JP2552629B2 - 顔料組成物 - Google Patents

顔料組成物

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JP2552629B2
JP2552629B2 JP6033280A JP3328094A JP2552629B2 JP 2552629 B2 JP2552629 B2 JP 2552629B2 JP 6033280 A JP6033280 A JP 6033280A JP 3328094 A JP3328094 A JP 3328094A JP 2552629 B2 JP2552629 B2 JP 2552629B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な顔料組成物に関
し、更に詳しくは、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の残基
と共に、末端に炭素数8以上の芳香族環又は複素環の基
を含有するポリエステル系オリゴマーを顔料の分散剤或
いはフラッシング剤として含有し、塗料、印刷インキ、
合成樹脂着色剤等の色材として有用な顔料組成物の提供
を目的とする。尚、本明細書において「炭素数8」と
は、8個の炭素原子が全て芳香環又は複素環を構成して
いることを意味している。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料や印刷インキの製造におい
て、顔料を塗料ベヒクルや印刷インキワニス中に分散さ
せたり、又、水性瀘過ケーキから油性ベヒクルや油性ワ
ニス中へフラッシングしたりする際の分散剤又はフラッ
シング剤として、例えば、リン脂質であるレシチンが使
用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】しかし、レシチ
ンは天然品のリン脂質であるため、酸化や酸敗を受けや
すく、変質したり腐敗したりする恐れがあるため、これ
らのレシチンよりも安定で優れた性質を有する分散剤又
はフラッシング剤が必要とされている。本発明者らは、
上記の顔料の分散剤又はフラッシング剤の欠陥に鑑み、
各種のベヒクルやワニス類に親和性を有し、且つ顔料に
対しても親和性を有する化合物を種々研究した結果、脂
肪族ヒドロキシカルボン酸の残基と共に、末端に炭素数
8以上の芳香族環又は複素環の基を含有するポリエステ
ル系オリゴマーが顔料の分散剤として優れた性質及び効
果を発揮することを見出し、本発明を完成したものであ
る。
【0004】
【問題点を解決するための手段】すなわち、本発明は、
顔料及び分散剤を含有する顔料組成物において、該分散
剤が、分子中に、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の残基
と、末端に炭素数8以上の芳香族環又は複素環の基を含
有し、エステル結合を主結合とする平均分子量10,0
00以下のポリエステル系オリゴマーであることを特徴
とする顔料組成物である。
【0005】
【作用】分子中に、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の残基
と、末端に炭素数8以上の芳香族環又は複素環の基を含
有し、エステル結合を主結合とする平均分子量10,0
00以下のポリエステル系オリゴマーが顔料の分散剤と
して優れた性質及び効果を発揮することを見出した。
【0006】
【好ましい実施態様】本発明を詳細に説明すると、本発
明において使用し、本発明を主として特徴づける分散剤
は、上記定義の特定のポリエステル系オリゴマーであ
る。本発明において、上記特定のポリエステル系オリゴ
マー中に含有される脂肪族ヒドロキシカルボン酸の残基
は、例えば、好ましいものとして、リシノレイン酸、1
2−ヒドロキシステアリン酸、ヒマシ油脂肪酸、水添ヒ
マシ油脂肪酸、デルタ−ヒドロキシ吉草酸又はε−ヒド
ロキシカプロン酸或いはそれらの誘導体によって導入さ
れる。
【0007】又、本発明において、上記脂肪族ヒドロキ
シカルボン酸の残基と共にポリエステル系オリゴマーの
末端に含有される炭素数8以上の芳香族環又は複素環の
基としては、例えば、ビフェニル、ナフタレン、フルオ
レン、アンスラセン、アセナフテン、クマリン、キノリ
ン又はカルバゾールから誘導される基である。
【0008】上記の炭素数8以上の芳香族環又は複素環
の基をポリエステル系オリゴマーの末端に導入するため
には、それらの基を有するモノアルコール、モノフェノ
ール、モノカルボン酸及びそれらの酸クロライド等を使
用してポリエステルオリゴマーに反応させればよい。こ
れらの高炭素数の化合物としては、上記定義に属する従
来公知の化合物がいずれも使用されるが、好ましいもの
としては、例えば、下記の如きものが挙げられる。
【0009】ジフェニルカルボン酸、オキシビフェニル
及びその1モル当量乃至それ以上のエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のエ
ポキシ化合物との反応生成物、ナフトール、2−ヒドロ
キシナフトエ酸メチル及びそれらと1モル当量乃至それ
以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エ
ピクロルヒドリン等のエポキシ化合物との反応生成物、
ナフタレンカルボン酸、アンスラセンカルボン酸、アン
トラキノンカルボン酸、フルオレンアルコール、フルオ
レンカルボン酸、フェナントレンカルボン酸、アセナフ
テンカルボン酸、キノリンカルボン酸、クマロンカルボ
ン酸等が挙げられる。
【0010】本発明で分散剤として使用するポリエステ
ル系オリゴマーは、上記した成分に必要に応じて従来公
知のポリエステルを形成させるに使用される脂肪族、脂
肪環及び芳香族のヒドロキシカルボン酸成分、ポリカル
ボン酸成分、ポリアルコール成分が使用される。好まし
いヒドロキシカルボン酸としては、例えば、p−ヒドロ
キシエチルオキシ安息香酸等である。
【0011】又、使用されるポリカルボン酸としては、
例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水
ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、
3,6−エンド−メチレン−テトラヒドロフタル酸無水
物(無水ナジック酸)、メチル−3,6−エンドメチレ
ン−テトラヒドロ無水フタル酸(無水メチルナジック
酸)、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水フ
タル酸(無水ヘット酸)、ドデセニル無水コハク酸、無
水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸、重合ロジン、ロジン−無水マレイン酸付加物、
不飽和脂肪酸−無水マレイン酸付加物等である。
【0012】又、使用されるポリアルコールとしては、
例えば、ブタン−1,3−グリコール、テトラメチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレン
グリコール、オクタメチレングリコール、ジヒドロキシ
メチルシクロデカン、ジヒドロキシベンゼン、トリス
(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等である。又、
得られるポリエステルの末端のカルボキシル基或いは水
酸基が残存している場合には、必要に応じてこれらの基
をモノアルコール又はモノカルボン酸でエステル化する
ことができる。
【0013】例えば、モノアルコールとしては、メチル
−、エチル−、プロピル−、ブチル−、ヘキシル−、オ
クチル−、ドデシル−、ヘキサデシル−、オクタデシル
−、テトラコシル−、ヘキサコシル−、オクタデセニル
−、シクロヘキシル−、ベンジル−アルコール等のモノ
アルコール類が挙げられ、又、モノカルボン酸の例とし
ては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、ラウリ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノ
ール酸、リノレイン酸、ベヘン酸、トリシクロデカンカ
ルボン酸、安息香酸、ロジン、水添ロジン等のモノカル
ボン酸酸類が挙げられる。
【0014】これらの各種成分を使用するポリエステル
化反応、芳香族環又は複素環の基を導入する反応及び上
記モノアルコール又はモノカルボン酸とのエステル化反
応は、従来公知の方法に準じて、例えば、無溶媒系或い
は溶媒溶液にて、無触媒系或いは触媒を用いて、減圧系
或いは常圧系にて、空気中或いは窒素雰囲気下にて等の
如く好ましい反応条件を選択して行われる。
【0015】本発明で使用されるポリエステル系オリゴ
マーの分子量は二量体乃至平均分子量10,000以
下、好ましくは500乃至5,000位である。上記の
ポリエステル系オリゴマーは、分子の末端に炭素数8以
上の芳香族環又は複素環の基を含有することによって、
疎水性乃至親油性が著しく高くなり、顔料、特に有機顔
料との親和性が著しく向上していることを特徴としてい
る。又、ポリエステル鎖を構成するヒドロキシカルボン
酸残基の部分は顔料に親和性を有すると共に、有機分散
媒体にも親和性を有しているので、上記のポリエステル
オリゴマーは顔料の分散剤として好ましいものである。
【0016】従って、これらのポリエステル系オリゴマ
ーによって顔料を処理した際には、該ポリエステル系オ
リゴマーが顔料に親和性を有し、顔料の表面を著しく疎
水性化乃至親油性化するために、処理顔料は油性媒体に
対しても高い親和性を有するものである。更に前記した
如き末端に炭素数8以上の芳香族環又は複素環を有する
化合物にエポキシ化合物を反応させて得たヒドロキシ誘
導体を使用して得たポリエステル系オリゴマーを顔料の
処理剤として使用すると更に優れた効果を示した。
【0017】本発明において使用される顔料は従来公知
の有機顔料、無機顔料及び体質顔料等いずれの顔料でも
よい。例えば、有機顔料としては、フタロシアニン系、
アゾ系、縮合アゾ系、アンスラキノン系、ペリノン・ペ
リレン系、インジゴ・チオインジゴ系、イソインドリノ
ン系、アゾメチンアゾ系、ジオキサジン系、キナクリド
ン系、アニリンブラック系、トリフェニルメタン系及び
カーボンブラック等であり、無機顔料系としては、酸化
チタン系、酸化鉄系、水酸化鉄系、酸化クロム系、スピ
ンネル型焼成顔料、クロム酸鉛系、クロム酸バーミリオ
ン系、紺青系、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末等、体
質顔料としては、炭酸カルシウム系、硫酸バリウム系、
酸化珪素系、水酸化アルミニウム系等である。
【0018】本発明において、これらの顔料は乾燥した
微粉末状の外、水性瀘過ケーキ或いは水性懸濁液の状態
でも使用される。本発明の顔料組成物は、前記の如きポ
リエステル系オリゴマーを上記の如き顔料100重量部
に対し、約1乃至300重量部、好ましくは約3乃至約
150重量部の割合で配合することによって得られる。
【0019】勿論、これらの二成分の混合に際しては、
従来公知の適当な有機溶剤、油性の塗料用ベヒクル、油
性の印刷インキ用ワニス、油性のコーデング剤用ベヒク
ル等のバインダー樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
可塑剤、架橋剤、触媒等を同時に配合することができ、
そのまま塗料や印刷インキ等とすることができる。
【0020】これらの必須成分及び任意成分を混合して
本発明の顔料組成物を得る方法は、いずれの従来公知の
方法でもよく、例えば、ボールミル、サンドミル、アト
ライター、横型連続媒体分散機、二本ロール、三本ロー
ル、加圧ニーダー、バンバリミキサー、エクストルーダ
ー等の従来公知の分散機により混合し混練摩砕する方法
が代表的な方法である。
【0021】特に、顔料として水性瀘過ケーキ或いは水
性懸濁液の状態の顔料を使用する場合には、本発明で使
用する分散剤を単独で、好ましくは疎水性の有機溶剤の
溶液(これらの有機溶剤は、印刷インキ用或いは塗料用
バインダーを含有し得る)として顔料に加え、且つ混合
する方法(フラッシング)によって、顔料を水相から有
機溶剤相に移行させて本発明の顔料組成物とすることが
できる。
【0022】本発明の顔料組成物としては、次の如き態
様を包含する。 (1)顔料を高濃度に含有し、印刷インキ、塗料、コー
ティング剤、合成樹脂等の着色剤として有用な組成物。
この態様では顔料の濃度は、20乃至95%であり、本
発明の分散剤の濃度は顔料の1乃至300重量%であ
る。 (2)塗料、分散剤、コーティング剤として必要な溶
剤、バインダー樹脂等も含み、塗料等として有用な組成
物。これらの組成物では顔料の濃度は0.1乃至20重
量%であり、分散剤の濃度は顔料の1乃至300重量%
である。
【0023】塗料としては、従来公知の顔料が使用され
ている塗料が全て含まれるものであり、例えば、自動車
塗料、建築用塗料、木材用塗料、車両・機器用塗料、家
庭塗料、プラスチック用塗料、プレコートメタル用塗
料、缶用塗料、船舶用塗料、防食塗料、光硬化塗料、電
子線硬化塗料、静電粉体塗料、ビニルゾル塗料等であ
る。
【0024】又、印刷インキとしては従来公知の印刷イ
ンキが全て含まれるものであり、例えば、、凸版イン
キ、平版インキ、凹版のグラビアインキ、スクリーンイ
ンキ、新聞インキ、フレキソインキ等である。
【0025】以上の如き種々の態様における顔料組成物
は、固体状でもよいし、液状でもよく、液状の場合の媒
体としては水或いは水−親水性有機溶媒混合物、有機溶
媒が使用され、有機溶媒としては脂肪族系、脂環族系、
芳香族系炭化水素、ハロゲン化炭化水素系、エステル
系、ケトン系、グリコールエーテル系、アルコール系等
が使用され、特に限定されるものではない。
【0026】又、塗料用ベヒクル、印刷インキ用ワニ
ス、コーティング剤用ベヒクル等としては、各用途に応
じて従来公知の油性乃至水性系のバインダー材料が使用
されるものである。
【0027】例えば、長油長、中油長、短油長のアルキ
ッド樹脂、フェノール変性、スチレン化アルキッド等の
変性アルキッド樹脂、アミノアルキッド樹脂、オイルフ
リーアルキッド樹脂、焼付用アクリル樹脂、アクリルラ
ッカー樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチル化メ
ラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、フェノール樹脂、ロ
ジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、
フェノール変性マレイン酸樹脂、ポリウレタン樹脂、ス
チレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレン−ジエン
共重合体、塩化ビニル系共重合体、酢酸ビニル樹脂、酢
酸ビニル系共重合体、エチレン酢酸ビニル樹脂、ブチラ
ール樹脂、石油樹脂、ロジンエステル、マレイン化ロジ
ンエステル等の変性樹脂、乾性油、ボイル油等である。
【0028】熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹
脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、
アクリル樹脂、メタクリル−スチレン樹脂、ポリエステ
ル樹脂である。可塑剤としては、フタル酸エステル、ア
ジピン酸エステル、セバシン酸エステル、ポリエステル
可塑剤、エポキシ化大豆油等である。
【0029】又、必要に応じ、従来公知の顔料の分散剤
或いはフラッシング剤、例えば、高級脂肪族第一級、第
二級、第三級のモノアミンや高級脂肪族第四級アンモニ
ウム、高級脂肪族プロピレンジアミン或いはそれらの酢
酸塩、高級脂肪族塩等を併用することも本発明の目的達
成を妨げるものではない。
【0030】
【実施例】次に参考例及び実施例を挙げて更に本発明を
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りの無い限り重量基準である。 参考例1 撹拌機、温度計、水分計つき逆流コンデンサー及び投入
口を有する四ツ口のガラス製反応器及びオイルバスを準
備した。そこへ、無水メチルナジック酸60部、ブチレ
ングリコール30部、12−ヒドロキシステアリン酸3
01部、2−ナフトキシ酢酸67部及びトルエン153
部を仕込み、撹拌して溶解させた。溶解後、昇温させ、
縮合触媒としてp−トルエンスルホン酸6.9部を添加
した。反応液を120℃にてポリエステル化反応を進行
させた。溜出水分量及び反応物の赤外吸収スペクトルに
よって反応の進行を調べ、7時間で冷却し反応を終了し
た。
【0031】次いで、触媒をアルカリで中和し、トルエ
ンを溜去し、メタノールを加えて中和した触媒を抽出洗
浄し、次いでメタノールを溜去し、次いで10℃以下に
冷却した。得られた反応生成物はこはく色の液状物で、
赤外吸収スペクトル及びゲルパーミューションクロマト
グラフの分析チャートによって、12−ヒドロキシステ
アリン酸−メチルナジック酸−ブチレングリコール共縮
合のポリエステルの2−ナフトキシ酢酸との反応生成物
を主成分とするもの(分散剤1)であることが確認され
た。主成分の平均分子量は1,150乃至1,300で
あった。
【0032】上記参考例1と同様に反応を行ない下記の
分散剤を得た。分散剤2 ;無水メチルナジック酸−ブチレングリコール
−12−ヒドロキシステアリン酸(モル比1:1:3)
の共縮合ポリエステルのナフチル−1−酢酸との反応生
成物(主成分の平均分子量;1,150乃至1,30
0)。分散剤3 ;無水メチルナジック酸−ブチレングリコール
−12−ヒドロキシステアリン酸(モル比1:1:2)
の共縮合ポリエステルのテトラエチレングリコール−2
−ナフチルエーテルとの反応生成物(主成分の平均分子
量;1,000乃至1,150)。
【0033】分散剤4;無水メチルナジック酸−ブチレ
ングリコール−12−ヒドロキシステアリン酸(モル比
1:1:3)の共縮合ポリエステルのジエチレングリコ
ール−2−ナフチルエーテルとの反応生成物(主成分の
平均分子量;1,200乃至1,350)。分散剤5 ;無水メチルナジック酸−ブチレングリコール
−12−ヒドロキシステアリン酸(モル比1:1:2)
の共縮合ポリエステルのジプロピレングリコール−2−
ナフチルエーテルとの反応生成物(主成分の平均分子
量;950乃至1,100)。
【0034】分散剤6;無水メチルナジック酸−ブチレ
ングリコール−12−ヒドロキシステアリン酸(モル比
1:1:1)の共縮合ポリエステルのテトラエチレング
リコール−2−ナフチルエーテルとの反応生成物(主成
分の平均分子量;750乃至900)。分散剤7 ;無水メチルナジック酸−ブチレングリコール
−リシノール酸(モル比1:1:3)の共縮合ポリエス
テルの2−ナフトキシ酢酸との反応生成物(主成分の平
均分子量;1,150乃至1,300)。
【0035】分散剤8;無水メチルナジック酸−ブチレ
ングリコール−リシノール酸(モル比1:1:3)の共
縮合ポリエステルテトラエチレングリコール−2−ナフ
チルエーテルとの反応生成物(主成分の平均分子量;
1,250乃至1,450)。分散剤 9;ヘキサハイドロ無水フタル酸−ブチレングリ
コール−12−ヒドロキシステアリン酸(モル比2:
2:2)の共縮合ポリエステルのテトラエチレングリコ
ール−2−ナフチルエーテルとの反応生成物(主成分の
平均分子量;1,200乃至1,350)。
【0036】分散剤10;無水フタル酸−ブチレングリ
コール−12−ヒドロキシステアリン酸(モル比2:
2:2)の共縮合ポリエステルのテトラエチレングリコ
ール−2−ナフチルエーテルとの反応生成物(主成分の
平均分子量;1,200乃至1,350)。分散剤11 ;12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮合
ポリエステルのテトラエチレングリコール−2−ナフチ
ルエーテルとの反応生成物(主成分の平均分子量;1,
550乃至1,750)。
【0037】分散剤12;12−ヒドロキシステアリン
酸の自己縮合ポリエステルのペンタエチレングリコール
−2−ナフチルエーテルとの反応生成物(主成分の平均
分子量;1,600乃至1,800)。
【0038】分散剤13;リシノレイン酸の自己縮合ポ
リエステルのテトラエチレングリコール−2−ナフチル
エーテルとの反応生成物(主成分の平均分子量;1,5
50乃至1,750)。分散剤14 ;リシノレイン酸の自己縮合ポリエステルの
テトラエチレングリコール−2−ナフチルエーテルとの
反応生成物(主成分の平均分子量;800乃至90
0)。
【0039】実施例1 銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.ピグメントブル
ー15−3)の水性瀘過ケ−キ(顔料含有率42%)2
38部をフラッシャーに仕込み、40部の分散剤1を石
油系インキソルベント38.5部に溶解して添加し、常
法に従いながら混練し、フラッシングを行なった。この
フラッシングにおいては容易にケーキ中の水分が遊離
し、銅フタロシアニンブルー顔料は油性の該分散剤相に
移行した。更に水分を完全に除去し、銅フタロシアニン
ブルー顔料を含むフラッシドカラーが得られた。上記で
得られた銅フタロシアニンブルー顔料を含むフラッシド
カラーを用いてオフセット平版印刷インキを調製した。
【0040】 上記で得た銅フタロシアニンブルー顔料のフラッシドカラー(顔料分56%) 34.8部 オフセット平版インキ用調合ワニス 63.0部 5%コバルトドライヤー 0.2部 8%マンガンドライヤー 1.0部 インキソルベント 1.0部 合 計 100部
【0041】上記において、オフセット平版インキ用調
合ワ ニスは下記の配合のものである。 ロジン変性フェノール樹脂 35部 乾性油 25部 乾性油変性イソフタル酸アルキッド 10部 インキソルベント 29.5部 アルミニウムキレート 0.5部 合 計 100部
【0042】上記で得たインキを使用してオフセット印
刷機にて上質紙に印刷し、鮮明な藍色の印刷物を得た。
又、前記の銅フタロシアニンブルー顔料の水性瀘過ケー
キに代えて、ジスアゾイエロー顔料(C.I.ピグメン
トイエロー12)の水性瀘過ケーキ(顔料含有率27
%)、ブリリアントカーミン6B顔料(C.I.ピグメ
ントレッド57−1)の水性瀘過ケーキ(顔料含有率2
5%)を用いて上記と同様に操作してフラッシドカラー
を作り、次いで各々黄色及び紅色のオフセット平版イン
キを調製した。
【0043】同様にしてレーキレッドC顔料(C.I.
ピグメントレッド53−1)の水性瀘過ケーキからフラ
ッシドカラーを得、オフセット平版用金赤インキを得
た。又、銅フタロシアニングリーン顔料(C.I.ピグ
メントグリーン7)の水性瀘過ケーキからフラッシドカ
ラーを得、オフセット平版用草インキを得た。
【0044】それぞれフラッシングにおいては水の分離
が容易であり、顔料の優れた油相への移行を示し、イン
キの調製が容易であり、これらのインキを用いたオフセ
ット平版印刷においては鮮明で優れた印刷物が得られ
た。又、上記において使用した分散剤1に代えて分散剤
2乃至分散剤14を使用し、上記と同様優れた効果が得
られた。
【0045】実施例2 カーボンブラック顔料 20部 分散剤1 10部 オフセット平版インキ用調合ワニス 65部 合 計 95部 の配合にて三本ロ−ルでカーボンブラック顔料を混練及
び分散した。カーボンブブラック顔料はワニス中に非常
に良く分散した。
【0046】 上記で得たカーボンブラック顔料のワニス分散物 95部 5%コバルトドライヤー 0.2部 8%マンガンドライヤー 1.0部 インキソルベント 3.8部 合 計 100部 にて充分均一に混合及び混練し、カーボンブラックイン
キを得た。これを用いてオフセット印刷機にて印刷し、
黒度の高い墨色の印刷物を得た。又、上記において使用
した分散剤1に代えて分散剤2乃至分散剤14使用し上
記と同様優れた効果が得られた。
【0047】又、実施例で得られた黄色インキ、紅色イ
ンキ及び藍色インキに、上記で得た墨インキを加えて、
オフセット平版用プロセス黄インキ、プロセス紅イン
キ、プロセス藍インキ、プロセス墨インキとして四色プ
ロセス印刷を行ない、鮮明で美麗な多色刷り印刷物が得
られた。
【0048】実施例3 実施例1で得られた銅フタロシアニンブルー顔料のフラッシドカラー(顔料分 56%) 9.6部 ルチル型チタン白 2.0部 速乾性スチレン化アルキッド樹脂 72.6部 キシロール 6.6部 ミネラルスピリット 8.8部 6%ナフテン酸コバルト 0.3部 皮張り防止剤 0.1部 合 計 100部
【0049】上記の処方にて充分均一に混合・分散し、
機械、車輛等の金属材料用の常温乾燥型の青色の速乾エ
ナメルを得た。塗布したところ鮮明で美麗な塗装が行な
われた。又、上記において使用した分散剤1に代えて分
散剤2乃至分散剤14を使用し、以下上記と同様にして
優れた効果が得られた。
【0050】次に、実施例1の銅フタロシアニンブルー
顔料に代えて、ジスアゾイエロー(C.I.ピグメント
イエロー14)、4ーアミノフタルイミドをジアゾ化し
てアセトアセトアニライドとカップリングしたファース
トイエロー系顔料、ウオッチングレッド(C.I.ピグ
メントレッド48)、カーミンFB(C.I.ピグメン
トレッド3)の顔料の水性瀘過ケーキを使用して実施例
1と同様にしてフラッシングを行ない各々の顔料のフラ
ッシドカラーを得た。これらは上記塗料の組成において
銅フタロシアニン顔料に代えて使用し、各々の色の塗料
が得られ、鮮明で美麗な塗布板が得られた。
【0051】実施例4 銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15−3)の乾燥粉 砕顔料 10部 分散剤1 5部 キシロール 11部 ブタノール 4部 合 計 30部 にて連続式横型媒体分散機にて分散させ、銅フタロシア
ニンブルー顔料のキシロールブタノール混合溶媒の分散
液が得られた。
【0052】次いで以下の処方で塗料を調製した。 上記で得た銅フタロシアニンブルー及び分散剤1を含む溶剤分散液 3部 ルチル型チタン白 14部 熱可塑性アクリル樹脂 70部 トルオール 6.8部 キシロール 3.2部 ブタノール 2.2部 セロソルブ 0.8部 合 計 100部
【0053】これを自動車用アクリルラッカーエナメル
として使用して塗布し、鮮明で美麗な塗装が得られた。
又、上記において使用した分散剤1に代えて分散剤2乃
至14を使用し、上記と同様に優れた塗料が得られた。
【0054】
【効果】本発明で分散剤として使用する脂肪族ヒドロキ
シカルボン酸の残基と共に末端に炭素数8以上の芳香族
環又は複素環の基が導入されたポリエステル系オリゴマ
ーは、塗料、印刷インキ、プラスチック着色剤等の色材
分野において、従来顔料の分散剤として使用されていた
天然リン脂質のレシチンに見られたが如き酸化や酸敗に
よる変質、腐敗の恐れが無く、安定性に優れ、顔料の表
面改質や顔料の媒体への分散等に優れた効果を有するも
のである。
【0055】本発明で分散剤として使用する脂肪族ヒド
ロキシカルボン酸の残基と共に末端に炭素数8以上の芳
香族環又は複素環の基を導入されたポリエステル系オリ
ゴマーは疎水性の化合物であり、且つエステル結合を有
していることから、そのエステル結合の電荷的吸引性及
び分子端の炭素数8以上の芳香族環又は複素環、更には
炭化水素鎖の親油性等の作用により顔料の表面に吸着し
て顔料の媒体への湿潤性を向上させ、顔料の媒体への分
散性、流動性を良好にするものであり、又、顔料の水性
瀘過ケーキ等をフラッシングする際のフラッシング剤と
しても顔料の表面を親油性乃至疎水性にするものであ
り、顔料を容易に効率良くフラッシングすることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠田 孝光 千葉県柏市松ケ崎1170−41 (72)発明者 堀口 正二郎 埼玉県大宮市片柳2135

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料及び分散剤を含有する顔料組成物に
    おいて、該分散剤が、分子中に、脂肪族ヒドロキシカル
    ボン酸の残基と、末端に炭素数8以上の芳香族環又は複
    素環の基を含有し、エステル結合を主結合とする平均分
    子量10,000以下のポリエステル系オリゴマーであ
    ることを特徴とする顔料組成物。
  2. 【請求項2】 炭素数8以上の芳香族環又は複素環の基
    が、ビフェニル、ナフタレン、フルオレン、アンスラセ
    ン、アセナフテン、クマリン、キノリン又はカルバゾー
    ルから誘導される基である請求項1に記載の顔料組成
    物。
  3. 【請求項3】 炭素数8以上の芳香族環又は複素環が、
    1個の水酸基又は1個のカルボキシル基を有する化合物
    或いはそれらの誘導体によって導入されている請求項1
    に記載の顔料組成物。
  4. 【請求項4】 脂肪族ヒドロキシカルボン酸の残基が、
    リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヒマ
    シ油脂肪酸、水添ヒマシ油脂肪酸、デルタ−ヒドロキシ
    吉草酸又はε−ヒドロキシカプロン酸或いはそれらの誘
    導体によって導入されている請求項1に記載の顔料組成
    物。
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