JP2554522Y2 - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

車両用ブレーキ液圧制御装置

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JP2554522Y2
JP2554522Y2 JP1990120746U JP12074690U JP2554522Y2 JP 2554522 Y2 JP2554522 Y2 JP 2554522Y2 JP 1990120746 U JP1990120746 U JP 1990120746U JP 12074690 U JP12074690 U JP 12074690U JP 2554522 Y2 JP2554522 Y2 JP 2554522Y2
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裕之 渡辺
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【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は車両用スリップ制御装置に関し、さらに詳し
くは車両ブレーキ時のアンチロック制御と加速時のスリ
ップ制御とを行うようにした車両用スリップ制御装置に
関する。
[従来の技術] 従来、かかるアンチロック制御と加速時のスリップ制
御とを行うようにした車両用スリップ制御装置として
は、例えば特開昭58−202142号公報に記載されたものが
知られている。
このものは、マスターシリンダとホイールシリンダと
を接続するブレーキ液通路にホイールシリンダのブレー
キ圧力を制御するブレーキ圧力制御弁が設けられ、この
ブレーキ圧力制御弁を介してホイールシリンダの圧力媒
体を貯蔵室内に排出するようにし、そして、この排出さ
れた圧力媒体を戻しポンプを介してマスターシリンダと
ブレーキ圧力制御弁との間のブレーキ液通路に戻し、ブ
レーキ圧力を変えるアンチロック機構を有している。さ
らに、駆動スリップが検出されたときに圧力媒体を戻し
ポンプを介して一時的に貯蔵する蓄圧器を備え、駆動ス
リップ調整中にこの蓄圧器を、マスターシリンダとブレ
ーキ圧力制御弁との接続を遮断し、ブレーキ圧力制御弁
の入口部に接続する電磁切換弁を設けると共に、マスタ
ーシリンダと戻しポンプの入口部との間にポンプ入口部
の圧力が所定値以下に下がったときにマスターシリンダ
と戻しポンプ入口部とを連通させる切換え弁を有する接
続導管が設けられている。
しかして、駆動スリップが生じた場合には電磁切換弁
が切換えられ、蓄圧器および戻しポンプがブレーキ通路
に接続され、ホイールシリンダに圧力が及ぼされるよう
になっている。
[考案が解決しようとする課題] しかしながら、かかる従来の車両用スリップ制御装置
にあっては、加速時のスリップ制御のための圧力源とな
る蓄圧器を備え、マスターシリンダとブレーキ圧力制御
弁との間に電磁切換弁が設けられており、また戻しポン
プによって蓄圧器を蓄圧し、圧力スイッチによりその作
動を停止するようにしていることから、通常ブレーキ時
において電磁切換弁が異常状態になっていると車両のブ
レーキがきかなくなる。また、圧力スイッチが故障した
ような場合には戻しポンプが止まらなくなり蓄圧器が破
損してしまうという問題があった。
本考案の目的は、かかる従来装置が有する問題を解消
し、安全性を損うことなく、確実にスリップ制御を行う
ことのできる車両用スリップ制御装置を提供することに
ある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本考案の車両用スリップ
制御装置は、第1の圧力源であるマスターシリンダと、
このマスターシリンダに配管を介して接続されたホイー
ルシリンダと、車輪のスリップを検出するスリップ検出
手段と、第2の圧力源である蓄圧器と、前記スリップ検
出手段による制動および加速スリップの検出時、前記ホ
イールシリンダの液圧の制御を行う切換制御手段,前記
ホイールシリンダからの流出液を一時貯蔵する貯蔵室,
この貯蔵室の液を前記マスターシリンダ側の配管に還流
するポンプを有するブレーキ液圧制御手段と、前記スリ
ップ検出手段による加速スリップの検出時に前記マスタ
ーシリンダと前記切換制御弁との接続を遮断し、前記蓄
圧器を前記切換制御手段の入口側と接続すべく切換える
液圧源切換手段と、この液圧源切換手段と並列に設けら
れ、前記マスターシリンダ側から前記ホイールシリンダ
側へは低圧でのブレーキ液の流動を許容し、前記ホイー
ルシリンダ側から前記マスターシリンダ側へは高圧のみ
での流動を許容する安全弁手段とを備え、この安全弁手
段は、弁体と、この弁体が着座するシート部およびこの
シート部に連設された通路を有するシート体と、前記ホ
イールシリンダ側に配設され前記シート体の前記通路内
に臨んで突設されたストッパ部材と、前記マスターシリ
ンダ側に配置され前記弁体を前記シート体に向けて付勢
する第1スプリングと、前記ホイールシリンダ側に配置
され前記シート体を前記弁体に向けて付勢し前記第1ス
プリングより弱い第2スプリングとを有することを特徴
とするものである。
[作用] 本考案の車両用スリップ制御装置によれば、加速スリ
ップ制御時において切換えられる液圧源切換手段の誤動
作等により、マスターシリンダと切換え制御手段との接
続が遮断されるようなことがあっても、液圧源切換手段
と並列に設けられた安全弁手段により、低圧の下での一
方向弁としてマスターシリンダ側からホイールシリンダ
側へのブレーキ液の流動が許容される。
また、戻しポンプが作動を継続したとしても、安全弁
手段により高圧の下でのリリーフ弁としてホイールシリ
ンダ側のブレーキ液はマスターシリンダ側へ戻ることが
できる。
ここで、マスターシリンダ側から加圧されたときに
は、弁体とシート体とが一体となって第2スプリングを
撓せつつ移動した後、弁体のみがシート体の通路内に臨
んで突設されたストッパ部材により停止され、流路が形
成される。逆に、ホイールシリンダ側から加圧されたと
きには弁体は第1スプリングの設定圧を越えた時点でシ
ート体から離れ、流路が形成される。従って、上述の一
方向弁としての機能およびリリーフ弁としての機能が一
つの弁で行なわれる。
[実施例] 以下、本考案の実施例を添附図面を参照しつつ説明す
る。
第1図は本考案の実施の一形態を示すブロック図であ
る。
図において、AはリザーバBを備えた第1圧力源であ
るマスターシリンダであり、ブレーキペダルCの踏込み
に応じて液圧を発生する。DはマスターシリンダAと配
管でもって接続されたホイールシリンダ、Eは車輪のス
リップを検出するスリップ検出手段、Fは第2の圧力源
である蓄圧器である。
さらに、Gはブレーキ液圧制御手段であり、スリップ
検出手段Eによる制動および加速スリップ検出時、ホイ
ールシリンダDの液圧制御を行う切換制御手段Hと、ホ
イールシリンダDからの流出液を一時貯蔵する貯蔵室J
と、貯蔵室Jの液をマスターシリンダA側の配管に還流
するポンプKとを含んでいる。
Lはスリップ検出手段Eによる加速スリップ検出時に
おいて、マスターシリンダAと切換制御手段Hとの接続
を遮断し、蓄圧器Fを切換制御手段Hの入口側と接続す
べく切換える液圧源切換手段であり、Mは液圧源切換手
段Lに並列に設けられマスターシリンダA側からホイー
ルシリンダD側へは低圧でのブレーキ液の流動を許容
し、ホイールシリンダD側からマスターシリンダA側へ
は高圧のみでの流動を許容する安全弁手段である。
次に、第2図に本考案の一実施例にかかる概略構成図
を示す。
図において、10は第1および第2の液圧発生室を有す
るマスターシリンダであり、ブレーキ液を貯留するリザ
ーバ11を備え、ブレーキペダル12の踏込み量に応じて液
圧を発生する。
20は各車輪21に備えられたホイールシリンダであり、
以下右前輪21FRのホイールシリンダを20FR,左前輪21FL
のホイールシリンダを20FL,右後輪21RRおよび左後輪21R
Lのホイールシリンダをそれぞれ20RRおよび20RLと称
す。
本実施例においては、後輪21RRおよび21RLが駆動輪、
前輪21FRおよび21FLが従動輪であり、前後輪には各々車
輪の回転数を検出する車輪速度センサ22Aおよび22Bが設
けられている。
マスターシリンダ10の第1液圧発生室は第1通路31と
これから分岐する第1分岐通路31Aとを介してそれぞれ
左右後輪のホイールシリンダ20RLおよび20RRと接続され
ている。また、マスターシリンダ10の第2液圧発生室は
第2通路32とこれから分岐する第2分岐通路32Aとを介
してそれぞれ左右前輪のホイールシリンダ20FLおよび20
FRと接続されている。
さらに、第1の通路31から分岐して第1の貯蔵室41が
接続される第1の循環通路33と、第2の通路32と第2の
分岐通路32Aとからそれぞれ分岐して第2の貯蔵室42が
接続される第2の循環通路34とが設けられている。
第1の通路31と第1の循環通路33との分岐部近傍には
駆動輪である後輪のホイールシリンダ20RLおよび20RRの
液圧を制御する切換制御手段としての第1電磁流入弁51
Aおよび第1電磁流出弁52Aが、第2通路32および第2分
岐通路32Aと第2の循環通路34との分岐部近傍には、前
輪ホイールシリンダ20FLおよび20FRのそれぞれの液圧を
制御する第2電磁流入弁51Bおよび第2電磁流出弁52Bと
第3電磁流入弁51Cおよび第3電磁流出弁52Cとがそれぞ
れ設けられている。
上記第1ないし第3の電磁流入弁51A〜51Cは常開の2
ポート2位置電磁弁、第1ないし第3の電磁流出弁52A
〜52Cは常閉の2ポート2位置電磁弁であり、後述する
コントローラ60からの信号により制御される。
なお、各電磁流入弁および電磁流出弁をそれぞれ一体
化して3ポート3位置電磁弁として構成してもよいこと
はもちろんである。
次に、70Aおよび70Bはモータ71Aによって駆動され
る、例えばプランジャ型の第1および第2のポンプであ
り、それぞれ第1および第2の循環通路33および34に介
設され、第1のポンプ70Aの吐出側は第1のチェックバ
ルブ72Aを介してマスターシリンダ10と接続された第1
通路31と、第2ポンプの吐出側は第2のチェックバルブ
72Bを介して第2通路32とそれぞれ接続されている。
また、モータ71Aもコントローラ60からの信号により
制御される。
さらに、70Cはモータ71Bによって駆動される、例えば
プランジャ型の第3のポンプであり、リザーバ11と第1
通路31とを結ぶ供給通路35に介設され、その吐出側には
第2の圧力源としての蓄圧器80が接続されている。な
お、81はリリーフ弁、82は圧力スイッチであり、蓄圧器
80の圧力が所定値になるとモータ71Bを止め、所定値以
下になると作動させるべく信号を発する。
さらに、90は第1通路31において第1の循環通路33お
よび蓄圧器80が接続された供給通路35の合流点よりマス
ターシリンダ10側に配設され、連通を断接するための常
開の第1電磁切換弁であり、91は供給通路35において蓄
圧器80と第1通路31との間に配設され、第1電磁切換弁
90と連動する常閉の第2電磁切換弁である。両者は液圧
源切換手段をなし、それぞれ2ポート2位置電磁弁でも
って構成されている。
92は第1電磁切換弁90と並列に設けられた安全弁装置
であり、マスターシリンダ10側からホイールシリンダ20
側へのブレーキ液の流動を許容する一方向弁93と、ホイ
ールシリンダ20側からマスターシリンダ10側へ所定圧以
上のブレーキ液圧を逃がすリリーフ弁94とを含んでい
る。
なお、95は第1電磁流入弁51Aをバイパスする通路に
設けられた一方向弁である。
第5図に安全弁装置92を一体的に構成した一実施例を
示す。
図において、100は安全弁装置92が装填される段付陥
凹孔101が形成されたアクチュエータブロックである。
本実施例にあっては、陥凹孔101の最奥底部に第1通路3
1のホイールシリンダ20側に連通する通路102が、段付陥
凹孔101の大径孔側にマスターシリンダ10側に通過する
する通路103が、それぞれ形成されている。
そして、104は弁体としてのボール、105はボール104
が着座するシート部105Aとシート部105Aに連設された通
路105Bを中心部に有するシート体であり、このシート体
105はその外周の環状溝にシール105Cが装着され、段付
陥凹孔101の小径側に摺動可能に嵌合されている。ボー
ル104は第1スプリングとしてのリリーフ用スプリング1
06の一端によって着座方向に付勢されている。リリーフ
用スプリング106の他端は、陥凹孔101の開放端を閉塞す
るリテーナ107に形成された収容孔107Aの底面に係止さ
れ、ボール104はそのリフト時、収容孔107Aに侵入す
る。リテーナ107の一端面はシート体105と当接され、該
部には半径方向の通路107Bが形成されている。さらに、
該通路107Bはリテーナ107の外周小径部を介して、前述
のマスターシリンダ側の通路103と連通されている。な
お、リテーナ107の外周の環状溝にもシール107Cが装着
されている。
さらに、陥凹孔101の奥部にはストッパ部材108が設け
られ、その先端部は前述のシート部材105の中心部に形
成された通路105B内に臨み、ボール104に向けて突出さ
れている。ストッパ部材108のフランジ部108Aとシート
部材105との間には第2スプリングとしてのシートリタ
ンーンスプリング109が縮設されている。なお、ストッ
パ部材108の中心部にはその途中迄、ホイールシリンダ
側の通路102と連通する通路孔108Bが穿設され、通路孔1
08Bは半径方向の通路孔108Cを介して外周に連通してい
る。
しかして、第2スプリングとしてのシートリターンス
プリング109は第1スプリングとしてのリリーフスプリ
ング106に比べセット荷重が弱く(小さく)設定されて
いる。
また、第6図に安全弁装置92の他の実施例を示す。
本実施例は前実施例におけるシート体105とリテーナ1
07とを一体的に連結すると共に、マスターシリンダ側通
路103とホイールシリンダ側通路102との陥凹孔101に関
する連通関係を入れ換たものでり、構成要素として同一
であるから、前実施例と同一機能部位には同一符号を付
し、重複説明を避ける。
コントローラ60はマイクロコンピュータにより構成さ
れ、第3図に示すように、車輪速度センサ22Aおよび22B
および圧力スイッチ82にて検出されたデータを制御プロ
グラムに従って、入力および演算し、第1ないし第3の
電磁流入弁51A〜51C,電磁流出弁52A〜52C,第1および第
2の電磁切換弁90および91およびモータ71A,71Bを駆動
制御するための処理を行うCPU61と、制御プログラムや
基準データが格納されたROM62と、上記各センサや演算
制御に必要なデータが一時的に記憶されるRAM63と、波
形整形回路や各センサの出力信号をCPU61に選択的に出
力するマルチプレクサ等を備えた入力部64と、各負荷を
CPU61からの制御信号に従って駆動する駆動回路を備え
た出力部65と、各部を結ぶバスライン66とを備えてい
る。
次に、上記構成になる本実施例の動作を説明する。
(1)通常ブレーキ動作時 アンチロック制御および加速時スリップ制御が行われ
ない通常ブレーキ動作時においては、第1ないし第3の
電磁流入弁51A〜51Cは開,第1ないし第3の電磁流出弁
52A〜52Cは閉の状態にある。そして、第1および第2の
2位置電磁切換弁90および91も第2図に示す位置にあ
り、マスターシリンダ10と駆動輪である後輪のホイール
シリンダ20RRおよび20RLと、従動輪である前輪のホイー
ルシリンダ20FRおよび20FLとが連通されると共に蓄圧器
80は切離されて独立の状態にある。
従って、ブレーキペダル12が踏込まれると、第1液圧
発生室の液圧は第1通路31および第1分岐通路31Aを介
してそれぞれ後輪のホイールシリンダ20RLおよび20RR
に、また第2液圧発生室の液圧は第2通路32および第2
分岐通路32Aを介してそれぞれ前輪のホイールシリンダ2
0FLおよび20FRに、それぞれ独立性を保って及ぼされ
る。
このとき、第1通路31および第2通路32の液圧はそれ
ぞれ第1および第2のチェックバルブ72Aおよび72Bでも
って他の配管への流動が阻止されるから圧力逃げが生ず
ることなく液圧剛性が高く保たれる。
この状態で第1電磁切換弁90の誤動作等に起因して閉
状態となったとしても、マスターシリンダ10からのブレ
ーキ液は一方向弁93を介して流動し、ブレーキ作動が可
能となる。
(2)アンチロック制御時 アンチロック制御は左および右前輪と後輪とが各々独
立して行われる。前後輪共同様の制御であるから代表的
に後輪につき説明する。
ブレーキペダル12を踏込んだブレーキ動作時に、車輪
速度センサ22Aおよび22Bからの入力に基づくコントロー
ラ60での判断の結果、アンチロック制御を行う必要があ
るとされたときには、コントローラ60は第1電磁流入弁
51Aを閉とし、第1電磁流出弁52Aを開として、後輪のホ
イールシリンダ20RLおよび20RRのブレーキ液を第1貯蔵
室41に抜き減圧する。
そして、後輪のホイールシリンダ20RLおよび20RRの液
圧を保持するときには第1電磁流入弁51Aを閉のまま第
1電磁流出弁52Aをも閉とする。
また、再増圧のときには、モータ71Aを駆動し、第1
のポンプ70Aによって、第1貯蔵室41に貯蔵されたブレ
ーキ液を吸い上げ、加圧しつつ第1のチェックバルブ72
Aを介して第1通路31に戻す。このとき、第1電磁流入
弁51Aは開状態にあり、後輪のホイールシリンダ20RLお
よび20RRが再増圧される。
かくて、上記の動作が繰返されアンチロック制御が行
われる。
ここで、アンチロック制御時は、第1および第2電磁
切換弁90および91はオフ状態であり第2図示の状態にあ
る。
(3)加速時スリップ制御 次に、加速時のスリップ制御につき、その制御手順の
一例を第4図のフローチャートに基づき説明する。
本フローチャートに示す制御手順は不図示のオペレー
ションシステムにより定時間(例えば20ms)毎に起動さ
れる。
イブニッションキースイッチがオンとされ制御がスタ
ートすると、まず、ステップS11で右前輪回転数Vf1と左
前輪回転数Vf2を車輪速度センサ22Aの出力値として読み
取り、ステップS12で前輪平均回転数Vfを として算出する。
次いで、ステップS13で後輪平均回転数Vrを車輪速度
センサ22Bの出力値として読み取り、ステップS14で前輪
平均回転数Vfと後輪平均回転数Vrからスリップ率Sを として算出する。
ステップS15では、ブレーキ動作中であるか否かを不
図示のペダルスイッチの出力信号により判断する。動作
中であれば、ステップS31に進み、フラグを0にセット
し、ステップS32でカウンタを0にセットする。そし
て、ステップS33で第1および第2の電磁切換弁90,91が
オフ状態、およびポンプ70A,70Bがオフ状態、すなわち
通常ブレーキ状態とし、ステップS34で第1ないし第3
電磁流入弁51A〜51Cおよび第1ないし第3電磁流出弁52
A〜52Cをオフとする。つまり、マスターシリンダ10と各
ホイールシリンダ20とを連通状態とする。
一方、上述のステップS15でブレーキ動作中でなけれ
ば、ステップS16に進み、スリップ率Sがあらかじめ定
めたスリップ率制御上限値Saより大であるか否かが判断
される。S>Saであれば、つまり大きな加速スリップが
生じていれば、ステップS17でフラグを1にセットし、
ステップS18でカウンタを0にリセットする。そして、
ステップS19で常開の第1電磁切換弁90,常閉の第2電磁
切換弁91および第1ポンプ70Aをオンとする。すると、
マスターシリンダ10と第1電磁流入弁51Aとの連通が遮
断されると共に、蓄圧器80と第1電磁流入弁51Aとが連
通される。さらに、ステップS20で常開の第1電磁流入
弁51Aおよび常閉の第1電磁流出弁52Aをオフとし、蓄圧
器80と駆動輪である後輪のホイールシリンダ20RLおよび
20RRとを連通させ、ホイールシリンダ圧力を上昇させ
る。
ここで、第1ポンプ70Aは第1貯蔵室41に蓄えられた
ブレーキ液を、チェックバルブ72Aを介して第1通路31
に吐出する。これは、後輪のホイールシリンダ20RLおよ
び20RRの圧力上昇および蓄圧器80の蓄圧のために用いら
れる。
また、蓄圧器80の許容圧力を越えた過剰の圧力分はリ
リーフ弁81を介して供給通路35に戻され、第3ポンプ70
Cに吸入されるか、マスターシリンダ10のリザーバ11に
戻される。
またこのとき、電磁切換弁91が、断線等により閉状態
となった場合、安全弁装置92のリリーフ弁94が作動し、
第1通路31が設定圧以上になることはない。
一方、ステップS16でS>Saでなければ、つまり加速
時のスリップ率Sが制御上限値Saを越えていなければ、
ステップS41に進み、フラグが1にセットされているか
否かが判定される。
フラグが1にセットされていれば、ステップS42に進
み、スリップ率Sがスリップ率制御下限値Sbより大きい
か否かが判定される。
S>Sbであれば、ステップS43に進み、第1電磁流入
弁51Aをオンとし、第1電磁流出弁52Aをオフとする。こ
れによりホイールシリンダ20RLおよび20RRの圧力が駆動
力が最大となる所定のスリップ率範囲に保持される。
また、ステップS42でS>Sbでなければ、すなわち加
速スリップ率Sが充分に小さいときは、ステップS51へ
進み、カウンタのカウント値が所定値Nになったか否か
が判定される。カウント値が所定値Nに至っていなけれ
ば、ステップS52でカウンタに1を加え、ステップS53に
進み、第1電磁流入弁51A、第1電磁流出弁52Aを共にオ
ンとする。これによりホイールシリンダ20RLおよび20RR
のブレーキ液を第1貯蔵室41に流出させ減圧する。な
お、このとき第1ポンプは作動状態にあり、第1貯蔵室
41のブレーキ液を蓄圧器80側に戻す。さらに、蓄圧器80
がリリーフ弁81の設定圧になっていれば、前述の如くリ
リーフ弁81から排出される。
また、ステップS51でカウント値が所定値N(例えば
N=3)であれば、つまり充分減圧が行われ、加速スリ
ップ状態が終了したと判断されると、ステップS71に進
み、フラグを0にセットし、また、ステップS72でカウ
ンタを0にリセットする。
そして、ステップS73で第1および第2の電磁切換弁9
0および91、第1電磁流入弁51Aおよび第1電磁流出弁52
Aを共にオフとし、マスターシリンダ10とホイールシリ
ンダ20RLおよび20RRとを連通させ、通常ブレーキ作動可
能状態とする。そして、ステップS74では、第1ポンプ7
0Aを設定時間経過後オフする。
一方、ステップS41でフラグが1でなければ、つまり
前回加速スリップ制御を行っていなければ、ステップS3
1,S32,S33およびS34に進み、通常ブレーキ可能状態を維
持する。
なお、所定時間毎にサブルーチンとして行なわれるス
テップS61では、圧力スイッチ82がオンしているか否か
が判定され、圧力スイッチ82がオンしていなければ、蓄
圧の余裕があるからステップS62に進み、第3ポンプ70C
をオンとし、蓄圧器80に蓄圧する。圧力スイッチ82がオ
ンであればステップS63に進み、第3ポンプ70Cをオフと
する。
なお、本実施例においてはホイールシリンダの液圧を
制御するのに電磁流入弁および電磁流出弁の組合わせに
よって行う例を示したが、これは前述のように3ポート
3位置電磁弁等を1個用いて同様の制御を行うこと、お
よび第1および第2の2位置電磁切換90,91弁も1個の
3ポート2位置切換弁で構成し得ることはいうまでもな
い。
また、本実施例は後輪駆動車の場合につき説明した
が、前輪駆動車あるいは4輪駆動車であっても、要する
に駆動輪のホイールシリンダ液圧を制御するようにして
加速時のスリップ制御を行うことができる。
次に、第5図および第6図に示した安全弁装置92の具
体的な作動につき説明する。
マスターシリンダ10側から、その通路103を介して圧
力が加わった場合には、両実施例共ボール104とシート
体105とがまず一体的にシートリターンスプリング109に
抗って移動するが、ボール104はシート体105の中心通路
105Bに突設されたストッパ部材108の先端に当接し、そ
の移動が阻止される。
この結果、ボール104はシート体105のシート部105Aか
ら離れ通路103と通路102とが連通される。
ここで、シートリターンスプリング109は設定荷重を
小さくしてあるので、マスターシリンダ側通路103から
ホイールシリンダ側通路102へは、低い圧力でも連通動
作し、一方向弁として機能する。
一方、ホイールシリンダ側からその通路102を介して
圧力が加わった場合には、両実施例においてもストッパ
部材108が挿入されたシート体105の通路105B側からボー
ル104に圧力が及び、リリーフ用スプリング106を撓ませ
ようとする。しかるに、このスプリング106は設定荷重
が大であるので、その設定圧に至るまではボール104が
シート部105Aから離れず、リリーフ弁として機能するの
である。
[考案の効果] 以上の説明から明らかなように、本考案の車両用スリ
ップ制御装置によれば、マスターシリンダとホイールシ
リンダとを接続する配管系にホイールシリンダ液圧の制
御を行う切換制御手段と還流ポンプとを含むアンチロッ
ク制御のためのブレーキ液圧制御手段を用いて、加速ス
リップ制御時はマスターシリンダと切換制御手段との接
続を遮断し、蓄圧器と切換制御手段の入口側とを接続す
る液圧源切換手段と、この液圧源切換手段に並列に安全
弁手段とを設けたので、液圧源切換手段が異常状態とな
った場合でもブレーキ作動が可能となり、またブレーキ
液の戻しが可能であるから安全性を損なわない。しか
も、一方向弁とリリーフ弁とを別々に用意することく
な、一体的にできるので、構造が簡単で小型,かつ廉価
にできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施の一形態を示すブロック構成図、 第2図は本考案の一実施例を示す概略構成図、 第3図はコントローラの一例を示すブロック図、 第4図は本実施例の制御手順の一例を示すフローチャー
ト、 第5図および第6図は、安全弁装置のそれぞれ異なる実
施例を示す断面図である。 A,10……マスターシリンダ、D,20……ホイールシリン
ダ、E……スリップ検出手段、G……ブレーキ液圧制御
手段、H……切換制御手段、G,41,42……貯蔵室、K,70
……ポンプ、F,80……蓄圧器、L……液圧源切換手段、
M……安全弁手段、22……車輪速度センサ、31……第1
通路、32……第2通路、33……第1循環通路、34……第
2循環通路、51……電磁流入弁、52……電磁流出弁、60
……コントローラ、90……第1電磁切換弁、91……第2
電磁切換弁、92……安全弁装置、93……一方向弁、94…
…リリーフ弁。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の圧力源であるマスターシリンダと、 このマスターシリンダに配管を介して接続されたホイー
    ルシリンダと、 車輪のスリップを検出するスリップ検出手段と、 第2の圧力源である蓄圧器と、 前記スリップ検出手段による制動および加速スリップの
    検出時、前記ホイールシリンダの液圧の制御を行う切換
    制御手段と、前記ホイールシリンダからの流出液を一時
    貯蔵する貯蔵室と、この貯蔵室の液を前記マスターシリ
    ンダ側の配管に還流するポンプとを有するブレーキ液圧
    制御手段と、 前記スリップ検出手段による加速スリップの検出時に前
    記マスターシリンダと前記切換制御弁との接続を遮断
    し、前記蓄圧器を前記切換制御手段の入口側と接続すべ
    く切換える液圧源切換手段と、 この液圧源切換手段と並列に設けられ、前記マスターシ
    リンダ側から前記ホイールシリンダ側へは低圧でのブレ
    ーキ液の流動を許容し、前記ホイールシリンダ側から前
    記マスターシリンダ側へは高圧のみでの流動を許容する
    安全弁手段と を備え、この安全弁手段は、弁体と、この弁体が着座す
    るシート部およびこのシート部に連設された通路を有す
    るシート体と、前記ホイールシリンダ側に配設され前記
    シート体の前記通路内に臨んで突設されたストッパ部材
    と、前記マスターシリンダ側に配置され前記弁体を前記
    シート体に向けて付勢する第1スプリングと、前記ホイ
    ールシリンダ側に配置され前記シート体を前記弁体に向
    けて付勢し前記第1スプリングより弱い第2スプリング
    とを有することを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装
    置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3215739A1 (de) * 1982-04-28 1983-11-03 Robert Bosch Gmbh, 7000 Stuttgart Antriebsschlupfregelung
DE3803363A1 (de) * 1988-02-05 1989-08-17 Teves Gmbh Alfred Druckmittelbetaetigte bremsanlage mit blockiergeschuetzter antriebsschlupfregelung

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