JP2558007Y2 - ベルト駆動ローラコンベヤの動力伝達装置 - Google Patents

ベルト駆動ローラコンベヤの動力伝達装置

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JP2558007Y2
JP2558007Y2 JP7612192U JP7612192U JP2558007Y2 JP 2558007 Y2 JP2558007 Y2 JP 2558007Y2 JP 7612192 U JP7612192 U JP 7612192U JP 7612192 U JP7612192 U JP 7612192U JP 2558007 Y2 JP2558007 Y2 JP 2558007Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ベルト駆動ローラコン
ベヤの動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フレームに並設した多数の搬送ローラの
下部に各搬送ローラと直交して駆動軸を配設し、そし
て、当該駆動軸に嵌合した多数の爪付き駆動リングと搬
送ローラを、夫々、伝動ベルトで連結させて各搬送ロー
ラを回転可能に構成すると共に、搬送ローラで形成され
る搬送面を複数のゾーンに区画し、各ゾーン内の下流位
置に当たる搬送ローラに隣接してセンシングローラを設
け、移送された搬送物の自重によるセンシングローラの
変位を各ゾーンに設けたストッパに伝えてこれを爪付き
駆動リングに係合させることで、ゾーン毎の搬送ローラ
を停止させるようにしたベルト駆動ローラコンベヤが、
実公昭60−2089号公報に開示されている。
【0003】而して、上記ベルト駆動ローラコンベヤに
於ける動力伝達装置は、駆動軸に嵌合する駆動リングの
前側面部の外周部に平部が形成されていると共に、当該
平部から駆動軸嵌合孔に向かって凹部が形成されてい
る。そして、当該凹部の内部には、駆動軸嵌合孔の周縁
から複数個の凸片が突設されて各凸片間に凹溝が形成さ
れ、又、上記平部には、複数個の山形凸状の爪が駆動軸
の軸方向に突設されている。
【0004】又、駆動リングの後側面には、外周部から
駆動軸嵌合孔に向かって凹部が形成され、当該凹部の内
部に於て、上記駆動軸嵌合孔の周縁から複数個の凸片が
形成されて各凸片間に凹溝が形成されている。
【0005】そして、多数の駆動リングは、複数個で1
組の係合筒と、これらに対し交互に設けられた筒状のス
ペーサとによって一定間隔毎に配列されている。尚、係
合筒及びスペーサは駆動軸に回動自在に嵌合する。
【0006】又、上記係合筒の両端部には、駆動リング
の凸片に係合する凹溝と、駆動リングの凹溝に係合する
凸部とが交互に形成され、又、当該係合筒を複数接続し
たときは、対向する端部の凹溝と凸部とが相互に係合さ
れるようになっている。
【0007】従って、複数個で1組の係合筒によって、
2個1組の駆動リングが夫々一体的に回動されるように
連結されている。又、上記スペーサの両端は平坦に形成
されて、駆動リングの凸片の外端面に滑動自在に当接さ
れている。
【0008】このようにして、各駆動リングは係合筒と
スペーサとによって所定間隔だけ離間された状態で駆動
軸に軸架され、各駆動リングが駆動軸の前後方向に移動
しないようになっている。
【0009】一方、搬送ローラ間には、移送された搬送
物の自重で下降するセンシングローラが各ゾーン毎の搬
送面に一箇所宛突設されている。そして、搬送物の自重
によるセンシングローラの変位がリンク機構を介して各
ゾーンのストッパに伝わると、ストッパが作動して爪付
き駆動リングに係合し、ゾーン毎の搬送ローラが同時に
停止する構造となっている。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】然し乍ら、上記動力伝
達装置では、駆動リングを一体的に回動させるために複
数1組の係合筒を用いているため、部品点数が多く、構
造が複雑になってしまう欠点がある。
【0011】又、搬送ローラの回転を停止させるため
に、上記従来例では駆動リングに設けた山形凸状の爪に
ストッパを係合させて駆動リングの回転を停止させてい
るが、長期に亘る使用によって爪が破損してしまう虞が
あり、然も、斯様に爪が一端部に突設していると、駆動
リングの在庫管理の際に爪が邪魔となって駆動リングの
保管がし難いといった欠点も指摘されている。
【0012】加えて、ストッパは常時駆動リングの爪か
ら離間されているものの、2つの駆動リングの間に位置
して駆動軸の軸方向に移動可能な構造であるため、メン
テナンス時等に於ける駆動リングの組付け,取外しの際
にストッパが邪魔になってしまう欠点があった。
【0013】本考案は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、従来に比し部品点数が少なく、然も、強度的に優れ
構造が簡単でメンテナンス時の作業性にも優れたベルト
駆動ローラコンベヤの動力伝達装置を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本考案は、フレームに並設した多数の搬送ローラ
と、これらの搬送ローラと直交して配設した駆動軸に嵌
合した多数の駆動リングとの間に、伝動ベルトを連結し
て搬送ローラを回転駆動させると共に、搬送ローラを複
数のゾーンに区画し、各ゾーン毎に設けたストッパ機構
により駆動リングの回転を停止して各ゾーン毎の搬送ロ
ーラの回転を停止するようにしたベルト駆動ローラコン
ベヤの動力伝達装置に於て、上記駆動リングの両端部に
連結部を設け、各ゾーンに配置された各駆動リング間の
駆動軸に、外周に係合部を有し、駆動リングの連結部と
結合して駆動リングと共回り結合するスペーサを嵌合し
て、各ゾーン毎の駆動リングを当該スペーサを介して一
体に連結すると共に、上記ストッパ機構を、駆動軸と直
交する方向に進退可能に配置され、スペーサの係合部に
係脱可能なストッパと、当該ストッパの駆動手段とで構
成したものである。
【0015】
【作用】本考案によれば、駆動リングの連結部にスペー
サを係合することによって、駆動リングとスペーサが一
体的に連結することとなる。
【0016】従って、スペーサの係合部にストッパ機構
のストッパが係合することによって、一体に連結された
駆動リングとスペーサの回転がゾーン毎に停止し、搬送
ローラがゾーン毎に停止することとなる。
【0017】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本考案の一実施例に係るベルト駆動ロ
ーラコンベヤの動力伝達装置の一部拡大側面図を示し、
本実施例に係る動力伝達装置は、べルト駆動ローラコン
ベヤ(以下「ローラコンベヤ」という)の各搬送ローラ
1に対応して駆動軸3に嵌合,配置され、駆動軸3によ
って摩擦駆動される多数の駆動リング5と、複数のゾー
ンに区画した搬送ローラ1の各ゾーン毎の駆動リング5
間に嵌合されて、これらと共回り結合する多数のスペー
サ7と、搬送ローラ1の各ゾーン毎に配置されたストッ
パ機構9とで構成されている。
【0018】駆動リング5は、図2及び図3に示すよう
に中央に駆動軸嵌合孔11が形成された円筒状の樹脂部
材で、その両端側に鍔部13が一体成形されて従来と同
様なV字状のベルト溝15が鍔部13間に形成されてい
る。そして、当該ベルト溝15と搬送ローラ1との間に
無端状の伝動ベルトを架け渡すことによって、駆動リン
グ5の回転が伝動ベルトを介して各搬送ローラ1に伝達
されるようになっている。
【0019】又、駆動リング5の鍔部13内は、図2に
示すように90°の間隔を開けて設けたリブ17によっ
て4つの連結孔19が形成されており、当該連結孔19
内にスペーサ7の連結片21が嵌合して駆動リング5に
スペーサ7が連結するようになっている。
【0020】スペーサ7は、図4乃至図6に示すように
中央に駆動軸嵌合孔23が形成された円筒状の樹脂部材
で、その両端側には上記鍔部13と同一径の鍔部25が
一体成形されている。そして、両鍔部25間には、図6
に示すように断面台形状の係合片からなる係合部27が
180°の間隔を開けて駆動軸3の軸方向へ一体に設け
られており、当該係合部27に後述するストッパ機構9
のストッパ29が係合可能となっている。
【0021】又、図5に示すようにスペーサ7の両端に
は、夫々、上記各連結孔19に係合する4つの連結片2
1が同じ高さhを以って一体に設けられており、駆動軸
3を駆動リング5とスペーサ7の駆動軸嵌合孔11,2
3に嵌合させ乍ら、搬送ローラ1の各ゾーン毎に当該連
結片21を連結孔19に係合させることで、駆動リング
5とスペーサ7が各ゾーン毎に一体に連結することとな
る。従って、上記係合部27にストッパ29が係合する
ことによって、一体に連結された駆動リング5とスペー
サ7の回転が共に停止することとなる。
【0022】尚、図5中、31はスペーサ7に設けた摩
耗粉の排出孔で、ストッパ29が係合部27に係合する
ことによってスペーサ7と駆動リング5の回転は共に停
止するが、駆動軸3自体はモータで回転しているためス
ペーサ7が駆動軸3で摩耗して摩耗粉が発生する虞があ
る。そこで、上記排出孔31から摩耗粉を排出するよう
になっている。又、この排出孔31は、駆動軸3の回転
状態を確認するメンテナンス用の確認孔としても機能す
る。
【0023】図7は上記駆動リング5とスペーサ7を用
いたローラコンベヤの平面図、図8は当該ローラコンベ
ヤの一部側面図を示し、図中、33,35は搬送ローラ
1が並設されたコンベヤフレームで、各搬送ローラ1の
一端側の外周には、図9に示すように略V字状のベルト
溝37が設けられている。そして、これらのベルト溝3
7に対応して搬送ローラ1の下方には、駆動ユニット3
9内のモータで回転駆動する上記駆動軸3が搬送ローラ
1と直交して配置されている。
【0024】駆動軸3には、上述したように当該駆動軸
3によって摩擦駆動される駆動リング5が、各搬送ロー
ラ1に対応して滑動可能に嵌合している。そして、駆動
リング5の各連結孔19にスペーサ7の連結片21が係
合して、後述する搬送ローラ1のゾーンZ1〜Z4毎
に、駆動リング5とスペーサ7が交互に一体的に連結さ
れている。
【0025】そして、各駆動リング5のベルト溝15と
搬送ローラ1のベルト溝37の間には、ゴム等の弾性材
料で成形された無端状の伝動ベルト41が架け渡されて
おり、駆動軸3をモータによって回転駆動すると、各駆
動リング5が摩擦駆動されて各搬送ローラ1が伝動ベル
ト41を介して矢印A方向へ回転するようになってい
る。そして、各ゾーンZ1〜Z4毎に設けたストッパ機
構9のストッパ29がスペーサ7の係合部27に係合す
ることによって、当該スペーサ7及びこれと一体に連結
する駆動リング5の回転がゾーンZ1〜Z4毎に停止す
るようになっている。
【0026】ところで、図7に示すように上記ローラコ
ンベヤは、8本の搬送ローラ1を以って1ゾーンとし
て、滑走面を4つのゾーンZ1〜Z4に分けている。そ
して、各ゾーンZ1〜Z4の上流側には、2個づつのセ
ンサ43,45が2本の搬送ローラ1間に配設されてい
る。
【0027】両センサ43,45は、図9に示すように
コンベヤフレーム33,35間に架設されたツナギ材4
7にセンサブラケット49を介して設置されており、各
ゾーンZ1〜Z4に配設したセンサ43,45は、図1
0に示すようにその一方のセンサ43が前段ゾーンのセ
ンサ45と夫々直列状態で連結されている。そして、前
段ゾーン側のセンサ45と後段ゾーン側のセンサ43が
搬送物を検出したとき、後段ゾーン側のストッパ機構9
を作動させるようになっている。
【0028】尚、最前段ゾーンZ1の一方のセンサ43
は、ローラコンベヤの最先端に配設した突出自在なスト
ッパプレート51の駆動回路に接続されており、ストッ
パプレート51が突出して搬送物が停止すると同時に、
センサ43が搬送物を感知して当該ゾーンZ1のストッ
パ機構9を作動させるようになっている。
【0029】このストッパプレート51は、図8に示す
ように搬送ローラ1の下方に配設したシリンダケース5
3内のエアシリンダで常時搬送ローラ1から上方へ突出
して、搬送物を停止させるものである。そして、ローラ
コンベヤの下流側に搬送物を搬送せよとの指令でストッ
パプレート51は下降し、その結果、最前段ゾーンZ1
のセンサ43,45は搬送物を検出しなくなるため、各
ゾーンZ1〜Z4のストッパ機構9が順次解除されて搬
送ローラ1が回転を再開し、前段ゾーンの搬送物が次の
ゾーンに搬送されるようになっている。そして、上記ス
トッパプレート51は搬送物を排出した後、直ちに上昇
して順次搬送されてくる搬送物をストレージ状態とす
る。
【0030】一方、本実施例に於けるストッパ機構9
は、図11に示すように、駆動リング5の両端に連結さ
れた2本のスペーサ7の係合部27に夫々係合するスト
ッパ爪55が左右両端に形成された略コ字状の樹脂製の
ストッパ29と、当該ストッパ29を作動させるエアシ
リンダ57とから構成されており、ストッパ29は、図
8に示すように各ゾーンZ1〜Z4毎にセンサ43,4
5のやや上流側に1個づつ配設されている。そして、当
該ストッパ29は駆動軸3と直交する方向に進退可能に
配置されて、スペーサ7の係合部27に係脱可能となっ
ている。
【0031】即ち、図9に於て、59はツナギ材47に
ボルト締めされた断面コ字状のストッパブラケットで、
図12に示すように、上記ストッパ29は、当該ストッ
パブラケット59にストッパピン61により駆動軸3に
直交して矢印B,C方向へ回動自在に軸着されている。
更に、ストッパブラケット59には、エアシリンダ57
が回動自在に取り付くシリンダブラケット63がボルト
締めされており、当該エアシリンダ57のピストンロッ
ド65は連結部材67を介して上記ストッパ29の背面
に設けた連結部69に連結されている。
【0032】上記エアシリンダ57は常時ピストンロッ
ド65を縮退させて、図12の二点鎖線で示すようにス
トッパ29のストッパ爪55をスペーサ7の係合部27
から離間させている。
【0033】そして、上述したように前段ゾーン側のセ
ンサ45と後段ゾーン側のセンサ43が搬送物を検出し
たとき、及びストッパプレート51が突出して搬送物が
停止すると同時にセンサ43が搬送物を感知したとき、
その信号によりエアシリンダ57のエア回路が開放して
ピストンロッド65が伸長するようになっている。
【0034】而して、斯様にピストンロッド65が伸長
すると、図12の実線で示すようにストッパ29がスト
ッパピン61を回転中心として矢印C方向に回転し、ス
トッパ爪55がスペーサ7の係合部27に係合するの
で、矢印A方向に回転する駆動軸3の回転力に抗して、
スペーサ7及び駆動リング5の回転が停止するようにな
っている。
【0035】その他、図8に於て、71は搬送ローラ1
の各ゾーンZ1〜Z4間に装着された駆動軸3の軸受で
ある。本実施例に係る動力伝達装置を装着したローラコ
ンベヤはこのように構成されているから、駆動軸3をモ
ータによって回転駆動すると、当該駆動軸3に嵌合した
各駆動リング5が摩擦駆動されて各搬送ローラ1が伝動
ベルト41を介して矢印A方向へ回転するので、搬送物
が所定方向へ順次搬送されることとなる。
【0036】そして、搬送物をストレージさせる必要が
生じたときは、図8の如くストッパプレート51を搬送
ローラ1の上方へ突出させると、搬送物は当該ストッパ
プレート51に当接して最前段ゾーンZ1で停止すると
共に、このゾーンZ1に設けたセンサ43が搬送物を感
知して、その信号によりゾーンZ1に於けるストッパ機
構9のエアシリンダ57のエア回路が開放して、ピスト
ンロッド65が伸長する。
【0037】而して、斯様にピストンロッド65が伸長
すると、図12の実線で示すようにストッパ29がスト
ッパピン61を回転中心として矢印C方向へ回転し、そ
のストッパ爪55が2つのスペーサ7の係合部27に係
合して、駆動軸3の回転力に抗してスペーサ7の回転が
停止する。
【0038】そして、上述したように最前段ゾーンZ1
に於ける駆動リング5とスペーサ7は、スペーサ7の連
結片21が駆動リング5の連結孔19に係合して一体的
に連結されているから、斯様にストッパ29によって2
つのスペーサ7の回転が停止すると、最前段ゾーンZ1
に於ける総ての駆動リング5とスペーサ7の回転が停止
し、最前段ゾーンZ1に於ける搬送ローラ1はブレーキ
ローラとなる。
【0039】斯様に、最前段ゾーンZ1に於て搬送物が
停止した状態で、ローラコンベヤの上流側から搬送物が
ゾーンZ2に搬送されて後段ゾーンZ2側のセンサ43
が搬送物を検出すると、その信号により次のゾーンZ2
に於けるストッパ29が同様に作動して、そのストッパ
爪55が2つのスペーサ7の係合部27に係合し、駆動
軸3の回転力に抗してスペーサ7の回転が停止する。
【0040】そして、ゾーンZ2に於ける駆動リング5
とスペーサ7も、スペーサ7の連結片21が駆動リング
5の連結孔19に係合して一体的に連結しているから、
斯様に2つのスペーサ7の回転が停止すると、ゾーンZ
2に於ける総ての駆動リング5とスペーサ7の回転が停
止して、ゾーンZ2に於ける搬送ローラ1がブレーキロ
ーラとなり、搬送物の搬送が停止し、又、その惰走,荷
動きを抑えることとなる。
【0041】以後、この状態でゾーンZ3,Z4に搬送
物が搬送されてくると、同様に、各ゾーンZ3,Z4に
於けるストッパ29のストッパ爪55が、夫々、スペー
サ7の係合部27に係合して2つのスペーサ7の回転を
停止させることとなる。
【0042】従って、ゾーンZ3,Z4に於ても、駆動
リング5とスペーサ7は同様に一体的に連結されている
から、ゾーンZ3,Z4に於ける総ての駆動リング5と
スペーサ7の回転が停止してこれらのゾーンZ3,Z4
に於ける搬送ローラ1がブレーキローラとなり、搬送物
の搬送を停止し、その惰走,荷動きを抑えるので、全ゾ
ーンZ1〜Z4に於て、先行ゾーンの搬送物と間隔を開
けてラインプレッシャゼロの状態で搬送物が停止し、ス
トレージされることとなる。
【0043】又、ローラコンベヤの下流側に搬送物を搬
送せよとの指令でストッパプレート51が下降すると、
最前段ゾーンZ1のセンサ43,45は搬送物を検出し
なくなるため、各ゾーンZ1〜Z4のストッパ29が順
次解除されて搬送ローラ1が回転を再開し、前段ゾーン
の搬送物が次のゾーンに搬送されることとなる。そし
て、上記ストッパプレート51は、1個の搬送物を排出
した後、直ちに上昇するので、次に搬送されてくる搬送
物がこのストッパプレート51に当接し、そして、上述
した動作が再び繰り返されて、先行ゾーンの搬送物と間
隔を開けてラインプレッシャゼロの状態で各ゾーンZ2
〜Z4の搬送物が停止することとなる。
【0044】このように、本実施例に係る動力伝達装置
を用いたローラコンベヤによれば、搬送物直下の搬送ロ
ーラ1がブレーキローラとなり、前方搬送物への衝突が
なくなると共に、搬送物の惰走,荷動きをなくし、搬送
物を一定間隔で連続的にストレージすることが可能であ
る。
【0045】又、斯かるローラコンベヤによれば、制御
盤が不要で構造が簡単であると共に、軽量な搬送物でも
確実にストレージすることができる利点を有する。そし
て、本実施例に係る動力伝達装置では、各ゾーンZ1〜
Z4の駆動リング5を一体的に回動させるためにスペー
サ7に改良を加えることで、実公昭60−2089号公
報の如き複数1組の係合筒を用いる必要がないため、部
品点数が少なく構造が簡単となった。
【0046】又、上記公報に於ける従来例では、長期に
亘る使用によって駆動リングの爪が破損してしまう虞が
あったが、本実施例は、スペーサ7の両側に設けた鍔部
25間に断面台形状の係合片からなる係合部27を一体
に設けたので、従来に比しストッパとしての強度が向上
し、破損によるストッパ機構の動作不良の虞がない。
【0047】更に、スペーサ7の在庫管理も、連結片2
1の高さhを同じくすることによってその先端が面一と
なり、又、係合部27も鍔部25の外周から突出してい
ないため、従来の駆動リングに比し容易である。
【0048】加えて、本実施例によれば、ストッパ機構
9のストッパ29を、駆動軸3と直交する方向に進退可
能に配置してスペーサ7と常時離間した構造であるか
ら、従来に比しメンテナンス時等に於ける駆動リング5
の組付け,取外し等の際に、ストッパ29が邪魔になっ
てしまうこともない等の利点を有する。
【0049】尚、図13に示すように、スペーサ7が上
記実施例と反対の矢印D方向へ回転するようにローラコ
ンベヤが構成されている場合には、ピストンロッド65
が斜め下方へ傾斜するようにエアシリンダ57を取り付
けると共に、ストッパピン61を回転中心としてストッ
パ29が矢印E,F方向へ回転するように構成する。
【0050】そして、上記エアシリンダ57は常時ピス
トンロッド65を縮退させて、二点鎖線で示すようにス
トッパ29のストッパ爪55をスペーサ7の係合部27
から離間させ、そして、上述したように前段ゾーン側の
センサ45と後段ゾーン側のセンサ43が搬送物を検出
したとき、及びストッパプレート51が突出して搬送物
が停止すると同時にセンサ43が搬送物を感知したと
き、その信号によりエアシリンダ57のエア回路が開放
してピストンロッド65が伸長し、実線で示すようにス
トッパ29のストッパ爪55がスペーサ7の係合部27
に係合するようにしてもよい。
【0051】而して、斯かる実施例によっても、上記実
施例と同様、所期の目的を達成することが可能である。
又、図3に示すように上記実施例では、駆動リング5の
ベルト溝15を従来と同様にV字状に成形したが、図1
4に示す駆動リング73のように鍔部75間に設けるベ
ルト溝77を平溝とすれば、図3に示す駆動リング5と
異なり、伝動ベルト41が鍔部75に当たることによる
摩耗が防止できるため、伝動ベルト41の耐久性が向上
する利点を有する。
【0052】
【考案の効果】以上述べたように、本考案に係る動力伝
達装置によれば、搬送ローラの各ゾーンの駆動リングを
一体的に回動させるためにスペーサに改良を加えること
で、従来の如き複数1組の係合筒を用いる必要がないた
め、部品点数が少なく構造が簡単となった。
【0053】又、スペーサに設けた係合部は、従来に比
し強度的に優れているので、係合部の破損によるストッ
パ機構の動作不良の虞がなく、又、スペーサの在庫管理
も容易である。
【0054】加えて、本考案によれば、ストッパ機構
を、駆動軸と直交する方向に進退可能に配置され、スペ
ーサの係合部に係脱可能なストッパと、当該ストッパの
駆動手段とで構成し、ストッパをスペーサと常時離間し
た構造であるから、従来に比しメンテナンス時等に於け
る駆動リングの組付け,取外し等の際に、ストッパが邪
魔になってしまうことがなく、因って、メンテナンス時
等に於ける駆動リングの組付け,取外しが容易である利
点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る動力伝達装置を装着し
たローラコンベヤの一部拡大側面図である。
【図2】動力伝達装置を構成する駆動リングの正面図で
ある。
【図3】図2のIII − III線断面図である。
【図4】動力伝達装置を構成するスペーサの正面図であ
る。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】ローラコンベヤの平面図である。
【図8】ローラコンベヤの一部側面図である。
【図9】ローラコンベヤの一部切欠き斜視図である。
【図10】センサの配置を示す平面図である。
【図11】ストッパ機構の平面図である。
【図12】ストッパ機構の側面図である。
【図13】本考案の他の実施例に於けるストッパ機構の
側面図である。
【図14】本考案の他の実施例に於ける駆動リングの断
面図である。
【符号の説明】
1 搬送ローラ 3 駆動軸 5,73 駆動リング 7 スペーサ 9 ストッパ機構 15,37,77 ベルト溝 19 連結孔 21 連結片 27 係合部 29 ストッパ 33,35 コンベヤフレーム 41 伝動ベルト 43,45 センサ 51 ストッパプレート 55 ストッパ爪 57 エアシリンダ 65 ピストンロッド

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームに並設した多数の搬送ローラ
    と、これらの搬送ローラと直交して配設した駆動軸に嵌
    合した多数の駆動リングとの間に、伝動ベルトを連結し
    て搬送ローラを回転駆動させると共に、搬送ローラを複
    数のゾーンに区画し、各ゾーン毎に設けたストッパ機構
    により駆動リングの回転を停止して各ゾーン毎の搬送ロ
    ーラの回転を停止するようにしたベルト駆動ローラコン
    ベヤの動力伝達装置に於て、上記駆動リングの両端部に
    連結部を設け、各ゾーンに配置された各駆動リング間の
    駆動軸に、外周に係合部を有し、駆動リングの連結部と
    結合して駆動リングと共回り結合するスペーサを嵌合し
    て、各ゾーン毎の駆動リングを当該スペーサを介して一
    体に連結すると共に、上記ストッパ機構を、駆動軸と直
    交する方向に進退可能に配置され、スペーサの係合部に
    係脱可能なストッパと、当該ストッパの駆動手段とで構
    成したことを特徴とするベルト駆動ローラコンベヤの動
    力伝達装置。
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