JP2552228Y2 - エアコン据付台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ルームエアコンやパッ
ケージエアコンの室外機（単にエアコンと称する）を壁
面や屋根上、軒下等に設置するために使用する組立式の
エアコン据付台に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、エアコンの設置場所に応じた様々
なエアコン据付台が市販されているが、いずれの据付台
も基本的にはおおよそ次のような構造を有している。

【０００３】一対のベース上に防振ゴムを介してエアコ
ンを支持する。一対のベースは、水平部材に取付けら
れ、その取付位置をエアコンの横幅方向の脚間隔に応じ
て変更できる。防振ゴムも、ベースに沿って移動でき、
エアコンの奥行き方向の脚間隔に応じて取付位置を変更
できる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、各部材自体に
は何らの表示がないので、ベースや防振ゴムの取付位置
を決める場合、従来はメジャーを用いたり、あるいは棒
などを用いて現物合わせ等を行ったり、その作業が大変
であった。特に、エアコン据付台が組立式であるため、
ベースは水平部材から分離独立しており、その取付位置
を決める場合は、水平部材にメジャー等を当て、ベース
の取付位置を割り出した後、その位置に印を付け、ベー
スを固定するという手順を踏む必要があった。

【０００５】エアコンを狭いベランダや屋根上等に設置
する場合は、このような作業は危険であるだけでなく、
充分正確に寸法を割り出し難く、特に防振ゴムの位置は
エアコンの取付穴に正確に対応させる必要があるにもか
かわらず、寸法の割り出しが正確に行われないという問
題もあった。またエアコンを屋根上に設置する場合に
は、ベースが水平になるように取付ける必要があるが、
実際には屋根の傾斜はい ろいろ変わってくるので、それ
に応じてベースを水平に取付けることはかなり困難であ
ったものであった。

【０００６】本考案はかかる事情に鑑みて創案されたも
のであり、水平部材から分離独立したベースを有する組
立式であるにもかかわらず、そのベースを正規の取付位
置に簡単かつ正確に取付けすることができるエアコン据
付台を提供することを目的としている。またエアコンを
屋根上に設置する場合に安全にまた素早くこれを設置す
ることができるエアコン据付台を提供することを目的と
している。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案にかかるエアコン
据付台は、防振ゴムを介してエアコンを支持する一対の
ベースと、一対のベースから独立しており且つそのベー
スを間隔をあけて支持する水平部材とを具備し、エアコ
ンの横幅に応じて前記ベースが前記水平部材の長手方向
において取付位置を任意に変更できると共に、エアコン
の奥行きに応じて前記防振ゴムが前記ベースの長手方向
において取付位置を任意に変更できる組立式のエアコン
据付台において、ベースを対称的に取付けた場合のベー
ス間隔を表す目盛り又は目盛りと矢印を前記水平部材に
設けたことを特徴としている。さらに、傾斜屋根用のエ
アコン据付台において、前記一対のベースが脚を介して
前記水平部材に取付けられ、脚に対するベースの取付高
さを変更できると共に、屋根の傾斜を角度と勾配で表す
目盛りを前記脚に設けたことを特徴としている。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照して本考案の実施例を説明
する。図１は傾斜屋根用のエアコン据付台の斜視図、図
２は同据付台の水平部材に設けた目盛りを示す正面図、
図３は同据付台の脚に設けた目盛りを示す正面図、図４
は同据付台の他の実施例を示す部分的斜視図、図５は図
４のベースに設けた目盛りを示す正面図、図６は同据付
台の水平部材に設けた目盛りを示す正面図、図７は平地
用のエアコン据付台 の斜視図、図８は図７の据付台の水
平部材に設けた目盛りを示す正面図をそれぞれ示してい
る。

【０００９】図１において、１はベース、２および７は
水平部材をそれぞれ示している。エアコンは一対のベー
ス１、１上にボルト９を用いて締付固定される。

【００１０】ベース１、１の後端は、水平部材２に連結
され、水平部材２の長手方向の任意の位置に固定可能な
構造になっている。１４は引留めステーであり、これに
よってエアコン据付台は壁面に連結固定される。

【００１１】ベース１、１の前端部は下方に屈曲してお
り、その下端部が脚４、４にボルト５、５によって連結
されている。ボルト５は、脚４に設けた長孔４ａ内を移
動でき、これによりベース１、１が水平になるように、
脚４におけるベース１の取付位置が調節される。

【００１２】脚４、４の下端にはブラケット６、６が取
付けられている。ブラケット６、６は、下側の水平部材
７内にスライド可能に嵌合し、ボルト８、８によって任
意の位置に固定可能である。同様の連結構造はベース
１、１と上側の水平部材２の連結にも用いられている。

【００１３】そして、水平部材２におけるベース１、１
の取付位置および水平部材７における脚４、４の取付位
置を変えることによって、ベース１、１の間隔がエアコ
ンの横幅方向の脚間隔に応じて調節される。

【００１４】ベース１には防振ゴム３、３が装着されて
いる。防振ゴム３、３は、ベース１、１上に固定された
エアコンとベース１、１の間に介在して、エアコンの振
動がエアコン据付台に伝わるのを防ぐ。各防振ゴム３
は、ベース１に設けた長孔１ａに沿ってベース１の長手
方向に移動できる。これにより、防振ゴム３、３の間隔
がエアコンの奥行き方向の脚間隔に応じて調節される。

【００１５】図２に示すように、水平部材２の両端部分
（中央部分を除く部分）にはベースを対称的に取付けた
場合のベース間隔を表す目盛りが表示（例えば刻印）さ
れている。すなわち、４０というのはベースを対称的に
取付けたときのベース間隔が４０センチメートルになる
数字であって、目盛り線と数字を含んで目盛り２ａとい
う。

【００１６】水平部材７の両端部分にも、水平部材２に
設けた目盛りと同様の目盛り７ａが設けられている。ま
た１方向を示す矢印も表示されている。この矢印は必ず
しも必要ではないが、あればより便利である。すなわ
ち、矢印の意味はベース間隔を拡張するときには、この
矢印方向にベースを広げなさいという意味であって、危
険な屋根上においての背中をかがめての下向きの作業中
において感覚的にも安全を確保できるという効果があ
る。

【００１７】また、脚４、４には、脚４、４におけるベ
ース１、１の取付位置を示す目盛りが設けられている。
図３に示すように、屋根の傾斜を角度と勾配で表し、そ
の数字と目盛り線を含んで目盛り４ｂという。屋根の傾
斜が例えば２０゜（勾配３寸５分）の場合、その目盛り
のところにベース１を固定すれば、ベース１が水平にな
るものである。特に屋根上においては、メジャー等を使
いにくく正確を期しがたいので、予め目盛りを施してお
き、屋根の傾斜を確認し、その傾斜のところにベースを
載せるようにすれば楽に作業が済む。

【００１８】本エアコン据付台では、水平部材２、７に
設けた目盛りを用いることにより、ベース１、１の間隔
をエアコンの横幅方向の脚間隔に合わせることができ
る。また、脚４、４に設けた目盛りを用いることによ
り、ベース１、１を楽に水平にすることができる。

【００１９】図４に他の実施例を示す。本エアコンは壁
面用である。

【００２０】一対のベース１、１は、垂直部材１０、１
０の下端部にボルト１１、１１を用いて片持ち支持され
ている。各ベース１には、前後一対の防振ゴム３、３が
装着されている。後方の防振ゴム３は、ベース１に設け
た長孔１ａに沿ってベース１の長手方向に移動でき、こ
れによりエアコンの奥行き方向の脚間隔に応じて防振ゴ
ム３、３の間隔が調節される。

【００２１】ベース１の上面には、長孔１ａの側方に位
置して目盛りが設けられている。目盛り１ｂは図５に示
すように、前方の防振ゴム３の取付中心からの距離を表
し、寸法を示す数字および目盛り線を含むものである。
なお、前方の防振ゴム３は、ベース１の前端部に設けた
切り込み１ｃに嵌合固定される。

【００２１】垂直部材１０、１０は水平部材２に吊り下
げられ、水平部材２の長手方向に自由に移動できると共
に、ボルト１２、１２によって水平部材２の長手方向の
任意の位置に固定可能である。水平部材２の申央部分を
除く部分には、ベース１、１の取付位置を表す目盛り
（目盛り線と数字）２ａが設けられている。目盛りは図
６に示すように、ベース１、１を水平部材２に対称的に
取付けた場合のベース１、１の間隔を表している。

【００２２】本エアコン据付台では、ベース１、１に設
けた目盛りを用いることにより、防振ゴム３、３の間隔
をエアコンの奥行き方向の脚間隔に合わせることができ
る。また、水平部材２に設けた目盛りを用いることによ
り、ベース１、１の間隔をエアコンの横幅方向の脚間隔
に合わせることができる。

【００２３】図７に本考案の他の実施例を示す。本エア
コン据付台は平地用であり、ベース１、１を２段に設け
てエアコンを２段置きできるようになっている。各ベー
ス１、１は前後一対の水平部材２、２間に架装されてい
る。水平部材２、２は、両側の連結部材１３、１３によ
って連結されて、４本の垂直部材１０に取付けられてい
る。そして、前方の水平部材２の水平部材２の中央部分
を除く部分には、他のエアコン据付台と同様に、ベース
１、１の間隔を表す目盛り（目盛り線と数字）２ａ、２
ａが設けられている（図８参照）。

【００２４】本考案は、各種エアコン据付台にその機種
を問わず実施できる。目盛りは通常、水平部材２におい
てベース１、１の取付位置を表すもの（目盛り２ａ）、
べース１において防振ゴム３、３の取付位置を表すもの
（目盛り１ｂ）、脚４、４においてベース１、１の取付
位置を表すもの（目盛り４ｂ）の３種類であるが、これ
らの目盛りを全て備える必要はなく、少なくとも１種類
を備えていれば良い。通常はエアコン据付台の構造等の
関係から、水平部材２においてベース１、１の取付位置
を表す目盛り２ａを設け、他を必要に応じて設ける構成
となる。またこれら目盛りは刻印によらず例えばシール
等によって目盛りを設けることも可能である。

【００２５】

【考案の効果】以上、本考案にかかるエアコン据付台
は、部材位置を表す目盛りを具備しているので、ベース
や防振ゴムのような取付位置を決めるべき部材を取付け
る場合に、メジャーを使う必要がない。本来室外機の取
付場所は狭いところや危険なところが多い上に、各種の
エアコン（室外機）に対応する必要があり、しかもこれ
を水平に設置することも要請されるものである。 従っ
て、その位置決め作業を簡単に素早く且つ正確に行うこ
とができる本考案は大変にメリットの多いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すエアコン据付台の斜視
図である。

【図２】同据付台の水平部材に設けた目盛りを示す正面
図である。

【図３】同据付台の脚に設けた目盛りを示す正面図であ
る。

【図４】本考案の他の実施例を示すエアコン据付台の斜
視図である。

【図５】同据付台のベースに設けた目盛りを示す正面図
である。

【図６】同据付台の水平部材に設けた目盛りを示す正面
図である。

【図７】本考案の更に他の実施例を示すエアコン据付台
の斜視図である。

【図８】同据付台の水平部材に設けた目盛りを示す正面
図である。

【符号の説明】

１ ベース １ｂ 目盛り ２ 水平部材 ２ａ 目盛り ３ 防振ゴム ４ 脚 ４ｂ 目盛り ７ 水平部材 ７ａ 目盛り

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 防振ゴムを介してエアコンを支持する一
   対のベースと、一対のベースから独立しており且つその
   ベースを間隔をあけて支持する水平部材とを具備し、エ
   アコンの横幅に応じて前記ベースが前記水平部材の長手
   方向において取付位置を任意に変更できると共に、エア
   コンの奥行きに応じて前記防振ゴムが前記ベースの長手
   方向において取付位置を任意に変更できる組立式のエア
   コン据付台において、ベースを対称的に取付けた場合の
   ベース間隔を表す目盛り又は目盛りと矢印を前記水平部
   材に設けたことを特徴とするエアコン据付台。
2. 【請求項２】 前記防振ゴムの取付位置を表す目盛りを
   前記ベースに設けたことを特徴とする請求項１に記載の
   エアコン据付台。
3. 【請求項３】 前記一対のベースが脚を介して前記水平
   部材に取付けられ、脚に対するベースの取付高さを変更
   できると共に、屋根の傾斜を角度と勾配とで表す目盛り
   を前記脚に設けたことを特徴とする請求項１または２に
   記載のエアコン据付台。