ワイヤ放電電極の断線
が生じる危険性が高いことを表示する断線表示手段とを
具備した断線予測装置である。
請求項3に対応する発明は、被加工物とワイヤ放電電極
との間の放電電圧及び放電電流を検出する検出器と、前
記検出器からの各検出信号を所定の信号採取期間にわた
ってディジタル変換して取り込む信号採取手段と、前記
信号採取手段で採取された放電電圧検出信号及び放電電
流検出信号に基づいて電圧印加にもかかわらず放電電流
が生じない無放電を除く放電発生ごとの放電電圧データ
及び放電開始時点データ及び放電終了時点データ及び放
電エネルギデータを作成する放電データ作成手段と、前
記放電データ作成手段にて作成された放電エネルギデー
タを予め設定されている放電エネルギしきい値と比較
し、この比較結果に基づいて前記ワイヤ放電電極の断線
が生じる危険性が高いことを判定する第1断線予測手段
と、前記放電データ作成手段で作成された放電電圧デー
タを予め設定されている放電限界電圧値と比較し比較結
果に基づいて正常放電よりも低電圧で導通することによ
り生じる異常放電データを検出するとともに、前記異常
放電データを除外した放電データについてヒストグラム
を作成し、この作成したヒストグラムの頻度分布に基づ
いて前記正常放電データ及び前記正常放電データの低電
圧側にて異なる分布モードを呈する過渡的放電データと
に分類し、前記異常放電データの数と前記過渡的放電デ
ータの数との和に対する前記信号採取期間における放電
電圧データの全数の比を接近度合として算出するととも
に、この算出された接近度合を予め設定された接近度合
しきい値とを比較し比較結果に基づいて前記ワイヤ放電
電極の断線が生じる危険性が高いことを判定する第2断
線予測手段と、前記異常放電データに対応する前記放電
開始時点データ及び前記放電終了時点データに基づいて
前記信号採取期間における異常放電発生時間を求め、前
記異常放電発生時間に対する前記信号採取期間の比を接
触率として算出するとともに、この算出された接触率を
予め設定された接触率しきい値と比較し、この比較結果
に基づいて前記ワイヤ放電電極の断線が生じる危険性が
高いことを判定する第3断線予測手段と、前記第1断線
予測手段及び前記第2断線予測手段及び前記第3断線予
測手段のうちの少なくとも一つの断線予測結果に基づい
て前記ワイヤ放電電極の断線が生じる危険性が高いこと
を表示する断線表示手段とを具備した断線予測装置であ
る。
(作用) 上述した発明の断線予測装置は、ワイヤ放電電極に断線
が生じる危険性が高いことを正確に予測することができ
るので、断線が生じる前に、この断線を回避するための
放電加工条件の変更を適時に行うことができるようにな
りワイヤ放電の中断という最悪の事態を未然に防止する
ことができる。その結果、放電加工能率及び歩留りを高
めることができることはもとより、放電加工精度の安定
化にも寄与することができる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図はワイヤ放電加工に適用した断線予測装置の全体
構成図である。加工槽1の内部には被加工物2が浸透さ
れている。この被加工物2には所定間隔をおいてワイヤ
電極3が配置されている。なお、このワイヤ電極3は上
部ワイヤガイド体4及び図示しない下部ワイヤガイド体
により支持されている。これら被加工物2とワイヤ電極
3との間には放電制御回路5を介して直流電源6が接続
されて放電回路を形成している。この場合、直流電源6
は正極を被加工物2に接続している。かかる放電回路に
は電圧検出器7が直流電源6に対して並列接続されると
ともに電流検出器8が直流電源6に対して直列接続され
ている。
一方、10は断線予測置本体であって、この断線予測装置
本体10にはアッテネータ(ATT)11,12が備えられ、一方
のアッテネータ11に電圧検出器7が接続されるとともに
他方のアッテネータ12に電流検出器8が接続されてい
る。これらアッテネータ11,12にはそれぞれメモリが内
蔵された各A/D(アナログ/ディジタル)変換器13,14が
接続され、これらA/D変換器13,14はバス15を介してCPU
(中央処理装置)16に接続されている。このCPU16には
バス15を介してタイミングコントローラ17、RAM(ラン
ダム・アクセス・メモリ)18、ROM(リード・オンリ・
メモリ)19及び表示駆動部20が接続されている。タイミ
ングコントローラ17はA/D変換器13,14における信号取込
みタイミングを制御するものである。又、表示駆動部20
には表示器21が接続されて表示器21を表示駆動するもの
となっている。ROM19には、タイミングコントローラ17
でのA/D変換器13,14に対する信号採取タイミングプログ
ラムが記憶されている。しかるに、この信号採取タイミ
ングプログラムにより各A/D変換器13,14は一定間隔毎の
信号採取期間に例えばx ns毎に同時に電圧検出信号、電
流検出信号をそれぞれ8ビットにディジタル変換して1
回の信号採取期間で例えば1024〜65536Bのデータを採取
するものとなる。なお、各信号採取期間の間隔は一定期
間ΔHと設定されている。しかるに、各A/D変換器13,1
4、CPU16、タイミングコントローラ17及びROM19により
信号採取手段が構成されている。
又、ROM19にはデータ作成プログラム及び断線報知プロ
グラムが記憶されている。これにより、上記CPU16は第
2図に示すように信号採取手段16−1、放電データ作成
手段16−2及び断線報知手段16−3の各機能を有するも
のとなる。なお、信号採取手段16−1は上記の如く信号
採取手段の一部の機能となっている。放電データ作成手
段16−2は、信号採取手段で採取されたディジタル電圧
検出信号及びディジタル電流検出信号から各放電におけ
る放電電圧や放電電流などのパラメータから成る放電デ
ータを作成する機能を有するものである。
断線報知手段16−3は放電データ作成手段16−2で作成
された放電データから加工エネルギ、ワイヤ電極3の被
加工物2入の接近度合い及びワイヤ電極3の被加工物2
への接触率を算出し、これら加工エネルギ、接近度合い
及び接触率のうちいずれか1つが各しきい値を越えたと
きにワイヤ電極2に断線が生じる危険性が高いことを表
示器21に表示させる機能を有するものである。具体的に
は放電エネルギ算出手段16−4、接近度合い算出手段16
−5及び接触率算出手段16−6から構成されている。放
電エネルギ判定手段16−4は上記放電データから各放電
ごとの放電エネルギとワイヤ電極3の径に応じて予め設
定された放電エネルギしきい値とを比較し、各放電エネ
ルギが放電エネルギしきい値以上となったときにワイヤ
電極3に断線が生じる危険性が高いと判断してこの旨を
表示器21に表示させる機能を有するものである。又、接
近度合い算出手段16−5は後述する式により接近度合を
求めこの接近度合が接近度合しきい値以上となったとき
にワイヤ電極3に断線が生じる危険性が高いと判断して
この旨を表示器21に表示させる機能を有するものであ
る。さらに、接触率算出手段16−6は上記放電データか
ら異常放電を検出して後述する式により接触率を算出
し、この接触率が所定の接触率しきい値以上となったと
きにワイヤ電極3に断線が生じる危険性が高いと判断し
てこの旨を表示器21に表示させる機能を有するものであ
る。
次に上記の如く構成された装置の作用について参照して
説明する。
被加工物2とワイヤ電極3との間に直流電源6から放電
制御回路5を通して直流電圧が印加され、この状態に被
加工物2とワイヤ電極3とのギャップ量が所定量となる
と、被加工物2とワイヤ電極3との間に放電が発生す
る。この放電のエネルギにより被加工物2は加工され
る。
この状態に電圧検出器7は被加工物2とワイヤ電極3と
の間の放電電圧を検出してその電圧検出信号を出力し、
又電流検出器8は被加工物2からワイヤ電極3に流れた
放電電流を検出してその電流検出信号を出力する。これ
ら電圧検出信号及び電流検出信号はそれぞれアッテネー
タ11,12で処理しやすいレベルに減衰されてA/D変換器1
3,14に入力する。このとき、各A/D変換器13,14は、一定
間隔ΔH毎の各信号採取期間においてそれぞれ例えばx
ns毎に同時に電圧検出信号、電流検出信号をそれぞれ8
ビットにディジタル変換して取込む。これにより、1回
の信号採取期間例えば信号採取期間S1において上記Bの
データが取込まれる。このように1回の信号採取期間で
取込んだディジタル電圧検出信号及びディジタル電流信
号はそれぞれ各A/D変換器13,14内のメモリに一時記憶さ
れ、各信号採取期間の経過の後にCPU16によってRAM18に
移動されて記憶される。
このようにして例えば10回の信号採取期間が終了する
と、CPU16の放電データ作成手段16−2は各ディジタル
電圧検出信号及びディジタル電流信号からそれぞれ第3
図に示すような放電電圧及び放電電流の各波形を求め、
これら波形から放電発生の順番に発生番号「1」「2」
…「N」を付す。ただし、電圧を印加しても被加工物2
とワイヤ電極3との間に放電が発生せず、放電電流が全
く流れない無放電の場合は、発生番号を付さない。つま
り、番号を付すのはあくまでも放電が発生した場合のみ
である。
そして、CPU16は、これら波形から各放電における放電
開始時点a1,a2…anや放電終了時点b1,b2…bn、放電電圧
c1,c2…cn、電流ピークd1,d2…dn、電流パルス幅e1,e2
…en、放電エネルギf1,f2…fn、パルス間隔g1,g2…gnな
どの各パラメータから成る放電データDを求めてRAM18
にテーブル化して記憶する。なお、放電エネルギf1,f2
…fnは放電電圧c1,c2…cnと電流ピークd1,d2…dnとをそ
れぞれ乗算して求めている。
次にCPU16の放電エネルギ判定手段16−4は放電データ
Dから放電エネルギf1,f2,f3…fnを抽出して順次放電エ
ネルギしきい値と比較する。この放電エネルギしきい値
は種々のワイヤ径に応じた値となっている。この比較に
よって例えば放電エネルギf3が放電エネルギしきい値よ
りも大きければ放電エネルギ判定手段16−4はワイヤ電
極3に断線が生じる危険性が高いと判断し、この旨を表
示器21に表示する。第4図はワイヤ断線の危険性の報知
の表示例であって、「ワイヤ断線 危険!!」が表示され
るとともに「加工エネルギ(放電エネルギ)大( m
j)」、「ワイヤ接近」、「接触多発(接触率 %)」
が表示される。ここで、放電エネルギが放電エネルギし
きい値よりも大きくなった場合、表示器21には「ワイヤ
断線 危険!!」及び「加工エネルギ大( mj)」のみが
表示され、他の「ワイヤ接近」、「接触多発(接触率
%)」は表示されない。
又、接近度合算出手段16−5は放電データDから放電電
圧c1、c2、c3、…cnを抽出し、これら放電電圧c1、c2、
c3、…cnと予め設定された放電限界電圧とを比較して放
電限界電圧よりもレベルが低い放電電圧例えばc2を異常
放電であるアーク放電パルス及び短絡として検出する。
これにより、異常放電と正常な放電とが分類される。そ
して、接近度合算出手段16−5は異常放電が抹消された
放電データDから放電電圧c1,c3,c4…cn−1,cnを再び抽
出して第5図に示す放電電圧のヒストグラムを作成す
る。このヒストグラムには2つの正規分布Q1,Q2が現
れ、このうち正規分布Q1は被加工物2とワイヤ電極3と
の間が加工液の流れにより十分に清浄化されて加工屑が
取り去られた状態における放電電圧を示しており、他方
の正規分布Q2は被加工物2とワイヤ電極3との間にかな
りの加工屑が残り、この加工屑によってギャップ間の抵
抗値が小さくなって放電電圧が低くても放電が生じてい
る過渡的な放電を示している。次に接近度合算出手段16
−5は分類された異常放電(アーク放電パルス及び短
絡)の発生数Naと加工屑が存在しているときの過渡的な
放電の発生率Ntとを求め、これら発生数の全放電発生数
N(この実施例においては、10回の信号採取期間におけ
る放電発生数の総和を意味する。ただし、電圧を印加し
たにもかかわらず、放電が発生しなかった無放電の場合
は含まない。この無放電の検出は、放電電圧が印加され
ているにもかかわらず、放電電流がゼロであることを利
用して行う)に対する比すなわち接近度合Se Se=(Na+Nt)/N を算出して接近度合しきい値と比較する。ここで、接近
度合Seは被加工物2とワイヤ電極3とが接近し過ぎてい
るかを表している。すなわち、例えば加工屑が無い状態
で被加工物2とワイヤ電極3とが接近し過ぎている場
合、あるいは加工屑が被加工物2とワイヤ電極3との間
に介在している場合には、被加工物2とワイヤ電極3と
の間の抵抗値が小さくなって上記異常放電及び過渡的な
放電が発生するからである。しかるに、比較の結果、接
近度合Seが接近度合しきい値よりも大きければ、接近度
合算出手段16−5はワイヤ電極3に断線が生じる危険性
が高いと判断し、この旨を表示器21に表示する。この場
合、表示器21には「ワイヤ断線 危険!!」及び「ワイヤ
接近」のみが表示される。
さらに、接触率算出手段16−6は、RAM18に記憶されて
いる放電データDのうち、放電開始時点a1,a2…anや放
電終了時点b1,b2…bnに基づいて、複数の信号採取期間
の全期間にわたる異常放電の発生時間Δta(異常放電の
放電開始時点と放電終了時点との時間間隔を、全信号採
取期間に発生した全ての異常放電について求め、これを
総和したもの)を算出する。
しかして、算出した異常放電の発生時間Δtaに対する全
信号採取期間ΔTの比を次式のようにして接触率Aとし
て算出する。
A=Δta/ΔT しかして、接触率Aを接触率しきい率と比較する。この
接触率Aはワイヤ電極3の被加工物2に対する接触の度
合を表しており、接触率算出手段16−6はこの接触率A
と接触率しきい率とを比較し、接触率Aが接触率しきい
率よりも大きければワイヤ電極3に断線が生じる危険性
が高いと判断し、この旨を表示器21に表示する。この場
合、表示器21には「ワイヤ断線 危険!!」及び「接触多
発(接触率A×100%)」のみが表示される。
このように上記一実施例においては、放電電圧又は放電
電流を検出して放電電圧などの放電データDを作成し、
この放電データDから加工エネルギ、ワイヤ接近及び接
触率を求めてこれら加工エネルギ、ワイヤ接近及び接触
率のうちいずれか1つが各しきい値以上となったときに
ワイヤ電極3に断線が生じる危険性が高いことを表示す
るようにしたので、ワイヤ電極3が切断する要因である
加工エネルギ、ワイヤ接近及び接触率のうちいずれか1
つでも所定値以上となるワイヤ電極3が切断する危険性
が高いとしてその旨を表示できる。従って、「ワイヤ断
線 危険!!」が表示された緊急時に断線要因の内容によ
って加工条件例えば加工速度や放電間隔を調整でき、ワ
イヤ電極3を切断することが無くなる。
なお、本発明は上記各実施例に限定されるものでなくそ
の主旨を逸脱しない範囲で変形してもよい。例えば、上
記一実施例において異常放電と正常放電との分類は電流
ピークd1,d2…dn又は放電エネルギf1,f2…fnのヒストグ
ラムを作成してその正規分布から分類してもよい。又、
ワイヤ断線の判断の順序は放電エネルギ、接近度合又は
接触率のうちいずれからでも良い。
[発明の効果] 発明の断線予測装置は、ワイヤ放電電極に断線が生じる
危険性が高いことを正確に予測することができるので、
断線が生じる前に、この断線を回避するための放電加工
条件の変更を適時に行うことができるようになりワイヤ
放電の中断という最悪の事態を未然に防止することがで
きる。その結果、放電加工能率及び歩留りを高めること
ができることはもとより、放電加工精度の安定化にも寄
与することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第5図は本発明に係わる断線予測装置の一実
施例を説明するための図であって、第1図は構成図、第
2図は機能ブロック図、第3図は放電電圧及び放電電流
の波形図、第4図は断線危険の表示例を示す図、第5図
は放電の分類作用を説明するための図である。 1……加工槽、2……被加工物、3……ワイヤ電極、4
……上部ワイヤガイド体、5……放電制御回路、6……
直流電源、7……電圧検出器、8……電流検出器、10…
…モニタ装置本体、11,12……アッテネータ、13,14……
A/D変換器、15……バス、16……CPU、16−1……信号採
取手段、16−2……放電データ作成手段、16−3……断
線報知手段、16−4……放電エネルギ算出手段、16−5
……接近度合算出手段、16−6……接触率算出手段、17
……タイミングコントローラ、18……RAM、19……ROM、
20……表示駆動部、21……表示器。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構成(イ)〜(ホ)を具備し、被加工
    物とワイヤ放電電極との間に周期的に電圧を印加して前
    記被加工物を放電加工する際の前記ワイヤ放電電極の断
    線を予測する断線予測装置。 (イ)前記被加工物と前記ワイヤ放電電極との間の放電
    電圧及び放電電流を検出する検出器。 (ロ)前記検出器からの各検出信号を所定の信号採取期
    間にわたってディジタル変換して取り込む信号採取手
    段。 (ハ)前記信号採取手段で採取された放電電圧検出信号
    及び放電電流検出信号に基づいて電圧印加にもかかわら
    ず放電電流が生じない無放電を除く放電発生ごとの放電
    電圧データを作成する放電データ作成手段。 (ニ)前記放電データ作成手段で作成された放電電圧デ
    ータを予め設定されている放電限界電圧値と比較し、こ
    の比較結果に基づいて正常放電よりも低電圧で導通する
    ことにより生じる異常放電データを検出するとともに、
    前記異常放電データを除外した放電データについてヒス
    トグラムを作成し、この作成したヒストグラムの頻度分
    布に基づいて前記正常放電データ及びこの正常放電デー
    タの低電圧側にて異なる分布モードを呈する過渡的放電
    データとに分類し、前記異常放電データの数と前記過渡
    的放電データの数との和に対する前記信号採取期間にお
    ける放電電圧データの全数の比を接近度合として算出す
    るとともに、この算出された接近度合を予め設定された
    接近度合しきい値とを比較し、この比較結果に基づいて
    前記ワイヤ放電電極の断線が生じる危険性が高いことを
    判定する接近度合算出手段。 (ホ)前記接近度合算出手段の断線予測結果に基づいて
    前記ワイヤ放電電極の断線が生じる危険性が高いことを
    表示する断線表示手段。
  2. 【請求項2】下記構成(イ)〜(ホ)を具備し、被加工
    物とワイヤ放電電極との間に周期的に電圧を印加して前
    記被加工物を放電加工する際の前記ワイヤ放電電極の断
    線を予測する断線予測装置。 (イ)前記被加工物と前記ワイヤ放電電極との間の放電
    電圧及び放電電流を検出する検出器。 (ロ)前記検出器からの各検出信号を所定の信号採取期
    間にわたってディジタル変換して取り込む信号採取手
    段。 (ハ)前記信号採取手段で採取された放電電圧検出信号
    及び放電電流検出信号に基づいて電圧印加にもかかわら
    ず放電電流が生じない無放電を除く放電発生ごとの放電
    電圧データ及び放電開始時点データ及び放電終了時点デ
    ータを作成する放電データ作成手段。 (ニ)前記放電データ作成手段で作成された放電電圧デ
    ータを予め設定されている放電限界電圧値と比較し、こ
    の比較結果に基づいて正常放電よりも低電圧で導通する
    ことにより生じる異常放電データを検出し、この検出し
    た異常放電データに対応する前記放電開始時点データ及
    び前記放電終了時点データに基づいて前記信号採取期間
    における異常放電発生時間を求め、前記異常放電発生時
    間に対する前記信号採取期間の比を接触率として算出す
    るとともに、この算出された接触率を予め設定された接
    触率しきい値と比較し、この比較結果に基づいて前記ワ
    イヤ放電電極の断線が生じる危険性が高いことを判定す
    る接触率算出手段。 (ホ)前記接触率算出手段の断線予測結果に基づいて前
    記ワイヤ放電電極の断線が生じる危険性が高いことを表
    示する断線表示手段。
  3. 【請求項3】下記構成(イ)〜(ト)を具備し、被加工
    物とワイヤ放電電極との間に周期的に電圧を印加して前
    記被加工物を放電加工する際の前記ワイヤ放電電極の断
    線を予測する断線予測装置。 (イ)前記被加工物と前記ワイヤ放電電極との間の放電
    電圧及び放電電流を検出する検出器。 (ロ)前記検出器からの各検出信号を所定の信号採取期
    間にわたってディジタル変換して取り込む信号採取手
    段。 (ハ)前記信号採取手段で採取された放電電圧検出信号
    及び放電電流検出信号に基づいて電圧印加にもかかわら
    ず放電電流が生じない無放電を除く放電発生ごとの放電
    電圧データ及び放電開始時点データ及び放電終了時点デ
    ータ及び放電エネルギデータを作成する放電データ作成
    手段。 (ニ)前記放電データ作成手段にて作成された放電エネ
    ルギーデータを予め設定された放電エネルギしきい値と
    比較し、この比較結果に基づいて前記ワイヤ放電電極の
    断線が生じる危険性が高いことを判定する第1断線予測
    手段。 (ホ)前記放電データ作成手段で作成された放電電圧デ
    ータを予め設定されている放電限界電圧値と比較し、こ
    の比較結果に基づいて正常放電よりも低電圧で導通する
    ことにより生じる異常放電データを検出するとともに、
    前記異常放電データを除外した放電データについてヒス
    トグラムを作成し、この作成したヒストグラムの頻度分
    布に基づいて前記正常放電データ及び前記正常放電デー
    タの低電圧側にて異なる分布モードを呈する過渡的放電
    データとに分類し、前記異常放電データの数と前記過渡
    的放電データの数との和に対する前記信号採取期間にお
    ける放電電圧データの全数の比を接近度合として算出す
    るとともに、この算出された接近度合を予め設定された
    接近度合しきい値とを比較し比較結果に基づいて前記ワ
    イヤ放電電極の断線が生じる危険性が高いことを判定す
    る第2断線予測手段。 (ヘ)前記異常放電データに対応する前記放電開始時点
    データ及び前記放電終了時点データに基づいて前記信号
    採取期間における異常放電発生時間を求め、前記異常放
    電発生時間に対する前記信号採取期間の比を接触率とし
    て算出するとともに、この算出された接触率を予め設定
    された接触率しきい値と比較し、この比較結果に基づい
    て前記ワイヤ放電電極の断線が生じる危険性が高いこと
    を判定する第3断線予測手段。 (ト)前記第1断線予測手段及び前記第2断線予測手段
    及び前記第3断線予測手段のうちの少なくとも一つの断
    線予測結果に基づいて前記ワイヤ放電電極の断線が生じ
    る危険性が高いことを表示する断線表示手段。
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