JP2552191Z - - Google Patents
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【考案の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この考案は、パイプ、チューブ等の管状体をボディに保持させるためのクラン
プに係り、特に管状体内部を流れる流体の流動音あるいは管状体内部の脈動(圧 力変化)に伴う振動をボディ側へ伝えないようにした防振機能を有するクランプ
に関するものである。 (従来の技術) 例えば、自動車のブレーキシステムにおいてはブレーキパイプ(以下、管状体
と呼ぶ)によって油圧配管がなされている。この管状体はその途中の数箇所をボ
ディパネルへ固定するようにしており、各固定箇所には従来より第11,12図
に示すようなクランプが使用されてきた。これらの図に示すように、クランプの
構成としては、管状体3に取り付けられるゴム製のインナークランプ50と、こ
のインナークランプ50を挟み込んでボディ側への固定を行う金属製のアウター
クランプ51との2部材により構成されてきた。このように、ゴム製のものを介
在させる理由は、管状体3内で圧油の流動音が生じた場合、あるいは圧油の脈動
に伴う振動が生じた場合に、これらを有効に吸収してボディ側へ伝えないように
するためである。 従来の固定作業を説明すると、まずインナークランプ50を管状体3の所定位
置に接着剤を介して取付ける。実際には、管状体3に接着剤を塗布しておいた後
、作業者がナイフによってインナークランプ50を縦方向に切り裂き、その切り
口を拡げながら管状体3へ嵌め付けることによってなされる。次に、インナーク
ランプ50の両フランジ50aの間の部分へアウタークランプ51の折り返し部
に形成された管状体保持部52をあてがって閉じる。この閉じた状態では、一方
の片は他方に形成された弾性係合片53と弾性的に係合して再び開放状態に戻っ
てしまうのが規制され、これによりアウタークランプ51はインナークランプ5
0に対して仮の取付け状態となる。こうして、管状体3に対してクランプを取付
けた後、ボディパネルB側に立設されたスタッドボルト6へアウタクランプ51
のボルト挿通孔54a,bを差込み、ナット55にて締付けてやることにより管
状体3の固定が完了する。 (考案が解決しようとする課題) 従来形式のクランプには次のような問題点がある。 まず、上記形式のクランプはインナー・アウターの2部材で構成されているた
め、しかもアウタークランプ51は金属製であるため製造コストが高くなり、ま た取付け作業時にボディパネルbを傷付けてしまうこともある。さらに、管状体
3に対しては別個に取付けを行う必要があるため、工数が増えて作業効率がよく
ない。 また、アウタークランプ51自体はボルト6に対して単に差込むだけで保持機
能がないため、ナット55で締め付けを行う場合にはアウタークランプ51が抜
け落ちないよう、手で押さえていなければならず作業がしずらい。 本考案は上記した問題点に鑑み、管状体を確実に固定することができ、併せて
製造コストの低減と、作業性の向上を図ることのできる防振クランプを提供する
ことを目的とする。 〔課題を解決するための手段〕 上記の目的を達成するための本考案の構成は、管状体をボディ側へ固定するた
めの防振クランプにおいて、硬質の樹脂材により一次成形された一対のクランプ
片が薄肉ヒンジ部を介して開閉可能に接続されるとともに、前記クランプ片の対
向面には前記管状体を挟持可能でかつ吸振・吸音性を有する軟質樹脂材によって
二次成形される防振部が積層状に配設され、前記クランプ片の対向面には前記防
振部に対する連結部が、前記対向面との間に隙間を保有しつつ両端を前記対向面
につないだブリッジ状に形成され、この連結部においては前記防振部を成形する
ときに前記隙間内へ前記防振部の成形肉が回り込み、前記連結部を全周から取り
囲むようになることで、前記防振部の剥離を規制可能な構成となっていることを
特徴とするものである。 また、クランプ片には前記ボディ側への固定のためのスタッド固着部を形成し
、このスタッド固着部には前記ボディに立設された係止軸が挿入される差込み孔
が貫通されかつこの差込み孔には前記係止軸と係脱自在な仮止め手段が設けられ
るようにしてもよい。 さらに、管状体を挟み込んだ状態で、薄肉ヒンジ部が高さ方向へ伸び変形する
のを規制するためには、両クランプ片の少なくとも一方の対向面に対向するクラ
ンプ片あるいは薄肉ヒンジ部に対して両クランプ片が閉止されたときに係合する
規制手段が設けられるようにすればよい。 さらにまた、差込み孔には前記係止軸に対する締着用のナットが、その回動操 作に伴って破断される接続手段を介して取り付けられるようにしてもよい。 (作用) クランプを管状体に取り付ける場合には、両クランプ片を閉じて挟み込んでや
ればよく、これにより管状体は吸振・吸音性を有する防振部によってその外周部
分が覆われる。管状体をボディに固定する場合には、まずクランプ片の差込み孔
を係止軸へ挿入する。この場合において、差込み孔に仮止め手段が設けられたも
のでは、これが係止軸に係合するため、クランプ全体をボディに対して仮保持さ
せた状態で、例えばナット等の締着手段によって固定を行うことができる。 クランプが管状体を取付けた状態では、規制手段が両クランプ片間、あるいは
一方のクランプ片と薄肉ヒンジ部との間の間隔が広がるのを規制するため、薄肉
ヒンジが高さ方向へ伸び変形し、ついには破断に至るような事態が未然に回避さ
れる。 さらに、クランプに予めナットを一体化させておいたものでは、締着操作に伴
ってクランプ側との接続を解離させることができる。 (実施例) 以下、本考案を具体化した実施例を図面にしたがって詳細に説明する。 −第1実施例− 第1図から第3図はそれぞれ第1実施例を示すものである。この例におけるク
ランプC1は一対のクランプ片1a,bを薄肉ヒンジ部2を介して開閉自在に接
続したものであり、共にポリプロピレン、ポリアセタール等の硬質樹脂材により
成形された硬質部分と、後述するように管状体3を挟み付けるためのペルプレン
等の軟質樹脂材により成形された軟質部分とからなり、これらを一体化した構成
となっている(一体化させるための構成についても後述する)。 まず、硬質部分から説明すると、一方のクランプ片1a(第2図における左側
のクランプ片。以下、第1クランプ片1aという)は管状体3を受け入れるため
のU溝部4が、薄肉ヒンジ部2に連続して形成されており、このU溝部4の内部
は管状体3の外径とほぼ同じ高さを有すると共に、その開口側は管状体3の受け
入れを容易にするために、拡開して形成されている。また、U溝部4における薄
肉ヒンジ部2と反対側の上縁部にはボディパネルBへの固定のためのスタッド固 着部5が外方へ張出し形成されている。このスタッド固着部5にはボディパネル
Bに植設されたスタッドボルト6へ差込むための第1差込み孔7aが形成されて
いる。また、スタッド固着部5の外側縁には係止縁8が形成されており、クラン
プC1の閉止動作に伴って他方側のクランプ片1b(第2図における右側の片。
以下、第2クランプ片1bという)の先端縁に形成されたロック爪9と係合可能
となっている。このロック爪9が形成されている折曲げ片10の付け根部分の中
央部は肉抜き11がされており、折曲げ片10の撓み変形を容易にして係止縁8
に対するロック爪9の係合が円滑になされるようにしてある。また、第2タラン
プ片1bには両クランプ片1a,bを閉止しロック爪9が係止縁8に係合した時
に、前記第1差込み孔7aと整合してスタッドボルト6を挿通可能とする第2差
込み孔7bが開口している。この第2差込み孔7bは第1図に示すように、本実
施例においては角孔となっており、その開口縁において向かい合う位置にはスタ
ッドボルト6のねじ軸の基部に係脱自在な一対の仮止め爪12が形成されている
。 なお、この実施例では第2差込み孔7bに仮止め爪12を形成したが、第1差
込み孔7aに差込み孔7aに設けてもよく、また双方に設けても良い。 次に、軟質部分について説明すると、軟質部分は管状体3の内部の流動音や脈
動に伴う振動を吸収するための防振部としての役割を果たすものであり、この実
施例においては防振部13a,bはU溝部4の内側と第2クランプ片1bにおい
てU溝部4と対向する位置にそれぞれ独立して配置されている。そして、両クラ
ンプ片1a,bを閉じた状態では両防振部13a,bは管状体3の外周部分を全
周に亘って密着できる空間を保有して向き合うような配置、および形状となって
いる。 両防振部13a,bにおいて軟質部分と硬質部分とを一体化させるための手段
を説明すると(第2図参照)、第1実施例においては硬質部分にブリッジ14a〜
dを形成している。すなわち、ブリッジ14a,bを第1クランプ片1aにおい
てはU溝部4の底面と両側面とをつなぐ部分において、共にほぼ全幅に亘って形
成され、第2クランプ片1bにおいては防振部13bの両側の裾野を形成する部
分に対して共にほぼ全幅に亘って形成されている。そして、軟質部分を成形する
に際してこのような各ブリッジ14a〜dに対してブリッジの内側へ軟質樹脂が 入り込ませ、ブリッジ14a〜dの内側に入り込んだ部分とブリッジの上側を覆
う部分とを、ブリッジの端面(第2図における手前側の面と奥側の面)において
繋げ、これによって防振部13a,bの抜け止めを図っている。 次に、管状体3の固定作業について説明すると、まず管状体3に対してクラン
プC1の取付けを行うために、管状体3を第1クランプ片1a側の防振部13a
に適合させ、第2クランプ片1bを薄肉ヒンジ部2を中心として閉止させる。こ
れによって、ロック爪9が係止縁8に係合すると、管状体3はその外周面の全周
が防振部13a,bにより弾性力をもって挟み付けられる。なお、この際に、接
着剤を介在させておいてもよい。 こうして、管状体3に対するクランプC1の先付け作業が完了したら、第2ク
ランプ片1b側をボディパネルBに密着させるようにして、整合状態にある両差
込み孔7a,bをボディパネルB側のスタッドボルト6へ押し込む。これにより
、仮止め爪12がスタッドボルト6のねじ軸部に緩く係合するため、クランプC
1および管状体3はボディパネルB側にそのまま保持される。したがって、管状
体3を第2図に示すような天井面へ固定する場合に、作業者が手でクランプC1
を押さえていなくともナット15の締付け作業を行うことができるため、作業が
しやすい。以上のようにしてボディパネルBに対する固定作業が完了すれば、管
状体3は防振部13a,bの防振・防音機能により、内部を流れる液体による流
動音あるいは振動がボディパネルBに伝わるのが有効に抑制される。そして、第
1実施例ではクランプC1が従来と異なり、単一の部材によって構成されるため
、製造コストの低減と共に、組付け作業を行う場合にも工数が減少するため、作
業効率の向上が期待できる。さらに、第1実施例では防振部13a,bを両クラ
ンプ片1a,bに配して成形金型(防振部成形用の金型)の型割り方向を上下方
向としたため、2色成形機を使用することにより、硬質部分と軟質部分の2材成
形を自動的に行うことが可能であり、結果としてクランプの成形が容易となる効
果も得られる。 一第2実施例− 第4図は本考案の第2実施例を示すものであり、第1実施例のものが防振部1
3a,bに別個に配したのに対し、この実施例のクランプC2では防振部13a, bを薄肉のヒンジ縁16によって接続している。こうすることにより、軟質部分
を成形するための金型のゲートが1つですみ、金型におけるゲート設定が容易と
なる利点が得られる。他の構成は第1実施例と同様であるため、図面に同一符号
を付して説明は省略する。 −第3実施例− 第5図乃至第8図は本考案の第3実施例を示すものである。この実施例のクラ
ンプC3ではU溝部4におけるスタッド固着部5と反対側の外側面の中央部には
縦向きに補強片17が形成されており、その上部には規制爪18が形成されてい
る。 また、第3実施例では第1,第2の両実施例に比べて薄肉ヒンジ部2が長めに
形成されている。そして、この薄肉ヒンジ部2には2つの窓部が開口されており
、一方のもの(第6図における右側のもの)は規制爪18と係合するロック窓1
9であり、上記した規制爪18と係合することによって薄肉ヒンジ部2が高さ方
向に伸び変形するのを規制する役割を果たす。また、他方のもの(第6図におけ
る左側のもの)は規制爪18とロック窓19とが係合した時に補強片17と干渉
しないようにするための逃がし窓20となっている。 さらに、スタッド固着部5の下面には両差込み孔7a,bと同心で整合可能な
筒状のナット部材21が備えられている。このナット部材21は硬質部分と同時
に成形されるものであり、第7図に示すようにしてスタッド固着部5と接続され
ている。すなわち、ナット部材21は第1差込み孔7a,bの孔縁に対し複数本
の連結片22によって繋がれているが、これら連結片22はナット部材21の回
転操作によって比較的容易に破断されるようにしてある。また、ナット部材21
においてフランジ面23より下側に形成された筒部24は、スタッドボルト6へ
のねじ込みによって両差込み孔7a,b内へ没入できるようになっている。 上記のように形成された第3実施例においても、両クランプ片1a,bを閉じ
、防振部13a,bによって管状体3を挟み付けておく。そして、スタッドボル
ト6へ差込んだ後にナット部材21を回転操作すると、ナット部材21は各連結
片22との連結関係が絶たれ、操作の進行にしたがって筒部24は差込み孔7a
,b内へ没入し、フランジ面23がスタッド固着部5の下面に接する位置までね
じ 込まれた時点でクランプC3および管状体3の固定が完了する。 この固定した状態で、管状体3に図示上下方向の外力が作用すると、薄肉ヒン
ジ部2には特にその両端部に応力が集中し、破断の虞が生じることになるが、第
3実施例では規制爪18がロック窓19と係合することによって薄肉ヒンジ部2
の伸びを抑制して上記した事態を未然に回避している。こうした効果に加えて、
第3実施例ではナット部材21の一体化により、別体のものに比べて取扱やすく
、かつ作業がしやすい利点も得られる。 他の構成は第1実施例と同様であり、もって同様の作用効果を発揮することが
できる。−第4実施例− 第9図は本考案の第4実施例を示すものであり、1つのクランプで2本の管状
体3を固定可能としたものであるが、第3実施例とは異なり、管状体3をクラン
プする部分が個々に独立して開閉可能な構成となっている。すなわち、この実施
例のクランプC5はスタッド固着部5を中央に配置し、ここから左右方向へ上下
二段の接続片27a,bを平行に延出させている。そして、このうちの図示上側
の接続片27aに第2クランプ片1bが薄肉ヒンジ部2を介して接続されるとと
もに、第1クランプ片1aの基端が接続され、第1クランプ片1aはさらに図示
下側の接続片27bに接続された後に、外方へ円弧状に張り出している。そして
、防振部13a〜dは第2クランプ片1b側に1箇所,第1クランプ片1a側に
3箇所設けられ、閉止状態で等角度間隔で円周位置となるように配置されている
。 第10図は管状体3を後付けする場合を示すものであり、この場合はボディパ
ネルBに対するクランプ片C5の取付け方向を第4実施例とは逆にし、ボディパ
ネルB側に予め固定されているウェルドナット29へボルト30を捩じ込むこと
によってクランプC5の固定がなされている。こうすることによって、クランプ
C5をボディパネルBに固定した後でも、第2クランプ片1bを開放して管状体
3の嵌込みが可能となるため、作業手順の自由度が高められる効果が得られる。 なお、このように使用するものでは、仮止め爪12は省略しても良い。第4実
施例については、クランプの両防振部の設定を非対称として異径の管状体をクラ
ンプできるようにすることが可能である。また、以上のいずれの実施例について もクランプ片相互の閉止手段は種々の変更例が考えられ、図示のものに限定され
る性質のものでない。また、1つのクランプに適用される管状体の数は必要に応
じて増加することができる。さらに、本考案の使用箇所は自動車のボディに限ら
ず、広範に使用可能である。 (考案の効果) 本考案の効果は次のようである。 防振部をクランプに一体に形成して、クランプの単一部材化を実現したため、
製造コストの低減と、作業工数の減少による作業効率の向上が期待できる。また
、仮止め爪をボディ側の係止軸に係合させることにより、クランプ全体をボディ
側に仮止めすることができる。したがって、本止め作業に際して作業者がクラン
プを手で支えている必要がなくなり、作業が容易となる。さらに、薄肉ヒンジ部
の伸び変形を規制する手段を設けたものでは、管状体に作用する外力によって薄
肉ヒンジ部が破断するような事態を未然に防ぎ、管状体の良好な固定状態を保持
することができる。さらにまた、締着用のナットを予め一体に備えたものでは、
クランプとしての持ち運びが容易となり、また作業もしやすい。
プに係り、特に管状体内部を流れる流体の流動音あるいは管状体内部の脈動(圧 力変化)に伴う振動をボディ側へ伝えないようにした防振機能を有するクランプ
に関するものである。 (従来の技術) 例えば、自動車のブレーキシステムにおいてはブレーキパイプ(以下、管状体
と呼ぶ)によって油圧配管がなされている。この管状体はその途中の数箇所をボ
ディパネルへ固定するようにしており、各固定箇所には従来より第11,12図
に示すようなクランプが使用されてきた。これらの図に示すように、クランプの
構成としては、管状体3に取り付けられるゴム製のインナークランプ50と、こ
のインナークランプ50を挟み込んでボディ側への固定を行う金属製のアウター
クランプ51との2部材により構成されてきた。このように、ゴム製のものを介
在させる理由は、管状体3内で圧油の流動音が生じた場合、あるいは圧油の脈動
に伴う振動が生じた場合に、これらを有効に吸収してボディ側へ伝えないように
するためである。 従来の固定作業を説明すると、まずインナークランプ50を管状体3の所定位
置に接着剤を介して取付ける。実際には、管状体3に接着剤を塗布しておいた後
、作業者がナイフによってインナークランプ50を縦方向に切り裂き、その切り
口を拡げながら管状体3へ嵌め付けることによってなされる。次に、インナーク
ランプ50の両フランジ50aの間の部分へアウタークランプ51の折り返し部
に形成された管状体保持部52をあてがって閉じる。この閉じた状態では、一方
の片は他方に形成された弾性係合片53と弾性的に係合して再び開放状態に戻っ
てしまうのが規制され、これによりアウタークランプ51はインナークランプ5
0に対して仮の取付け状態となる。こうして、管状体3に対してクランプを取付
けた後、ボディパネルB側に立設されたスタッドボルト6へアウタクランプ51
のボルト挿通孔54a,bを差込み、ナット55にて締付けてやることにより管
状体3の固定が完了する。 (考案が解決しようとする課題) 従来形式のクランプには次のような問題点がある。 まず、上記形式のクランプはインナー・アウターの2部材で構成されているた
め、しかもアウタークランプ51は金属製であるため製造コストが高くなり、ま た取付け作業時にボディパネルbを傷付けてしまうこともある。さらに、管状体
3に対しては別個に取付けを行う必要があるため、工数が増えて作業効率がよく
ない。 また、アウタークランプ51自体はボルト6に対して単に差込むだけで保持機
能がないため、ナット55で締め付けを行う場合にはアウタークランプ51が抜
け落ちないよう、手で押さえていなければならず作業がしずらい。 本考案は上記した問題点に鑑み、管状体を確実に固定することができ、併せて
製造コストの低減と、作業性の向上を図ることのできる防振クランプを提供する
ことを目的とする。 〔課題を解決するための手段〕 上記の目的を達成するための本考案の構成は、管状体をボディ側へ固定するた
めの防振クランプにおいて、硬質の樹脂材により一次成形された一対のクランプ
片が薄肉ヒンジ部を介して開閉可能に接続されるとともに、前記クランプ片の対
向面には前記管状体を挟持可能でかつ吸振・吸音性を有する軟質樹脂材によって
二次成形される防振部が積層状に配設され、前記クランプ片の対向面には前記防
振部に対する連結部が、前記対向面との間に隙間を保有しつつ両端を前記対向面
につないだブリッジ状に形成され、この連結部においては前記防振部を成形する
ときに前記隙間内へ前記防振部の成形肉が回り込み、前記連結部を全周から取り
囲むようになることで、前記防振部の剥離を規制可能な構成となっていることを
特徴とするものである。 また、クランプ片には前記ボディ側への固定のためのスタッド固着部を形成し
、このスタッド固着部には前記ボディに立設された係止軸が挿入される差込み孔
が貫通されかつこの差込み孔には前記係止軸と係脱自在な仮止め手段が設けられ
るようにしてもよい。 さらに、管状体を挟み込んだ状態で、薄肉ヒンジ部が高さ方向へ伸び変形する
のを規制するためには、両クランプ片の少なくとも一方の対向面に対向するクラ
ンプ片あるいは薄肉ヒンジ部に対して両クランプ片が閉止されたときに係合する
規制手段が設けられるようにすればよい。 さらにまた、差込み孔には前記係止軸に対する締着用のナットが、その回動操 作に伴って破断される接続手段を介して取り付けられるようにしてもよい。 (作用) クランプを管状体に取り付ける場合には、両クランプ片を閉じて挟み込んでや
ればよく、これにより管状体は吸振・吸音性を有する防振部によってその外周部
分が覆われる。管状体をボディに固定する場合には、まずクランプ片の差込み孔
を係止軸へ挿入する。この場合において、差込み孔に仮止め手段が設けられたも
のでは、これが係止軸に係合するため、クランプ全体をボディに対して仮保持さ
せた状態で、例えばナット等の締着手段によって固定を行うことができる。 クランプが管状体を取付けた状態では、規制手段が両クランプ片間、あるいは
一方のクランプ片と薄肉ヒンジ部との間の間隔が広がるのを規制するため、薄肉
ヒンジが高さ方向へ伸び変形し、ついには破断に至るような事態が未然に回避さ
れる。 さらに、クランプに予めナットを一体化させておいたものでは、締着操作に伴
ってクランプ側との接続を解離させることができる。 (実施例) 以下、本考案を具体化した実施例を図面にしたがって詳細に説明する。 −第1実施例− 第1図から第3図はそれぞれ第1実施例を示すものである。この例におけるク
ランプC1は一対のクランプ片1a,bを薄肉ヒンジ部2を介して開閉自在に接
続したものであり、共にポリプロピレン、ポリアセタール等の硬質樹脂材により
成形された硬質部分と、後述するように管状体3を挟み付けるためのペルプレン
等の軟質樹脂材により成形された軟質部分とからなり、これらを一体化した構成
となっている(一体化させるための構成についても後述する)。 まず、硬質部分から説明すると、一方のクランプ片1a(第2図における左側
のクランプ片。以下、第1クランプ片1aという)は管状体3を受け入れるため
のU溝部4が、薄肉ヒンジ部2に連続して形成されており、このU溝部4の内部
は管状体3の外径とほぼ同じ高さを有すると共に、その開口側は管状体3の受け
入れを容易にするために、拡開して形成されている。また、U溝部4における薄
肉ヒンジ部2と反対側の上縁部にはボディパネルBへの固定のためのスタッド固 着部5が外方へ張出し形成されている。このスタッド固着部5にはボディパネル
Bに植設されたスタッドボルト6へ差込むための第1差込み孔7aが形成されて
いる。また、スタッド固着部5の外側縁には係止縁8が形成されており、クラン
プC1の閉止動作に伴って他方側のクランプ片1b(第2図における右側の片。
以下、第2クランプ片1bという)の先端縁に形成されたロック爪9と係合可能
となっている。このロック爪9が形成されている折曲げ片10の付け根部分の中
央部は肉抜き11がされており、折曲げ片10の撓み変形を容易にして係止縁8
に対するロック爪9の係合が円滑になされるようにしてある。また、第2タラン
プ片1bには両クランプ片1a,bを閉止しロック爪9が係止縁8に係合した時
に、前記第1差込み孔7aと整合してスタッドボルト6を挿通可能とする第2差
込み孔7bが開口している。この第2差込み孔7bは第1図に示すように、本実
施例においては角孔となっており、その開口縁において向かい合う位置にはスタ
ッドボルト6のねじ軸の基部に係脱自在な一対の仮止め爪12が形成されている
。 なお、この実施例では第2差込み孔7bに仮止め爪12を形成したが、第1差
込み孔7aに差込み孔7aに設けてもよく、また双方に設けても良い。 次に、軟質部分について説明すると、軟質部分は管状体3の内部の流動音や脈
動に伴う振動を吸収するための防振部としての役割を果たすものであり、この実
施例においては防振部13a,bはU溝部4の内側と第2クランプ片1bにおい
てU溝部4と対向する位置にそれぞれ独立して配置されている。そして、両クラ
ンプ片1a,bを閉じた状態では両防振部13a,bは管状体3の外周部分を全
周に亘って密着できる空間を保有して向き合うような配置、および形状となって
いる。 両防振部13a,bにおいて軟質部分と硬質部分とを一体化させるための手段
を説明すると(第2図参照)、第1実施例においては硬質部分にブリッジ14a〜
dを形成している。すなわち、ブリッジ14a,bを第1クランプ片1aにおい
てはU溝部4の底面と両側面とをつなぐ部分において、共にほぼ全幅に亘って形
成され、第2クランプ片1bにおいては防振部13bの両側の裾野を形成する部
分に対して共にほぼ全幅に亘って形成されている。そして、軟質部分を成形する
に際してこのような各ブリッジ14a〜dに対してブリッジの内側へ軟質樹脂が 入り込ませ、ブリッジ14a〜dの内側に入り込んだ部分とブリッジの上側を覆
う部分とを、ブリッジの端面(第2図における手前側の面と奥側の面)において
繋げ、これによって防振部13a,bの抜け止めを図っている。 次に、管状体3の固定作業について説明すると、まず管状体3に対してクラン
プC1の取付けを行うために、管状体3を第1クランプ片1a側の防振部13a
に適合させ、第2クランプ片1bを薄肉ヒンジ部2を中心として閉止させる。こ
れによって、ロック爪9が係止縁8に係合すると、管状体3はその外周面の全周
が防振部13a,bにより弾性力をもって挟み付けられる。なお、この際に、接
着剤を介在させておいてもよい。 こうして、管状体3に対するクランプC1の先付け作業が完了したら、第2ク
ランプ片1b側をボディパネルBに密着させるようにして、整合状態にある両差
込み孔7a,bをボディパネルB側のスタッドボルト6へ押し込む。これにより
、仮止め爪12がスタッドボルト6のねじ軸部に緩く係合するため、クランプC
1および管状体3はボディパネルB側にそのまま保持される。したがって、管状
体3を第2図に示すような天井面へ固定する場合に、作業者が手でクランプC1
を押さえていなくともナット15の締付け作業を行うことができるため、作業が
しやすい。以上のようにしてボディパネルBに対する固定作業が完了すれば、管
状体3は防振部13a,bの防振・防音機能により、内部を流れる液体による流
動音あるいは振動がボディパネルBに伝わるのが有効に抑制される。そして、第
1実施例ではクランプC1が従来と異なり、単一の部材によって構成されるため
、製造コストの低減と共に、組付け作業を行う場合にも工数が減少するため、作
業効率の向上が期待できる。さらに、第1実施例では防振部13a,bを両クラ
ンプ片1a,bに配して成形金型(防振部成形用の金型)の型割り方向を上下方
向としたため、2色成形機を使用することにより、硬質部分と軟質部分の2材成
形を自動的に行うことが可能であり、結果としてクランプの成形が容易となる効
果も得られる。 一第2実施例− 第4図は本考案の第2実施例を示すものであり、第1実施例のものが防振部1
3a,bに別個に配したのに対し、この実施例のクランプC2では防振部13a, bを薄肉のヒンジ縁16によって接続している。こうすることにより、軟質部分
を成形するための金型のゲートが1つですみ、金型におけるゲート設定が容易と
なる利点が得られる。他の構成は第1実施例と同様であるため、図面に同一符号
を付して説明は省略する。 −第3実施例− 第5図乃至第8図は本考案の第3実施例を示すものである。この実施例のクラ
ンプC3ではU溝部4におけるスタッド固着部5と反対側の外側面の中央部には
縦向きに補強片17が形成されており、その上部には規制爪18が形成されてい
る。 また、第3実施例では第1,第2の両実施例に比べて薄肉ヒンジ部2が長めに
形成されている。そして、この薄肉ヒンジ部2には2つの窓部が開口されており
、一方のもの(第6図における右側のもの)は規制爪18と係合するロック窓1
9であり、上記した規制爪18と係合することによって薄肉ヒンジ部2が高さ方
向に伸び変形するのを規制する役割を果たす。また、他方のもの(第6図におけ
る左側のもの)は規制爪18とロック窓19とが係合した時に補強片17と干渉
しないようにするための逃がし窓20となっている。 さらに、スタッド固着部5の下面には両差込み孔7a,bと同心で整合可能な
筒状のナット部材21が備えられている。このナット部材21は硬質部分と同時
に成形されるものであり、第7図に示すようにしてスタッド固着部5と接続され
ている。すなわち、ナット部材21は第1差込み孔7a,bの孔縁に対し複数本
の連結片22によって繋がれているが、これら連結片22はナット部材21の回
転操作によって比較的容易に破断されるようにしてある。また、ナット部材21
においてフランジ面23より下側に形成された筒部24は、スタッドボルト6へ
のねじ込みによって両差込み孔7a,b内へ没入できるようになっている。 上記のように形成された第3実施例においても、両クランプ片1a,bを閉じ
、防振部13a,bによって管状体3を挟み付けておく。そして、スタッドボル
ト6へ差込んだ後にナット部材21を回転操作すると、ナット部材21は各連結
片22との連結関係が絶たれ、操作の進行にしたがって筒部24は差込み孔7a
,b内へ没入し、フランジ面23がスタッド固着部5の下面に接する位置までね
じ 込まれた時点でクランプC3および管状体3の固定が完了する。 この固定した状態で、管状体3に図示上下方向の外力が作用すると、薄肉ヒン
ジ部2には特にその両端部に応力が集中し、破断の虞が生じることになるが、第
3実施例では規制爪18がロック窓19と係合することによって薄肉ヒンジ部2
の伸びを抑制して上記した事態を未然に回避している。こうした効果に加えて、
第3実施例ではナット部材21の一体化により、別体のものに比べて取扱やすく
、かつ作業がしやすい利点も得られる。 他の構成は第1実施例と同様であり、もって同様の作用効果を発揮することが
できる。−第4実施例− 第9図は本考案の第4実施例を示すものであり、1つのクランプで2本の管状
体3を固定可能としたものであるが、第3実施例とは異なり、管状体3をクラン
プする部分が個々に独立して開閉可能な構成となっている。すなわち、この実施
例のクランプC5はスタッド固着部5を中央に配置し、ここから左右方向へ上下
二段の接続片27a,bを平行に延出させている。そして、このうちの図示上側
の接続片27aに第2クランプ片1bが薄肉ヒンジ部2を介して接続されるとと
もに、第1クランプ片1aの基端が接続され、第1クランプ片1aはさらに図示
下側の接続片27bに接続された後に、外方へ円弧状に張り出している。そして
、防振部13a〜dは第2クランプ片1b側に1箇所,第1クランプ片1a側に
3箇所設けられ、閉止状態で等角度間隔で円周位置となるように配置されている
。 第10図は管状体3を後付けする場合を示すものであり、この場合はボディパ
ネルBに対するクランプ片C5の取付け方向を第4実施例とは逆にし、ボディパ
ネルB側に予め固定されているウェルドナット29へボルト30を捩じ込むこと
によってクランプC5の固定がなされている。こうすることによって、クランプ
C5をボディパネルBに固定した後でも、第2クランプ片1bを開放して管状体
3の嵌込みが可能となるため、作業手順の自由度が高められる効果が得られる。 なお、このように使用するものでは、仮止め爪12は省略しても良い。第4実
施例については、クランプの両防振部の設定を非対称として異径の管状体をクラ
ンプできるようにすることが可能である。また、以上のいずれの実施例について もクランプ片相互の閉止手段は種々の変更例が考えられ、図示のものに限定され
る性質のものでない。また、1つのクランプに適用される管状体の数は必要に応
じて増加することができる。さらに、本考案の使用箇所は自動車のボディに限ら
ず、広範に使用可能である。 (考案の効果) 本考案の効果は次のようである。 防振部をクランプに一体に形成して、クランプの単一部材化を実現したため、
製造コストの低減と、作業工数の減少による作業効率の向上が期待できる。また
、仮止め爪をボディ側の係止軸に係合させることにより、クランプ全体をボディ
側に仮止めすることができる。したがって、本止め作業に際して作業者がクラン
プを手で支えている必要がなくなり、作業が容易となる。さらに、薄肉ヒンジ部
の伸び変形を規制する手段を設けたものでは、管状体に作用する外力によって薄
肉ヒンジ部が破断するような事態を未然に防ぎ、管状体の良好な固定状態を保持
することができる。さらにまた、締着用のナットを予め一体に備えたものでは、
クランプとしての持ち運びが容易となり、また作業もしやすい。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図は本考案の第1実施例を示すものであり、第1図はクランプ
の斜視図、第2図はその展開状態を示す断面図、第3図は管状体の固定状態を示
す断面図、第4図は第2実施例に係るクランプの正面図、第5図から第8図は本
考案の第3実施例を示すものであり、第5図はクランプの斜視図、第6図はその
展開状態を示す断面図、第7図はナット部材を示す斜視図、第8図は管状体の固
定状態を示す断面図、第9図は第4実施例のクランプの斜視図、第10図は管状
体を後付けする場合を示す斜視図、第11図および第12図はそれぞれ従来のク
ランプによる作業を示す斜視図である。 1a,b…クランプ片 2…薄肉ヒンジ部 3…管状体 5…スタッド固着部 6…スタッドボルト(係止軸) 7a,b…差込み孔 12…仮止め爪 13a〜d…防振部 18…規制爪 19…ロック窓 C1〜C6…クランプ
の斜視図、第2図はその展開状態を示す断面図、第3図は管状体の固定状態を示
す断面図、第4図は第2実施例に係るクランプの正面図、第5図から第8図は本
考案の第3実施例を示すものであり、第5図はクランプの斜視図、第6図はその
展開状態を示す断面図、第7図はナット部材を示す斜視図、第8図は管状体の固
定状態を示す断面図、第9図は第4実施例のクランプの斜視図、第10図は管状
体を後付けする場合を示す斜視図、第11図および第12図はそれぞれ従来のク
ランプによる作業を示す斜視図である。 1a,b…クランプ片 2…薄肉ヒンジ部 3…管状体 5…スタッド固着部 6…スタッドボルト(係止軸) 7a,b…差込み孔 12…仮止め爪 13a〜d…防振部 18…規制爪 19…ロック窓 C1〜C6…クランプ
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 管状体をボディ側へ固定するための防振クランプにおいて、硬質の樹脂
材により一次成形された一対のクランプ片が薄肉ヒンジ部を介して開閉可能に接
続されるとともに、前記クランプ片の対向面には前記管状体を挟持可能でかつ吸
振・吸音性を有する軟質樹脂材によって二次成形される防振部が積層状に配設さ
れ、 前記クランプ片の対向面には前記防振部に対する連結部が、前記対向面との間
に隙間を保有しつつ両端を前記対向面につないだブリッジ状に形成され、この連
結部においては前記防振部を成形するときに前記隙間内へ前記防振部の成形肉が
回り込み、前記連結部を全周から取り囲むようになることで、前記防振部の剥離
を規制可能な構成となっていることを特徴とする防振クランプ。 (2)前記クランプ片には前記ボディ側への固定のためのスタッド固着部を形成
し、このスタッド固着部には前記ボディに立設された係止軸が挿入される差込み
孔が貫通されかつこの差込み孔には前記係止軸と係脱自在な仮止め手段が設けら
れていることを特徴とする請求項1記載の防振クランプ。 (3)両クランプ片の少なくとも一方の対向面には前記薄肉ヒンジ部が高さ方向
へ伸び変形するのを規制するために、反対側のクランプ片あるいは薄肉ヒンジ部
に対して両クランプ片が閉止されたときに係合する規制手段が設けられているこ
とを特徴とする請求項1又は2記載の防振クランプ。 (4)前記差込み孔には前記係止軸に対する締着用のナットが、その回動操作に
伴って破断される接続手段を介して取り付けられていることを特徴とする請求項
2又は3記載の防振クランプ。
Family
ID=
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