JP2555713B2 - シート状物の延伸装置 - Google Patents

シート状物の延伸装置

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JP2555713B2 JP25730488A JP25730488A JP2555713B2 JP 2555713 B2 JP2555713 B2 JP 2555713B2 JP 25730488 A JP25730488 A JP 25730488A JP 25730488 A JP25730488 A JP 25730488A JP 2555713 B2 JP2555713 B2 JP 2555713B2
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばプラスチックフィルムなどのシート
状物を長手方向および/または幅方向に延伸するシート
状物の延伸装置の改良に関し、さらに詳しくは長手方向
延伸倍率調整部の改良に関する。
〔従来の技術〕
従来から、連続的に走行されてくるシート状物を、一
つの装置内で、長手方向および幅方向に逐次あるいは同
時に延伸できるようにした延伸装置が知られている(一
般に“同時二軸延伸装置”と呼称されている)。
従来の同時二軸延伸機として、とえば、特公昭62−45
812号公報に、無端状のチェンリンクに固定されたクリ
ップの間隔をピッチが漸増するスクリューで調整するよ
うにしたものが開示されており、特開昭61−58723号公
報に、パンタグラフ状リンクユニットを多数連結したチ
ェンリンクのピッチをガイドレール間隔を拡大、縮小す
ることにより調整するようにしたものが開示されてい
る。
このうち後者の方式は、長手方向延伸倍率を変更する
のにガイドレール間隔を調整するだけでよく、前者のス
クリュー方式よりも簡単に長手方向延伸倍率の調整がで
きる利点がある。
特開昭61−58723号公報に開示されている装置は、把
持・予熱区間においてシート状物を所定のピッチで把持
できるようにガイドレール間隔を調整し、次いでそのピ
ッチを次第に広げていって長手方向延伸を行い、同時に
あるいはその後に、左右のチェンリンク間の間隔を末広
がり状に拡大して幅方向延伸を行い、延伸後に熱処理を
行うようにしたものであり、ピッチが最大になっている
シート状物把持用クリップを無端状チェンリンクの走行
に伴なって装置出口側から入口側に戻し、再びクリップ
間ピッチを最大から最小に縮小して、次の把持、延伸に
備えるようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記把持・予熱、延伸区間でリンクユ
ニット間ピッチおよびクリップ間ピッチをガイドレール
間隔で調整する方式の延伸装置においては、各リンクユ
ニットにおけるピンとブッシュのガタ、各リンクに加わ
る走行方向の張力等のため、シート状物を延伸する場合
と、単に走行する場合とでは長手方向延伸倍率が異なる
という問題がある。すなわち、シート状物を実際に延伸
する時には、長手延伸方向(リンクユニット間ピッチを
拡大する方向)に対し、各リンクユニットにはシート状
物の延伸張力が作用するので、前記ガタに相当する分だ
けリンクユニット間ピッチが長くなり実際の延伸時の延
伸倍率は単に走行させる場合の延伸倍率(ピッチ拡大倍
率)よりも低くなる傾向がある。また、ガタの程度は、
左右のリンクユニットで異なるため、リンクユニット間
ピッチも異なり、走行速度を一致しない。このチェンリ
ンクの走行速度が左右のチェンリンクで大きく異なる
と、走行速度の速い方のチェンリンクにシート状物が引
っぱられ、ついには正常のクリップで把持できなくなる
という問題が生じることがある。
本発明は、上記のような問題点に着目し、長手方向延
伸倍率を目標とする倍率に正確に微調整でき、かつ左右
のチェンリンクの走行速度も揃えることができ、しかも
これら調整を運転中にあっても容易に行うことのできる
シート状物の延伸装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この目的に沿う本発明のシート状物の延伸装置は、複
数のリンクが互に屈伸可能にパンタグラフ状に配列した
リンクユニットを更に環状に連結した左右一対の無端状
チェンリンクと、該無端状チェンリンクの走行軌道を形
成し、前記リンクユニット上に設けられた複数の案内子
間の間隔を規制することにより該リンクユニットの屈伸
度を規制し、該規制により隣接リンクユニット間のピッ
チを調整可能な複数のガイドレールと、前記リンクユニ
ット上に設けられ、シート状物の幅方向端部を把持可能
なクリップとを備え、前記走行軌道中に、少なくとも、
前記シート状物を把持し予熱する把持・予熱区間と隣接
リンクユニット間ピッチおよび隣接クリップ間ピッチを
無端状チェンリンク走行方向に順次拡大するシート状物
の長手方向区間とを設けたシート状物の延伸装置におい
て、 (イ)少なくとも前記把持・予熱区間に配設され、前記
無端状チェンリンクの走行速度を検知する走行速度検知
手段と、 (ロ)前記走行速度検知手段配設部における前記ガイド
レールの間隔を、前記リンクユニット間ピッチを変更す
る方向に調整可能なガイドレール間隔調整手段と、 (ハ)前記走行速度検知手段で検知された走行速度信号
に基づいて、前記ガイドレール間隔調整手段による調整
量を制御可能なコントローラと、 を設けたものから成る。
ここで、上記走行速度検知手段とガイドレール間隔調
整手段は、シート状物の把持・予熱区間に設けられてい
ることが最も好ましい。
また、上記とは別の態様に係る本発明のシート状物の
延伸装置は、複数のリンクが互に屈伸可能にパンタグラ
フ状に配列されたリンクユニットを更に環状に連結した
左右一対の無端状チェンリンクと、該無端状チェンリン
クの走行軌道を形成し、前記リンクユニット上に設けら
れた複数の案内子間の間隔を規制することにより該リン
クユニットの屈伸度を規制し、該規制により隣接リンク
ユニット間のピッチを調整可能な複数のガイドレール
と、前記リンクユニット上に設けられ、シート状物の幅
方向端部を把持可能なクリップとを備え、前記走行軌道
中に、少なくとも、前記シート状物を把持し予熱する把
持・予熱区間と、隣接リンクユニット間ピッチおよび隣
接クリップ間ピッチを無端状チェンリンク走行方向に順
次拡大するシート状物の長手方向延伸区間とを設けたシ
ート状物の延伸装置において、 (イ)前記把持・予熱区間に左右の無端状チェンリンク
のそれぞれに対して設けられ、該無端状チェンリンクの
走行速度を検知する走行速度検知手段と、 (ロ)前記走行速度検知手段配設部における前記ガイド
レールの間隔を、少なくとも一方の無端状チェンリンク
について前記リンクユニット間ピッチを変更する方向に
調整可能なガイドレール間隔調整手段と、 (ハ)前記両走行速度検知手段で検知された左右の無端
状チェンリンクの速度差に基づいて、前記ガイドレール
間隔調整手段による調整量を制御可能なコントローラ
と、 を設けたものから成る。
〔作用〕
このような延伸装置においては、走行速度検知手段に
より検知された走行速度に応じて、コントローラからの
指令に基づいてガイドレール間隔調整手段によってガイ
ドレール間隔が自動的に調整され、該調整によりリンク
ユニット間ピッチが変更調整され、該変更調整により該
部位でのチェンリンク速度が目標とする速度になるよう
に自動的に微調整される。この微調整により、長手方向
延伸区間の前後いずれか一方の位置のチェンリンク走行
速度が他方の位置の走行速度に対し所定の倍率となるよ
うに制御され(この倍率が結局長手方向延伸倍率にな
る)、運転中に長手方向延伸倍率が正確に目標倍率にな
るように微調整される。
また、左右のチェンリンクに対してそれぞれ走行速度
検知手段により走行速度を検知し、その差が零になるよ
うに一方を他方に対して微調整すれば、左右のチェンリ
ンクの走行速度差の発明も解消でき、シート状物の両側
における正常な把持が常時確保される。
〔実施例〕
以下に、本発明の望ましい実施例を、図面を参照して
説明する。
第2図は、本発明の適用対象となる同時二軸延伸可能
なシート状物の延伸装置の一例を示しており、第1図
は、第2図に示したと同等の延伸装置に本発明を適用し
た場合の、一実施例に係るシート状物の延伸装置の概略
構成を示している。
まず、延伸装置の基本的構成を第2図を用いて説明す
る。
第2図において、1は左右一対の無端状チェンリンク
を示しており、2はシート状物としてのプラスチックフ
ィルムを示している。
無端状チェンリンク1は、複数のリンクを互に屈伸可
能にパンタグラフ状に配列したリンクユニット3を、多
数環状に連結して構成されている。チェンリンク1は、
本実施例では2本の並列に延びるガイドレール4、5に
よって形成される走行軌道に沿って周回される。ガイド
レール4、5は、各リンクユニット3上に配設された案
内子としてのガイドローラ6、7と係合し、該ガイドロ
ーラ6、7の間隔を規制することによりリンクユニット
パンタグラフの屈伸度を規制し、該規制により、隣接リ
ンクユニット3間のピッチを調整できるようになってい
る。リンクユニット3上には、フィルム2の両側をそれ
ぞれ把持するクリップ8が設けられるので、上記ピッチ
の変更によりクリップ8間のピッチも変更され、該ピッ
チの拡大により、把持されたフィルム2は長手方向に延
伸されるようになっている。また、左右のガイドレール
4、5による走行軌道をフィルム走行方向に末広がり状
に間隔を拡大することにより、クリップ8に把持された
フィルム2は幅方向に延伸されるようになっている。本
実施例では、長手方向と幅方向の延伸が同じ延伸区間9
で行われる。
延伸区間9の上流側には、リンクユニット3間ピッチ
およびクリップ8間ピッチが略一定の把持ピッチとなる
ように、各ガイドレール4、5間の間隔が設定された、
把持・予熱区間10が設けられている。延伸区間9の下流
側には、延伸されたフィルム2を熱固定する熱処理区間
11が設けられている。12は、加熱オーブンを示してい
る。
ここで、把持・予熱区間10と延伸区間9との境界部、
および延伸区間9と熱処理区間11との境界部は、可撓性
のレールで相互に屈曲自在となるように接続されてい
る。
ガイドレール4、5間の間隔は、把持・予熱区間10の
直前部10′で最大とされ次いで所定の把持ピッチに応じ
た間隔にされるので、リンクユニット3のパンタグラフ
形状は走行方向に最も縮小された状態から伸長されてシ
ート状物を規定の把持ピッチで把持する。また、延伸区
間9では、走行軌道の拡幅によりフィルム2が幅方向に
延伸されると同時に、ガイドレール4、5間の間隔が次
第に狭められ、リンクユニット3のパンタグラフ形状が
走行方向に伸長されてクリップ8間ピッチが次第に拡大
され、フィルム2は長手方向にも延伸される。熱処理区
間11では、ガイドレール4、5間の間隔は小間隔のまま
保たれ、出口のスプロケット13部に至る。この熱処理区
間11では、リンクユニット3のパンタグラフ形状を最大
に伸長させ、リンクユニット3間のピッチを最大ピッチ
としてもよい。スプロケット13に噛み込まれる寸前やス
プロケット13通過後のリターン側では、この最大ピッチ
の状態で走行させればよく、入口側のピッチ縮小区間14
で、リンクユニット3間ピッチは再び最大から最小ピッ
チに戻され、次のフィルム延伸に供せされる。
次に本発明に係る主要構成を、第1図に沿って説明す
る。
第1図において、21a、21bは、任意のリンクユニット
32に固定された金属製のターゲット、22a〜22dはこのタ
ーゲットの通過を捕える渦電流式のセンサである。セン
サ22a、22cは、把持・予熱区間10におけるフィルム2の
把持位置に設けられ、センサ22b、22dは、センサ22a、2
2cから一定の距離lを隔てた位置に床上から固定されて
いる。なお、距離lは、左右で異っていてもよい。
23は、左右の内側のガイドレール5を移動することに
よって把持、予熱区間10全体のガイドレール4、5間の
間隔を調整するためのスクリューで、パルスモータ24で
駆動される。この場合、把持、予熱区間10のガイドレー
ルと、延伸区間9のガイドレールとは、上述したように
相互に可撓性のガイドレール(図示略)で接続されてお
り、把持・予熱区間10のガイドレールのみを微調整で
き、更に該ガイドレールから、走行リンクユニット3が
延伸区間10のガイドレールに滑らかに乗り移れるように
なっている。
長手方向延伸倍率の調整は、ガイドレール4、5間の
間隔Lを変更することによって行なうが、これはスクリ
ュー23による押し引きで実現する。
次に、25は、ターゲット21a、21bが夫々センサ22a、2
2bおよび22c、22d間を通過する時間を測定する通過時間
測定回路、26は、この測定時間を規定の時間と比較のう
え、偏差値をコントローラ27に出力する比較回路であ
る。コントローラ27は、比較回路26からの信号を受け
て、パルスモータ24へ正逆転方向のパルス信号を発信す
る。
従って、これらターゲット21a、21b、センサ22a〜22
d、通過時間測定回路25とで、本発明の走行速度検知手
段を構成し、スクリュー23、パルスモータ24、比較回路
26、コントローラ27とで本発明のガイドレール間隔調整
手段を構成している。
走行速度検知手段としては、リミットスイッチ式など
の接触式であってもよいが、例えば、光電管式、渦電流
式などの非接触式の方が耐久性の点でより好ましい。ま
たこのうちでもオーブン内は、フィルムから揮散するオ
リゴマ等が充填しており、光電管式等の光検知方式は誤
動作する恐れがあるので、最も好ましいのは渦電流式で
ある。ターゲットの形状は、センサが渦電流式の場合、
丸、三角、四角等のいずれでもよいが、第3図に示すよ
うにセンサに向って半丸形状にすると、その出力が第4
図に示すように、ピーク値が鋭敏に現れるので、測定精
度を上げることができる。すなわちピーク位置の検出て
通過位置を求めるのであれば、振動等でセンサーとター
ゲット間の距離がかかわってもそれに関係なく通過する
タイミングを同じ状態で求められるからである。
通過時間の設定値と測定値の比較はセンサー22a、22b
間の距離とセンサー22c、22d間の距離lがそれぞれ同じ
ならば、実際上は延伸倍率でするよりも、通過時間で行
なった方が、除算がないため、迅速な処理を行うことが
できる。
なお、上記実施例では、本発明の走行速度検知手段、
ガイドレール間隔調整手段は、把持・予熱区分10に設け
たが、この区間に限定されることはなく、延伸区間後の
熱処理区間11に設けてもよいし、延伸区間に設けてもよ
い。しかし、延伸区間自身に設けることは、延伸区間が
レール間隔が次第に拡大される区間であるので、予熱区
間以上の複雑な調整機構が必要となる。また、オーブン
内部は100〜200℃の高温に加熱されることが多く、この
ような複雑な機構は作動不良が生じ易い。よって最も好
ましい区間は、把持・予熱区間である。把持・予熱区間
でチェンリンクのピッチをかえるなら、さほど複雑な機
構もいらないし、オーブンの入口に近いので、伝導軸も
短いものですむ。
次に、このように構成された実施例装置の作用につい
て説明する。
第1図において、左右のチェンリンク1がフィルム2
の両側を把持しつつ図の矢印方向に走行し、ターゲット
21a、21bがセンサー22a、22cを通過すると、通過信号が
通過時間測定回路25に送信される。ターゲットがさらに
走行し、センサー22b、22dを通過すると、再びここでの
通過信号が時間通過測定回路25に送信され、通過時間測
定回路では、センサ間の通過時間から把持・予熱区間10
でのチェンリンク1の走行速度が算出される。すなわ
ち、上記一定距離lをターゲットが通過するに要する時
間を測れば、把持・予熱区間10におけるチェンリンクの
平均速度が求まる。この速度で、熱処理区間11でのチェ
ンリンク速度を割れば、実際の長手方向延伸倍率が求ま
る。熱処理区間11でのチェンリンク速度は、スプロケッ
ト13の駆動速度と同一とみなせるので容易に入力でき
る。
次に、このデータが比較回路26に送られ、比較回路で
は、予め設定された規定の通過時間と比較のうえ、その
偏差値がコントローラ27に送信される。コントローラ27
では、偏差値が正、すなわち実際の走行時間の方が規定
時間よりも遅い場合は、パルスモータ24に偏差値に応じ
たパルスを発信する。するとパルスモータ24は、スクリ
ュー23を回転させ、ガイドレール4、5の間隔を縮小
し、リンクユニット3間のピッチを拡大するので、把持
・予熱区間10におけるチェンリンクの走行速度は早くな
り、規定の走行速度となる。
このように、ターゲット21a、21bが通過する毎に、通
過時間が計測され、上記の制御をくり返し、設定値と測
定値の差が一定の許容値内に入れば、制御をやめる。こ
のような一連の制御が一対のチェンリンク1に関し把
持、予熱区間10について行なわれるので、リンクユニッ
ト間ピッチは、延伸区間9、熱処理区間11とは独立して
ピッチ調整をすることができ、規定の延伸倍率が得られ
る。
従って、たとえばチェン張力、延伸応力ガタによって
長手方向延伸倍率が変化する時でも、規定の長手方向延
伸倍率に正確に調整して延伸することができし、左右の
チェーンリンクの走行速度差も規定値以下になるので、
シート状物の噛み込みが、安定する。
次に、第5図に本発明の別の態様を示す。
第5図は、一対のチェンリンク1a、1b間に走行速度差
がある場合に、これを解消するための本発明のシート状
物の延伸装置の実施例を示す概略構成図である。
第5図に示す装置が第1図に示す装置と異なる点は、
第1図に示す措置のチェンリンク1が各々独立して各々
の把持、予熱区間10におけるガイドレール間隔Lを調整
している点に対し、第5図に示す装置は、一方のチェン
リンク1aの走行速度を基本としつつ、他方のチェンリン
ク1bの走行速度を制御している点である。
すなわち第1図に示した装置において、左右のチェン
リンク1に走行速度差があると、左右で延伸倍率が異な
り、この速度差に起因して発生する不要なフィルム張力
が、フィルム2の弾性限界より大きい場合、その誤差が
集積され、フィルム2が左右いずれか一方のチェンリン
クに引き寄せられ、ついにはどちらかのクリップからシ
ートが離れ、正常な把持ができなくなり、場合によって
はフィルムが破断したりする。
第5図は、図の上側のチェンリンク1aの走行速度を基
準にして、下方のチェンリンクの長手方向延伸倍率の差
を検知し、それを許容値内におさめるよう制御してい
る。すなわち、センサー22aと22b、22cと22d間の距離l
を同じにしているのでチェンリンク1aの走行によって得
られた通過時間と、チェンリンク1bの走行によって得ら
れた通過時間とを左右速度差演算回路31で求め、チェン
リンク1bの必要な修正速度が速度調整回路32で算出さ
れ、この信号がコントローラ33に送信されて他方のチェ
ンリンク1bの走行速度を修正するのである。
第1図に示したシート状物の延伸装置において、チェ
ンリンク1aの全長を13m、把持・予熱区間10の長さを3m
とした。ターゲット21a、21bには、半丸形状のものを左
右各々のチェンリンクのリンクユニット30ケおきに1個
ずつ配置した。センサー22a、22cには、耐熱型の渦電流
式のものを用い、センサー22a、22b間の距離lは、1500
mmとした。また、データのとりこみ、表示、制御はパソ
コンで行い、この制御指令をパルスモータ24のコントロ
ーラ27に送り、ガイドレール間隔Lをかえた。シート状
物2として、厚さ20μm、幅500mmのPETフィルムを長手
方向、幅方向延伸倍率1.7で延伸させたが、延伸を行う
前は把持・予熱区間10でのチェンリンクの走行速度で長
手方向延伸倍率が1.7倍であったものが、延伸を開始す
るとその延伸倍率が1.65倍に下がった。そこで上述した
自動制御を開始したところ、1.7倍となった。
また、左右のチェンリンク1a、1bの走行速度下が1%
以上のときにクリップ噛み込み不良が生じたので、パソ
コンのプログラムを修正し、左右のチェンリンクの走行
速度下が1%以下になるようにしたところ、噛み込み不
良は発生しなくなった。
第5図の装置においても、上下のチェンリンク1a、1b
の長手方向延伸倍率(走行速度)の差が1%以上だとフ
ィルムのかみこみ不良が生じるが、1%以下だと安定し
たかみこみができることが判った。
〔発明の効果〕
請求項1の発明においては、チェンリンク速度を調整
するために、走行速度検知手段と、ガイドレールの間隔
を調整するガイドレール間隔調整手段と、チェンリンク
の走行速度から必要なガイドレール間隔を求めるコント
ローラとを設けたので、たとえ走行中にチェンリンクが
走行方向の張力、ガタなどによってその延伸倍率が変化
しても、他の区間とは独立して所定の延伸倍率に自動的
に修正できる。よって、常に一定の延伸倍率で延伸で
き、シート状物の品質が均一化する効果を奏する。
また、請求項2の発明においては、延伸倍率を設定す
る基本となるチェンリンクの把持・予熱区間に走行速度
検知手段、ガイドレール間隔調整手段を設けたので、こ
れらの機器の設置が容易となると共い、精密な長手方向
延伸倍率の調整ができる。
更に、請求項3の発明においては、左右のチェンリン
クの走行速度差を、一方のチェンリンクの走行速度を基
本として一定の許容値以内に調整できるので、たとえ高
速走行であってもシート状物が片側のチェンリンクに引
き寄せられることはなく、シート状物を常時安定した状
態で把持できるとともにチェンリンクの安定した走行が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るシート状物の延伸装置
の概略構成図、 第2図は本発明が適用されるシート状物の延伸装置の概
略平面図、 第3図は第1図の装置のターゲットとセンサーの平面
図、 第4図は第3図の装置によるセンサーの出力特性図、 第5図は本発明の別の実施例に係るシート状物の延伸装
置の概略構成図、 である。 1、1a、1b……チェンリンク 2……シート状物 3……リンクユニット 4、5……ガイドレール 6、7……ガイドローラ 8……クリップ 9……延伸区間 10……把持・予熱区間 11……熱処理区間 12……オーブン 13……出口スプロケット 14……ピッチ縮小区間 21a、21b……ターゲット 22a、22b、22c、22d……センサ 23……スクリュー 24……パルスモータ 25……通過時間測定回路 26……比較回路 27……コントローラ 31……速度差演算回路 32……速度調整回路 33……コントローラ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のリンクが互に屈伸可能にパンタグラ
    フ状に配列されたリンクユニットを環状に連結した左右
    一対の無端状チェンリンクと、該無端状チェンリンクの
    走行軌道を形成し、前記リンクユニット上に設けられた
    複数の案内子間の間隔を規制することにより該リンクユ
    ニットの屈伸度を規制し、該規制により隣接リンクユニ
    ット間のピッチを調整可能な複数のガイドレールと、前
    記リンクユニット上に設けられ、シート状物の幅方向端
    部を把持可能なクリップとを備え、前記走行軌道中に、
    少なくとも、前記シート状物を把持し予熱する把持・予
    熱区間と、隣接リンクユニット間ピッチおよび隣接クリ
    ップ間ピッチを無端状チェンリンク走行方向に順次拡大
    するシート状物の長手方向延伸区間とを設けたシート状
    物の延伸装置において、 (イ)少なくとも前記把持・予熱区間に配設され、前記
    無端状チェンリンクの走行速度を検知する走行速度検知
    手段と、 (ロ)前記走行速度検知手段配設部における前記ガイド
    レールの間隔を、前記リンクユニット間ピッチを変更す
    る方向に調整可能なガイドレール間隔調整手段と、 (ハ)前記走行速度検知手段で検知された走行速度信号
    に基づいて、前記ガイドレール間隔調整手段による調整
    量を制御可能なコントローラと、 を設けたことを特徴とするシート状物の延伸装置。
  2. 【請求項2】前記走行速度検知手段と前記ガイドレール
    間隔調整手段が、シート状物の把持・予熱区間のみに設
    けられている請求項1記載のシート状物の延伸装置。
  3. 【請求項3】複数のリンクが互に屈伸可能にパンタグラ
    フ状に配列されたリンクユニットを環状に連結した左右
    一対の無端状チェンリンクと、該無端状チェンリンクの
    走行軌道を形成し、前記リンクユニット上に設けられた
    複数の案内子間の間隔を規制することにより該リンクユ
    ニットの屈伸度を規制し、該規制により隣接リンクユニ
    ット間のピッチを調整可能な複数のガイドレールと、前
    記リンクユニット上に設けられ、シート状物の幅方向端
    部を把持可能なクリップとを備え、前記走行軌道中に、
    少なくとも、前記シート状物を把持し予熱する把持・予
    熱区間と、隣接リンクユニット間ピッチおよび隣接クリ
    ップ間ピッチを無端状チェンリンク走行方向に順次拡大
    するシート状物の長手方向延伸区間とを設けたシート状
    物の延伸装置において、 (イ)前記把持・予熱区間に左右の無端状チェンリンク
    のそれぞれに対して設けられ、該無端状チェンリンクの
    走行速度を検知する走行速度検知手段と、 (ロ)前記走行速度検知手段配設部における前記ガイド
    レールの間隔を、少なくとも一方の無端状チェンリンク
    について前記リンクユニット間ピッチを変更する方向に
    調整可能なガイドレール間隔調整手段と、 (ハ)前記両走行速度検知手段で検知された左右の無端
    状チェンリンクの速度差に基づいて、前記ガイドレール
    間隔調整手段による調整量を制御可能なコントローラ
    と、 を設けたことを特徴とするシート状物の延伸装置。
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