JP4253771B2 - 室内機の据付板及び空気調和機 - Google Patents

Description

本発明は、空気調和機の室内機を壁等に据付けるための据付板の構造及びこの据付板使用の空気調和機に関するものである。

従来の壁掛形空気調和機の室内機を壁に据付けるための据付板には、据付板の中央部に所定長さの刻印した水平線部を形成し、この水平線部の両端部に上下方向を水平線と同じ高さとし、手前前方に向けて切起した切起しを一対設けたものがある（例えば、特許文献１参照）。

また、据付板に据付板の水平を示す水準器を取付け、据付板の水平をこの水準器で確認しつつ、据付板を壁に固定するものがある（例えば、特許文献２参照）。
実開平３−７３８３３号公報（第４頁、第５頁、第２図） 実開平１−１６７５２１号公報（第５頁、第１図）

しかしながら、上記の特許文献１の据付板では、一対の切起しを所定の間隔で設けているので、この間隔より短い水準器を用いる場合は、切起しに水準器を乗せることができず、据付板を水平に調整し難い。また、短い水準器も使用できるように一対の切起しの間隔を小さくすると、長い水準器があっても、間隔の小さな切起しに乗せるため、長い水準器のメリットが有効に生かせない。
また、特許文献２の据付板は、据付板に水準器が設置されているので、据付板が高価となる。

本発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、室内機を壁等に据付板により設置する際、長さが短い水準器を使用できるとともに、長い水準器も有効に活用でき、容易に水平据付けができる高価格でない据付板を提供することを目的とする。

本発明の室内機の据付板は、壁等に取付ける室内機の据付板であって、板面の中央部に、板面に垂直で、手前前方に突出し、左右方向に所定のより長い間隔で配列する一対の長ピッチ突出部と、該一対の長ピッチ突出部の左右方向配列線と左右方向配列線が平行で、板面上で上下方向に所定の距離離して、同じく形成した、左右方向に所定のより短い間隔で配列する一対の短ピッチ突出部とを備え、壁等に取付けるとき、長ピッチ突出部と短ピッチ突出部の左右方向配列線が水平となるとき、左右方向に傾きのない水平取付けとなるものである。

本発明の据付板は、長ピッチ突出部と短ピッチ突出部とを備えたので、室内機を壁等に据付板により設置する際、据付板の水平出しに、長さが長い水準器は長ピッチ突出部に乗せ水平を出すことにより、容易に水平を出すことができ、長い水準器のメリットを生かした有効活用ができるとともに、短い水準器でも短ピッチ突出部に乗せ、据付板の水平を出すことができる。また、水準器は、据付板に備え付けではないので、据付板は高価格とはならない。

実施の形態１．
図１は、本発明の実施の形態１の空気調和機の室内機の据付板を示す斜視図であり、図２は、壁に固定した図１の据付板を示す側面図であり、図３は、図１の据付板で壁に固定した室内機を示す側面図である。
これらの図において、据付板１は、室内機２の裏面とほぼ同じ大きさの板状体であり、上部には、室内機２の裏面側を取付ける一対の係止部３、３が設けられている。この係止部３、３は、据付板１の上端部を一旦手前に曲げ、さらにこの左右の端部に一対の上方への突出部を設けたものである。室内機２は、この上方に突出する係止部３、３に、裏面側の引掛部を引掛けることにより取付けられる。
据付板１の板面上で、ほぼ中央部に、係止部３、３の一対の係止部端面３ａ、３ａを結んだ線と平行に、所定の間隔離れた一対の長ピッチ切起し４、４（左右方向に所定のより長い間隔で配列した一対の長ピッチ切起し４、４）を横並びに形成する。また、同じく一対の係止部端面３ａ、３ａと平行に、長ピッチ切起し４、４の間隔より短い間隔である、所定の間隔離れた一対の短ピッチ切起し５、５（左右方向に所定のより短い間隔で配列した一対の短ピッチ切起し５、５）を横並びに形成する。
即ち、左右方向に配列した一対の長ピッチ切起し４、４を結んだ線である長ピッチ切起し４、４の左右方向配列線と、左右方向に配列した一対の短ピッチ切起し５、５を結んだ線である短ピッチ切起し５、５の左右方向配列線とは平行となり、また、これらは係止部３、３の一対の係止部端面３ａ、３ａを結んだ線と平行である。
そして、一対の短ピッチ切起し５、５は、一対の長ピッチ切起し４、４の上方に所定の間隔をおいて配置される。
これらの切起し４、４、５、５は、据付板１の小部分を手前前方に、板面に垂直に切起したものである。
また、据付板１には、壁６にネジ７により取付けるための複数のネジ穴８が板面に設けられている。

ここで、この据付板１を使用して、室内機を壁に取付ける手順を説明する。
まず、据付板１の板面の中央付近の一箇所のネジ穴８にネジ７を通し、据付板１を壁６に仮止めする。
次に、水準器９を一対の切起し４、４、（５、５）に乗せる。この際、水準器９の長さにより長ピッチ切起し４、４または短ピッチ切起し５、５を選択するが、長ピッチ切起し４、４を優先させる。即ち、まず水準器９を長ピッチ切起し４、４に乗せることを試み、水準器９の長さが短い場合は、短ピッチ切起し５、５に乗せる。
そして、水準器９を見ながら仮止めした据付板１の傾きを調整して、水平位置を決定し、適宜複数のネジ７により据付板１を壁６に水平固定する。
次に、据付板１の係止部３、３に室内機２の引掛部を引掛けることにより室内機２を壁６に取付ける。
このように、仮止め据付板１の水平出しに水準器９を切起しに乗せるとき、長ピッチ切起し４、４を優先させるので、間隔の大きな長ピッチ切起し４、４に水準器を乗せ水平を出すことにより、水平出しが容易となり、長い水準器の有効活用ができる。また、水準器９が短い場合は、短ピッチ切起し５、５に乗せることにより、水平を出すことができる。
なお、このようにして設置した室内機は、屋外等に設置した室外機と冷媒配管により配管接続して空気調和機として使用する。

本実施の形態の据付板１は、板面に長ピッチ切起し４、４と短ピッチ切起し５、５とを設けているので、室内機を壁等に据付板１により設置する際、据付板１の水平だしに、長さが長い水準器９は長ピッチ切起し４、４に乗せ水平を出すことにより、容易に水平を出すことができ、長い水準器９の有効活用ができるとともに、短い水準器９でも短ピッチ切起し５、５に乗せ、据付板１の水平を出すことができる。また、水準器９は、据付板１に備え付けではないので、据付板１は高価格とはならない。

実施の形態２．
本実施の形態の据付板１は、図４に示すように、実施の形態１の据付板１の長ピッチ切起し４、４と短ピッチ切起し５、５との配置を板面上で上下関係を逆に、即ち、長ピッチ切起し４、４を上に配置したものである。その他の構造は、実施の形態１の据付板１と同様である。
本実施の形態の据付板１は、長さの長い水準器９を長ピッチ切起し４、４に乗せる際、水準器９の高さ寸法が大きすぎて、短ピッチ切起し５、５が邪魔になり乗せることができない等の問題を回避できる。

実施の形態３．
本実施の形態の据付板１は、図５に示すように、実施の形態１または実施の形態２の据付板１の板面上で、長ピッチ切起し４、４と短ピッチ切起し５、５の配置付近の板面上に、これらの切起し４、４、５、５上に水準器９を載置することを明示した表示部１０を設ける。その他の構造は、実施の形態１または実施の形態２の据付板１と同様である。明示は、表示したラベルを板面に貼付する、板面に直接記載する等いずれでもよい。
本実施の形態の据付板１は、表示部１０を設けることにより、作業者が目視にて容易に切起し４、４、５、５の活用方法を判断することができる。
なお、後述の実施の形態４、５の据付板１にも表示部１０を設けて、同様の効果を得ることができる。

実施の形態４．
本実施の形態の据付板１は、図６に示すように、実施の形態１〜実施の形態３のいずれかの据付板１において、長ピッチ切起し４、４の切起し面積を短ピッチ切起し５、５の切起し面積より大きくしたものである。その他の構造は、実施の形態１または実施の形態２の据付板１と同様である。
本実施の形態の据付板１は、長ピッチ切起し４、４の切起し面積を短ピッチ切起し５、５の切起し面積より大きくしたので、長さの長い水準器９を安定して長ピッチ切起し４、４に乗せることができ、据付板１の水平だしが容易となる。

実施の形態５．
本実施の形態の据付板１は、図７に示すように、実施の形態１〜実施の形態４のいずれかの据付板１において、長ピッチ切起し４、４、短ピッチ切起し５、５の代りに、それぞれ同様の間隔の長ピッチ絞り部１１、１１、短ピッチ絞り部１２、１２としたものである。その他の構造は、実施の形態１または実施の形態２の据付板１と同様である。
なお、長ピッチ絞り部１１、短ピッチ絞り部１２の絞り部は、絞り加工を施して形成する凸部である。
本実施の形態の据付板１は、水準器９を据付板１上に設けた長ピッチ絞り部１１、１１または短ピッチ絞り部１２、１２に乗せて据付板１の水平の調整ができるので、長ピッチ切起し４、４、短ピッチ切起し５、５のように、スプリングバックによって切起しの水平度がでにくい、または切起しの端面が鋭利であり作業者が怪我を負う危険性がある等の不具合を回避することができ、据付板１の水平だしが容易となる。

室内機を壁等に取付けるのに、実施の形態１〜実施の形態５のいずれかの据付板１を使用して取付けることにより、それぞれの据付板１の効果を享受することができる。

上記実施の形態において、据付板１の板面に設け、水準器９を乗せ据付板１の水平をだすものとして、切起し及び絞り部について説明したが、これらに限定することはない。
例えば、断面Ｌ字状の部材の一面を据付板１の板面に固定し、他の面を据付板１の板面から突出するように一対の断面Ｌ字状の部材を上記実施の形態と同様に配置し、一対の他の面に水準器９を乗せる等でもよい。
要するに、据付板１の板面のほぼ中央部に、板面に垂直で、手前前方に突出し、左右方向に所定のより長い間隔で配列する一対の長ピッチ突出部と、該一対の長ピッチ突出部の左右方向配列線と左右方向配列線が平行で、板面上で上下方向に所定の距離離して、同じく形成した、左右方向に所定のより短い間隔で配列する一対の短ピッチ突出部とを備えるようにすれば、長い水準器は長ピッチ突出部に乗せ水平を出すことにより、容易に水平を出すことができ、長い水準器のメリットを生かした有効活用ができるとともに、短い水準器でも短ピッチ突出部に乗せ、据付板の水平を出すことができ、また、水準器は、据付板に備え付けではないので、据付板は高価格とはならないという効果が得られる。
また、突出部に関して実施の形態２、３、４と同様にすることにより、それぞれ同様の効果が得られる。

本発明の実施の形態1の空気調和機の室内機の据付板を示す斜視図である。 壁に固定した図１の据付板を示す側面図である。 図１の据付板で壁に固定した室内機を示す側面図である。 本発明の実施の形態２の空気調和機の室内機の据付板を示す斜視図である。 本発明の実施の形態３の空気調和機の室内機の据付板を示す斜視図である。 本発明の実施の形態４の空気調和機の室内機の据付板を示す斜視図である。 本発明の実施の形態５の空気調和機の室内機の据付板を示す斜視図である。

符号の説明

１ 据付板、４ 長ピッチ突出部（長ピッチ切起し）、５ 短ピッチ突出部（短ピッチ切起し）、９ 水準器、１０ 表示部、１１ 長ピッチ突出部（長ピッチ絞り部）、１２ 短ピッチ突出部（短ピッチ絞り部）。

Claims (7)

1. 壁等に取付ける室内機の据付板であって、
   板面の中央部に、板面に垂直で、手前前方に突出し、左右方向に所定のより長い間隔で配列する一対の長ピッチ突出部と、該一対の長ピッチ突出部の左右方向配列線と左右方向配列線が平行で、板面上で上下方向に所定の距離離して、同じく形成した、左右方向に所定のより短い間隔で配列する一対の短ピッチ突出部とを備え、
   壁等に取付けるとき、前記長ピッチ突出部と前記短ピッチ突出部の左右方向配列線が水平となるとき、左右方向に傾きのない水平取付けとなることを特徴とする室内機の据付板。
2. 前記一対の長ピッチ突出部を、前記一対の短ピッチ突出部より板面上で、上方に設けたことを特徴とする請求項１に記載の室内機の据付板。
3. 板面上で、前記長ピッチ突出部及び前記短ピッチ突出部の近傍に、これらの突出部に水準器を乗せることを明示した表示部を設けたことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の室内機の据付板。
4. 前記長ピッチ突出部が、小部分を手前前方で、板面に垂直に切起して形成した、左右方向に所定のより長い間隔で配列する一対の長ピッチ切起しであり、また、前記短ピッチ突出部が、前記一対の長ピッチ切起しの左右方向配列線と左右方向配列線が平行で、板面上で上下方向に所定の距離離して、同じく形成した、左右方向に所定のより短い間隔で配列する短ピッチ切起しであることを特徴とする請求項１〜請求項３のいずれかの請求項に記載の室内機の据付板。
5. 前記長ピッチ切起しの切起し面積を、前記短ピッチ切起しの切起し面積より大きくしたことを特徴とする請求項４に記載の室内機の据付板。
6. 前記長ピッチ突出部が、左右方向に所定のより長い間隔で配列する一対の長ピッチ絞り部であり、また、前記短ピッチ突出部が、前記一対の長ピッチ絞り部の左右方向配列線と左右方向配列線が平行で、板面上で上下方向に所定の距離離して、同じく形成した、左右方向に所定のより短い間隔で配列する短ピッチ絞り部であることを特徴とする請求項１〜請求項３のいずれかの請求項に記載の室内機の据付板。
   
7. 請求項１〜請求項６のいずれかの請求項に記載の据付板により壁等に取付けられた室内機と、室外機とを冷媒配管で配管接続したことを特徴とする空気調和機。
   

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