JP2554429B2 - 活線上部移線工法 - Google Patents

活線上部移線工法

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JP2554429B2 JP24495792A JP24495792A JP2554429B2 JP 2554429 B2 JP2554429 B2 JP 2554429B2 JP 24495792 A JP24495792 A JP 24495792A JP 24495792 A JP24495792 A JP 24495792A JP 2554429 B2 JP2554429 B2 JP 2554429B2
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昭男 松本
強 山川
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武充 浦瀧
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Kansai Electric Power Co Inc
Sumitomo Densetsu Co Ltd
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Sumitomo Densetsu Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は活線上部移線工法に関
し、移線電線が活線等の被保護電線に接触する危険を防
止した移線工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】移線作業は、2本の鉄塔間
に架設された電線の一端を一方の鉄塔に固定したままに
しておき、他端を他方の鉄塔から外し、その外した端部
を該鉄塔の近傍にある他の3本目の鉄塔に移し替える作
業である。この場合、移線電線の下方に他の線路の電線
があって、その電線の通電を停止することができない事
情にあるときは、移線作業を活線上で実施せざるをえな
いことになる。
【0003】このような状況下で行なう移線作業におい
ては、何らかの原因で移線電線が活線に接触するという
事故を防止するため、中間ネットを展張したり、或いは
予め架設したガイドロープに移線電線を吊下げるといっ
た移線工法がとられる。
【0004】しかしながら、中間ネットを展張する方法
はネットの展張のために時間がかかる問題があり、また
ガイドロープを用いる方法もガイドロープを鉄塔間に架
設し、そのガイドロープに一定間隔で吊した多数の吊金
車を移線電線に連結しなければならないので、これも時
間がかかり、また多数の吊金車を用いるため経済的でな
いという問題がある。
【0005】一方、移線電線の固定側の鉄塔近くにおけ
るように、移線電線の移動距離が比較的短い部分におい
てのみ活線と接触するおそれがある場合は、その部分に
限って活線との接触防止手段を施せばよいのであって、
移線電線の全長をガイドロープを吊下げる等してその全
長にわたり接触防止手段を施す必要はない。
【0006】そこで、この発明は上述のように移線電線
の固定側鉄塔近くにおけるように、移線電線の移動距離
が比較的短い部分において、その移動電線の下方に架設
された他の線路の活線等の被保護電線との接触防止を図
りながら移線する移線工法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明の第1の手段は、固定鉄塔17と旧移線
鉄塔18及び上記旧移線鉄塔18の近傍に新移線鉄塔1
9がそれぞれ設置され、上記固定鉄塔17と旧移線鉄塔
18間の同一相の同一位置の碍子連31間に少なくとも
2本の電線21、26が架設され、かつ上記固定鉄塔1
7近辺の上記電線21、26の下方に活線等の被保護電
線22が交差方向に通っている場合に、上記2本の電線
21、26の一端を旧移線鉄塔18から新移線鉄塔19
に移線する活線上部移線工法において、移線の第1段階
として、上記2本の電線21、26のうち一方の電線2
6を固定電線、他方の電線21を移線電線と定め、該移
線電線21の一端を旧移線鉄塔18から新移線鉄塔19
へ移線するに際し、連結ロープ1の両端に把持具2、
2’を取付けた連結具Aを用い、被保護電線22の上方
において上記固定電線26と移線電線21の同じ位置に
上記連結具Aの電線把持具2、2’を取付けて移線作業
を行い、上記連結具Aの連結ロープ1の長さを、上記の
固定電線26に対する把持具2の取付け点から移線電線
21が該連結具Aによって拘束を受けることなく移動し
た場合の把持具2’の取付け点の移動後の位置までの距
離Lより長く、かつ、該移線電線21が移線中に落下し
た場合に、その移線電線21が該連結具Aにより被保護
電線22に接触することなく吊下げ状態となる最大長さ
より短く設定され、次に移線の第2段階として、上記移
線電線21の移線完了後、上記連結具Aを残したまま、
上記固定電線26の一端を旧移線鉄塔18から新移線鉄
塔19へ移線するようにしたものである。
【0008】また、第2の手段は、固定鉄塔17と旧移
線鉄塔18及び上記旧移線鉄塔18の近傍に新移線鉄塔
19がそれぞれ設置され、上記固定鉄塔17と旧移線鉄
塔間の下段相と上段相とに少なくとも1本づつの電線2
1、32が架設され、かつ上記固定鉄塔17近辺の上記
下段相の電線21の下方に活線等の被保護電線22が交
差方向に通っている場合に、上記下段相の電線21を移
線電線、上段相の電線32を固定電線として上記移線電
線21の一端を旧移線鉄塔18から新移線鉄塔19に移
線する活線上部移線工法において、連結ロープ1の両端
に電線把持具2、2’を取付けた連結具Bを用い、被保
護電線22の上方において上記固定電線32と移線電線
21に上記連結具Bの電線把持具2、2’を取付けて移
線作業を行い、上記連結具Aの連結ロープ1の長さを、
上記固定電線32に対する把持具2の取付け点から移線
電線21に対する把持具2’の移線時の移動距離より長
く設定すると共に、該移線電線21が移線中に落下した
場合に、その移線電線21が該連結具Bにより、被保護
線22に接触することなく吊下げ状態となる最大長さよ
り短い長さに設定されているようにしたものである。
【0009】
【実施例】図1及び図2は、連結具の一例を示す。この
連結具は連結ロープ1と、その両端に取付けられた把持
具2とからなる。把持具2は、半割形の一対の把持片2
a、2bを向い合わせて、蝶番ピン5(図2参照)によ
り開閉自在に連結したものであり、一方の把持片2bの
背面に突起6を設け、両把持片2a、2bの開放角度を
制限している(図2の一点鎖線参照)。
【0010】また、両方の把持片2a、2bの開放側の
縁に複数の凹所3a、3bを対向状に設け、一方の凹所
3aにボルト7をピン8により回動自在に取付け、該ボ
ルト7のねじ部を他方の凹所3bに嵌め、そのねじ部に
螺合したナット9を該凹所3bの両側に形成した平坦面
11に締付けることにより、両方の把持片2a、2b間
に嵌めた電線12を締付けて把持するようになってい
る。
【0011】上記の一方の把持片2bの前記のピン8に
は、その把持片2bの中央部分において取付金具13が
そのピン8のまわりに回転自在に取付けられ、その取付
金具13の取付孔14にリング状の連結金具15が取付
けられる。該連結金具15はC形をなし、その開口端の
ねじ部にナット16を螺合したものであり、その連結金
具15に連結ロープ1の両端がそれぞれ挿通され結合さ
れる。
【0012】なお、上記の連結ロープ1の途中に一定以
上の異常な張力が作用した場合に該ロープ1を切断する
ショックアブソーバを設けることがある。
【0013】次に、上記の連結具を用いた移線工法につ
いて説明する。
【0014】図4において、17は固定鉄塔、18は旧
移線鉄塔、19は新移線鉄塔であり、固定鉄塔17と旧
移線鉄塔18との同相の同じ位置の碍子連31(図5参
照)間に架設された電線21ともう1本の電線26の各
一端を旧移線鉄塔18から外し、新移線鉄塔19に移線
しようとするものである。固定鉄塔17の下相には他の
線路の電線22〜25が交差方向に通っており、そのう
ち、電線22、23は停電しているが、電線24、25
は活線である。このような場合、電線21、26の移線
途中において断線等のトラブルがあった場合に、活線2
4、25はもとより、他の電線22、23に接触するこ
とを確実に防止しなければならない。
【0015】この発明の工法においては、第1段階とし
て1本の電線21を移線し、その後第2段階として他の
電線26を移線する。その第1段階において、電線26
を固定電線とし、電線21を移線電線として移線作業を
行う。
【0016】まず、固定鉄塔17近傍の被保護電線22
の上方において、固定電線26と移線電線21の同一位
置に前記の連結具Aの把持具2、2’を取付ける(移線
電線21に取付けられた把持具2’は、同2と同一構造
である。区別の便宜上2’の符号をつける)。
【0017】なお、上記連結具Aよりも固定鉄塔17寄
りに、該連結具Aより短い連結ロープ1を有する他の連
結具A’を同様に取付けることがある。
【0018】上記のごとき準備を完了すると、移線電線
21の一端と旧移線鉄塔18間に常法どおりセミ金車2
7を組み、その端部を碍子連から切り離し、移線電線2
1の途中に掛けた金車28を介して掛けたロープで、矢
印aで示すように、移線電線21を新移線鉄塔19側に
引き寄せる(二点鎖線参照)。引き寄せた移線電線21
の端部を新移線鉄塔19側の碍子連の先端にセットし、
その鉄塔19と移線電線21との間に組んだセミ金車2
9を巻上げ(矢印b参照)、所定の弛度に調整して移線
を完了する(実線で示した移線電線21参照)。
【0019】次に、移線の第2段階として、上記の固定
電線26を新移線鉄塔19側へ移線する。この場合は、
上述の第1段階の作業が完了した後、連結具A、A’を
外すことなく、そのままの状態に残しておいて、該固定
電線26を前述の場合と同じ要領で移線する。即ち、こ
の場合は、固定電線26が移線電線となり、移線完了状
態の前記の移線電線21が固定電線となる。
【0020】以上のごとき移線工法に用いられる連結具
Aの連結ロープ1の長さは、移線電線21の移線に支障
を来たさないように設定される。即ち、その長さは、固
定電線26に対する把持具2の取付け点から、移動電線
21が拘束を受けることなく移動した場合の把持具2’
の取付け点の移動後の位置までの距離Lより長く設定さ
れる。
【0021】一方、移線作業中に移線電線21が断線す
るなどして、図5に示すように移線電線21が固定鉄塔
17の碍子連31の下方へ落下した場合、その移線電線
21は連結具A、A’により固定電線26に連結されて
いるので、落下した移動電線21は固定電線26に支え
られ、被保護電線22〜25のいずれにも接触すること
がない。
【0022】この場合、落下した移動電線21が、これ
に最も近い被保護電線22に接触しないようにするため
に、連結具Aの連結ロープ1は、上記被保護電線22に
接触することなく吊下げ状態となる最大長さより短く設
定される。
【0023】但し、移線電線21が断線等によって落下
すると、連結具Aを介して連結された固定電線26が下
方へ若干変位するので、連結ロープ1の長さはその変位
量を考慮したものでなければならない。
【0024】なお、もう一つの連結具A’の連結ロープ
1の長さも移線の際に移線電線21を拘束することのな
い長さに設定されるが、この連結具A’は落下時に碍子
連31から前記の連結具Aの把持具2’までの移動電線
の弛みを無くするために設けられるものであり、この弛
みが問題にならない場合は省略してもよい。
【0025】また、移線電線21が図6に示すように、
固定鉄塔17の下相に架設されているときは、移線電線
21の移動距離は前述の場合とほとんど変わらないが、
被保護電線22と固定電線26との距離は固定鉄塔17
に近い部分では前述の場合より短くなる。仮りにこの距
離より短い連結ロープ1を用いるとすると移線に支障を
来たすことになる。このため、連結具Bのように、それ
より上方に架設された中相の電線32を固定電線とし
て、その電線32と移動電線21とを連結具Bで連結す
る。
【0026】このようにすると、連結ロープ1を移線電
線21の移動距離より長く、かつ落下時に移動電線21
を被保護電線22に接触させることなく吊下げ状態に保
持させることができる最大長さより短い長さに設定され
る。
【0027】なお、この場合は連結具Bよりも碍子連3
1から遠い方に取付けられる連結具B’は、下相の固定
電線26と移線電線21とを連結する。
【0028】上記連結具Bよりも碍子連31から遠くな
ると連結ロープ1の長さも十分長くとれ、移線に支障を
来さないので、連結具B’のように下相の固定電線26
と移動電線21との間に取付けることができる。但し連
結具B’は念のために取付けられるものであり、省略し
てもよい。
【0029】なお、この場合、下相の固定電線26を、
移線が完了した移線鉄塔19側へ移線する作業を行う場
合は、連結具B’はそのままでよいが、連結具Bは、そ
の把持具2を上相の固定電線32に取付けたままで行う
が、他方の把持具2’は、該固定電線26に取付を変え
なければならない。
【0030】
【発明の効果】以上のように、この発明は移線電線を連
結具により既設の固定電線に連結するようにしているの
で、移線電線の落下防止対策としてネットを展張した
り、ガイドロープを架設する必要がない便利さがあり、
作業工期を短縮することができる。
【0031】また、移線電線がたとえ落下しても固定電
線に連結した連結具により吊下げ状態となり、被保護電
線に接触するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】連結具の一部を示す正面図
【図2】同上の断面図
【図3】同上の使用状態の正面図
【図4】移線作業中の概略平面図
【図5】移線作業中の概略正面図
【図6】他の移線作業中の概略正面図
【符号の説明】
A、A’、B、B’ 連結具 1 連結ロープ 2、2’ 把持金具 2a、2b 把持片 3a、3b 凹所 5 蝶番ピン 6 突起 7 ボルト 8 ピン 9 ナット 11 平坦面 12 電線 13 取付金具 14 取付孔 15 連結金具 17 固定鉄塔 18 旧移線鉄塔 19 新移線鉄塔 21 移線電線 22〜25 電線 26 固定電線 27 セミ金車 28 金車 29 セミ金車 31 碍子連 32 電線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田 弘 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西 電力株式会社内 (72)発明者 浦瀧 武充 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西 電力株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−185215(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定鉄塔17と旧移線鉄塔18及び上記
    旧移線鉄塔18の近傍に新移線鉄塔19がそれぞれ設置
    され、上記固定鉄塔17と旧移線鉄塔18間の同一相の
    同一位置の碍子連31間に少なくとも2本の電線21、
    26が架設され、かつ上記固定鉄塔17近辺の上記電線
    21、26の下方に活線等の被保護電線22が交差方向
    に通っている場合に、上記2本の電線21、26の一端
    を旧移線鉄塔18から新移線鉄塔19に移線する活線上
    部移線工法において、移線の第1段階として、上記2本
    の電線21、26のうち一方の電線26を固定電線、他
    方の電線21を移線電線と定め、該移線電線21の一端
    を旧移線鉄塔18から新移線鉄塔19へ移線するに際
    し、連結ロープ1の両端に把持具2、2’を取付けた連
    結具Aを用い、被保護電線22の上方において上記固定
    電線26と移線電線21の同じ位置に上記連結具Aの電
    線把持具2、2’を取付けて移線作業を行い、上記連結
    具Aの連結ロープ1の長さを、上記の固定電線26に対
    する把持具2の取付け点から移線電線21が該連結具A
    によって拘束を受けることなく移動した場合の把持具
    2’の取付け点の移動後の位置までの距離Lより長く、
    かつ、該移線電線21が移線中に落下した場合に、その
    移線電線21が該連結具Aにより被保護電線22に接触
    することなく吊下げ状態となる最大長さより短く設定さ
    れ、次に移線の第2段階として、上記移線電線21の移
    線完了後、上記連結具Aを残したまま、上記固定電線2
    6の一端を旧移線鉄塔18から新移線鉄塔19へ移線す
    ことを特徴とする活線上部移線工法。
  2. 【請求項2】 固定鉄塔17と旧移線鉄塔18及び上記
    旧移線鉄塔18の近傍に新移線鉄塔19がそれぞれ設置
    され、上記固定鉄塔17と旧移線鉄塔間の下段相と上段
    相とに少なくとも1本づつの電線21、32が架設さ
    れ、かつ上記固定鉄塔17近辺の上記下段相の電線21
    の下方に活線等の被保護電線22が交差方向に通ってい
    る場合に、上記下段相の電線21を移線電線、上段相の
    電線32を固定電線として上記移線電線21の一端を旧
    移線鉄塔18から新移線鉄塔19に移線する活線上部移
    線工法において、連結ロープ1の両端に電線把持具2、
    ’を取付けた連結具Bを用い、被保護電線22の上方
    において上記固定電線32と移線電線21に上記連結具
    Bの電線把持具2、2’を取付けて移線作業を行い、上
    記連結具Aの連結ロープ1の長さを、上記固定電線32
    に対する把持具2の取付け点から移線電線21に対する
    把持具2’の移線時の移動距離より長く設定すると共
    に、該移線電線21が移線中に落下した場合に、その移
    線電線21が該連結具Bにより、被保護線22に接触す
    ることなく吊下げ状態となる最大長さより短い長さに設
    定されていることを特徴とする活線上部移線工法。
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