JP2554591B2 - 高分子凝集剤の注入制御方法 - Google Patents

高分子凝集剤の注入制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン性高分子凝集剤
を用いる汚泥の脱水工程における、イオン性高分子凝集
剤の注入量を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】汚水処理などで生ずる汚泥を処理する際
には、汚泥の脱水が行われるが、汚泥は非常に脱水しに
くいものであるため、その脱水を容易にするため通常凝
集剤を添加する手段が採用されている。そして、その凝
集剤の中でも、凝集性に優れているという点からイオン
性高分子凝集剤が広く使用されている。
【0003】ところで、このイオン性高分子凝集剤(以
下ポリマ)を使用する際には、その注入量を多くすれば
するほど効果が良くなるというわけではなく注入量には
最適値がある。すなわち、過少注入量では脱水できず、
過大注入量では却って脱水性が低下して、脱水ケーキ水
分の上昇、処理速度の低下などの現象が発生し、その上
凝集剤消費量が増大する。したがって、ポリマ注入量を
適正に制御する必要がある。汚泥脱水を好適に行えるよ
うポリマ注入量を決定するため、従来は脱水機の運転状
態を観察して、ポリマ注入量を適宜調節するフィードバ
ック方式が用いられている。調節にはベルトプレスで
は、重力ろ過部の液面位置や脱水部のケーキはみ出しあ
るいはケーキの剥離性等を観察し指標として用いる。遠
心脱水機では、分離液の濁度あるいはモータトルク等を
指標にしていた。しかしながら、いずれの指標も、良好
な脱水状態とするための目標値が汚泥性状によって変化
し、必ずしも明確でなかった。
【0004】汚泥脱水工程におけるポリマ注入量の最適
制御方法として、ポリマの添加量と脱水分離液の光透過
率の関係が屈曲点となる添加量(A)を求め、該添加量
(A)に0.7以上1.5以下の定数を乗じて得た値を
ポリマの添加量とするか、より好ましくは該添加量
(A)自身をポリマの添加量とするポリマの添加制御方
法が提案されている。(特開昭60−22999号公
報) この方法は、汚泥にポリマを添加して汚泥を凝集さ
せた後、脱水処理し、分離した脱水分離液の光透過率を
測定し、測定した光透過率と脱水ケーキの含水率との関
係を研究した結果、凝集剤の添加量と脱水分離液の光透
過率の関係に屈曲点が表れ、その屈曲点に対応する凝集
剤の添加量を添加して凝集させ、脱水して得た脱水ケー
キの含水率が最も小さくなることを見出して発明された
制御方法である。 しかしながら、この方法には以下に説
明する問題点が存在するため、適用が制限されることが
明らかになっていた。すなわち、(i)脱水分離液の光
透過率を測定し、光透過率を指標として脱水工程を制御
すると、光透過率が汚泥の性状によって変化するため、
ケーキを良好な脱水状態とするには汚泥にポリマを多め
に添加して脱水することになり、ポリマの消費が多くな
り、また脱水ケーキの含水率が上昇する。(ii)脱水
分離液の光透過率を指標として脱水ケーキの含水率が最
小となる凝集剤の添加量を見出そうとする方法は、連続
測定に適用すると、脱水分離液を通す(あるいは回分法
でも液を注入する)透明管の管面に汚れが蓄積するので
測定管を洗浄する必要があるという問題である。このた
め、連続長時間の稼働は非常に困難である。 また、汚泥
脱水工程におけるポリマ注入量の最適制御方法として、
汚泥の脱水分離液の流動電流計測定値(以下流動電流
値)を指標とし、その値がゼロ近傍となるように注入量
を制御する方法が提案されている。(特開平4−836
00号公報)この方法は、流動電流値がゼロ近傍となる
ポリマ注入量において、脱水ケーキの含水率が低下した
り固形物回収率が増大するなど、汚泥の脱水性が最良と
なる現象が認められたことから発明された制御方法であ
る。この制御方法は、これまで広く用いられてきた固形
物比例制御法と比較すると、ポリマ注入量を汚泥性状に
最適な量に制御できるから、脱水機の運転状況を常に良
好に維持し、ポリマ消費量の浪費を防ぐなどの効果を持
つ優れた方法である。
【0005】しかしながら、この方法には以下の2つの
問題点が存在することが最近明らかになった。その一つ
は、汚泥性状の変動による制御不安定化の問題である。
すなわち、上記制御方法は、汚泥性状に変動があっても
常に流動電流値をゼロ近傍に維持できることを前提にし
て上記効果が得られるが、実際の汚泥処理工程で汚泥性
状に大きな変動が生じると、流動電流値をゼロ近傍に維
持できなくなって、流動電流値が極めて激しく変動する
と共に、ポリマ注入量が大きく変動するハンチング現象
を起こし、脱水機の運転が不安定となってポリマ消費量
が増大し、著しい場合には運転不能に陥る。
【0006】第2の問題点は、流動電流計のゼロ点およ
び感度の経時的移動による制御不調の問題である。すな
わち、流動電流計を長時間継続して使用すると、プロー
ブ部分の磨耗や汚染によって流動電流計のゼロ点が経時
的に移動し、あるいは感度が経時的に変化し、例えば流
動電流計の制御目標値を「ゼロ」としてポリマ注入量を
管理しても必ずしも脱水ケーキを良好な脱水状態に維持
できない現象が生じた。この場合には、脱水機の運転状
況を観察しながら、制御目標値を変更する必要がある。
この目標値変更の頻度は場合によってさまざまである
が、著しい場合には一日一回程度となってかなり煩わし
いことから目標値を変更する必要のない制御方法が望ま
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来方式の
問題点を完全に解決して、汚泥脱水工程におけるポリマ
の最適注入を可能にする、安定性に優れ、かつ迅速な注
入制御方法を開発することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明の高分
子凝集剤の注入制御方法によって達成される。すなわ
ち、 1)汚泥にイオン性高分子凝集剤を注入して汚泥を凝集
した後、凝集汚泥を脱水するにあたり、前記凝集汚泥か
らの脱水分離液の流動電流計測定値を計測し、その流動
電流計測定値が前記流動電流計に予め設定する制御目標
値と一致を保つようにイオン性高分子凝集剤の注入量を
制御しながら注入を行う汚泥脱水方法において、イオン
性高分子凝集剤の注入量が増加した時、流動電流計測定
値の増加の仕方が急激に少なくなる点(屈曲点A)に対
応する流動電流計測定値を制御目標値として前記イオン
性高分子凝集剤の注入量を制御することを特徴とする高
分子凝集剤の注入制御方法。 2)汚泥にイオン性高分子凝集剤を注入して汚泥を凝集
した後、凝集汚泥を脱水するにあたり、前記凝集汚泥か
らの脱水分離液の流動電流計測定値を計測し、その流動
電流計測定値が前記流動電流計に予め設定する制御目標
値と一致を保つようにイオン性高分子凝集剤の注入量を
制御しながら注入を行う汚泥脱水方法において、イオン
性高分子凝集剤の注入量の変化量に対する流動電流計測
定値の変化量の割合が非常に小さくなる点(屈曲点B)
に対応する流動電流計測定値を制御目標値として前記イ
オン性高分子凝集剤の注入量を制御することを特徴とす
る高分子凝集剤の注入制御方法。 3)汚泥にイオン性高分子凝集剤を注入して汚泥を凝集
した後、凝集汚泥を脱水するにあたり、前記凝集汚泥か
らの脱水分離液の流動電流計測定値を計測し、その流動
電流計測定値が前記流動電流計に予め設定する制御目標
値と一致を保つようにイオン性高分子凝集剤の注入量を
制御しながら注入を行う汚泥脱水方法において、イオン
性高分子凝集剤の注入量の変化量に対する流動電流計測
定値の変化量の割合が最も大きくなる流動電流計値を、
前記イオン性高分子凝集剤の注入量を制御するための制
御目標値として前記イオン性高分子凝集剤の注入量を制
御することを特徴とする高分子凝集剤の注入制御方法。
である。
【0009】本発明のポリマの注入制御方法の骨子は、
汚泥脱水工程におけるポリマ注入量の最適制御の指標と
して流動電流値を使用すると、この指標は汚泥の性状に
よって影響を受けることがなく、ポリマの種類によって
影響を受けることもない上、長時間連続稼働の制御に耐
えるものである。さらに、この指標を用い、後に詳しく
説明する図3の本発明の制御システムの中にセンサとし
て本発明の流動電流計を採用し、以下に詳述するように
流動電流値で表される制御目標値をセンサに付属するコ
ントローラに入力しておくことによって長時間連続して
安定したポリマの注入と汚泥の凝集・脱水を行うことが
できるこにある。本発明の上記1)に記載したポリマ注
入制御方法は、図3の本発明の制御システムを用いて説
明すると、図3において、 下水汚泥にポリマを添加して
汚泥を凝集させ、凝集汚泥を汚泥脱水機にて脱水して脱
水汚泥と脱水分離液に固液分離する工程において、脱水
分離液をセンサ(流動電流計)に通して流動電流値を測
定する。 別に、下水汚泥について予めポリマ注入量を変
えそれぞれの注入量に対応する流動電流値を測定し、流
動電流値とポリマ注入量の関係曲線を求めその関係曲線
において、ポリマの注入量が増加しても、流動電流計測
定値が微増しかしなくなりはじめる点を屈曲点Aとし、
屈曲点Aに対応する流動電流値を流動電流計に予め設定
する設定値(以下制御目標値ともいう。)としてコント
ローラに入力する。前記関係曲線は図1に示したグラフ
のようであり、図1には同時に前記屈曲点Aが示してあ
る。 以降、前記のように制御目標値をセンサに付属する
コントローラに入力しておくと、現行の下水汚泥につい
ては脱水分離液をセンサに通して流動電流値を測定し、
現行の流動電流値が制御目標値より低ければポリマ注入
を多くし、反対に制御目標値より高ければ(この領域
では流動電流値の変化は小さいので、予め減少させる量
を決めておいて、その量だけ)ポリマ注入量を少なくし
て脱水分離液の流動電流値を制御目標値に一致させれ
ば、制御目標値との一致を保つように、ポリマの注入量
を制御しながら安定した汚泥の脱水を実施することがで
きる。 下水汚泥の供給量、ポリマ注入量を少なくし、脱
水分離液の流動電流値測定間 隔を短くし、より完全な連
続工程に近づけ、制御目標値として流動電流値の変化量
を用いれば、より精密な工程制御が可能になることはい
うまでもない。
【0010】また本発明の上記2)および3)項に記載
したポリマ注入制御方法において流動電流値の変化量と
あるのは、ポリマ注入による汚泥の凝集脱水工程におい
て、あるポリマ注入量を中心として、近接した一定間隔
の、前後二点のポリマ注入量に応答する汚泥脱水分離液
の流動電流値を観測し、それらの流動電流値の差を上記
中心ポリマ注入量における流動電流値の変化量とし、か
くして得たポリマ注入量と流動電流値の変化量との関係
(この関係はポリマ注入量と流動電流計の測定値との関
数関係のポリマ注入量に関する微分関数関係である)の
中に見出される極大値や屈曲点Bに対する流動電流値を
流動電流計の制御目標値とし、ポリマ注入量を制御しよ
うとするものである。
【0011】ここで、ポリマ注入量の変化量と流動電流
値の変化量との割合が非常に小さくなる屈曲点Bとは
リマ注入量が僅かに増加した時、その変化量に対する流
動電流計値の変化量との割合が非常に小さくなる点で、
図2のグラフに記入した屈曲点Bであり、この点に対応
するポリマ注入量における流動電流値を流動電流計の制
御目標値としてポリマを注入すると汚泥性状が変化して
もポリマ注入量を図2のグラフに記入したa点に維持で
きる。(このa点は図1のa点と合致する。)この制御
により流動電流値の変動率の値を制御目標値の決定に用
いるので、流動電流計のゼロ点もしくは感度に変化が起
こってもそれに影響されずに継続的に汚泥の脱水を適正
に行うことができる。なお、実際の汚泥脱水において
は、制御目標値として求めた屈曲点A、Bにおけるポリ
マ注入量より若干、好ましくは求めたポリマ注入量の2
〜5%程度多く注入するのがよい。
【0012】本発明に使用する凝集剤には、いずれのイ
オン性高分子凝集剤も適用できる。その一例をあげる
と、まずカチオン性有機高分子凝集剤としてはN,N´
−ジメチルアミノアルキルアクリレートあるいはメタク
リレートの酸塩、ビニルベンジルトリメチルアンモニウ
ムの酸塩、アクリルアミドのカチオン変性物の酸塩、ビ
ニルピリジンおよびその置換誘導体、アクリルアミンお
よびその置換誘導体のようなカチオン性単量体の単一重
合体および共重合体などがある。また上記のようなカチ
オン性単量体とアクリルアミド、アクリロニトリル、ア
クリル酸アルキルエステルのような単量体との共重合
物、さらにポリビニルイミダゾリンの酸塩、キトサンの
酸塩、澱粉のカチオン化物なども使用できる。
【0013】またアニオン性有機高分子凝集剤としては
アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのアルカリ金属
塩、アクリルアミドのスルホメチル化物およびそのアル
カリ金属塩、ビニルベンゼンスルフォン酸、スチレンス
ルホン酸およびそのアルカリ金属塩、ビニルスルフォン
酸およびそのアルカリ金属塩、無水マレイン酸などの単
一重合体および共重合体などを使用する。また上記のよ
うなアニオン性単量体とアクリルアミド、アクリロニト
リル、アクリル酸アルキルエステルのように単量体との
共重合物、さらにアルギン酸ソーダ、キチンのアニオン
変性物なども使用できる。なお場合によってはこれらの
両有機高分子凝集剤と共にPAC、硫酸バンド、塩化第
2鉄、硫酸第1鉄、あるいは石灰のような無機系の凝集
剤を使用しても差し支えない。さらに、ポリアクリルア
ミド系ポリマのマンニッヒ変性物とアニオンポリマの組
合せ;カチオンポリマ、アニオンポリマ、酸または酸性
ナトリウム塩との組合せ(粉末);カチオンポリマ、ア
ニオンポリマ、アルカリ剤との組合せ;カチオンモノ
マ、アニオンモノマ、ノニオンモノマの共重合物などの
両性高分子凝集剤を単独もしくはPAC、硫酸バン土、
塩化鉄などの無機塩と併用することもできる。
【0014】
【作用】最近の研究で、ポリマ注入量に応答する汚泥脱
水分離液の流動電流値の変化は図1に示すような傾向を
示すことが明らかとなった。すなわち、図示したポリマ
注入量の範囲において、ポリマ注入量を変えても、それ
に応答して汚泥脱水分離液の流動電流値が大きく変化を
示す領域とほとんど変化を示さない領域が存在し、その
境界に上記屈曲点A(図中A点で示す)が存在する。
【0015】流動電流計の制御目標値をゼロとして運転
している状態で、例えば汚泥の性状により(図1に示し
た状態はそうであるが)、流動電流計の電流値ゼロの前
後の(流動電流値/ポリマ注入量)勾配が大きく、その
ためポリマ注入量が僅かに多くなっただけで流動電流値
が極めて大きく変化してしまい、流動電流値をゼロの状
態に一定に保つようにポリマ注入量を制御することが困
難となる。
【0016】一方、流動電流計の制御目標値を図1中で
示す屈曲点(A点)以降の(流動電流値/ポリマ注入
量)勾配が小さい領域に決めると、ポリマ注入量の変化
に対する流動電流値の変化が極めて小さくなるから、僅
かの流動電流値の変化でもポリマ注入量の調節量が多く
なり制御し難い。もし(流動電流値/ポリマ注入量)勾
配の大きい領域から勾配の非常に小さくなる領域へ急激
に変わるならばこの領域(これが図1中で示す屈曲点A
である)を流動電流計の制御目標値としてポリマ注入量
を制御するとポリマ注入量の制御がし易くなることがわ
かる。
【0017】次に、この屈曲点Aに対応する流動電流値
の求め方について述べる。図3は下水汚泥の例につい
て、流動電流計をセンサーとし、汚泥脱水分離液の流動
電流値をセンサーからのシグナルとしてコントローラに
送り、コントローラによりポリマ注入量を制御する本発
明の制御システムのフローシートを示した図である。こ
の本発明の制御システムによりポリマーの注入量を制御
する仕方はコントローラの機能に依存するが、 (1)図3における本発明の制御システムのコントロー
ラが少なくとも、 特定の流動電流値を入力することにより制御目標値
が設定できる機能。(設定機能) 制御目標値によりポンプなど外部機器を制御する機
能。(制御機能) を有しておれば、下水汚泥について予めポリマ注入量を
変えそれぞれの注入量に対応する流動電流値を測定し、
流動電流値とポリマ注入量の関係曲線を求めその関係曲
線より屈曲点Aを決定して、コントローラに制御目標値
として屈曲点Aに対応する流動電流値を入力し、以降現
行の下水汚泥については該制御目標値によりポリマ注入
ポンプを制御することができる。
【0018】(2)さらに、図3における本発明の制御
システムのコントローラの機能として、 センサーの測定値を記憶する機能。(記憶機能) 記憶した前回の測定値と新しい測定値を比較し、演
算により同種の特定値を指定する機能。(比較・演算機
能) 特定の測定値を制御目標値に設定する機能。(設定
機能) 制御目標値によりポンプなど外部機器を制御する機
能。(制御機能) を有しておれば、前回の下水汚泥について流動電流値と
ポリマ注入量の関係曲線を記憶し、現行の下水汚泥につ
いての関係曲線と比較し、両関係の比較から現行関係曲
線における屈曲点Aを演算により決定してそれに対応す
る流動電流値を制御目標値として自動的に入力し、以降
現行の下水汚泥について該制御目標値によりポリマ注入
ポンプを制御する方法により、全く自動的にポリマ注入
量を制御することができる。なお、記憶、比較機能は必
要により省略することもできる。
【0019】次に、流動電流値の変化量を用いて自動的
にポリマ注入量を制御する方法を提案する。既に上記し
た通り、例えば図1に示されるポリマ注入量と流動電流
値関係曲線の代わりに縦軸に流動電流値の変化量をとる
とポリマ注入量に関する流動電流値の微分関係曲線とな
り、この関係曲線は図2のようになる。この図2には、
極大値と屈曲点Bが存在する。ここで、屈曲点Bとは流
動電流値の変化率(減少率)が急激に変化する点であ
る。図2に示したようなポリマ注入量に関する流動電流
値の微分関係曲線を計測するためには、前記図3に示し
た本発明の制御システムのフローシートにおいて、セン
サとコントローラとの間に微分回路を挿入して計測でき
る。
【0020】図2における極大点に対応するポリマ注入
量は図1の流動電流値がゼロとなるポリマ注入量(b)
に相当し、図2の屈曲点Bに対応するポリマ注入量は図
1の流動電流値が屈曲するポリマ注入量(a)に相当す
る。従って前記本発明の制御システムのセンサとコント
ローラとの間に微分回路を挿入してセンサーの計測値を
微分変換し、極大値あるいは屈曲点Bに相当する制御目
標値を自動的に決定できる。このように流動電流値の変
化量を用いて制御目標値を求めることは、言い替えると
流動電流値の絶対値ではなく相対値すなわち流動電流値
の変動差分を制御に用いることに相当し、流動電流計の
ゼロ点もしくは感度に変化が起こってもそれに影響され
ずにポリマ注入量を決定できることになる。
【0021】なお図4に本発明の制御システムのセンサ
である流動電流計1の構造を示す。ピストン2とシリン
ダ3の間隙に存在する試料4に、ピストンの上下運動に
よってせん断を与えると、試料の持つ電荷に偏りが生じ
る。その微細な電荷の偏りを、外部にもうけた電気回路
により電圧もしくは電流として検知し、適宜増幅して表
示する。電荷の偏りを表す物理化学的な指標はないの
で、通常、その大きさを流動電流計の出力値を用いて判
断する。ただし、流動電流計のメーカや測定レンジによ
って、電気回路や表示方法が異なるので、出力値には単
位がなく、絶対的な意味を持たないことに注意する必要
がある。ただし、通常は、流動電流計出力の持つゼロお
よびその符号が、実際の試料の持つ電荷と一致するよう
に、測定回路等を設定する。その場合は、絶対値は別と
して、少なくともゼロおよび符号は物理的意味を持つこ
とになる。
【0022】なお、図4において、試料は、試料入口5
より導入し、試料出口6より排出する。電極7により流
動電流値を測定するが、この電極7にはピストンの上下
運動にともなって試料のもつ電荷に応じた電流が交流状
態で発生する。この電流を適当な増幅器(図示せず)を
用いて増幅し表示する。ピストン2は、モータ9の回転
によりガイド10を介して上下動するように構成されて
いる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこの実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0024】(実施例1)都市下水処理場から排出され
る混合生汚泥に、カチオン性ポリマ(荏原インフィルコ
(株)製、エバグロースC104G)を添加して、ベル
トプレスで脱水した。混合生汚泥の性状は、余剰汚泥と
初沈汚泥の発生量が変化するため、SSで1.5〜3.
5%(平均2.5%)、VSSで60〜85%(平均7
5%)と変動した。流動電流計の制御目標値をゼロとし
て運転した場合(従来法 特開平4−83600号公
報)と、本発明により制御目標値を屈曲点Aとして運転
した場合(本発明法1)および流動電流値の変化量の極
大点に相当する測定値を制御目標値として運転した場合
(本発明法2)を比較して、表1の結果を得た。従来法
では、流動電流計の測定値が変動する結果、いわゆるハ
ンチング状態となってポリマ流量が大きく変動し、その
変動幅はポリマ注入率で0.8〜1.25%程度とな
り、平均値で0.95%となった。また、一時的にベル
トプレスのろ過部ではみ出しが生じたり、ケーキ出口で
の剥離性が不良となるなど運転状態が不安定であった。
本発明法1では、若干ポリマ注入率が多いもののその変
動幅は小さく、極めて安定した制御性と良好な脱水性を
持つことがわかる。また本発明法2でも変動幅は小さ
く、安定した制御が可能であった。なお、表1中ポリマ
注入率は、汚泥に注入したポリマ溶液(通常は0.2%
のポリマ濃度に溶解した水溶液)の固形物量を注入対象
汚泥の固形物量で除したものを百分率で表したものであ
る。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば汚泥の性状の変化に対
し、常に安定した脱水機の運転が可能となるため、ポリ
マ節約効果が大きい。また、流動電流計の測定値の絶対
値を用いず流動電流値の変動差分によって制御運転が可
能となるので流動電流値は相対値で良く、ゼロ点の変動
による妨害をキャンセルできるから、流動電流計のゼロ
・スパン調節が不要となってセンサの維持管理が容易と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリマ注入率と流動電流計の測定値の
関係を表すグラフ。
【図2】本発明のポリマ注入率と流動電流計の測定値の
微分値の関係を表すグラフ。
【図3】本発明の制御システムのフローシートを示した
図。
【図4】本発明の流動電流計の概略構造図。
【符号の説明】
1 流動電流計 2 ピストン 3 シリンダ 4 試料 5 試料入口 6 試料出口 7 電極 8 電源 9 モータ 10 ガイド A 屈曲点A B 屈曲点B a 屈曲点Aおよび屈曲点Bにおけるポリマ注入量 b ゼロ点および極大点におけるポリマ注入量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 千秋 東京都港区港南1丁目6番27号 荏原イ ンフィルコ株式会社内 (72)発明者 田中 一成 東京都港区港南1丁目6番27号 荏原イ ンフィルコ株式会社内 (72)発明者 藤田 和雄 東京都港区港南1丁目6番27号 荏原イ ンフィルコ株式会社内 (72)発明者 与三本 毅 東京都港区港南1丁目6番27号 荏原イ ンフィルコ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−83600(JP,A) 特開 昭60−22999(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥にイオン性高分子凝集剤を注入して
    汚泥を凝集した後、凝集汚泥を脱水するにあたり、前記
    凝集汚泥からの脱水分離液の流動電流計測定値を計測
    し、その流動電流計測定値が前記流動電流計に予め設定
    する制御目標値と一致を保つようにイオン性高分子凝集
    剤の注入量を制御しながら注入を行う汚泥脱水方法にお
    いて、イオン性高分子凝集剤の注入量が増加した時、流
    動電流計測定値の増加の仕方が急激に少なくなる点(屈
    曲点A)に対応する流動電流計測定値を制御目標値とし
    て前記イオン性高分子凝集剤の注入量を制御することを
    特徴とする高分子凝集剤の注入制御方法。
  2. 【請求項2】 汚泥にイオン性高分子凝集剤を注入して
    汚泥を凝集した後、凝集汚泥を脱水するにあたり、前記
    凝集汚泥からの脱水分離液の流動電流計測定値を計測
    し、その流動電流計測定値が前記流動電流計に予め設定
    する制御目標値と一致を保つようにイオン性高分子凝集
    剤の注入量を制御しながら注入を行う汚泥脱水方法にお
    いて、イオン性高分子凝集剤の注入量の変化量に対する
    流動電流計測定値の変化量の割合が非常に小さくなる点
    (屈曲点B)に対応する流動電流計測定値を制御目標値
    として前記イオン性高分子凝集剤の注入量を制御する
    とを特徴とする高分子凝集剤の注入制御方法。
  3. 【請求項3】 汚泥にイオン性高分子凝集剤を注入して
    汚泥を凝集した後、凝集汚泥を脱水するにあたり、前記
    凝集汚泥からの脱水分離液の流動電流計測定値を計測
    し、その流動電流計測定値が前記流動電流計に予め設定
    する制御目標値と一致を保つようにイオン性高分子凝集
    剤の注入量を制御しながら注入を行う汚泥脱水方法にお
    いて、イオン性高分子凝集剤の注入量の変化量に対する
    流動電流計測定値の変化量の割合が最も大きくなる流動
    電流計値を、前記イオン性高分子凝集剤の注入量を制御
    するための制御目標値として前記イオン性高分子凝集剤
    の注入量を制御することを特徴とする高分子凝集剤の注
    入制御方法。
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