JP2558191B2 - 給液装置 - Google Patents

給液装置

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JP2558191B2
JP2558191B2 JP3196853A JP19685391A JP2558191B2 JP 2558191 B2 JP2558191 B2 JP 2558191B2 JP 3196853 A JP3196853 A JP 3196853A JP 19685391 A JP19685391 A JP 19685391A JP 2558191 B2 JP2558191 B2 JP 2558191B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のブレーキオイ
ルのリザーブタンク等の被給液容器にブレーキオイル等
の液体の給液を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の給液装置は、通常、被給
液容器の口部に給液本体を挿着した状態で、まず、この
給液本体に設けた真空引き通路を介して被給液容器内の
真空引きを行った後に、該被給液容器内の負圧を利用し
て、給液本体に設けた給液通路を介して被給液容器内に
液体を供給・充填し、かかる後に、さらに、給液本体に
設けた液面調整通路を介して該被給液容器内の余剰液を
吸引して被給液容器内の液面調整を行うようにしてい
る。
【0003】例えば、特公平1−59191号公報に開
示されている給液装置においては、給液本体の被給液容
器の口部への挿着部その内部を被給液容器内に向かって
貫通して設けられたノズル部の内部に真空引き通路と液
面調整通路を兼ねる給液通路とを形成すると共に、その
両通路をノズル部の先端部に設けたノズル口に連通さ
せ、さらに、真空引き通路に給液本体の外部に設けた真
空引き経路と、この真空引き通路等にエアを供給してこ
れを清掃するためのエア供給通路とをそれぞれ給液本体
に設けた開閉弁を介して接続し、また、給液通路に給液
本体の外部に設けた給液経路及び液面調整経路とをそれ
ぞれ給液本体に設けた開閉弁を介して接続し、摺動筒を
ノズル部に摺動自在に外挿すると共に給液本体の挿着部
に摺動自在に内挿し、この摺動筒をノズル口に向かって
進退動させることにより、該ノズル口を開閉するように
している。
【0004】しかしながら、かかる従来の給液装置にお
いては、次のような不都合があった。
【0005】すなわち、特公平1−59191号公報の
給液装置においては、給液本体を被給液容器の口部に挿
着した状態で、その口部の内周面に接触する箇所から摺
動筒を介してノズル部のノズル口が接触するため、被給
液容器内の液面調整を行う際に液面調整通路としての給
液通路を介して被給液容器内の吸引を行うと、被給液容
器内の液面がノズル口よりも低い位置に達した後におい
ても、被給液容器内の液体が口部の内周面から給液本体
との接触箇所や摺動筒をノズル口まで伝わって、引き続
き、被給液容器内の液体が吸引されてしまうことがあ
り、このような事態が生じると、被給液容器内の液面調
整が所望通りに行われないこととなる虞れがあった。
【0006】この場合、特に自動者のブレーキオイルの
リザーブタンク等の被給液容器においては、被給液容器
が通常、樹脂製のものであるため、その口部の剛性が低
いと共に、その寸法精度や取付精度もそれほど高精度の
ものではないため、給液本体が被給液容器の口部に常
に、一定の姿勢で均一に挿着されるとは限らず、その挿
着による口部と給液本体等との接触状態によっては、上
記のような不都合が生じ易くなることがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる不都合
を解消し、被給液容器に対して真空引き、給液・充填及
び液面調整を順次、行って該被給液容器に所定量の給液
を行う給液装置において、その被給液容器に挿着される
給液本体の構成を小型且つ簡略なものとしつつ、特に、
液面調整を確実且つ円滑に行うことができる給液装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる目的を達
成するために、被給液容器の口部に挿着部を介して着脱
自在に挿着される給液本体と、該給液本体に被給液容器
に向かって前記挿着部を貫通して設けられたノズル部
と、該給液本体及びノズル部の内部に該ノズル部の先端
部に形成されたノズル口に連通して設けられた真空引き
通路、給液通路及び液面調整通路とを備え、該給液本体
を被給液容器の口部に挿着した状態で、前記真空引き通
路を介して被給液容器内の真空引きを行った後に、前記
給液通路を介して該被給液容器内に液体を供給・充填
し、その後に、前記液面調整通路を介して該被給液容器
内の余剰の液体を吸引して液面調整を行う給液装置にお
いて、前記ノズル部に摺動自在に外挿されると共に前記
挿着部に内挿され、その摺動により該ノズル部の先端部
のノズル口に向かって進退自在に設けられた摺動筒と、
該摺動筒の先端部に設けられ、該摺動筒の進退動により
前記ノズル口を前記液面調整通路を介して前記被給液容
器内の液体を吸引可能な程度に大略閉塞する閉位置と該
ノズル口を開口させる開位置との間で移動するノズル口
開閉部と、該摺動筒と挿着部との間に形成された環状間
隙と、前記被給液容器の内部を該環状間隙を介して大気
に開放させるべく前記給液本体に設けられた大気開放通
路と、該摺動筒に設けられ、前記ノズル口開閉部の閉位
置で前記環状間隙を被給液容器の内部に開口すると共
に、該ノズル口開閉部の開位置で該環状間隙を閉塞する
間隙開閉部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明によれば、前記被給液容器に給液を行う
際には、前記挿着部を介して前記給液本体を前記被給液
容器の口部に挿着した後に、前記摺動筒を前記ノズル部
の先端部から後退させた状態で、前記ノズル口から前記
真空引き通路を介して被給液容器内の真空引きを行い、
続いて、前記給液通路からノズル口を介して被給液容器
内に液体を供給・充填する。この時、前記摺動筒の間隙
開閉部は前記環状間隙を閉塞しており、従って、被給液
容器の内部は、前記大気開放通路に対して段されてい
る。
【0010】次いで、前記摺動筒をノズル部の先端部に
向かって前進させた状態で、ノズル口から前記液面調整
通路を介して被給液容器内の余剰液を吸引して、液面調
整を行う。この時、ノズル口は、前記摺動筒のノズル口
開閉部により大略閉塞されているものの、被給液容器尚
の液体を吸引できる程度には開いており、また、前記摺
動筒の間隙開閉部は前記環状間隙を被給液容器内に開口
させて、該被給液容器の内部を環状間隙から前記大気開
放通路を介して大気に開放している。従って、被給液容
器内の液体は、大気開放通路から被給液容器内に大気が
導入されながら、ノズル口から液面調整通路を介して円
滑に吸引され、この吸引は、被給液容器内の液体の液面
がノズル口から離反する位置まで行われ、これにより、
液面調整が行われる。そして、この時、ノズル部のノズ
ル口を設けた先端部及び摺動筒は、被給液容器の口部に
接触する給液本体の挿着部に対して前記環状間隙によ
り、非接触状態とされているので、被給液容器内の液体
がその口部からこれと接触する挿着部を介してノズル口
まで伝わってくることはなく、従って、上記の吸引によ
る液面調整は、液面がノズル口から離反する位置で停止
することとなる。
【0011】
【実施例】本発明の給液装置の一例を図1乃至図5に従
って説明する。図1は該給液装置の要部の説明的縦断面
図、図2は該給液装置の経路構成図、図3乃至図5はそ
の作動説明図である。
【0012】図1で、仮想線示のWは自動車のブレーキ
オイルのリザーブタンク等の被給液容器、1は被給液容
器Wにブレーキオイル等の液体を給液する際に該被給液
容器Wの口部aに装着される給液本体である。
【0013】給液本体1は、その構成を大別すると、基
部2から垂設されたノズル部3と、基部2からノズル部
3と同心に垂設された大略筒状の副基部4とから成り、
基部2の上面部には、ニードルバルブ等により構成され
る例えば、3個の開閉弁V1 〜V3 が装着されている。
また、基部2には、後述の真空引き経路5、給液経路
6、液面調整経路7及びエア供給経路8の配管部材5a
〜8aが接続されている。
【0014】ノズル部3の下端部には、その内部から側
面部に向かって開口するノズル口9が形成され、このノ
ズル口9には、基部2からノズル部3の下端部までこれ
らの内部を通って形成された真空引き通路10及び給液
通路11が連通されている。この場合、給液通路11
は、後述の液面調整に際して被給液容器W内の液体を吸
引するための液面調整通路を兼ねるものである。
【0015】そして、基部2の内部には、上記配管部材
5a〜7aがそれぞれ接続された真空引き副通路12、
給液副通路13及び液面調整副通路14が形成され、真
空引き副通路12は開閉弁V1 を介して真空引き通路5
に接続されている。また、給液副通路13及び液面調整
副通路14は、それぞれ開閉弁V2 ,V3 を介して給液
通路11に接続・合流されている。
【0016】副基部4の内周部は、その基部2側の上部
を形成する大径内周部15と、この大径内周部15から
下側に内周段部16を介して形成された小径内周部17
とから成り、この小径内周部17とノズル部3との間に
は、大径内周部15の内部からノズル部3の下端位置ま
で摺動筒18が摺動自在に内挿されている。
【0017】この摺動筒18は、その上部と基部2との
間でノズル部3に外挿されたスプリング19により下方
に付勢されると共に、その上部の外周部に形成された顎
部20を介して副基部4の内周段部16上に支承されて
いる。
【0018】尚、ノズル口9の下端部の外周部と、下端
位置にある摺動筒18の下端部の内周部に形成されたノ
ズル口開閉部21との間には、間隙3aが形成されてお
り、後述の液面調整の際には、この間隙3aを介して被
給液容器W内の液体が吸引されることとなる。
【0019】摺動筒18の上端部は、その外周部に形成
された環状摺接部22を介して副基部4の大径内周部1
5に摺接され、この環状摺接部22と内周段部16との
間にエア室23を形成している。そして、エア室23に
は、前記エア供給経路8(詳細は後述する)の配管部材
8aを接続したエア供給通路24が基部2及び副基部4
の内部を通って連通されており、このエア供給通路24
を介してエア室23にエアを供給することにより、摺動
筒18が上昇してノズル口開閉部21がノズル口9から
離反し、該ノズル口9が開かれるようになっている。
【0020】また、ノズル部3の下部の外周部には、副
基部4の小径内周部17よりも若干、小径に形成された
ノズル小径部25が形成されており、このノズル小径部
25と小径内周部17との間に環状間隙26を形成して
いる。
【0021】この環状間隙26は、その上端部から副基
部4の内部を通って副基部4の外周部に至る大気開放通
路26aを介して大気に連通され、また、上記のよう
に、ノズル口9が摺動筒18のノズル口開閉部21によ
り閉塞されている状態では、図示のように、ノズル部3
の下方の空間に開口されている。
【0022】そして、摺動筒18の下端部の外周部に
は、上記のように、摺動筒18が上昇されてノズル口9
が開かれた時に、環状間隙26を閉塞する間隙開閉部2
7が形成されている。この間隙開閉部27は、副基部4
の小径内周部16とほとんど同径に形成されており、摺
動筒18が上昇された時に、環状間隙26の下端部の位
置で小径内周部17にOリング28を介して全周にわた
って摺接し、これにより、環状間隙26を閉塞するよう
にしている。
【0023】副基部4の外周部は、その基部2側の上部
に形成された大径外周部29と、この大径外周部29か
ら下側に外周段部30を介して大径外周部29よりも小
径に形成された小径外周部31とから成り、この小径外
周部31から前記小径内周部にかけて、被給液容器Wの
口部aに挿着される挿着部32が形成されている。
【0024】この場合、挿着部32は、外周段部30が
これに固着された環状当接部30aを介して口部aの端
面部に当接する位置まで、口部aに摺接・嵌挿可能とさ
れ、その嵌挿時には、小径外周部31に装着されたOリ
ング33を介して口部aの内周面に全周にわたって密着
するようになっている。
【0025】また、副基部4の大径外周部29の下部に
は、その両側に略上下方向に延在する一対のアーム3
4,34がそれぞれ支軸35を介して揺動自在に枢支さ
れている。
【0026】この場合、各アーム34の下端部は、前記
挿着部31を被給液容器Wの口部aに嵌挿した状態で、
アーム34を支軸35の回りに揺動させることにより、
同図、実線示及び仮想線示のように、口部aの外周部に
形成された環状顎部bに向かって接近・離反可能とされ
ている。そして、各アーム34の下端部には、内側に突
出された係止片36が形成されており、この係止片36
は、アーム片34の下部が口部aに接近する側に揺動さ
れた時に、環状顎部bの下面部に当接・係合するように
なっている。
【0027】かかる構成により、アーム片34は、給液
本体1の挿着部31を被給液容器Wの口部aに挿着した
状態で、係止片36を口部aの環状顎部bに係合させる
ことにより、挿着部31が口部aから抜けることのない
ようにしている。
【0028】尚、各アーム片34の上部は、副基部4の
大径外周部29に形成されたスプリング穴37に収納さ
れたスプリング38により、大径外周部29から離反す
る側に付勢され、これにより、各係止片36は、口部a
の環状顎部bに係合する側に付勢されている。
【0029】一方、前記真空引き経路5、給液経路6、
液面調整経路7及びエア供給経路8は、図2に示すよう
な構成とされている。
【0030】すなわち、真空引き経路5は、真空ポンプ
39からドレンセパレータ40及び開閉弁41を順に介
して給液本体1に至り、前記配管部材5a(図1参照)
を介して給液本体1の真空引き副通路12に接続されて
いる。そして、真空ポンプ39は、後述するように、真
空引き経路5、給液本体1の真空引き副通路12及び真
空引き通路10を介して被給液容器W内の真空引きを行
うようにしている。
【0031】尚、真空引き経路5の給液本体1と開閉弁
41との間の箇所には、開閉弁42を介してエア供給装
置43が接続されており、このエア供給装置43は、開
閉弁42を介して真空引き経路5及び真空引き副通路1
2にエアを圧送し、されに前記給液本体1の開閉弁V1
を介して真空引き通路10にエアを圧送することによ
り、これらの内部を、適宜、清掃(残留液体の除去等)
するようにしている。
【0032】また、給液経路6は、液体供給装置44か
らフィルタ45、脱気タンク46、開閉弁47、クッシ
ョンタンク48、開閉弁49、給液ポンプ50及び逆止
弁51を順に介して給液本体1に至り、前記配管部材6
a(図1参照)を介して給液本体1の給液副通路13に
接続されている。そして、液体供給装置44は、後述す
るように、給液経路6、給液本体1の給液副通路13及
び給液通路11を介して被給液容器Wに液体を供給・充
填するようにしている。この場合、脱気タンク46は、
ドレンセパレータ52を介して脱気ポンプ53に接続さ
れ、脱気ポンプ53により脱気タンク46内の脱気が行
われている。また、クッションタンク48も開閉弁54
及び上記ドレンセパレータ52を介して脱気ポンプ53
に接続され、該脱気ポンプ53により適宜、クッション
タンク48内の脱気が行われる。
【0033】また、液面調整経路7は、真空ポンプ55
からドレンセパレータ56を介して給液本体1に至り、
前記配管部材7a(図1参照)を介して給液本体1の液
面調整副通路15に接続されている。そして、真空ポン
プ55は、ドレンセパレータ56内を吸気・減圧するこ
とにより、後述するように、被給液容器W内の液体を給
液本体1の給液通路11、液面調整副通路14及び液面
調整経路7を介してドレーンセパレータ56内に吸引・
回収するようにしている。
【0034】尚、ドレンセパレータ56は、サルベージ
タンク57を介して前記給液経路6の脱気タンク46に
接続され、ドレーンセパレータ56内に吸引された液体
は、サルベージ57を介して脱気タンク46内に回収さ
れる。
【0035】また、エア供給経路8は、エア供給装置5
8から切替弁59を給液本体1に至り、前記配管部材8
a(図1参照)を介して給液本体1のエア供給通路24
に接続されている。そして、エア供給装置58は、エア
供給経路8及びエア供給通路24を介して前記給液本体
1のエア室23にエアを供給するようにしている。
【0036】次に、かかる給液装置の作動を説明する。
【0037】図1において、被給液容器Wに給液を行う
際には、まず、作業者により、前記したように、給液本
体1の嵌挿部32を被給液容器Wの口部aに嵌挿し、さ
れに、アーム34,34を揺動させることにより、各ア
ーム34の係止片36を口部aの環状顎部36の下面部
に当接係合させ、嵌挿部32が口部aから抜けることの
ないようにする。
【0038】尚、この時、給液本体1の各開閉弁V1
3 はいずれも閉じられている。
【0039】次いで、図3に示すように、エア供給経路
8の切替弁59を作動させて、エア供給装置58をエア
供給経路8に連通させ、これにより、エア供給装置58
からエア供給経路8及び給液本体1のエア供給通路24
を介してエア室23にエア供給する。
【0040】この時、摺動筒18が、エア室23に供給
されたエアの圧力により、環状摺接部22を介して上昇
され、これにより、摺動筒18のノズル口開閉部21が
ノズル口9から離反してノズル口9が開かれる。また、
この時、摺動筒18の上昇により、摺動筒18の間隙開
閉部27が環状間隙26の下端部を閉塞し、これによ
り、大気開放通路26aが被給液容器Wの内部に対して
遮断されて、被給液容器Wの内部が密封される。
【0041】次いで、同図3において、給液本体1の開
閉弁V1 が開かれ、この状態で、真空ポンプ39の作動
により、被給液容器W内の空気がノズル口9から真空引
き通路10、開閉弁V1 、真空引き副通路12、真空引
き経路5、開閉弁41及びドレンセパレータ40を順に
介して真空ポンプ39に吸引され、これにより、これら
の内部の真空引きが行われる。この時、給液通路11も
被給液容器Wの内部に連通しているので、給液通路11
の内部においても真空引きが行われる。
【0042】尚、この時、給液本体1の開閉弁V1 が開
かれる前に、真空引き経路5の開閉弁41が開かれて、
真空引き経路5内に真空引きが行われており、従って、
被給液容器W内等の真空引きはスムーズに行われる。
【0043】次いで、図4において、開閉弁V1 が閉じ
られた後に、開閉弁V2 が開かれ、この状態で、液体供
給装置44及び給液ポンプ50の作動により、液体供給
装置44から、フィルタ45、脱気タンク46、開閉弁
47、クッションタンク48、開閉弁49、給液ポンプ
50、逆止弁51、給液経路6、給液副通路13、開閉
弁V2 及び給液通路11を順に介してノズル口9から被
給液容器W内に液体が供給・充填される。
【0044】この場合、真空引き通路10も給液通路1
1に連通しているので、真空引き通路10内にも液体が
ほぼ充填され、さらに、この被給液容器W内等に充填さ
れた液体は、給液ポンプ50の作動により加圧される。
【0045】尚、この時、被給液容器Wの口部aの環状
顎部bにアーム34,34の係止片36,36が係合し
ているので、上記に加圧により、給液本体1の挿着部3
2が口部aから抜けてしまうようなことはない。
【0046】次いで、図5において、開閉弁V2 が閉じ
られる一方、エア供給経路8の切替弁59の作動によ
り、給液本体1のエア室23が、エア供給装置58から
切り離されると共に、エア供給通路24、エア供給経路
8及び切替弁59を介して大気に開放され、これによ
り、エア室23内のエアが排気されると共に、摺動筒1
8がスプリング19の付勢力により原位置に下降され
る。この下降により、前記したように、ノズル口9が摺
動筒18のノズル口開閉部21により大略閉塞されると
共に、摺動筒18の間隙開閉部27が挿着部32の内周
面から離反して、環状間隙26が被給液容器W内に開口
され、従って、被給液容器Wの内部が環状間隙26から
大気開放通路26aを介して大気に開放される。
【0047】そして、かかる状態において、給液本体1
の開閉弁V3 が開かれ、さらに、液面調整経路7の真空
ポンプ55の作動により、被給液容器W内の液体が間隙
3aからノズル口9、液面調整通路としての給液通路1
1、開閉弁V3 、液面調整副通路14及び液面調整経路
7を順に介してドレンセパレータ56内に吸引される。
【0048】この時、かかる吸引は、大気開放通路26
aから環状間隙26を介して被給液容器W内に大気が導
入されつつ、被給液容器W内の液体がノズル部3の下端
面の位置から若干、離反する位置まで行われ、これによ
り、被給液容器W内の液体の液面調整が行われる。そし
て、この時、被給液容器Wの口部aの内周面に接触する
挿着部32と、ノズル部3及びこれに摺接する摺動筒1
8との間には、環状間隙26が形成されているので、被
給液容器W内の液体が挿着部32を伝わって、間隙3a
から吸引されるようなことはなく、従って、被給液容器
W内の液面調整は確実に行われる。
【0049】尚、かかる液面調整における液体の吸引
は、給液通路11の内部や、これに連通する真空引き通
路10の内部に対しても行われる。
【0050】また、図2において、ドレンセパレータ5
6内に吸引された液体は、サルベージタンク57を介し
て脱気タンク46内に回収される。
【0051】そして、かかる液面調整の後には、開閉弁
3 が閉じられる一方、挿着部32が前記と逆の作業に
より、被給液容器Wから脱離され、給液装置は初期状態
に戻される。
【0052】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、被給液容器の口部の挿着部を介して挿着され
る給液本体のノズル部に摺動筒を摺動自在に外挿すると
共に、該摺動筒を挿着部に内挿し、さらに、該摺動筒と
挿着部との間に大気開放通路に連通する環状間隙を形成
し、また、ノズル部の真空引き通路、給液通路及び液面
調整通路に連通するノズル口を開く開位置と大略閉塞す
る閉位置との間で摺動筒の摺動により進退するノズル口
開閉部を摺動筒に設ける一方、該ノズル口開閉部の開位
置で環状間隙を閉塞すると共に、該ノズル口開閉部の閉
位置で環状間隙を開く間隙開閉部をノズル口に設けたこ
とによって、被給液容器の真空引き及び給液を行う際に
は、摺動筒を摺動させてノズル口開閉部を開位置に移動
させると共に間隙開閉部により環状間隙及び大気開放通
路を被給液容器の内部に対して閉塞することにより、ノ
ズル口を介して被給液容器の真空引き及び給液を支障無
く行うことができる一方、液面調整を行う際には、摺動
筒を逆に摺動させてノズル口開閉部を閉位置に移動させ
ると共に環状間隙及び大気開放通路を被給液容器の内部
に対して開口させることにより、被給液容器の内部に大
気を導入しつつノズル口を介して被給液容器の余剰液を
吸引して液面調整を支障なく行うことができ、従って、
給液本体の構成を簡略且つ小型なものとしつつ、被給液
容器の真空引き、給液及び液面調整を円滑に行うことが
できる。
【0053】そして、特に、液面調整の際には、摺動筒
と、被給液容器の口部に接触する挿着部との間に環状間
隙が形成されていることによって、被給液容器内の液体
が挿着部を伝わってノズル口から吸引されることを環状
間隙により確実に防止することができ、従って、液面調
整を確実且つ円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給液装置の要部の説明的縦断面図、
【図2】該給液装置の全体的経路構成図、
【図3】該給液装置の作動説明図、
【図4】該給液装置の作動説明図、
【図5】該給液装置の作動説明図。
【符号の説明】
1…給液本体、3…ノズル部、9…ノズル口、10…真
空引き通路、11…給液通路兼液面調整通路、18…摺
動筒、21…ノズル口開閉部、26…環状間隙、26a
…大気開放通路、27…間隙開閉部、32…挿着部、W
…被給液容器、a…口部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被給液容器の口部に挿着部を介して着脱自
    在に挿着される給液本体と、該給液本体に被給液容器に
    向かって前記挿着部を貫通して設けられたノズル部と、
    該給液本体及びノズル部の内部に該ノズル部の先端部に
    形成されたノズル口に連通して設けられた真空引き通
    路、給液通路及び液面調整通路とを備え、該給液本体を
    被給液容器の口部に挿着した状態で、前記真空引き通路
    を介して被給液容器内の真空引きを行った後に、前記給
    液通路を介して該被給液容器内に液体を供給・充填し、
    その後に、前記液面調整通路を介して該被給液容器内の
    余剰の液体を吸引して液面調整を行う給液装置におい
    て、前記ノズル部に摺動自在に外挿されると共に前記挿
    着部に内挿され、その摺動により該ノズル部の先端部の
    ノズル口に向かって進退自在に設けられた摺動筒と、該
    摺動筒の先端部に設けられ、該摺動筒の進退動により前
    記ノズル口を前記液面調整通路を介して前記被給液容器
    内の液体を吸引可能な程度に大略閉塞する閉位置と該ノ
    ズル口を開口させる開位置との間で移動するノズル口開
    閉部と、該摺動筒と挿着部との間に形成された環状間隙
    と、前記被給液容器の内部を該環状間隙を介して大気に
    開放させるべく前記給液本体に設けられた大気開放通路
    と、該摺動筒に設けられ、前記ノズル口開閉部の閉位置
    で前記環状間隙を被給液容器の内部に開口すると共に、
    該ノズル口開閉部の開位置で該環状間隙を閉塞する間隙
    開閉部とを備えたことを特徴とする給液装置。
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