JP2553190Y2

JP2553190Y2 - 溶接機器用位置検出装置

Info

Publication number: JP2553190Y2
Application number: JP6044991U
Authority: JP
Inventors: 正宗行; 利直高山
Original assignee: Kobe Steel Ltd
Current assignee: Kobe Steel Ltd
Priority date: 1991-07-31
Filing date: 1991-07-31
Publication date: 1997-11-05
Anticipated expiration: 2006-07-31
Also published as: JPH0514831U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、溶接ロボット，ポジシ
ョナなどの溶接機器において、光電式エンコーダを用い
て溶接機器の構成部材の回転位置を検出するための位置
検出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】発光素子と受光素子とにより回転位置を
検出する光電式エンコーダをノイズの多い環境で用いる
場合、その受光素子がノイズから受ける影響を少なくし
たり、その電子回路の対ノイズ性能を向上させたりする
ために、一般に、図２(ａ)，(ｂ)に示すような接地処理
が施されている。

【０００３】図２(ａ)，(ｂ)において、１は光電式エン
コーダ、１ａはエンコーダ１を収納するケース、２はケ
ース１ａ内に収納され光電式エンコーダの一部を構成す
る電子回路、３はエンコーダ１の電子回路２への電力供
給や電子回路２からの出力信号(エンコーダ１による検
出信号)の導出を行なうための電線、４は電線３用のシ
ールド線、５は電子回路２のグランド、６はシールド線
４に接続された接地線である。

【０００４】そして、図２(ａ)に示すものでは、電子回
路２とシールド線４とが接続され、図２(ｂ)に示すもの
では、ケース１ａとシールド線４とが接続されている。

【０００５】一方、溶接作業に使用される溶接ロボッ
ト，ポジショナ等の溶接機器において、光電式エンコー
ダ１を溶接負荷と同電位部に設けて使用する場合には、
従来、例えば、図３に示すような接地処理が施されてい
る。

【０００６】図３において、符号１〜６は図２にて示し
たものと同一であり、７は被溶接材９を載置されるテー
ブル(ポジショナ)１６を回転駆動するモータで、このモ
ータ７は、モータ固定台１５に取付・固定されるほか、
モータ７の回転軸にカップリング８を介してエンコーダ
１が連結され、テーブル１６の回転位置が、モータ７を
介してエンコーダ１により検出されるようになってい
る。

【０００７】また、１０は被溶接材９に対して溶接処理
を施す溶接トーチ、１１，１２はぞれぞれ溶接電源１３
に接続される正負のパワーケーブルで、正のパワーケー
ブル１１は溶接トーチ１０に接続される一方、負のパワ
ーケーブル１２はモータ固定台１５に接続されている。

【０００８】さらに、１４はモータ固定台１５に対する
テーブル１６の回動を許容しながらこれらのモータ固定
台１５とテーブル１６とを接続する網組導線で、この網
組導線１４は、溶接電流がモータ７に影響を与えないよ
うにモータ固定台１５へ逃がすためのものである。な
お、図３では、接地線６は、シールド線４のみならず、
モータ固定台１５にも接続されている。

【０００９】このような溶接機器においては、モータ７
やエンコーダ１を通って電流が流れる危険があるため
に、シールド線３は、少なくともエンコーダ１のケース
１ａには接続しない構造になっている。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】ところで、エンコーダ
１の受光素子をノイズの影響から保護するためには、図
２(ｂ)に示すように、エンコーダ１のケース１ａを接地
する方法が効果的であるが、図３に示すものの場合、前
述の通り、図２(ｂ)に示す接地処理は適用できないの
で、耐ノイズ性を強化した構造とする必要がある。

【００１１】例えば、受光素子，発光素子を完全に絶縁
すれば、ノイズの影響から保護することはできるが、そ
のような構造とすると、機械的な構造が複雑になり、材
料面，製作面でかなりコスト高になってしまう。

【００１２】本考案は、このような課題を解決しようと
するもので、機械的な構造を複雑にすることなく、安価
な構成で耐ノイズ性の向上をはかった溶接機器用位置検
出装置を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の溶接機器用位置検出装置は、発光素子と受
光素子とにより回転位置を検出する光電式エンコーダ
を、溶接負荷と同電位部に設けてなるものにおいて、前
記光電式エンコーダのケースを、コンデンサおよび抵抗
器のうちの少なくとも一方を介して接地したことを特徴
としている。

【００１４】

【作用】上述した本考案の溶接機器用位置検出装置で
は、光電式エンコーダのケースが、コンデンサまたは抵
抗器のいずれか一方、あるいは、コンデンサと抵抗器と
を組み合わせたフィルタを介して接地されることによ
り、各種ノイズがコンデンサによって効率的に吸収さ
れ、ノイズのエネルギが抵抗器により消費されること
で、ノイズが光電式エンコーダの受光素子に影響を与え
るのを抑えることができる。

【００１５】

【実施例】以下、図面により本考案の一実施例としての
溶接機器用位置検出装置について説明すると、図１(ａ)
〜(ｃ)はそれぞれそのケースの接地処理例を示す回路構
成図である。

【００１６】本実施例の位置検出装置も、図３により前
述したような溶接機器に適用されるもので、従来と同様
に、発光素子と受光素子とにより回転位置を検出する光
電式エンコーダ１を、溶接負荷と同電位部に設けて構成
されている。

【００１７】また、図１(ａ)〜(ｃ)において、従来と同
様に、３はエンコーダ１の電子回路(図３の符号２参照)
への電力供給や前記電子回路からの出力信号(エンコー
ダ１による検出信号)の導出を行なうための電線、４は
電線３用のシールド線、６はシールド線４に接続された
接地線である。

【００１８】そして、エンコーダ１は、ケース１ａ内に
収納されており、本実施例では、図１(ａ)〜(ｃ)にそれ
ぞれ示すようにして、ケース１ａが接地されている。

【００１９】図１(ａ)に示す接地方式では、ケース１ａ
とシールド線３とがコンデンサ１７を介して接続され
て、ケース１ａは、コンデンサ１７を介して接地される
構成となっている。

【００２０】また、図１(ｂ)に示す接地方式では、ケー
ス１ａとシールド線３とが抵抗器１８を介して接続され
て、ケース１ａは、抵抗器１８を介して接地される構成
となっている。

【００２１】さらに、図１(ｃ)に示す接地方式では、ケ
ース１ａとシールド線３とが、コンデンサ１７と抵抗器
１８とを並列的に接続してなるフィルタ１９を介して接
続されて、ケース１ａは、このフィルタ１９を介して接
地される構成となっている。

【００２２】ここで、コンデンサ１７の耐圧性について
説明すると、モータ７の制御電流から受けるノイズは、
一般に、最大＋７０Ｖ，最小−７０Ｖ(５.５ｋＨｚ)程
度であり、溶接電流から受けるノイズは、最大＋３Ｖ，
最小−３Ｖである。また、溶接電源１３の無負荷電圧
は、８０〜１３０Ｖであり、その電圧がコンデンサ１７
に印加されることになるので、コンデンサ１７の耐圧と
しては、３００Ｖ程度(安全率２００％)必要となる。

【００２３】コンデンサ１７の容量について説明する
と、モータ７の制御電流によるノイズについては、その
電圧レベル(最高値)を、容量０.０１５μＦで５％、容
量０.４７μＦで０.１４％とすることができ、実用に耐
えるのは、容量０.０１５μＦ以上である。溶接電流に
よるノイズについては、パワーケーブル１２が被溶接材
９に接続されていれば、モータ７の制御電流によるノイ
ズに比べてかなり小さいので、コンデンサ１７の容量
は、モータ７の制御電流によるノイズに適応できるよう
に設定すれば問題ない。

【００２４】コンデンサ１７に要求される周波数応答特
性としては、溶接電流によるノイズについては２０〜１
５０Ｈｚであるが、モータ７の制御電流によるノイズに
ついては５.５ｋＨｚの基本周波数をもつため、使用可
能周波数が１０ｋＨｚ以上のコンデンサが必要となる。

【００２５】また、抵抗器１８の抵抗値について説明す
ると、モータ７の制御電流によるノイズについては、
１.０〜１.５ｍＶ程度の電圧がコンデンサ１７にチャー
ジされるが、それ以上とはならない。抵抗値１０ｋΩの
抵抗器１８を、図１(ｃ)に示すように、コンデンサ１７
に並列接続した場合、５００〜６００μＶ程度にするこ
とができる。溶接電流によるノイズについては、溶接開
始時にコンデンサ１７の両端の電圧が０.３ｍＶ／秒の
割合で上昇してゆく。

【００２６】上述のように、光電式エンコーダ１のケー
ス１ａを、コンデンサ１７または抵抗器１８のいずれか
一方、あるいは、コンデンサ１７と抵抗器１８とを組み
合わせたフィルタ１９を介して接地することにより、モ
ータ７の制御電流によるノイズや溶接電流によるノイズ
が、コンデンサ１７によって効率的に吸収され、ノイズ
のエネルギが、抵抗器１８により消費される。

【００２７】従って、機械的な構造を複雑にすることな
く安価な構成で、各種ノイズが光電式エンコーダ１の受
光素子に影響を与えるのを抑えることができ、耐ノイズ
性が大幅に向上するのである。

【００２８】

【考案の効果】以上詳述したように、本考案の溶接機器
用位置検出装置によれば、光電式エンコーダのケース
を、コンデンサおよび抵抗器のうちの少なくとも一方を
介して接地するという極めて簡素かつ安価な構成によ
り、位置検出装置の耐ノイズ性が大幅に向上する効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例としての溶接機器用位置検出
装置を示すもので、(ａ)〜(ｃ)はそれぞれ本実施例装置
におけるケースの接地処理例を示す回路構成図である。

【図２】(ａ)，(ｂ)はいずれも光電式エンコーダに対す
る一般的な接地処理手段を示す構成図である。

【図３】従来の溶接機器用位置検出装置における接地処
理手段を示す構成図である。

【符号の説明】

１光電式エンコーダ１ａケース３電線４シールド線６接地線１７コンデンサ１８抵抗器１９フィルタ

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】発光素子と受光素子とにより回転位置を
検出する光電式エンコーダを、溶接負荷と同電位部に設
けてなる溶接機器用位置検出装置において、前記光電式
エンコーダのケースが、コンデンサおよび抵抗器のうち
の少なくとも一方を介して接地されていることを特徴と
する溶接機器用位置検出装置。