JP2554936B2 - 無洗米の製造方法 - Google Patents
無洗米の製造方法Info
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- JP2554936B2 JP2554936B2 JP1161070A JP16107089A JP2554936B2 JP 2554936 B2 JP2554936 B2 JP 2554936B2 JP 1161070 A JP1161070 A JP 1161070A JP 16107089 A JP16107089 A JP 16107089A JP 2554936 B2 JP2554936 B2 JP 2554936B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は精白米表面に残存する糠片及び糠油を除去す
ることにより、炊飯時に洗浄することなく使用できる無
洗米の製造方法に関する。
ることにより、炊飯時に洗浄することなく使用できる無
洗米の製造方法に関する。
(従来の技術) 搗精米粒の表面には糠片や糠油が付着しており、これ
を洗わずに炊飯すると、加えた水は白濁し、時には糠片
が浮いたり、付着している糠油のために吸水が妨げられ
吸水不足となり、また炊きあがり炊飯米の色が黄色を呈
し、更には飯に糠臭が残りテクスチャーも悪く極めて嗜
好性の劣る米飯しか得られないことはよく知られてい
る。
を洗わずに炊飯すると、加えた水は白濁し、時には糠片
が浮いたり、付着している糠油のために吸水が妨げられ
吸水不足となり、また炊きあがり炊飯米の色が黄色を呈
し、更には飯に糠臭が残りテクスチャーも悪く極めて嗜
好性の劣る米飯しか得られないことはよく知られてい
る。
搗精米を予め洗浄して乾燥した、いわゆる無洗米の製
法に関しては幾つかの提案がある。例えば、搗精した白
米を揮発性有機溶剤で洗浄し、次いで該揮発性有機溶剤
を実質的に除去する無洗米の製造法(特開昭49−110844
号公報)、或いは、搗減率8〜10%の精白米に、該精白
米の等倍量以上の55〜60%の熱エタノールを10〜15秒間
接触させた後乾燥してエタノールを除去する無洗米の製
造方法(特公昭61−26337号公報)等が開示されてい
る。
法に関しては幾つかの提案がある。例えば、搗精した白
米を揮発性有機溶剤で洗浄し、次いで該揮発性有機溶剤
を実質的に除去する無洗米の製造法(特開昭49−110844
号公報)、或いは、搗減率8〜10%の精白米に、該精白
米の等倍量以上の55〜60%の熱エタノールを10〜15秒間
接触させた後乾燥してエタノールを除去する無洗米の製
造方法(特公昭61−26337号公報)等が開示されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 搗精米の洗浄法としては常温の水による研ぎ洗いが最
も一般的で、そのまま炊飯する場合には好ましい方法で
ある。しかしながら、該方法によれば、例えば、水分約
13重量%(以下%は重量%を表す)の精白米を常温の水
で洗浄し、約2分後に水切りを行った場合においてさえ
水分が約17〜20%に上昇する。更に通常の研ぎ洗い後、
約30分間水に浸漬した米は、約25〜28%の水分を含んで
いる。かかる高含水率の米を再び乾燥して得られる無洗
米は、胴割れを起こして砕米となるばかりでなく、これ
を炊いた米飯は風味、殊にテクスチャーが著しく劣ると
いう欠点がある。
も一般的で、そのまま炊飯する場合には好ましい方法で
ある。しかしながら、該方法によれば、例えば、水分約
13重量%(以下%は重量%を表す)の精白米を常温の水
で洗浄し、約2分後に水切りを行った場合においてさえ
水分が約17〜20%に上昇する。更に通常の研ぎ洗い後、
約30分間水に浸漬した米は、約25〜28%の水分を含んで
いる。かかる高含水率の米を再び乾燥して得られる無洗
米は、胴割れを起こして砕米となるばかりでなく、これ
を炊いた米飯は風味、殊にテクスチャーが著しく劣ると
いう欠点がある。
また、エタノール等の有機溶媒を用いて洗浄する従来
技術はかかる吸水を抑制し、糠油は効果的に除去するこ
とができるが、水溶性の夾雑物の除去に難点があった。
また熱エタノールによる短時間処理方法にはエタノール
の蒸発、揮散及び引火の危険性、作業環境の悪化及び処
理時間のコントロールの困難さを伴う欠点があった。
技術はかかる吸水を抑制し、糠油は効果的に除去するこ
とができるが、水溶性の夾雑物の除去に難点があった。
また熱エタノールによる短時間処理方法にはエタノール
の蒸発、揮散及び引火の危険性、作業環境の悪化及び処
理時間のコントロールの困難さを伴う欠点があった。
更にまた高温におけるエタノール洗浄はエタノールの
過度の浸透を招き、米粒からのエタノールの完全除去が
困難になるばかりでなく、しばしば残留溶剤が原因する
炊飯米の風味低下も大きな課題であった。
過度の浸透を招き、米粒からのエタノールの完全除去が
困難になるばかりでなく、しばしば残留溶剤が原因する
炊飯米の風味低下も大きな課題であった。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、上記の如き従来技術の欠点を解決すべ
く鋭意研究した。その結果、まず精白米を短時間冷水で
洗浄することにより、糠片及び水溶性夾雑物を除去し、
次いで冷含水エタノールを用いて短時間低温で接触処理
して脱脂及び脱水を行った後、弱い真空条件下で乾燥す
ることにより、安全で且つ安定した条件下で脱水及び糠
油の除去ができることが分かった。
く鋭意研究した。その結果、まず精白米を短時間冷水で
洗浄することにより、糠片及び水溶性夾雑物を除去し、
次いで冷含水エタノールを用いて短時間低温で接触処理
して脱脂及び脱水を行った後、弱い真空条件下で乾燥す
ることにより、安全で且つ安定した条件下で脱水及び糠
油の除去ができることが分かった。
本発明の低温条件下における水及び含水エタノールに
よる洗浄方法によれば、水溶性ビタミン類、ミネラル類
など栄養成分の過度の溶出を抑えて除糠及び洗浄を行う
ことができる。しかもかかる低温条件下においては水及
びエタノールの浸透が極めて少ないために乾燥が容易と
なる結果、該処理米を乾燥した場合に、米粒の亀裂や胴
割米が生じて砕米が発生する如き惧がなく、さらに低真
空条件下で乾燥することによりエタノール臭が残存する
というトラブルも解消される。
よる洗浄方法によれば、水溶性ビタミン類、ミネラル類
など栄養成分の過度の溶出を抑えて除糠及び洗浄を行う
ことができる。しかもかかる低温条件下においては水及
びエタノールの浸透が極めて少ないために乾燥が容易と
なる結果、該処理米を乾燥した場合に、米粒の亀裂や胴
割米が生じて砕米が発生する如き惧がなく、さらに低真
空条件下で乾燥することによりエタノール臭が残存する
というトラブルも解消される。
かくして得られた無洗米は炊飯したときの物性及び風
味が極めて優れていることを見いだし本発明を完成し
た。
味が極めて優れていることを見いだし本発明を完成し
た。
従って、本発明の目的は外観、物理的特性、風味及び
嗜好性に優れた無洗米を安全で安定且つ簡便な手段によ
って製造する方法を提供するにある。
嗜好性に優れた無洗米を安全で安定且つ簡便な手段によ
って製造する方法を提供するにある。
以下本発明の具体的態様についてさらに詳しく説明す
る。
る。
本発明で使用する精白米は搗精率約80〜95%の精白米
である。搗精率が80%より少ないときには、本発明の方
法を適用するまでもなく無洗米を得ることができ、搗精
率が95%を超えるときには本発明を適用しても風味に優
れた無洗米を得ることは難しい。
である。搗精率が80%より少ないときには、本発明の方
法を適用するまでもなく無洗米を得ることができ、搗精
率が95%を超えるときには本発明を適用しても風味に優
れた無洗米を得ることは難しい。
本発明においては、まず精白米を温度20℃以下、好ま
しくは5〜10℃の冷水を、米に対して約1〜5重量倍加
え、20℃を超えない条件下に、約5分間以下、好ましく
は約1〜2分間水洗処理し、米粒表面に付着している糠
及び水溶性不純物を除去する。かかる条件においては、
米の含水率を最大約15〜16%にとどめることができる。
水洗温度が約20℃を超えると米の吸水が急激に増加し、
例えば、約21%以上にもなるので好ましくなく、また、
5℃以下に下げても給水抑制効果には変化がないのでコ
スト的に無駄である。
しくは5〜10℃の冷水を、米に対して約1〜5重量倍加
え、20℃を超えない条件下に、約5分間以下、好ましく
は約1〜2分間水洗処理し、米粒表面に付着している糠
及び水溶性不純物を除去する。かかる条件においては、
米の含水率を最大約15〜16%にとどめることができる。
水洗温度が約20℃を超えると米の吸水が急激に増加し、
例えば、約21%以上にもなるので好ましくなく、また、
5℃以下に下げても給水抑制効果には変化がないのでコ
スト的に無駄である。
冷水洗浄して脱水後、該水洗米1重量部に冷含水エタ
ノール約0.5重量部以上、好ましくは約0.5〜5重量部加
えて接触させ、洗浄、脱水及び糠油の除去を行う。含水
エタノールの添加量が0.5重量部より少ない場合には、
エタノールを米を均一に接触せしめることが困難であ
り、5重量部を超えるとエタノールによる効果が特に増
加するものではなく、回収すべきエタノール量が増加す
るので経済的ではない。
ノール約0.5重量部以上、好ましくは約0.5〜5重量部加
えて接触させ、洗浄、脱水及び糠油の除去を行う。含水
エタノールの添加量が0.5重量部より少ない場合には、
エタノールを米を均一に接触せしめることが困難であ
り、5重量部を超えるとエタノールによる効果が特に増
加するものではなく、回収すべきエタノール量が増加す
るので経済的ではない。
本発明で用いる含水エタノールの濃度は、約30〜80重
量%、好ましくはエタノール濃度約40〜70重量%であ
る。エタノール濃度が約40〜70重量%の範囲において
は、充分な脱水力を保持し、且つ水と同程度の除糠効果
が得られる。即ち、該濃度の含水エタノールとの接触処
理によって除かれる糠及び糠油の乾燥重量を測定した結
果、精白米重量に対して約0.25〜0.15重量%の範囲であ
った。これに対し80重量%を超えた含水エタノールで
は、この数値が約0.05%と急激に減少することが分かっ
た。
量%、好ましくはエタノール濃度約40〜70重量%であ
る。エタノール濃度が約40〜70重量%の範囲において
は、充分な脱水力を保持し、且つ水と同程度の除糠効果
が得られる。即ち、該濃度の含水エタノールとの接触処
理によって除かれる糠及び糠油の乾燥重量を測定した結
果、精白米重量に対して約0.25〜0.15重量%の範囲であ
った。これに対し80重量%を超えた含水エタノールで
は、この数値が約0.05%と急激に減少することが分かっ
た。
エタノール濃度が80重量%を超えると脱水及び糠油の
除去効率はよくなると考えられるが、反面において米粒
の表面が過度に脱水されて変成し、炊飯時の澱粉の糊化
に悪影響が出るので好ましくない。即ち糊化の不十分な
硬化した表面が残り、舌触りのザラついた食味の劣った
米飯となることも分かった。またエタノール濃度が30重
量%以下では充分な脱水、脱脂効果が得られず、糠臭残
存の原因になるので同様に好ましくない。
除去効率はよくなると考えられるが、反面において米粒
の表面が過度に脱水されて変成し、炊飯時の澱粉の糊化
に悪影響が出るので好ましくない。即ち糊化の不十分な
硬化した表面が残り、舌触りのザラついた食味の劣った
米飯となることも分かった。またエタノール濃度が30重
量%以下では充分な脱水、脱脂効果が得られず、糠臭残
存の原因になるので同様に好ましくない。
また、含水エタノールによる接触処理温度は、例え
ば、20℃以下、好ましくは、約5〜10℃がよく、20℃を
超えるとエタノール及び水が過度に浸透する結果、乾燥
工程に困難を生じ、胴割米の発生、エタノール臭残存の
原因になるので好ましくなく、また5℃以下に下げても
顕著な効果がでるものではないのでエネルギーコスト的
に問題がある。
ば、20℃以下、好ましくは、約5〜10℃がよく、20℃を
超えるとエタノール及び水が過度に浸透する結果、乾燥
工程に困難を生じ、胴割米の発生、エタノール臭残存の
原因になるので好ましくなく、また5℃以下に下げても
顕著な効果がでるものではないのでエネルギーコスト的
に問題がある。
さらに、含水エタノールとの接触時間としては、例え
ば、約0.5〜10分間、好ましくは約1〜2分間である。
接触時間が10分以内であれば米粒の吸水を極めて僅かに
抑えることができて有利である。接触条件は緩やかな撹
拌状態でもよいが、静置状態であってもよい。
ば、約0.5〜10分間、好ましくは約1〜2分間である。
接触時間が10分以内であれば米粒の吸水を極めて僅かに
抑えることができて有利である。接触条件は緩やかな撹
拌状態でもよいが、静置状態であってもよい。
かくして水洗及び含水エタノール接触処理を終えた米
粒を、瀘過、遠心分離等の公知手段により固・液分離を
行い、所望により更に吸水紙、モップ、スボンジ等のロ
ールにより脱水することもできる。
粒を、瀘過、遠心分離等の公知手段により固・液分離を
行い、所望により更に吸水紙、モップ、スボンジ等のロ
ールにより脱水することもできる。
得られた洗浄米を減圧乾燥する。減圧乾燥の条件は、
好ましくは、約10℃以下の低温において、例えば、約60
0〜20mmHg、好ましくは約200〜50mmHg程度の弱い真空条
件下で乾燥するのがよい条件である。真空度を20mmHgを
超えて高くすると炊飯米にザラつきが生じるので好まし
くなく、また真空度が600mmHgより低いとエタノール臭
が残り同様に好ましくない。減圧乾燥を実施する前に予
備乾燥として冷風、自然乾燥などを行い減圧乾燥の負荷
を減らすようにしてもよい。しかし減圧乾燥は風味に優
れた無洗米を得るための必須の工程である。
好ましくは、約10℃以下の低温において、例えば、約60
0〜20mmHg、好ましくは約200〜50mmHg程度の弱い真空条
件下で乾燥するのがよい条件である。真空度を20mmHgを
超えて高くすると炊飯米にザラつきが生じるので好まし
くなく、また真空度が600mmHgより低いとエタノール臭
が残り同様に好ましくない。減圧乾燥を実施する前に予
備乾燥として冷風、自然乾燥などを行い減圧乾燥の負荷
を減らすようにしてもよい。しかし減圧乾燥は風味に優
れた無洗米を得るための必須の工程である。
以下実施例、比較例により本発明の態様を更に詳しく
説明する。以下の実施例において%は特にことわりのな
い限り重量を%を示す。
説明する。以下の実施例において%は特にことわりのな
い限り重量を%を示す。
(実施例) 実施例1 約10℃に冷却した市販標準価格米に相当する搗精率90
%の精白米(水分含量12.6%)250gに約10℃の水500ml
を加え、1分間軽く撹拌した後水切りし、吸水紙で表面
の水分を取り除いた。得られた水洗米(水分含量15.8
%)に約5℃の70重量%エタノール250gを加え、10℃以
下で約1分間軽くかきまぜた後遠心分離器を用いて含水
エタノールを分離し、さらに吸水紙で表面を拭きとった
後水分含量を測定した結果15.2%であった。次いで、常
温で10分間通風乾燥した後、減圧乾燥器を用いて約200m
mHgの弱い真空条件下で10分間乾燥し、水分含量13.7%
の本発明の無洗米を調製した。この処理によって除かれ
た糠の全量は、洗浄水、含水エタノール相を合わせて測
定した結果乾物重量で0.25%であった(本発明品1)。
%の精白米(水分含量12.6%)250gに約10℃の水500ml
を加え、1分間軽く撹拌した後水切りし、吸水紙で表面
の水分を取り除いた。得られた水洗米(水分含量15.8
%)に約5℃の70重量%エタノール250gを加え、10℃以
下で約1分間軽くかきまぜた後遠心分離器を用いて含水
エタノールを分離し、さらに吸水紙で表面を拭きとった
後水分含量を測定した結果15.2%であった。次いで、常
温で10分間通風乾燥した後、減圧乾燥器を用いて約200m
mHgの弱い真空条件下で10分間乾燥し、水分含量13.7%
の本発明の無洗米を調製した。この処理によって除かれ
た糠の全量は、洗浄水、含水エタノール相を合わせて測
定した結果乾物重量で0.25%であった(本発明品1)。
比較例1 実施例1において、冷水洗滌処理を省略したほかはす
べて実施例1と同様に行い、乾燥無洗米(水分含量13.3
%)を得た。この洗滌米の糠除去率は0.07%であった
(比較品1)。
べて実施例1と同様に行い、乾燥無洗米(水分含量13.3
%)を得た。この洗滌米の糠除去率は0.07%であった
(比較品1)。
比較例2 実施例1において冷含水エタノール洗滌を省略したほ
かはすべて実施例1と同様に処理し、水分含量16.2%の
乾燥無洗米を得た。この洗滌処理による糠の除去率は0.
04%であった。また、この洗滌米は乾燥後表面に若干の
亀裂が認められた(比較品2)。
かはすべて実施例1と同様に処理し、水分含量16.2%の
乾燥無洗米を得た。この洗滌処理による糠の除去率は0.
04%であった。また、この洗滌米は乾燥後表面に若干の
亀裂が認められた(比較品2)。
比較例3 実施例1と同一の条件で洗滌処理を行い、常温で10分
間通風乾燥した後、真空乾燥処理を省略して水分含量1
4.7%の乾燥無洗米を得た(比較品3)。
間通風乾燥した後、真空乾燥処理を省略して水分含量1
4.7%の乾燥無洗米を得た(比較品3)。
参考例1 上記実施例1、比較例1、比較例2及び比較例3で得
られた無洗米それぞれ250gに、水350mlを加え、研ぎ洗
いすることなく、そのまま1時間吸水させた後、0.6
容の電気自動炊飯器で炊飯した。炊きあがった後15分間
蒸らした。
られた無洗米それぞれ250gに、水350mlを加え、研ぎ洗
いすることなく、そのまま1時間吸水させた後、0.6
容の電気自動炊飯器で炊飯した。炊きあがった後15分間
蒸らした。
一方、上記実施例で使用した精白米250gを無処理のま
ま、研ぎ洗いしないで、水350mlを加え、そのまま1時
間吸水させた後、同様に炊飯及び蒸らしを行い、比較品
4を調製した。
ま、研ぎ洗いしないで、水350mlを加え、そのまま1時
間吸水させた後、同様に炊飯及び蒸らしを行い、比較品
4を調製した。
さらに、上記実施例で使用した精白米250gを通常の研
ぎ洗いをした後1時間吸水させ、実施例1と同様に炊飯
及び蒸らしを行い対照品を調製した。
ぎ洗いをした後1時間吸水させ、実施例1と同様に炊飯
及び蒸らしを行い対照品を調製した。
上記の本発明品1、比較品1、比較品2、比較品3、
比較品4及び対照品の炊飯米について、成人男性12名、
女性24名、合計38名のパネルで、食味試験を行った。評
価基準は、総て通常の水洗を行って炊飯した飯を対照と
し、香気については、糠臭が最も強いものを+5、殆ど
無臭のものを−5とした。また食味及び総合評価に関し
ては対照より非常によいものを+5、非常に悪いものを
−5とする10段階評価を行い、その平均値をもって表し
た。その結果を表1に示す。
比較品4及び対照品の炊飯米について、成人男性12名、
女性24名、合計38名のパネルで、食味試験を行った。評
価基準は、総て通常の水洗を行って炊飯した飯を対照と
し、香気については、糠臭が最も強いものを+5、殆ど
無臭のものを−5とした。また食味及び総合評価に関し
ては対照より非常によいものを+5、非常に悪いものを
−5とする10段階評価を行い、その平均値をもって表し
た。その結果を表1に示す。
表1の結果から明らかな如く、本発明品1は炊き上が
りの性状、色、臭い、食味ともに通常の研ぎ洗いをした
炊飯米と大差が無く好ましい風味であったが、比較品1
の洗滌米は僅かに糠臭が残り、食味においても舌触りが
劣っていた。また比較品2は糠臭、風味ともに対照より
劣っていた。更に比較品3は、エタノール臭が残って食
味が著しく劣り、比較品4は糠臭が強くまた食味の点で
も上記の総てに対して著しく劣っていた。
りの性状、色、臭い、食味ともに通常の研ぎ洗いをした
炊飯米と大差が無く好ましい風味であったが、比較品1
の洗滌米は僅かに糠臭が残り、食味においても舌触りが
劣っていた。また比較品2は糠臭、風味ともに対照より
劣っていた。更に比較品3は、エタノール臭が残って食
味が著しく劣り、比較品4は糠臭が強くまた食味の点で
も上記の総てに対して著しく劣っていた。
実施例2 市販標準米に相当する搗精率88%の米250gに5℃の冷
水1000mlを加え、2分間軽く撹拌した後水切りした。こ
の水洗米に50重量%エタノール500mlを加え10℃で2分
間静置し、直ちに篩上で溶媒を除き、フエルト・ロール
で表面の含水エタノールを拭きとった。次いで10℃以下
の温度で10分間真空乾燥し、更に室温にて10分間通風乾
燥を行い水分含量13.5%の本発明の無洗米を得た(本発
明品2)。
水1000mlを加え、2分間軽く撹拌した後水切りした。こ
の水洗米に50重量%エタノール500mlを加え10℃で2分
間静置し、直ちに篩上で溶媒を除き、フエルト・ロール
で表面の含水エタノールを拭きとった。次いで10℃以下
の温度で10分間真空乾燥し、更に室温にて10分間通風乾
燥を行い水分含量13.5%の本発明の無洗米を得た(本発
明品2)。
この無洗米に水340mlを加え、30分間吸水させた後、
0.6容電気自動炊飯器で炊飯し、炊飯後20分間蒸らし
た。得られた炊飯米は、参考例1と同様にパネルによる
評価を行ったところ、通常の研ぎ洗いして炊いた対照品
と全く区別がつかなかった。
0.6容電気自動炊飯器で炊飯し、炊飯後20分間蒸らし
た。得られた炊飯米は、参考例1と同様にパネルによる
評価を行ったところ、通常の研ぎ洗いして炊いた対照品
と全く区別がつかなかった。
(発明の効果) 本発明方法によれば、精白米をまず冷水で短時間洗浄
して糠片及び水溶性夾雑物を除去し、次いで冷含水エタ
ノールを用いて短時間低温で接触処理した後、弱い減圧
真空乾燥するという安全、且つ、簡便な手段によって、
安定した条件で糠、糠油及び糠臭を除去することができ
る。
して糠片及び水溶性夾雑物を除去し、次いで冷含水エタ
ノールを用いて短時間低温で接触処理した後、弱い減圧
真空乾燥するという安全、且つ、簡便な手段によって、
安定した条件で糠、糠油及び糠臭を除去することができ
る。
即ち、かかる低温条件における洗滌においては、水溶
性ビタミン類など栄養成分の過度の溶出が抑えられ、し
かも水及びエタノールの吸収が極めて少ないために、乾
燥が容易となるばかりか結果的に乾燥米に亀裂や胴割が
発生するのを防止することができ、砕米の発生する惧れ
がなく更に精白米にエタノール臭が残存することも回避
できる。
性ビタミン類など栄養成分の過度の溶出が抑えられ、し
かも水及びエタノールの吸収が極めて少ないために、乾
燥が容易となるばかりか結果的に乾燥米に亀裂や胴割が
発生するのを防止することができ、砕米の発生する惧れ
がなく更に精白米にエタノール臭が残存することも回避
できる。
また、高温エタノール等の有機溶媒を用いて洗浄する
従来技術と比較して、水溶性の夾雑物も効果的に除去さ
れ、且つ、高温のエタノールを用いる短時間の接触処理
方法の如き引火の危険性、作業環境の悪化及び処理時間
のコントロールの困難さも回避することができる。更に
また高温におけるエタノール洗浄の如きエタノールの過
度の浸透も避けられる結果、残留溶剤が原因する炊飯米
の風味低下、テクスチャーの劣化という課題も解決され
る。
従来技術と比較して、水溶性の夾雑物も効果的に除去さ
れ、且つ、高温のエタノールを用いる短時間の接触処理
方法の如き引火の危険性、作業環境の悪化及び処理時間
のコントロールの困難さも回避することができる。更に
また高温におけるエタノール洗浄の如きエタノールの過
度の浸透も避けられる結果、残留溶剤が原因する炊飯米
の風味低下、テクスチャーの劣化という課題も解決され
る。
かくして得られた無洗米は炊飯したときの物性及び風
味が極めて優れており、炊飯に際しては研ぎ洗い工程が
省略でき、フアーストフード店、病院、給食センター等
の大型給食施設等における炊飯の労力を著しく軽減する
ことができ、更に洗滌水による排水汚染も解消される。
味が極めて優れており、炊飯に際しては研ぎ洗い工程が
省略でき、フアーストフード店、病院、給食センター等
の大型給食施設等における炊飯の労力を著しく軽減する
ことができ、更に洗滌水による排水汚染も解消される。
本発明方法は、従来提案に比較すると容易に実用化可
能な簡便な方法であり、産業上の利用価値は極めて高
い。
能な簡便な方法であり、産業上の利用価値は極めて高
い。
Claims (1)
- 【請求項1】次の工程を逐次実施することからなる無洗
米の製造方法。 a.精白米を20℃以下の温度で、冷水と5分間以下接触処
理して洗浄する工程、 b.洗浄された米の0.5重量倍以上のエタノール濃度約30
〜80重量%の冷含水エタノールを、約20℃以下の温度で
約30秒〜10分間該洗浄米に接触させる工程、 c.該洗浄米を低真空条件下で乾燥する工程。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1161070A JP2554936B2 (ja) | 1989-06-23 | 1989-06-23 | 無洗米の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1161070A JP2554936B2 (ja) | 1989-06-23 | 1989-06-23 | 無洗米の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0327260A JPH0327260A (ja) | 1991-02-05 |
| JP2554936B2 true JP2554936B2 (ja) | 1996-11-20 |
Family
ID=15728051
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1161070A Expired - Lifetime JP2554936B2 (ja) | 1989-06-23 | 1989-06-23 | 無洗米の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2554936B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2018062582A1 (ko) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 강원에프앤비영농조합법인 | 알코올을 이용한 무세미의 제조방법 및 상기 방법으로 제조된 무세미 |
-
1989
- 1989-06-23 JP JP1161070A patent/JP2554936B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2018062582A1 (ko) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 강원에프앤비영농조합법인 | 알코올을 이용한 무세미의 제조방법 및 상기 방법으로 제조된 무세미 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0327260A (ja) | 1991-02-05 |
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