JP2555017B2 - スクラツプの溶解方法および装置 - Google Patents

スクラツプの溶解方法および装置

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JP2555017B2 JP3989486A JP3989486A JP2555017B2 JP 2555017 B2 JP2555017 B2 JP 2555017B2 JP 3989486 A JP3989486 A JP 3989486A JP 3989486 A JP3989486 A JP 3989486A JP 2555017 B2 JP2555017 B2 JP 2555017B2
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文夫 数土
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、炭材溶解炉によってスクラップを溶解す
るスクラップの溶解方法および装置に関するものであ
る。
[従来の技術] 金属スクラップの溶解方法としては、従来、主にアー
ク炉が使用されてきたが、近年では省電力化を図るた
め、電力よりも安価な炭材エネルギーを利用した炭材溶
解が注目され、試みられつつある。
炭材溶解は、炉内に炭素を供給すると共に酸素を吹き
込んで金属スクラップを溶解するというものであり、溶
解開始時には、炉内に初期溶湯を予め確保しておく必要
がある。それは、炭材溶解が溶湯に溶けた炭素と酸素の
反応熱を利用するものであるからである。
この点、従来の炭材溶解法では、次のように初期溶湯
を確保してスクラップの溶解を行っているのが現状であ
る。
第1の方法は、溶解炉にスクラップを装入した後、そ
の溶解炉中にてアーク加熱またはバーナ加熱によってス
クラップの一部を溶解して初期溶湯を造り、この初期溶
湯ができた時点で、同一の溶解炉中にて炭材による溶解
を開始するというものである。
また、第2の方法は、最初の操業時は上の方法で初期
溶湯を造り、2回目の操業からは前回の出綱時に溶湯の
一部を残して、それを初期溶湯とするというものである
(残湯方式)。
[発明が解決しようとする問題点] ところが、第1の方法は、アーク溶解から炭材溶解へ
の切替や炉蓋の交換等のロス時間があるため、トータル
の生産スピードが遅く、生産性が悪い。更に、生産性を
上げようとすると、短時間でアーク溶解による初期溶湯
を確保しなければならず、アーク電力の供給設備の能力
を大きくする必要がある。
一方、第2の方法の残湯方式の場合は、生産性が悪い
上、炉内に溶湯を残すので炉床部の補修ができないとい
う問題がある。
この発明は、このような従来の問題を解決するもので
あり、アーク溶解と炭材溶解の併用による省電力化と共
に、生産性の向上と設備費を低減して、製造コストの低
減を実現することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本出願の第1の発明のスクラップの溶解方法は、複数
基の炭材溶解炉と、一基のアーク炉とを備え、スクラッ
プを溶解・精錬する方法であって、上記アーク炉におい
て、上記炭材溶解炉でスクラップを炭材溶解する際に必
要な初期溶湯を製造し、この初期溶湯に、その融点を低
下させるべく、炭材を接触させて、該溶湯を加炭する。
上記アーク炉において造られた初期溶湯は、少なくとも
一つの炭材溶解炉に供給され、炭素及び酸素を供給して
スクラップを炭材溶解する。該アーク炉、炭材溶解中の
炭材溶解炉において発生した可燃性ガスを上記炭材溶解
炉外に配設された燃焼室において燃焼させた後、その燃
焼ガスを別の炭材溶解炉の炉体内に導入して該炉体内の
スクラップの加熱を行い、これら炭材溶解炉での炭材溶
解およびスクラップの加熱の作業を上記複数基の炭材溶
解炉において交互に行うことを特徴としている。
また、本出願の第2の発明のスクラップの溶解装置
は、特許請求の範囲第1項に記載のスクラップの溶解方
法において用いるスクラップの溶解装置であって、炭素
と酸素を吹き込むことによりスクラップを炭材溶解する
複数基の炭材溶解炉と、該炭材溶解炉でスクラップを炭
材溶解する際に必要な初期溶湯を造るとともに、アーク
溶解の途中で上記初期溶湯に炭材を接触させ得る構成と
された一基のアーク炉と、このアーク炉にて造った初期
溶湯を上記複数基の炭材溶解炉に交互に供給する供給機
構と、上記炭材溶解炉の外部に配設され、該アーク炉、
炭材溶解炉において発生した可燃性ガスを燃焼させる燃
焼室とを備えてなることを特徴としている。また、本出
願の第3の発明のスクラップの溶解装置は、特許請求の
範囲第2項に記載のスクラップの溶解装置において、上
記供給機構は、上記アーク炉の炉体を旋回させて、該ア
ーク炉の出湯口を、上記複数基の炭材溶解炉の各溶湯受
入口に選択的に位置させる旋回機構を有することを特徴
としている。
また、本出願の第4の発明のスクラップの溶解方法
は、特許請求の範囲第2項に記載のスクラップの溶解装
置において、上記供給装置は、上記複数基の炭材溶解炉
のそれぞれの溶湯受入口と上記アーク炉の出湯口との間
に位置する桶と、この桶を切り換えて上記アーク炉の出
湯口の上記複数基の炭材溶解炉の溶湯受入口に選択的に
接続する切換機構を有することを特徴としている。
[作用] この発明によれば、アーク炉において初期溶湯を造
る。また、初期溶湯を造る際に、該溶湯を加炭する。こ
れにより、初期溶湯の融点が下り、該初期溶湯を炭材溶
解炉に供給するまでの時間が短縮される。また、この工
程でCO(可燃性ガス)が多量に発生する。そして、これ
を燃焼室で燃焼させ、多量の燃焼ガスが発生させた後、
これを他の炭材溶解炉の炉体内に導入することによっ
て、該炉体内のスクラップの予熱が強化される。さらに
また、初期溶湯を加炭しておくことにより、炭素濃度が
高い状態となるため、炭材溶解での酸素吹き込み時に炭
材溶解開始時の反応が促進される。
このようにアーク炉において造られた初期溶湯は、少
なくとも一つの炭材溶解炉に供給し、炭材溶解を行う。
すなわち、本発明においては、初期溶湯の製造を炭材溶
解炉に負担させることなく、上記複数の炭材溶解炉を関
連的に作動させて、その炭材溶解炉の稼働効率を向上さ
せることができる。このため、全体処理時間のうち、炭
材溶解時間を長くとることができる。そして、炭材溶解
の結果、発生するCO(可燃性ガス)量も可能な限り増大
し、これにより、上記と同様に、他の炭材溶解炉内のス
クラップの予熱が強化できる。
次いで、上記アーク炉、炭材溶解炉内で発生した可燃
性ガスを上記炭材溶解炉の外部にて配設された燃焼室に
おいて、燃焼に使われる酸素量以上の過剰の酸素を供給
することもなく、又、爆発が起こる程度の未燃一酸化炭
素の残留もなく燃焼させた後、その燃焼ガスを他の炭材
溶解炉の炉体内に導入して該炉体内のスクラップの予熱
を行う。すなわち、可燃性ガスの燃焼を炉体外の燃焼室
で行うため、炉の形状その他の制約の影響を受けずに常
に完全燃焼が実現される。その結果、燃焼ガスの潜・顕
熱を最大限予熱に利用可能となり、他の炉体内のスクラ
ップの予熱強化による炭材溶解反応の促進が図れる。
[実施例] 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
まず、この発明によるスクラップの溶解装置の一構成
例を第1図により説明する。
図において、1,2は左右の炭材溶解炉であり、図示し
ない炭材供給手段と酸素吹込手段によって、炉内への炭
材の供給と酸素の吹き込みを行うことにより、炉内の初
期溶湯中において炭材を燃焼させてCOガスを発生させ、
そしてこの時の反応熱によって炉内のスクラップを炭材
溶解するものである。これらの炭材溶解炉1,2は、初期
溶湯の受入口1a,2aと、出湯口を兼ねたガス導入部1b,2b
と、ガス排出部1c,2cを有する。3は、これら2基の炭
材溶解炉1,2の間に装備された1基のアーク炉である。
このアーク炉3は、アーク電源トランス4に接続された
電極によって炉内のスクラップをアーク溶解し、これに
よって炭材溶解炉1,2の溶解開始時に必要な初期溶湯を
造るものであり、その造った初期溶湯は出湯口3aから出
湯する。この場合、アーク炉3におけるスクラップの溶
解中に、炭材を溶湯に接触させてその溶湯を加炭し、加
炭により溶湯の融点が下がった状態でアーク溶解を続
け、その加炭した溶湯を初期溶湯とする。また、高炉か
ら搬送された溶銃を供給するようにしてもよい。
アーク炉3には、その内部にて造った初期溶湯を左右
2基の炭材溶解炉1,2内に交互に供給する供給機構が装
備されている。本例の場合、その供給機構は、アーク炉
3自体を旋回させる旋回機構を有している。この旋回機
構は、アーク炉3を旋回させて、その出湯口3aを2基の
炭材溶解炉1,2の入口1a,2aのいずれかに対して選択的に
向かい合わせるものである。そして、この供給機構は、
アーク炉3を傾動させることによって、そのアーク炉3
の出湯口3aと向かい合う側の炭材溶解炉1,2内に、初期
溶湯を交互に供給するようになっている。
符号5は燃焼室であって、炭材溶解炉1,2の炭材溶解
によって発生した主成分COの排ガスを導入して燃焼さ
せ、そして高温ガス化して導出する構成となっている。
そのため、排ガスの導入部は、ダクト6a,6bによって左
側の炭材溶解炉1のガス排出部1cに接続されていると共
に、ダクト7a,7bによって右側の炭材溶解炉2のガス排
出部2cに接続されている。それらのダクト6b,7b中には
バルブ8,9が備え付けられている。また、燃焼室5の高
温ガスの導入部は、ダクト6c,7cによって炭材溶解炉1,2
のガス導入部1b,2bのそれぞれに接続されている。それ
らのダクト6c,7c中にはバルブ10,11が備え付けられてい
る。
また、燃焼室5には、アーク炉3内の排ガスをも導入
できるようにダクト12が接続され、そのダクト12中には
バルブ13が備えられている。さらに、燃焼室5はバルブ
8,9からダクト6d,7dを通してスクラップ予熱槽14内に接
続されている。ダクト6d,7d中にはバルブ15,16が備えら
れている。スクラップ予熱槽14は、燃焼室5から導入し
た高温ガスによって、溶解前のスクラップを事前に予熱
するものである。
次に、この発明によるスクラップの溶解方法を上述し
たスクラップの溶解装置の作用と共に説明する。
左右の炭材溶解炉1,2は交互に炭材溶解を行う。い
ま、左側の炭材溶解炉1が炭材溶解を行う場合には、そ
の炉内に、アーク炉3から供給された初期溶湯と共にス
クラップが装入されていて、炉内への炭材の供給と酸素
の吹込みによってCOガスを発生させ、そしてその反応熱
によってスクラップを溶解させる。そのときのCOガスを
主成分とする排ガスは、ガス排出部1cからダクト6a、6b
を通って燃焼室5内に導入され、そして燃焼されて高温
ガス化し、ダクト7cを通して右側の炭材溶解炉2内に導
入される。そのために、バルブ8,11は開状態にある。右
側の炭材溶解炉2内には溶解前のスクラップが装入され
ており、左側の炭材溶解炉1から導入した高温ガスによ
ってそのスクラップを加熱する。そのスクラップ加熱後
のガスはガス排出部2cからダクト7a,7dを通ってスクラ
ップ予熱槽14内に導入され、ここで炉内装入前のスクラ
ップを予熱してから排気される。そのために、バルブ16
は開状態にある。
この間、アーク炉3内においてはスクラップのアーク
溶解が行なわれている。
そして、左側の炭材溶解炉1は炭材溶解および所要の
鋼成分、特に目標のC値以下に脱炭後に出湯を行う。そ
れから、その炭材溶解炉1内には、スクラップ予熱槽14
内にて予熱されたスクラップが装入される。一方、右側
の炭材溶解炉2内にはアーク炉3から初期溶湯が供給さ
れ、そして前述した左側の炭材溶解炉1と同様にして炭
材溶解を行う。
右側の炭材溶解炉2内で発生した排ガスは、ガス排出
部2cからダクト7a,7bを通って燃焼室5内に導入され、
そして燃焼されて高温ガス化し、ダクト6cを通して左側
の炭材溶解炉1内に導入される。そのために、バルブ9,
10は開状態にある。その高温ガスは、左側の炭材溶解炉
1内のスクラップを加熱し、そしてガス排出部1cからダ
クト6a,6bを通ってスクラップ予熱槽14内に導入され、
ここで炉内装入前のスクラップを予熱してから排気され
る。そのために、バルブ15は開状態にある。
そして、右側の炭材溶解炉2は炭材溶解および所要の
鋼成分、特に目標のC値以下に脱炭後に出湯を行う。そ
れから、その炭材溶解炉2内にはスクラップ予熱槽14内
のスクラップが装入される。一方、左側の炭材溶解炉1
にはアーク炉3から初期溶湯が供給され、そして前述し
た場合と同様にして炭材溶解を行う。
以上のようにして、アーク炉3の供給機構は炉内の初
期溶湯を左右の炭材溶解炉1,2内に交互に供給し、そし
てその初期溶湯の供給された左右の炭材溶解炉1,2が交
互に炭材溶解を行う。アーク炉3の供給機構は、アーク
炉3を旋回させて、その出湯口3aを炭材溶解炉1,2の受
入口1a,2aのいずれかに対して選択的に位置させること
によって、初期溶湯を炭材溶解炉1,2内に交互に供給す
る。受入口1a,2aは、受湯後炭材溶解前に、図示しない
閉塞手段によって閉塞され、これによって大気の侵入が
防がれる。
ところで、このようにクレーンやレードルなどを用い
ずに、アーク炉3の供給機構によって初期溶湯をアーク
炉3から炭材溶解炉内に供給することは、作業時間の短
縮ならびに省力化を図って、生産性を向上させる上にお
いてきわめて有利である。
第2図はアーク炉3の供給機構の他の例を表す。
本例の場合、その供給機構は、左右の炭材溶解炉1,2
の受入口1a,2aとアーク炉3内の出湯口3aとの間に位置
する樋17を有しており、その樋17を図中の矢印方向に往
復旋回させて、アーク炉3の出湯口3aを炭材溶解炉1,2
の受入口1a,2aのいずれかに対して選択的に接続する構
成となっている。すなわち、アーク炉3内の初期溶湯を
右側の炭材溶解炉2内に供給するときには、樋17を図中
実線で表す位置にまで旋回させてからアーク炉3を傾動
させ、また初期溶湯を左側の炭材溶解炉1内に供給する
ときには、樋17を図中2点鎖線で表す位置にまで旋回さ
せてからアーク炉3を傾動させる。この供給機構以外の
構成は前述した実施例と同様である。
第3図は、本発明装置による操業パターンの一例を表
す。
この例においては、第1図中の左側の炭材溶解炉1を
A炉、右側の炭材溶解炉2をB炉とし、そして出湯間隔
を50分としている。したがって、A炉,B炉共に1サイク
ル100分の中で炭材溶解とスクラップ加熱を行うことに
なる。一方、アーク炉は1サイクル50分の中で炭材溶解
用の所期溶湯を造ることになる。
図中、A炉とB炉に関しては、それらの炭材溶解を
「溶解」、溶解前のスクラップの事前の加熱を「加熱」
として表し、またアーク炉からの初期溶湯の供給を「受
湯」、出湯を「出湯」、出湯後の炉内の補修を「炉
修」、炉内へのスクラップの装入を「装入」として表
す。アーク炉に関しては、初期溶湯を造るためのアーク
溶解を「溶解」として表し、またA炉またはB炉への所
期溶湯の供給を「出湯」、炉内の補修を「炉修」、炉内
へのスクラップの装入を「装入」として表す。
第4図は、第3図の操業パターンの比較例としての従
来の操業パターンを表す。
この第4図の操業パターンは、従来の溶解方法による
操業パターンの一例であり、初期溶湯を確保するため
の、前述した2つの方法の内の第1の方法を採用してい
る。すなわち、第1の方法とは、前述したように、溶解
炉にスクラップを装入した後、その溶解炉中にてアーク
加熱またはバーナ加熱によってスクラップの一部を溶解
して初期溶湯を造り、この初期溶湯ができた時点で、同
一の溶解炉中にて炭材による溶解を開始するというもの
である。第4図の操業パターンは、このように同一の炉
内にてアーク溶解と炭材溶解を行う溶解炉を2基備え、
そして一方の炉の溶解作業中に発生する排ガスを利用し
て、他方の炉内における溶解前のスクラップを事前に加
熱する方法を採っている。
第4図においては、2基の炉をA炉、B炉として表
す。また、「加熱」とは溶解前のスクラップを事前に加
熱することであり、「蓋交換」とは、アーク溶解用の蓋
と炭材溶解用の蓋との交換、並びに炉修のために蓋を外
すことである。
次に、以下の前提条件のもとで、第3図と第4図の両
者の操業パターンにおいて必要とされるアーク供給電源
トランスの容量を比較する。
上表中の電力原単位は、初期溶湯20 TONに対して必要
な原単位である。
本発明装置と従来装置におけるアーク供給電源トラン
スの容量を下式によって求める。
KVA:トランス容量 C:電力原単位(KWH/Ton) W:溶解量(初期溶湯)(Ton) Cosφ:0.72 Tdf:0.95 《計算結果》 本発明装置のトランス容量KVA 従来装置のトランス容量KVA このような計算結果から明らかなように、本発明装置
の場合はトランス容量KVAが小さくてすむ。
なお、この発明の他の実施例としては、一基のアーク
炉に対して2期以上の炭材溶解炉を備え、そしてその1
基のアーク炉から2基以上の炭材溶解に初期溶湯を供給
することも可能である。また、アーク炉における初期溶
湯の供給機構は、何等上述した実施例のものに特定され
ず、種々の方式のものを採用することが可能である。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、炭素と酸素
を吹き込むことによりスクラップを炭材溶解する複数基
の炭材溶解炉に対して、一基のアーク炉を備え、そして
このアーク炉にて、炭材溶解炉でスクラップを炭材溶解
する際に必要な初期溶湯を造って、その初期溶湯を複数
基の炭材溶解炉に交互に供給して炭材溶解を行うから、
初期溶湯の製造を炭材溶解炉に負担させることなく、複
数の炭材溶解炉を関連的に作動させて、その炭材溶解炉
の稼働効率を上げることができる。
一方、アーク炉において初期溶湯を生成させる際には
アーク溶解の途中で初期溶湯に炭材を接触させるように
しているので、初期溶湯の融点が低下し、それによりア
ーク溶解がより促進されるとともに、アーク炉の電力消
費量を低減させることができる。
また、1つの炉にてアーク溶解による初期溶湯の製造
と、その初期溶湯を利用しての炭材溶解をおこなう従来
の方法に比しては、次のような効果を有する。
炭材溶解時間を長くとることができて、設備のコンパ
クト化を図ることができる。
炭材溶解時間を同じ長さにした場合には、出鋼間隔が
短くなり、生産性が向上する。
アーク溶解用と炭材溶解用の蓋の移動、交換が不用と
なるため、溶解作業以外の作業時間が短縮し、作業量が
減少する。
炭材溶解炉の形状に関しては、アーク溶解のための制
約がないため、その形状を炭材溶解に最適な形状にする
ことができる。
炭材溶解炉における排ガスの発生時間が長いため、そ
の排ガスを利用して溶解前のスクラップを高温加熱する
ことができる。
アーク供給電源設備の能力を小さくすることができ
る。
また、従来の残湯方式のものに比しては、次のような
効果を有する。
出鋼毎に炉修をすることができる。
溶解炉の生産性が高い。
初期溶湯が加炭されており、溶解炉での加炭時間が短
縮できる(残湯方式の初期溶湯は所要の鋼成分迄脱炭さ
れている)。
また、本発明のスクラップ溶解装置において、アーク
炉から複数基の炭材溶解炉に初期溶湯を供給機構が、ア
ーク炉の出湯口を炭材溶解炉の溶湯受入口に対して旋回
させる旋回機構、またはアーク炉の出湯口と炭材溶解炉
の溶湯受入口との間を接続する樋を切り換える切換機構
を有しているため、クレーン等の別の設備を使用するこ
となく初期溶湯の供給が行なえるので、作業時間の短縮
や省力化が図れるとともに、装置構成の簡略化も図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明のスクラップの溶解装置の一例を説明
するための概略構成図、第2図はこの発明のスクラップ
の溶解装置における初期溶湯の供給機構の他の例を説明
するための概略構成図、第3図はこの発明のスクラップ
の溶解方法による操業パターンの一例を説明するための
図、第4図はこの発明のスクラップの溶解方法による操
業パターンとの比較例としての従来の操業パターンの一
例を説明するための図である。 1,2……炭材溶解炉、1a,2a……受入口、3……アーク
炉、3a……出湯口、 4……アーク電源トランス、5……燃焼室、6a,6b,6c,7
a,7b,7c……ダクト、 8,9,10,11,13……バルブ、 14……スクラップ予熱槽、17……樋。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 貞夫 東京都千代田区大手町2丁目2番1号 石川島播磨重工業株式会社内 (72)発明者 青鹿 雅行 東京都千代田区大手町2丁目2番1号 石川島播磨重工業株式会社内 (72)発明者 山田 隆光 東京都千代田区大手町2丁目2番1号 石川島播磨重工業株式会社内 (72)発明者 藁麦田 勝利 東京都千代田区大手町2丁目2番1号 石川島播磨重工業株式会社内 (72)発明者 富沢 文雄 東京都千代田区大手町2丁目2番1号 石川島播磨重工業株式会社内 (72)発明者 数土 文夫 千葉市千城台東3−30−1 (72)発明者 上杉 浩之 東京都杉並区本天沼1−22−20 (56)参考文献 特開 昭60−174812(JP,A) 特開 昭58−11710(JP,A) 特公 平7−96682(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数基の炭材溶解炉と、一基のアーク炉を
    備え、スクラップを溶解・精錬する操業方法であって、 アーク炉ではスクラップをアーク溶解すると共に炭材を
    溶湯に接触させて溶湯を加炭し、 少なくとも一つの炭材溶解炉ではアーク炉で製造された
    初期溶湯を用いて炭材溶解を行い、 該アーク炉、炭材溶解中の炭材溶解炉から発生する可熱
    性ガスを炉内に配設した燃焼室で燃焼させ、その燃焼ガ
    スで別の炭材溶解炉に予め導入しておいたスクラップの
    加熱を行い、 これら炭材溶解炉での炭材溶解およびスクラップの加熱
    の作業を上記複数基の炭材溶解炉において交互に行う ことを特徴とするスクラップの溶解方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載のスクラップ
    の溶解方法において用いるスクラップの溶解装置であっ
    て、 炭素と酸素を吹き込むことによりスクラップを炭材溶解
    する複数基の炭材溶解炉と、 該炭材溶解炉でスクラップを炭材溶解する際に必要な初
    期溶湯を造るとともに、アーク溶解の途中で上記初期溶
    湯に炭材を接触させ得る構成とされた一基のアーク炉
    と、 このアーク炉にて造った初期溶湯を上記複数基の炭材溶
    解炉に交互に供給する供給機構と、 上記炭材溶解炉の外部に配設され、該アーク炉、炭材溶
    解炉において発生した可燃性ガスを燃焼させる燃焼室と を備えてなることを特徴とするスクラップの溶解装置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項に記載のスクラップ
    の溶解装置において、 上記供給機構は、上記アーク炉の炉体を旋回させて、該
    アーク炉の出湯口を、上記複数基の炭材溶解炉の各溶湯
    受入口に選択的に位置させる旋回機構を有する ことを特徴とするスクラップの溶解装置。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第2項に記載のスクラップ
    の溶解装置において、 上記供給機構は、上記複数基の炭材溶解炉のそれぞれの
    溶湯受入口と上記アーク炉の出湯口との間に位置する桶
    と、 この桶を切り換えて上記アーク炉の出湯口を上記複数基
    の炭材溶解炉の溶湯受入口に選択的に接続する切換機構
    を有する ことを特徴とするスクラップの溶解装置。
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