JP2555259B2 - ロータリシャッタ - Google Patents

ロータリシャッタ

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JP2555259B2
JP2555259B2 JP5099606A JP9960693A JP2555259B2 JP 2555259 B2 JP2555259 B2 JP 2555259B2 JP 5099606 A JP5099606 A JP 5099606A JP 9960693 A JP9960693 A JP 9960693A JP 2555259 B2 JP2555259 B2 JP 2555259B2
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SAKAI TOKUSHU KAMERA SEISAKUSHO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカメラ等のシャッタ、特
に、回転円板を用いたロータリシャッタに関する。高速
秒時(例えば、1/100秒以上の高速度)でストロボ
同調が要求されるカメラ等のシャッタでは、物理的に全
開状態の得られる羽根開閉型(ブレードタイプ)あるい
は回転円板を用いたロータリ型(又は、ロータ型)が用
いられている。本発明は特に後者、即ち、ロータリ型の
改良に向けられたものである。
【0002】
【従来の技術】従来、映画用カメラや高速度カメラ(例
えば、高速道路に設置されている速度監視カメラ等)に
用いられているロータリ型シャッタは回転円板(ロー
タ)に形成した開口をロータの回転に伴いカメラの撮影
開口(アパチャ)に一致させてシャッタを開放するもの
であるが、比較的簡単な構成で高速秒時が得られ、ま
た、シャッタ速度に関係なく確実に物理的全開状態(撮
影開口とロータ開口とが完全に一致した時)が存在する
ので、高速秒時においてもストロボに同調させること
(ストロボ同調)が可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如きロータリシャッタは、ロータを常時回転させてフィ
ルム給送位置を開口位置に同期させる連続撮影には非常
に適しているが、1コマ撮影を含む断続撮影用途に対し
てはロータ停止時のイナーシャによる停止時の衝撃振動
や、撮影開口部の一端より開口が始まり他端で閉口する
特性から利用が困難であった。開口特性は周知のよう
に、露光面全域に渡って安定した光量を得るために、撮
影開口中心部で開口が始まり、同じく撮影開口中心部で
閉口する特性(ブレードタイプの特性)が望ましい。
【0004】本発明の目的は従来のブレードタイプの開
口特性、即ち、撮影開口中心部で開口が始まり、同じく
撮影開口中心部で閉口する特性を実現しつつ、且つ、特
に高速度断続撮影に適した全く新規なロータリシャッタ
を提供することにある。これまで、ロータリシャッタで
上述のブレードタイプの開口特性を実現したものは存在
しない。尚、本発明の用途は高速度断続撮影に限られる
ものではなく、どのような撮影モードにも適用可能であ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るロータリシャッタでは、撮影開口に対
応する所定形状の開口を有する同一の一対のロータを該
ロータの各開口がカメラの撮影開口に符合する位置で互
いに重なるように撮影開口に対して対称的に一部重ねて
配設すると共に、これらロータを伝動部材により相互に
同一方向に回転自在に連結し、且つ、ロータの少なくと
も一方を回転駆動源に連結し、この駆動側ロータに常時
回転力を蓄勢する付勢手段と、その蓄勢力に抗して駆動
側ロータを所定位置に停止せしめるストッパと、撮影時
に該ストッパを解除する解除手段とを設け、ストッパ解
除により駆動側ロータを瞬時に回転させることを構成上
の特徴とする(請求項1)。
【0006】一実施例によれば、各ロータはそれぞれの
回転軸に軸支され、これら回転軸にプーリを介してベル
トが巻回される(請求項2)。上記プーリの外周には外
歯が形成され、上記ベルトはこれら歯付きプーリに噛み
合う歯付きタイミングベルトとして構成される(請求項
3)。好ましくは、上記タイミングベルトの張力を調節
するテンションプーリが歯付きプーリ間においてタイミ
ングベルトに掛けられる(請求項4)。好ましくは、上
記テンションプーリはその取付位置が調整自在である
(請求項5)。
【0007】
【作用】撮影開口に対し対称的に配置され、同一方向に
回転する同一の一対のロータはその一回転の度にそのロ
ータ開口がカメラの撮影開口に符合する位置で互いに完
全一致する。ロータ開口は撮影開口に反対方向から接近
し、その先端縁同士が撮影開口中心で完全に一致した時
点から開口を開始し、ロータの回転に伴い開口面積は増
大し、両ロータ開口が完全に一致した時に撮影開口が全
開となり、その後は徐々に開口面積を減少して行く。そ
して、両ロータ開口の後端縁が撮影開口中心で一致した
時に撮影開口は完全に閉鎖される。その結果、撮影開口
は常にその中心で開口並びに閉口を開始する。尚、各ロ
ータの開口は1つに限定されず、2個以上設けることも
可能である。そうすることにより、ロータの1回転につ
きロータ開口の数だけシャッタを開閉することが出来
る。
【0008】また、一対のロータ(第1ロータ、第2ロ
ータ)がそのロータ開口が反対方向から互いに接近する
ように同方向に回転し撮影開口の半分をそれぞれのロー
タ開口が受け持つ形となるので、理論的には開口時間は
従来のシングルロータ(単一回転円板)式ロータリシャ
ッタの1/2以下(開口形状により変化する)となる
(但し、ロータの回転速度が同一と仮定した)。また逆
に、従来と同一の開口時間を得るための両ロータの回転
速度は従来のそれの1/2以下でよく、従って、イナー
シャもそれだけ小さくなる。駆動側ロータには常時回転
力が蓄勢され、撮影時にその付勢力に抗して駆動側ロー
タを停止させているストッパを解除することにより瞬時
に駆動ロータが回転する。
【0009】各ロータはプーリを有する回転軸に軸支さ
れ、これらプーリに伝動部材としてのベルトが巻回され
る。従って、一方の回転軸(即ち、第1ロータ)を駆動
すればベルトを介して他方の回転軸(即ち、第2ロー
タ)も回転せしめられる。プーリが所定ピッチの外周歯
を有する歯付きプーリであり、上記伝動部材がロータの
この外周歯に対応する内周歯を有するタイミングベルト
(歯付きベルト)であれば、両ロータを滑りがなく確実
に同期回転させることが出来る。歯付きプーリ間に付設
されたテンションプーリを調整することにより、タイミ
ングベルトの張力を簡単に調節することが出来る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。図1に本発明に係るロータリシャッタの
基本構成を示す。同図において、カメラ本体と一体の支
持基板10上には一対の同一ロータ(回転円板)11
a、11bが支持基板10に形成されたカメラ(図示せ
ず)の撮影開口(アパチャ)31に対して線対称に配置
される。各ロータ11a、11bは同方向(時計方向ま
たは反時計方向)に回転自在にそれぞれの回転軸13
a、13bに固定される。回転軸の少なくとも一方、例
えば、回転軸13aはモータ等の駆動源に連結され駆動
軸を構成する。回転軸13a、13bはその一端にそれ
ぞれプーリ15a、15bを有し、これらプーリ間にベ
ルト17が巻回される。好ましくは、プーリ15a、1
5bはその外周に外歯を有する歯付きプーリであり、ベ
ルト17はそれに噛み合う内周歯17Aを有するタイミ
ングベルトである。従って、両プーリ15a、15b、
即ち、両ロータ11a、11bは同期回転せしめられ
る。
【0011】ロータ11a、11bにはそれぞれ対称的
位置に開口(ロータ開口)19a、19bが形成され
る。ロータ11a、11bは同方向に同期回転するの
で、撮影開口31の部分では反対方向から接近し、完全
に重なり、再び遠ざかる運動をすることになる。タイミ
ングベルト17の張力はテンションプーリ21により調
節される。好ましくは、テンションプーリも歯付きプー
リである。テンションプーリ21はその取り付け位置が
調節自在である。そのため、例えばその中心に図1の上
下方向に延びた長孔23を有し、この長孔23に大径頭
部を有する調節ねじ25が挿入され、支持基板10に形
成された対応のねじ孔(図示せず)にねじ込まれ、固定
される。従って、調節ねじ25を緩めれば、テンション
プーリ21は長孔23の長手方向に微動可能であり、そ
れによりベルト17の張力を調節出来る。
【0012】図2、3、4に撮影開口31とロータ開口
19a、19bとの関係を拡大して示す。図2はロータ
開口による撮影開口の開口開始直後、図3は撮影開口の
全開位置、図4は同じく閉口終了直前の状態をそれぞれ
示す。図2、3、4において、各ロータ11a、11b
はプーリ15a、15b(あるいは回転軸13a、13
b)のみによって代表させている。
【0013】各ロータ11a、11bは例えば、時計方
向に回転するものとする。この時、先ず図2において、
ロータ11aのロータ開口19aは下方から、またロー
タ11bのロータ開口19bは上方から撮影開口31に
接近する。図2ではロータ開口19a、19bの回転方
向にみた先端20a、20bが僅かに重なり、撮影開口
31が30で示すようにスリット状に開放し始めた状態
を示す。更に、両ロータの回転が進むと、ロータ開口1
9aとロータ開口19bとの重なりが大きくなり、その
結果、撮影開口31のスリット状開口30は徐々に大き
くなり、やがては図3に示す全開位置に来る。この位置
では撮影開口31、ロータ開口19a、19bの三者が
完全に一致する。斯くして、撮影開口の物理的全開状態
が得られる。
【0014】図3の状態からの更なる両ロータの回転に
より、撮影開口31はロータ開口19a、19bの後端
縁22a、22bにより徐々に閉じられ、終には後端縁
22a、22bが完全に一致する。その状態が撮影開口
31の完全閉鎖位置である。尚、図4は完全閉鎖位置の
直前、即ち、後端縁22a、22b間に撮影開口31の
スリット状開口30’が僅かに見えている状態を示す。
【0015】ここで重要なことは、本発明によれば、撮
影開口31の開放開始、及び閉鎖終了は共に図2、4に
示す如く、撮影開口31の略中心で起こっているという
ことである。つまり、本発明ではロータリシャッタを用
いているにも拘わらず、ブレード型シャッタの望ましい
開口特性を実現している。尚、ロータ開口19a、19
bの形状は矩形に限らず設計上の要求に応じて如何様に
もでき、例えば、円形あるいは扇形等任意の形状でよ
い。また、図2、4から明らかな如く、撮影開口の開口
並びに閉鎖はともにそれぞれの回転軸13a、13bの
中心を中心として円運動するロータ開口の前縁同士ある
いは後縁同士で行われるためその対角線状方向に僅かに
傾斜した状態で開始あるいは終了する。実用上はそれで
全く問題ないが、もしもそれを避けたい場合には、例え
ば、ロータ開口の前縁及び後縁自体に上記の対角線方向
の傾斜を相殺する方向に傾斜した傾斜縁とすればよい。
【0016】図5〜図8に以上の如き本発明の基本思想
を適用した実際のカメラのシャッタ構造の一例を示す。
ロータ11a、11bの一方を回転駆動する場合に一般
にはステッピングモータにより行うのが最も簡単である
が、特に本発明の如く高速秒時撮影に供することを予定
した場合に、如何なるステッピングモータを用いるにせ
よモータの立ち上がり(カメラのコントローラからの駆
動信号を受けてからモータが所定回転数に達するまでの
時間)が遅く、必要な高速秒時撮影に追従できないとい
う問題がある。
【0017】そこで本発明では後述の如く、駆動側ロー
タに常時ばね力による回転力を蓄勢しておき、撮影時に
そのばね力に抗して駆動側ロータを停止させているスト
ッパを解除することにより瞬時に駆動ロータを回転させ
るようにしている。そのストッパを解除する手段とし
て、例えば、電磁ソレノイドを用いることが出来る。
【0018】図5〜図8において、本発明のシャッタ機
構は基本的にカメラ本体(図示せず)に固設される基板
10の一面(例えば正面から見て裏面)に設けられる。
基板10は中空(即ち、2枚の板を間隔を隔てて接合し
たもの)であり、その内部に第1、第2ロータ(回転円
板)11a、11bがそれぞれの回転軸13a、13b
により回転自在に軸支される。回転軸13a、13bは
基板10とこれにスペーサ軸35により固定された支持
板33(第1支持板)との間に回転自在に固設される。
回転軸13a、13bには外歯16a、16bを有する
歯付きプーリ15a、15bが固定され、その間にタイ
ミングベルト17が巻回される。タイミングベルト17
はたとえば硬質ゴムにより形成され、その内周に歯付き
プーリ15a、15bの外歯16a、16bに噛み合う
歯17Aが形成される。
【0019】タイミングベルト17には更に、その張力
を調節するテンションプーリ21が掛けられる。テンシ
ョンプーリ21は支持板33に形成された長孔23に挿
入した調節ねじ25により回転自在に軸支される。調節
ねじ25は大径頭部のナット27により支持板33に固
定される。従って、ナット27を緩めれば、調節ねじ2
5は長孔23の長手方向(図5の左右方向)に微動で
き、それによりタイミングベルト17の張力を調節でき
る。テンションプーリ21もその外周にタイミングベル
ト17に噛み合う歯を有する。
【0020】支持板33には基板10の撮影開口31に
対応する大きな窓39が形成される。尚、図6に示す如
く、基板10の他面(表面、即ち、被写体側)にはフェ
ルト等により形成される環状の遮光材41が撮影開口3
1の周囲に設けられ、撮影開口31への有害光の入射を
防止する。当然のことながら、遮光材41にも撮影開口
31に対応する大きな窓43が形成される。尚、シャッ
タ機構は基板10の被写体側の面に設ける場合もあり、
本発明はその場合にも全く同様に適用可能である。
【0021】各ロータ11a、11bは図6に示す如
く、その一部が重なるようにして、撮影開口31を中心
として線対称位置に配置される(図7)。尚、図示実施
例では各ロータ11a、11bは図7から明らかな如
く、それぞれ対角線状に配置された一対のロータ開口1
9a、19bを有するが基本的にはそれぞれ1個のロー
タ開口があればよい。これらロータ開口19a、19b
は撮影開口31と略同一の大きさの矩形を呈し、各ロー
タ11a、11bの回転に伴い、撮影開口31に正確に
一致する位置に配置される。尚、その位置関係について
は図2〜図4を参照して先に説明した。
【0022】ロータの一方、例えば、ロータ11bを回
転駆動するために、基板10に固定される第2の支持板
51に駆動モータ、例えばステッピングモータMが固設
される。ステッピングモータMの回転駆動軸53は第2
支持板51に設けられるギヤ列(一部のギヤ57が図6
に示される)を介して、同じく第2支持板51に固定軸
59により回転自在に軸支される駆動ギヤ55に連結さ
れる。駆動ギヤ55にはばね付勢プレート61が一体的
に回転自在に固定される。駆動ギヤ55は固定軸59に
一方向クラッチ63(図6)を介して取り付けられ、従
って、駆動ギヤ55及びばね付勢プレート61は固定軸
59に対して一方向にのみ回転し、その反対方向には逆
転不可である。
【0023】固定軸59にはばね付勢プレート61に向
き合い、所定間隔を隔てて第1のカムプレート65が回
転自在に取り付けられる。ばね付勢プレート61と第1
カムプレート65との間にはコイル状のトーションばね
67が固定軸59の周囲に巻装される。トーションばね
67の一端はばね付勢プレート61に設けたピン69
に、また他端は第1カムプレート65に設けた同様のピ
ン71にそれぞれ係止される。従って、第1カムプレー
ト65を回転不可状態に固定した状態でばね付勢プレー
ト61を回転すると、トーションばね67が捩じられ、
ばね力が蓄勢される。
【0024】第1カムプレート65には第2のカムプレ
ート73、及び中間ギヤ75が第1カムプレート65と
一体回転するように固定される。トーションばね67の
蓄勢力は第1カムプレート65に対するばね付勢プレー
ト61の回転角度量により決定されるが、そのために、
ばね付勢プレート61と第1カムプレート65とには互
いに向かって突出するストッパピン79、81が固設さ
れ、これらストッパピン79、81が当接することによ
り両者の相対回転は制限される。換言すれば、ばね付勢
プレート61はそのストッパピン79が第1カムプレー
ト65のストッパピン81に当接するまでトーションば
ね67の捩じりを大きくしながら第1カムプレート65
に対し相対回転可能である。尚、ストッパピン79、8
1は例えばそれぞれ一対づつばね付勢プレート61及び
第1カムプレート65の対角線方向に設けてもよい。
【0025】第2カムプレート73のカム87に係合す
るストッパレバー77が基板10に固定される軸ピン8
5に回転自在に枢支され、そのストッパアーム78がカ
ム87に係合することにより第2カムプレート73の回
転を防止する。カム87は例えば第2カムプレート73
の周面に直径方向に対向する位置に2か所設けられる。
ストッパレバー77は一端が基板10に取り付けられる
引張ばね91によりストッパアーム78がカム87に係
合するロック位置に(図5における時計方向に)常時付
勢される。
【0026】ストッパレバー77は軸ピン85に関して
ストッパアーム78と反対側に延びるアーム部分80に
おいてアクチュエータ、例えば、電磁ソレノイド95の
プランジャ97に枢着されたリンク99に連結される。
従って、電磁ソレノイド95を励磁(または消磁)して
プランジャ97を図5において右方に引っ張れば、スト
ッパレバー77は軸ピン85を中心として反時計方向に
回転し(77’で示す)、ストッパアーム78がカム8
7から離脱し、ロックが解除される。ー電磁ソレノイド
95を消磁(または励磁)すれば、プランジャ97は図
5において左方に突出し、ストッパレバー77は復帰ば
ね91により軸ピン85を中心として時計方向に回転せ
しめられ、ストッパアーム78がカム87に係合するロ
ック位置に戻される。
【0027】尚、第1カムプレート65と第1カムプレ
ート73とを別個に設けたことにより、組立時に第1カ
ムプレート65はストッパピン79、81によるばね付
勢プレート61に対する相対回転位置の調整を、また、
第2カムプレート73はストッパレバー77に対する相
対位置の調整をそれぞれ別個に行うことを可能ならしめ
る。
【0028】中間ギヤ75はギヤ列101を介してプー
リ15bの回転軸13bに固定されたギヤ103に連結
される。従って、中間ギヤ75がトーションばね67に
より回転せしめられると、その回転はギヤ101、10
3を介してプーリ15b、従って、ロータ11bに伝達
され、その結果、タイミングベルト17により他方のロ
ータ11aも同期回転せしめられる。尚、好ましくは、
電磁ソレノイド95は常時そのプランジャ97が突出し
た状態に保持され、シャッタ時のみ、即ち、ストッパレ
バー77のロック解除時のみ引き込まれる。
【0029】前回の撮影が終了すると、ステッピングモ
ータMは自動的に作動せしめられ、ばね付勢プレート6
1をそのストッパピン79が第1カムプレート65のス
トッパピン81に当接するまでトーションばね67の捩
じりを大きくしながら回転せしめ、常に次回の撮影に待
機している。つまり、トーションばね67は常時蓄勢さ
れた状態に維持される。尚、ステッピングモータMの一
回当たりの回転量、即ち、駆動パルス数は上記ストッパ
ピン79とストッパピン81との当接位置に対応する。
【0030】カメラのコントローラ(図示せず)からの
制御信号によりシャッタをレリーズする時には、電磁ソ
レノイド95が作動せしめられ、そのプランジャ97が
引きこまれる。その結果、ストッパレバー77は軸ピン
85を中心として反時計方向に回転し、ストッパアーム
78がカム87から離脱し、ロックが解除される。その
瞬間に、中間ギヤ75はトーションばね67のばね力に
より急激に回転せしめられ、上述の如く、第1、第2ロ
ータ11a、11bを回転せしめ、図2、3、4に示し
た順序で撮影開口31を瞬時に開放、閉鎖する。このよ
うに、本発明では、第1、第2ロータ11a、11bを
モータMにより直接回転するのではなく、ばねの蓄勢力
により瞬時に回転させるのでモータの立ち上がり時間に
起因するシャッタ作動遅れは生じない。
【0031】図8は本発明に係るツインロータシャッタ
と従来のシングルロータシャッタとの開口特性(ロータ
回転数を同一とした場合)を比較して示すもので、上図
(A)が従来技術、下図(B)が本発明である。同図に
おいて、横軸はシャッタ秒時(ms)、縦軸は開口率
(%)を表す。同図から本発明ではシャッタ秒時が従来
に比較して1/2以下になっていることが理解されよ
う。
【0032】
【発明の効果】本発明の顕著な効果は以下の通りであ
る。 1.シャッタの光軸中心から開口し且つ閉口するので露
光面全域にわたって安定した光量が得られる。 2.従来のシングルロータシャッタに比べ、1/2以下
の駆動速度で同等のシャッタ速度が得られる(換言すれ
ば、同一の駆動速度で2倍以上のシャッタスピードが得
られる)。その結果、ロータ停止時の衝撃、イナーシャ
も緩和され、耐久性、信頼性が向上する。 3.タイミングベルトが常時適度の緊張(負荷)を有す
るので、ロータ停止時のイナーシャがその負荷により吸
収され、従って、停止時の衝撃を一層緩和することが出
来る。 4.開口特性曲線をより急峻にすることができるので、
ロータ開口の形状を例えば扇形にすることによりブレー
ドタイプと同様に安定した立ち上がりの急峻な台形の開
口特性曲線を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るツインロータシャッタの基本原理
を説明する正面図である。
【図2】本発明に係るツインロータシャッタ開口開始直
後位置を示す図である。
【図3】本発明に係るツインロータシャッタの全開位置
を示す図である。
【図4】本発明に係るツインロータシャッタの全閉直前
位置を示す図である。
【図5】本発明に係るツインロータシャッタを有するカ
メラのシャッタ機構の正面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】図5の後面図である。
【図8】本発明に係るツインロータシャッタと従来のシ
ングルロータシャッタの開口特性曲線を比較して示す線
図である。
【符号の説明】
10…基板 11a、11b…ロータ 13a、13…軸 15a、15b…プーリ 17…ベルト 19a、19b…ロータ開口 21…テンションプーリ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影開口(31)に対応する所定形状の
    開口(19a、19b)を有する同一の一対のロータ
    (11a、11b)を該ロータの各開口がカメラの撮影
    開口に符合する位置で互いに重なるように撮影開口に対
    して対称的に一部重ねて配設すると共に、これらロータ
    を伝動部材(17)により相互に同一方向に回転自在に
    連結し、且つ、ロータの少なくとも一方を回転駆動源
    (M)に連結し、この駆動側ロータに常時回転力を蓄勢
    する付勢手段と、その蓄勢力に抗して駆動側ロータを所
    定位置に停止せしめるストッパと、撮影時に該ストッパ
    を解除する解除手段とを設け、ストッパ解除により駆動
    側ロータを瞬時に回転させることを特徴とするロータリ
    シャッタ。
  2. 【請求項2】 各ロータはそれぞれの回転軸(13a、
    13b)に軸支され、これら回転軸にプーリ(15a、
    15b)を介してベルトを巻回したことを特徴とする請
    求項1に記載のロータリシャッタ。
  3. 【請求項3】 上記プーリの外周には外歯(16a、1
    6b)が形成され、上記ベルトはこれら歯付きプーリに
    噛み合う歯付きタイミングベルトであることを特徴とす
    る請求項2に記載のロータリシャッタ。
  4. 【請求項4】 上記タイミングベルトの張力を調節する
    テンションプーリ(21)が歯付きプーリ間においてタ
    イミングベルトに巻装されることを特徴とする請求項3
    に記載のロータリシャッタ。
  5. 【請求項5】 上記テンションプーリはその取付位置が
    調整自在であることを特徴とする請求項4に記載のロー
    タリシャッタ。
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