JP2558740Y2 - パチンコ機の入賞装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、パチンコ機の入賞装
置に関し、更に詳しくは、入賞したセーフ球を旋回方向
に遊回案内させて複数の方向へ区分通出させるようにし
た入賞装置に関するものである。

【０００２】

【従来技術】従来より実施されているパチンコ機にあっ
ては、そのパチンコゲーム内容として、遊技盤上の特定
入賞口に遊技球が入賞して検出された場合や、入賞した
セーフ球が特定位置や領域に入って検出された場合に基
いて、所定の権利条件が発生(成立)され、この前提で対
象の電動可変式入賞装置が開成されて、遊技者にとって
有利な特別遊技が提供されるものがある。このような特
別遊技に係る権利を発生させるべき遊技部品について、
通常では権利発生用入賞装置または権利用役物とも呼ば
れており、一般的には所定の入賞口(特定入賞口ともい
う)から入ったセーフ球を互いに区画された特定用と通
常用の通出路の何れかに通出させ、特定通出路に入った
特別セーフ球をスイッチで検出したことにより、権利発
生条件を成立させる形態のものが多く使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし前述した権利発
生用入賞装置(権利用役物)では、入賞口から入って器内
に導入されたセーフ球が何れかの通出路に入るだけの単
純な形態となっているために、特定通出路へのセーフ球
の通入態様、言換えると特別セーフ球の発生態様につい
て、特別に新しい変化が見られず遊技者にとっても興味
を抱き難かった。従ってこの種の装置において、権利が
発生するか否かに最大の関心が持たれるものの、反面特
別セーフ球の発生状況(態様)に物足りなさが感じられて
いる状況にあった。このため、この種の装置を備えたパ
チンコ機でのゲームに対する興趣が薄れてしまう大きな
問題があった。このような状況にあって、メーカー側、
遊技者側の双方から、パチンコ機でのゲームに対する興
趣を高め得る好適な権利用役物が強く希求され、その提
案が待たれている。

【０００４】

【考案の目的】本考案は、前述した課題を好適に解決す
ると共に従来の要望に応えて提案されたものであって、
入賞導入経路から遊回室内に導入されたセーフ球を、積
極的に送込んで所要の旋回方向へ遊回案内させながら、
最終的には特定用、通常用に区分された夫々の通出領域
に区分通出させて、特定用の通出領域から選球通出され
るセーフ球を、遊技者にとって有利となる特別セーフ球
または権利発生用セーフ球とさせることを可能にした小
型の入賞装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前述した課題を克服し、
所期の目的を達成するため本考案に係るパチンコ機の入
賞装置は、所要のパチンコゲームを展開し得る遊技盤に
実施されてセーフ球を遊技盤の前側と後側に区分通出し
て、遊技者の有利な特別遊技状態に係る特別セーフ球ま
たは権利用セーフ球を発生可能とした非変動タイプの小
型の入賞装置にあって、遊技盤に装着されて正面内部に
セーフ球用の遊回室を形成すると共に前側下部に通出口
を形成した本体と、この本体の前側上段部に形成されて
セーフ球を受入れて遊回室内に導入する入賞導入路およ
び案内樋と、本体内側に揺動自在に支持されて案内樋か
らのセーフ球を１球ずつ導入規制する規制部材と、遊回
室内後方に位置して本体裏側のモータにより一方向へ連
続回転される過程で規制部材で案内されたセーフ球を１
球ずつ積極的に遊回室内に送込む回転送出体と、本体内
に水平の向きに取着されて遊回室の底面を構成し中央部
に略リング状凹座形の案内部を形成して外側に円弧形斜
状の案内溝を形成した旋回案内盤と、この旋回案内盤の
案内部に形成された特定用および通常用の区分通出経路
によりセーフ球を３方向へ区分通出し得る区分通出部と
を有し、 前記遊技盤内でのパチンコゲームにおいて、入
賞導入路に入って案内樋から遊回室内の奥部に導入され
たセーフ球について、規制部材で１球ずつ導入規制しな
がら回転送出体により１球ずつ取込んで旋回案内盤の案
内溝へ送出して案内部内に導入し、同案内部)でセーフ
球が渦巻き状に遊回する過程で、区分通出部の特定用お
よび通常用の区分通出経路の何れかに区分通出して、本
体の下部前側の通出口から遊技盤前面の所定入賞口に通
入し得る特別セーフ球と、本体の下部裏側の通出口から
遊技盤裏側の２方向へ通出される通常セーフ球とに区分
し得るように構成したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】入賞装置では、電源投入状態においてモータの
連続駆動に従い、遊回室内の回転送出体が常時所定方向
へ連続回転されている。このもとで、本体の入賞導入路
から回転送出体に導入されたセーフ球は、該送出体によ
り１球ずつ旋回案内盤側に送り出される。そしてこのセ
ーフ球は、旋回案内盤の旋回案内作用により渦巻き状態
で遊回しながら、最終的に通出区分部で選球区分され
て、その下方に画成された特定用または通常用の区分通
出経路へ通出処理される。

【０００７】

【実施例】次に、本考案に係るパチンコ機の入賞装置に
つき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら
以下詳細に説明する。なお本実施例の入賞装置は、遊技
盤上のおける権利発生用入賞装置として実施される場合
を主たる例とする。

【０００８】本実施例の入賞装置１０は、入賞口の広さ
が変化されない非変動タイプの小型のものであって、そ
の基本的な構成として図１〜図７に例示すように、遊技
盤に装着される本体１２と、この本体１２の前側上段部
から本体１２内の遊回室Ｒに亘り形成されたセーフ球用
の入賞導入路１４と、遊回室Ｒの底面を構成してセーフ
球を所要方向に旋回通入しながら通出区分部１６へ案内
する旋回案内盤１８と、モータ２０の駆動による連続回
転によりセーフ球を１球ずつ取込んで旋回案内盤１８側
へ送り出す回転送出体２２と、旋回案内盤１８の通出区
分部１６の下方から夫々の方向の区分形成された特定セ
ーフ球用および通常セーフ球用の区分通出経路２４,２
６と備えて構成されている。

【０００９】そしてこのような入賞装置１０にあって、
電源投入実施状態においてモータ２０の連続駆動に従い
回転送出体２２が常時所定方向(例えば図２中の時計方
向)へ連続回転されているもとで、入賞導入路１４から
遊回室Ｒを経て回転送出体２２側に導入されたセーフ球
について、回転送出体２２がその回転力を利用して所定
の取込みタイミングで１球ずつ取込んで旋回案内盤１８
側へ送出する。そしてこのセーフ球を以降旋回案内盤１
８の旋回案内作用を利用して渦巻き状態で遊回させなが
ら、最終的には通出区分部１６で選球区分して、特定用
または通常用の区分通出経路２４,２６から夫々の所定
方向へ通出処理し得るようになっている。但し本実施例
では、１つの特定用と２つの通常用との区分通出経路２
４,２６,２６を画成してセーフ球を３方向に区分通出し
得る例を示し、特定用の区分通出経路２４から通出され
るセーフ球を、適宜検出スイッチ(図示せず)で検出する
ことを前提にして権利用セーフ球とし得る場合を例とす
る。

【００１０】このような本実施例の入賞装置１０にあっ
て、前記本体１２は、遊技盤面の所要部位に装着される
前体２８と、この前体２８の裏側開口面に合わせて取着
された裏体３０とから構成されて、図４に示す如く、両
者２８,３０間の内部に前記遊回室Ｒが画成されるよう
になっている。また本体１２の前側(前体２８の前面)に
は、装飾兼用の前枠３２が取着されており、この前枠３
２の上段部に入賞部３４が成形されて、その下流端の出
口３４ａを前記遊回室Ｒ内の上方に臨ませている。この
出口３４ａには、遊回室Ｒの上方を後側に向けて延出す
る樋状の案内樋３６が形成され、入賞部３４、出口３４
ａおよび案内樋３６により入賞導入路１４が形成され
る。そしてこの入賞導入路１４を介して遊回室Ｒに導入
されたセーフ球は、遊回室Ｒの後部に形成した球受け部
３８に案内されるようになっている。なお、前枠３２の
縦央下部に、図２に示すように、通出口３２ａが開口さ
れており、該通出口３２ａは、前記通出区分部１６で選
球されて特定用の区分通出経路２４から導出するセーフ
球を遊技盤前面に通出するべく機能するものである。ま
た本体１２の下部には、図４に示す如く、通出区分部１
６で選球されて通常用の区分通出経路２６,２６から導
出するセーフ球を、遊技盤裏側に通出させる通出口４０
が形成されている。

【００１１】前記裏体３０の裏側に前記モータ２０が取
着されて、その駆動軸２０ａ内端(前端)に、遊回室Ｒ内
において前記球受け部３８の開放する右側に臨む回転送
出体２２が一体回転可能に配設されている(図１,図４参
照)。この回転送出体２２には、周方向に所要中心角(約
１２０°)で３個所に凹部２２ａが形成され、前記球受
け部３８からのセーフ球を各凹部２２ａに取込み得るよ
うになっている。そして、モータ２２の駆動に伴ない回
転送出体２２が図２中時計方向へ連続回転されている状
態で、球受け部３８から所要の凹部２２ａに取込んだセ
ーフ球を、該送出体２２の回転により当該凹部２２ａが
所要角度回動したときに前記旋回案内盤１８側へ送り出
すよう構成されている。

【００１２】前記裏体３０の内側に、図６に示す如く、
枢支ピン４２を介して規制部材４４が揺動自在に枢支さ
れると共に、該規制部材４４の後部に突設した突起４４
ａを裏板３０に形成した弧状孔３０ａに摺動自在に挿通
してある。また規制部材４４は、枢支部から離間する右
端部に重りが配設されて、常には右端部(回転送出体２
２の上方に臨む部位)を傾め下方に指向させている。そ
して規制部材４４は、球受け部３８から回転送出体２２
へ一度に複数のセーフ球が導入されるのを防止すると共
に、セーフ球が回転送出体２２を越えて旋回案内盤１８
側に導入されるのを防止するべく機能する。なお、裏体
３０の裏側に、モータ用の駆動基盤４６やランプを接続
したランプ基盤(図示せず)等が取着されるようになって
いる。

【００１３】前記本体１２の内部には、図４に示す如
く、前記旋回案内盤１８が着脱自在に配設されて、前記
遊回室Ｒの主要底部を構成している。この旋回案内盤１
８の略中央部には、略リング状に案内部１８ａが形成さ
れ、この案内部１８ａの内側に通出区分部１６が画成さ
れている。そして、該通出区分部１６に３つの通口４
８,５０,５０と各方向への球案内片５２,５４,５４が夫
々成形されており、この夫々の通口４８,５０,５０およ
び球案内片５２,５４,５４を利用して、前記夫々の区分
通出経路２４,２６,２６が構成される。また、通出区分
部１６の前側の通口４８と対応する球案内片５２には、
該通口４８に通入したセーフ球を前記本体１２(前枠３
２)の通出口３２ａ側へ案内する案内突片５６が形成さ
れている。なお、旋回案内盤１８には、前記回転送出体
２２から送出されるセーフ球を、通出区分部１６へ案内
する弧状の案内溝１８ｂが形成され、この案内溝１８ｂ
を介して通出区分部１６に送込まれたセーフ球は案内部
１８ａに沿って旋回するようになっている(図７参照)。

【００１４】このように構成された入賞装置では、前記
入賞導入路１４を介して遊回室Ｒ内の球受け部３８に導
入されたセーフ球は、モータ２０の駆動に従い時計方向
へ連続回転されている回転送出体２２の所要の凹部２２
ａに取込まれ、該送出体２２の回転により旋回案内盤１
８側の案内溝１８ｂに送り出される。そして案内溝１８
ｂを介して通出区分部１６に案内されたセーフ球は、該
通出区分部１６内で渦巻き状態で遊回されながら最終的
には前記３つの通口４８,５０,５０の何れかに入って落
下される。このセーフ球区分態様にあって、前記通出区
分部１６の前側通口４８から落下されるセーフ球は、当
該通口４８側の球案内片５２および案内突片５６で案内
されて本体１２の通出口３２ａを通って一旦遊技盤前面
に通出される。そして、通出口３２ａの直下方に配置さ
れた入賞具(図示しない)に入賞する。なお回転送出体２
２においては、旋回案内盤１８側にセーフ球を所要のタ
イミングで１球づつ送り出すので、一度に複数のセーフ
球が旋回案内盤１８に送り出されることにより生ずる不
都合(「パンク」状態となる)を未然に防止し得る。

【００１５】また、前記通出区分部１６の後側の２つの
通口５０,５０から落下した夫々のセーフ球は、当該通
口５０,５０側の球案内片５４,５４で案内されながら本
体１２の通出口４０を通って遊技盤裏側に通出される。
このもとで、特定用の区分通出経路２４から通出処理さ
れるセーフ球が、検出スイッチで検出されて特別セーフ
球または権利発生用セーフ球とされる。

【００１６】

【考案の効果】以上説明した如く、本考案に係るパチン
コ機の入賞装置は、権利発生に基いて遊技者に有利とさ
れる特別遊技状態を呈し得るパチンコ機に好適に実施で
きるもので、その実施状態において、入賞導入路から遊
回室内に入ったセーフ球に対して、回転送出体により旋
回案内盤に１球づつ送り出して旋回案内作用により渦巻
き状態で遊回させながら、最終的に通出区分部で選球区
分して特定用または通常用の区分通出経路へ通出させ
て、特別セーフ球の発生態様に新しく興味の高い変化を
呈し得る。これにより、この入賞装置を備えたパチンコ
ゲームに対する興趣を高めることができる。特に本考案
の入賞装置では、入賞導入路に入ったセーフ球が、旋回
室内の旋回案内盤上に導入されて相当な時間に亘り渦巻
き状に案内されることを目視しながら楽しみ得るもと
で、旋回案内盤の中心部に移行したセーフ球が、特定用
と通常用の区分通出経路の何れかに通入する状態、そし
て特定用の区分通出経路に入って通出口から遊技盤前面
の所定入賞具に通入する特別用セーフ球または権利用セ
ーフ球の発生状態を併せて直接視認しながら期待感をも
って楽しむことができ、特別用セーフ球または権利用セ
ーフ球の発生状態の誤認を未然に解消することができ
る。 そして規制部材を配設したことにより、回転送出体
へ一度に複数のセーフ球が導入されるのを防止すること
ができると共に、セーフ球が回転送出体を越えて旋回案
内盤側に導入されるのを防止することができる。また回
転送出体においては、旋回案内盤にセーフ球を所要のタ
イミングで１球づつ送り出すので、一度に複数のセーフ
球が旋回案内盤に送り出されることにより生ずる球詰ま
りやパンク状態等の不都合を未然に防止し得る利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る入賞装置を分解して示す一部切欠
き平面図である。

【図２】実施例に係る入賞装置の正面図である。

【図３】実施例に係る入賞装置の背面図である。

【図４】実施例に係る入賞装置の縦断側面図である。

【図５】実施例に係る入賞装置における前体の背面図で
ある。

【図６】実施例に係る入賞装置における裏体の正面図で
ある。

【図７】実施例に係る入賞装置における旋回案内盤と回
転送出体を示す斜視図である。

【符号の説明】

１２ 本体 １４ 入賞導入路 １６ 通出区分部 １８ 旋回案内盤１８ａ 案内部 １８ｂ 案内溝 ２０ モータ ２２ 回転送出体 ２４,２６ 区分通出経路３２ａ 通出口 ３６ 案内樋 ４０ 通出口 ４４ 規制部材 Ｒ 遊回室

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所要のパチンコゲームを展開し得る遊技
   盤に実施されてセーフ球を遊技盤の前側と後側に区分通
   出して、遊技者の有利な特別遊技状態に係る特別セーフ
   球または権利用セーフ球を発生可能とした非変動タイプ
   の小型の入賞装置にあって、 遊技盤に装着されて正面内部にセーフ球用の遊回室(R)
   を形成すると共に前側下部に通出口(32a)を形成した本
   体(12)と、この本体(12)の前側上段部に形成されてセー
   フ球を受入れて遊回室(R)内に導入する入賞導入路(14)
   および案内樋(36)と、本体(12)内側に揺動自在に支持さ
   れて案内樋(36)からのセーフ球を１球ずつ導入規制する
   規制部材(44)と、遊回室(R)内後方に位置して本体(12)
   裏側のモータ(20)により一方向へ連続回転される過程で
   規制部材(44)で案内されたセーフ球を１球ずつ積極的に
   遊回室(R)内に送込む回転送出体(22)と、本体(12)内に
   水平の向きに取着されて遊回室(R)の底面を構成し中央
   部に略リング状凹座形の案内部(18a)を形成して外側に
   円弧形斜状の案内溝(18b)を形成した旋回案内盤(18)
   と、この旋回案内盤(18)の案内部(18a)に形成された特
   定用および通常用の区分通出経路(24,26,26)によりセー
   フ球を３方向へ区分通出し得る区分通出部(16)とを有
   し、 前記遊技盤内でのパチンコゲームにおいて、入賞導入路
   (14)に入って案内樋(36)から遊回室(R)内の奥部に導入
   されたセーフ球について、規制部材(44)で１球ずつ導入
   規制しながら回転送出体(22)により１球ずつ取込んで旋
   回案内盤(18)の案内溝(18b)へ送出して案内部(18a)内に
   導入し、同案内部(18a)でセーフ球が渦巻き状に遊回す
   る過程で区分通出部(16)の特定用および通常用の区分通
   出経路(24,26,26)の何れかに区分通出して、本体(12)の
   下部前側の通出口(32a)から遊技盤前面の所定入賞口に
   通入し得る特別セーフ球と、本体(12)の下部裏側の通出
   口(40)から遊技盤裏側の２方向へ通出される通常セーフ
   球とに区分し得るように構成した ことを特徴とするパチ
   ンコ機の入賞装置。