JP2551875C - - Google Patents

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JP2551875C
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JP
Japan
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superconducting coil
cooling
helium
vacuum vessel
liquid helium
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、超電導コイルの冷却装置に関し、特に蓄冷式冷凍機による冷却に関
する。 【0002】 【従来の技術】 従来、超電導物質を線材化して巻き、超電導コイル1として強磁場を発生させ
ることは知られている。この強磁場を産業的に応用した例がリニアモーターカー
である。また、超電導物質の臨界磁場を測定する為の測定装置として強磁場を発
生させる物性測定装置の需要が近年延びている。 【0003】 これらに使用される超電導コイル1の冷却方法を図3に示す。液体ヘリウム5
を液体ヘリウム貯蔵容器7からトランスファーチューブ6を介して真空容器の内
側容器4(以下単に内側容器4という)に供給し、液体ヘリウム5に超電導コイ
ル1を浸漬して自然対流を利用した浸漬冷却方式を採っている。超電導コイル1
に対して電流は電流リード9によって供給されている。そして、超電導コイル1 は、常温空間からの熱侵入を減少させる為、クライオスタット(断熱真空容器)
2の中に設置される。クライオスタットは、通常超電導コイル1を浸漬している
約4.2Kの液体ヘリウム5の内側容器4と、常温からの輻射熱を抑える為の熱
シールド3を備えている。この熱シールド3の冷却方式は図示しないが液体窒素
等による。 この装置でも液体ヘリウム5の気化により、内側容器4内の圧力が高くなるの
で、ヘリウムガス8を逃している。従って、液体ヘリウム5の供給が不可欠であ
り、長時間の運転に際しては定期的に供給する必要があった。高価な液体ヘリウ
ム5の消耗がランニングコストの上昇を招くと共に、液体ヘリウム5の取り扱い
には熟練を要するなど、システムの稼働上大きな問題であった。 【0004】 図4に示す従来例は、物性測定装置用の超電導コイルである。また、物性測定
用サンプル16を頻繁に変えたり、液体ヘリウム5に漬けたくない場合等を考慮
して物性測定用サンプル16を専用に冷却する蓄冷式冷凍機13と超電導コイル
1を冷却する液体ヘリウム5の気化をできるだけ防ぐためにシールド冷却用冷凍
機17を備えていて熱シールド3を冷却している。 この装置は、超電導コイル1の下から物性測定用サンプル16を出し入れする
ため、内側容器4、熱シールド3、および真空容器2の底を凹ませてある。そし
て下から物性測定用サンプル16を冷やす物性測定装置をつけた蓄冷式冷凍機1
3を手動リフター25によって昇降させる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 図4に示す従来例でも、液体ヘリウム5の供給は不可欠であり、液体ヘリウム
5を取り扱わなければならない。また、超電導コイル1を液体ヘリウム5に浸漬
して冷やす為の装置は大きくなり、またその液体ヘリウム5の気化を防ぐ為のシ
ールド冷却用冷凍機17を配設し稼働させるには、更に大型化しコスト高となっ
た。 【0006】 【課題を解決するための手段】 物性測定用サンプル16が取り外し可能に固着される蓄冷式冷凍機(13)の
冷却ステージに円筒形超電導コイル1を固着し、他の冷却ステージに超電導コ
イル1を包囲する熱シールド3を固着し、該熱シールド3を包囲する真空容器2
を通して超電導コイル1に接続する電流リード9によってなることを特徴とする
。 【0007】 【実施例】 本発明の請求項1の実施例を図1に示す。超電導コイル1は、酸化物系高温超
電導物質を線状化して巻いたコイルであり、中央に貫通孔を持つ円筒形に形成す
る。この超電導コイル1の下端を蓄冷式冷凍機13の第二段冷却ステージ14に
密接にねじ止めする。 真空容器2は、ステンレス製で超電導コイル1を真空中に被包する。 熱シールド3は、薄い銅製でコップ状に形成し、超電導コイル1を直接内包し
て、開口部の端部を第一段冷却ステージ15に密着にねじ止めする。 電流リード9は、超電導コイル1に接続し電流を供給する。電流リード9は外
部に、保護抵抗12、遮断機11、電源10に接続している。 蓄冷式冷凍機13は、駆動部を真空容器2の外側に出し、フレキシブルホース
19、19によって圧縮機18と接続している。 物性測定用サンプル16は超電導物質で、臨界磁場を測定する為に超電導コイ
ル1によって強磁場をかける。物性測定用サンプル16は、第二段冷却ステージ
14に取り外し可能に固着されている。 【0008】 本発明の請求項2の実施例を図2に示す。この実施例は三段式冷凍機を使用し
た例であり、強磁場中の物性を測定する装置で、超電導コイル1は、第三段冷却
ステージ21にねじ止め固着する。内側容器4は、インジュウムシート20を挟
んで第二段冷却ステージ14に気密にねじ止めする。 物性測定用サンプル16は超電導物質で、臨界磁場を測定する為に超電導コイ
ル1によって強磁場をかける。物性測定用サンプル16は、第三段冷却ステージ
21に取り外し可能に固着されている。 ヒータ線22は、第三段冷却ステージ21下部に巻き付け、真空容器2の外側
より、電流をコントロールできる。 ヘリウム導入管23は、密閉された内側容器4内にヘリウムガス8を導入する
為の管である。 その他の構造は請求項1の実施例に示すものと同様である。 【0009】 【作 用】 昭和61年に、30K程度の温度でも超電導現象を起こす高温超電導物質が発
見されてから数年を経て、半永久的に使用できる超電導物質の線材化が実現され
つつある。 高温超電導物質の中には、液体窒素温度の77K付近で超電導状態を示すもの
がある。従って、今まで液体ヘリウム5で冷却するか、あるいは複雑な冷凍機等
を使用して4.2Kまで温度を下げる必要がなくなり、20Kまで下げる簡便な
小型の蓄冷式冷凍機でも超電導状態の実現が可能となった。ただし、この20K
の冷凍機は被冷却物の熱容量が大きければ、到達温度の20Kはある程度上昇す
る。 【0010】 本発明の請求項1の作用を図1により説明する。真空容器2内部を、図示しな
い真空ポンプで真空にし、空気による熱伝導を遮断する。次に蓄冷式冷凍機13
を稼働して第二段冷却ステージ14を極低温としてそれに固着する超電導コイル
1を冷却する。また、常温からの輻射熱を防ぐ為、熱シールド3を第一段冷却ス
テージ15によって冷却する。 電流リード9から、電流を流してやると超電導コイル1から強磁場を発生する
。 【0011】 本発明の請求項2の作用を図2により説明する。真空容器2内部を真空にした
あと、ヘリウム導入管23によって内側容器4内を別途真空にする。次に蓄冷式
冷凍機13を稼働して十分に冷却した後にヘリウム導入管23を通じてヘリウム
ガス8を内側容器4内に充満させる。これによって、ヘリウムガス8による熱伝 導が行なわれる。また、ヒータ線22を第三段冷却ステージ21下部に巻き付け
ているが、ヒータ線22に流す電流をコントロールすることで、任意の温度に設
定することが可能である。(液体ヘリウム5では4.2K以外の温度をとること
は、非常に困難である。) 【0012】 【効 果】 真空容器2の効果は、空気による熱伝導の防止であり、熱シールド3の効果は
輻射熱の防止、蓄冷式冷凍機13による超電導コイル1の直接冷却が可能になっ
た。 従って、液体ヘリウム5が不要になり、ランニングコストの減少や液体ヘリウ
ム5の取り扱いの手間もなくなり、それに伴う大きな装置も不要となって小型化
やコストダウンも可能になった。 また、請求項2の効果は内側容器4内のヘリウムガス8の熱伝導により、急速
な冷却が可能となることや、ヒータ線22によって任意の温度を設定することが
可能である。 加えて、超電導コイル1と物性測定用サンプル16が、夫々ヘリウムガス8と
接触する面積と第三段冷却ステージ21と接触する面積やヒータ線22の位置や
大きさを選択すれば、超電導コイル1と物性測定用サンプル16の温度を違う温
度に設定することも可能である。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の請求項1の実施例の概略断面図。 【図2】 本発明の請求項2の実施例の概略断面図。 【図3】 従来例の概略断面図。 【図4】 従来例の概略断面図。 【符号の説明】 1 超電導コイル 2 真空容器 3 熱シールド 4 内側容器 5 液体ヘリウム 6 トランスファーチューブ 7 液体ヘリウム貯蔵容器 8 ヘリウムガス 9 電流リード 10 電源 11 遮断機 12 保護抵抗 13 蓄冷式冷凍機 14 第二段冷却ステージ 15 第一段冷却ステージ 16 物性測定用サンプル 17 シールド冷却用冷凍機 18 圧縮機 19 フレキシブルホース 20 インジュームシート 21 第三段冷却ステージ 22 ヒータ線 23 ヘリウム導入管 24 安全弁 25 手動リフター

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 物性測定用サンプル(16)が取り外し可能に固着される蓄冷
    式冷凍機(13)の冷却ステージに円筒形超電導コイル(1)を固着し、他の冷
    却ステージに超電導コイル(1)を包囲する熱シールド(3)を固着し、該熱
    シールド(3)を包囲する真空容器(2)を通して超電導コイル(1)に接続す
    る電流リード(9)によってなることを特徴とする超電導コイルの冷却装置。 【請求項2】 請求項1において、円筒形超電導コイル(1)を包囲する真空
    容器(2)の内側容器(4)を気密とし、該内側容器(4)内と真空容器(2)
    の外側に通ずるヘリウム導入管(23)を接続し、真空容器(2)内にヒータ線
    (22)を配設することを特徴とする超電導コイルの冷却装置。

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