JP2551868B2 - 工作機械の加減速制御方法とその装置 - Google Patents

工作機械の加減速制御方法とその装置

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JP2551868B2
JP2551868B2 JP3012526A JP1252691A JP2551868B2 JP 2551868 B2 JP2551868 B2 JP 2551868B2 JP 3012526 A JP3012526 A JP 3012526A JP 1252691 A JP1252691 A JP 1252691A JP 2551868 B2 JP2551868 B2 JP 2551868B2
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二郎 高下
次男 川村
聡 桑山
裕一 西川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、工作機械の加減速制
御方法とその装置に関する。更に詳しくは、工作機械の
テーブル、コラムなどの移動体を滑らかにかつ高速度で
動かすための工作機械の加減速制御方法とその装置に関
する。
【0002】
【従来技術】工作機械のテーブル、コラム、刃物台など
移動体を高速で駆動させると、移動の開始時と停止時に
は加速度によりこれらにショックを与える。このショッ
クを和らげるために、例えば、最初は徐々に加速し途中
の中間位置で加速を大きくし、その後加速を小さくして
定速状態にいたる加減速方法等が提案されている。
【0003】とりわけ、加速度が大きい場合、加速度に
よる機体の変形は無視できない。例えば、コラム移動型
のマシニングセンタの高速送り加工において、Y軸方向
の送りからX軸方向へ切り替わった時点で、カッターマ
ークが生じる。この原因は、Y軸の加速/減速(移動方
向によって異なる。)により、コラムが前に倒れるから
である。ただし、コラムが後ろに倒れる分には、カッタ
ーマークは残らないのでトラブルにならない。
【0004】カッターマークの深さは、送り速度、機械
の大きさ、機種により異なるが、コラム移動型のある機
種では、20〜50μmになることがあり、加工精度上
無視できない。このカッターマークは、送り速度が高い
ほど深く、また機械が大きくなるほど深い。外周加工の
場合には、一旦カッターを送り方向に沿い、被加工物外
へ逃がすようにプログラムで工夫することによりカッタ
ーマークを避けることができるが、ポケット加工の場合
にはカッターを逃がしようがない。
【0005】とりわけ、高速送りを目的とする工作機械
の場合には、前記原因によるカッターマークの存在は無
視できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、以上のよ
うな技術的背景で発明されたものであり、以下の目的を
達成する。
【0007】この発明の目的は、移動体の加減度時に移
動体の変形が少ない工作機械の加減速制御方法とその装
置を提供することにある。
【0008】この発明の他の目的は、移動体の加減速時
の振動変位を、定常加速力により生じる静的変位に等し
く、かつ振動速度が0になるように調整できる工作機械
の加減速制御方法とその装置を提供することにある。
【0009】
【前記課題を解決するための手段及び作用】a.サーボ
モータと、 b.前記サーボモータの出力軸に連結された送りネジ
と、 c.前記送りネジに連結されベッド上を移動する移動体
と、 d.前記移動体に設けられた機械加工用の工具と、 e.前記サーボモータを制御駆動するための加減速回路
とを有する工作機械であって、 f.前記移動体の定常速度まで又は定常速度よりの加減
速を固有振動周期と関連付けた時間に従った変化を持た
定常速度中及び加減速中の前記移動体の振動を抑えて
前記工具の加工中(前記移動体の速度が零である場合を
除く)の変位を少なくした工作機械の加減速制御方法で
ある。
【0010】この加減速制御方法は、前記加減速時の各
ステップ時の切換時間、係数を記憶するためのプロファ
イルテーブルを有し、このプロファイルテーブルの内容
にしたがって前記各サーボモータの加減速度を制御する
ための工作機械の加減速制御装置により制御される。
【0011】
【実施例】以下、この発明の原理をまず説明する。この
発明の原理をわかりやすくするために、コラム移動型の
マシニングセンタ1を例にとって具体的に説明する。図
1は、コラム移動型のマシニングセンタ1である。
【0012】ベッド2は、工作機械の本体を構成する台
である。ベッド2は、床面上に設置用のボルトにより支
持されている。ベッド2上の水平面には、2本のY軸リ
ニヤガイド3がボルトで固定されて配置されている。Y
軸リニヤガイド3上には、移動コラム4がY軸線方向に
移動自在に配置されている。移動コラム4は、Y軸サー
ボモータ(図示せず)によりY軸線方向に移動制御され
る。
【0013】移動コラム4の前面の垂直面には、Z軸リ
ニヤガイド5がZ軸線方向すなわち垂直方向に配置され
ている。Z軸リニヤガイド5上には、主軸ヘッド6が移
動自在に設けられている。主軸ヘッド6は、Z軸サーボ
モータ(図示せず)により駆動制御される。主軸ヘッド
6の先端には、工具Tが取り付けられている。
【0014】変形の解析 移動コラム4の変形現象をより正確に捕らえるために、
より詳細な静的変位の計算と、過渡振動の解析を以下に
行った。
【0015】(1)静的変位 変位は移動コラム4の姿勢変化によるもの、ベッド
2の姿勢変化によるもの、ベッド2の曲げによるも
の、その他の4つに大別できる。
【0016】そのうち、は、主としてY軸リニアガイ
ド3とその取付部、は、Z軸リニアガイド5とその取
付部が変形の要因となる。
【0017】図1において、工具Tの刃先と被加工物W
との間の静的相対変位をδS とすると、δS は、次
の変形の合成値である。
【0018】
【数式1】 ただし、 δY :Y軸リニアガイド3および移動コラム4のY軸リ
ニアガイド3の取付部変形に起因する変位 δZ :Z軸リニアガイド5および主軸ヘッド6のZ軸リ
ニアガイド5の取付部変形に起因する変位 δB :ベッド2の曲り変形に起因する変位 δE :その他に起因する変位である。
【0019】また、各部の変形を与える力は、加減速時
の加速度αである。δY は、移動コラム4の重量、Y軸
リニアガイド3の取付部の剛性値により周知の方法で計
算できる。δZ は、移動コラム4と同様に主軸ヘッド6
の重量とZ軸リニアガイド5の取付部の剛性値により計
算できる。δBは、主軸ヘッド6、移動コラム4、ベッ
ド2の重量、ベッド2の断面2次モーメントなどから計
算できる。
【0020】結局、図1に示したコラム移動型マシニン
グセンタの場合、例えば0.17G(通常用いられる移
動速度のとき)の加速度に相当する静的な力を受けると
きに、移動コラム、主軸ヘッドの姿勢変化およびベッド
の曲げ変化により、加工において約8μmのZ方向相対
変位を計算上生じることになった。
【0021】(2)過渡振動 (i)直線加減速の場合 数値制御装置の場合、切削送りにおいても加減速時定数
の設定が可能なものが知られている。この加減速時の時
定数は、2〜3種類選べるようになっている。精度、速
度のかねあいから、補間前直線加減速制御、すなわちプ
ログラムされた線分を補間する前に加速または減速制御
を行うものが知られている。その時定数は、例えば、3
0m/minのとき300msと設定されている。
【0022】この直線加減速方式の場合、つねに速度勾
配が一定となるので、加減速中の加速度は、ある一定の
値になる。この加速度が付加される時間が無限時間とす
れば、静的な加圧力に等しいので、静的な変位計算にも
用いる。しかし、前記加速度がステップ状に加わったと
き、動的に解析すると、変位の出力波形の状態はすなわ
ちインディシァアル応答は変わる。これには、移動体の
固有振動数が大きく影響する。
【0023】図1に示したコラム移動型のマシニングセ
ンタの場合、移動コラム4+主軸ヘッド6、すなわち移
動体はベッド2の上で、特定の固有振動数を持っている
(本例では25HZ であった。)。そして、その周期T
に対して加減速のはたらく時間がいくらであるかでその
挙動が定まることがわかった。
【0024】図1の例のマシニングセンタの場合、加速
度(0.17G)が移動体の固有振動周期に比べて長時
間はたらくときには、振動の中心位置が静的変位に等し
く、振動振幅が静的変位の2倍であるような振動を生じ
る。加速度がのはたらく時間が短くなると、その時間に
応じて振動の様子は変化する。ある場合には、振動的な
動きが出ないこともある。
【0025】しかし、実際の工作機械では減衰作用を有
しているので、加速度変化がなくなってから後では、急
速に振動振幅は小さくなる。したがって、問題となるの
は、最初に引き起こされる変位の大きさであり、如何に
してこの値を小さくするかということが重要な課題とな
る。最初にもたらされる最大変位に注目し、加速度の働
く時間との関係をグラフにすると、図2のようになる。
この図2から、加速時間がT/2(移動体の固有振動周
期の半分)より長いときには、最大変位が静的変位の2
倍となることがわかる。
【0026】(ii)補間後指数加減速の場合 次に、補間後指数加減速を用いた場合の挙動について検
討する。サーボの遅れがあるので、その時定数(例えば
33ms)を用いることにより、ここで検討結果を適用
することができる。加減速時に、速度が指数関数的に変
化する(第3図参照)。指令速度をVf 、ループゲイン
をKとすると、
【0027】
【数式2】 加速度は、これを微分し、
【0028】
【数式3】 で与えられる。ループゲインK=30とするのが一般的
である。時定数はループゲインの逆数になるので、 時定数t=1/K=1/30=33msとなる。
【0029】1例として、指令速度5m/minのとき
の加速度を求めると、
【0030】
【数式4】 であり、その後時間とともに漸減する。
【0031】
【数式5】 となる。これ以外の送り速度についても、加速度の大き
さが、送り速度に比例し、時間的には全く同じ挙動を示
す。
【0032】指数加減速の場合を、動的にシミュレート
とし、最大変位を求めると、t=0における加速度に対
応する静的変位の約1.65倍になる。
【0033】以上のような解析から、機体の変形を少な
くするには機械剛性を高める方法もあるが、本発明は次
のような加減速パターンから変形を最小限とした。
【0034】送り加減速のパターンによる方法 後記する加減速制御装置を採用して、きめ細かい送り制
御が可能であるので、送り加減速のパターンを工夫する
ことにより最大変位を抑えることが、以下に示すように
基本的には可能であることが判明した。
【0035】最大変位を、静的変位と同量に抑えるため
の加減速パターン(以下、振幅抑制パターン)は、いく
つか存在する。いずれも、基本は直線加減速として、加
減速の初期およびまたは最後を変化させて、機体の振動
的な挙動、すなわち過渡現象を抑えることにより、最大
変位を前記した静的変位と同量にする(静的変位よりも
小さくすることは原理的に不可能である)。その際、加
速度パターンの時間軸は、移動体の固有振動周期Tと密
接に関係する。
【0036】線形振動の解析に用いられている位相面法
により、これらの挙動を解析あるいは説明することがで
きるので、この方法により以下説明する。図4におい
て、右上の図は、加速度および振動変位(縦軸)の時間
的変化(横軸)を表し、左下の図は振動速度(横軸)の
時間変化(縦軸)を表す。また右下は右上の図の加速度
に基づいた送り速度を表している。左上の図は位相面図
であり、縦軸に振動変位、横軸に振動速度を表してい
る。単振動の振動変位と、振動速度の単位を適当にとっ
てやると、位相面図の上で円に表せることが知られてい
る。
【0037】このことを利用して、ステップ的に加速度
を与えた場合の動的な挙動を解析する手法を位相面法と
いう。ここでは、加速度(つまり力)をそれに相当する
静的変位に置き換えて、この手法を適用している。
【0038】第1の加速方法 この手法により、機体変位の抑制方法のパターンを得る
方法を以下説明する。振動変位を表す図(右上)におい
て、最初の山が来たとき、その高さが最大加速度に一致
していること(静的変位と同量の変位)、かつその時点
での外力としての加速度が、最大になっていること、ま
た、そのときの振動速度が“0”であることを要する。
【0039】一番簡単に、それらを満足するパターン
は、図4に示すパターンである。つまり、加速の第1ス
テップ(右上の実線)で、最大加速度の1/2の加速度
を固有振動周期の1/2の時間だけ与える。第2ステッ
プでは、最大加速度に上げて、この状態を所要の送り速
度に達するまで続ける。このような加減速パターンで
は、たしかに最大変位は抑えられるが、所要の送り速度
に達した後の定速送り状態のときに、振動的な挙動が見
られる。これが好ましくないときには、図5に示すよう
に加速の終りに加速度1/2である時間を1/2周期だ
け設ければよい。減速も同様のパターンで行う。
【0040】第2の加速方法 前記に示した第1の加速方法(減速も同様である。)
は、最初からいきなり最大加速度を与える従来の方法に
比べて、加減速に要する時間が長いという短所がある。
この短所をいくらかでもカバーするため、第1の加速方
法より少し複雑なパターンを考えることができる。その
1例を図6に示す。図6のパターンは、第1ステップと
して、振動周期の1/6の間に、最大加速度を与え、第
2ステップは、その次の1/6周期の間であるが、加速
度を0、すなわち加速度を付加しない。
【0041】第3ステップでは、最大加速度に戻し、所
要の送り速度になるまで続ける。場合によっては、加速
の最後でも、同様のパターンを付け加えてもよい(図示
せず)。第2の加速方法は、第1の加速方法に比べて、
より短期間に所要の送り速度に達することができる。し
かし、加速度の変化が頻繁なので、機械系に悪影響を及
ぼす可能性がある。
【0042】第3の加速方法 第1の加速方法と第2の加速方法の中間に、いくつもの
パターンが存在する。そのうちの代表的なパターンを2
つ紹介する。図7に示す加速方法は、第1ステップとし
て、振動周期の5/24の間、最大加速度の0.675
倍の加速度を与え、第2ステップは、次の5/24周期
の間、最大加速度の0.325倍の加速度とし、第3ス
テップでは、最大加速度で所要の送り速度になるまで続
ける。
【0043】このタイプは、第1ステップの最後で最大
変位の1/2となるような、加速度と時間を設定し、第
2ステップでは、第1ステップと同じ時間をかけて残り
の1/2の変位を起こさせるものである。そして、第2
ステップの最後では、振動速度が0となることを要す
る。これを満足するa1 、a2 、t1 、t2 の組合せ
は、以下のようにして求められる。ただし、第1ステッ
プの加速時または減速時における第1の加減速度a1
第1の加減速時間t1 、第2ステップの加速時または減
速時における第2の加減速度a2 、第2の加減速時間t
2 とする。最大加速度をaとし、振動周期Tとする。い
まa1 を、下式のように定めたとすると、
【0044】
【数式6】さきに示した第1の加速パターンは、上式中
のK1 をK1 =0.5と置いた場合に等しく、また、第
2の加速パターンは、K1 =1としても求められる。
【0045】第4の加速方法 図8の加速パターンを第4の加速方法とすれば、
【0046】
【数式7】上式においても、t1 =0とおけば、第1の
加速パターンになり、またt1 =T/6とおけば、第2
の加速パターンであり、本質的には同一である。
【0047】以上に示した各パターンに共通する考え方
は、定常加速にいたるまでの初期段階における加速パタ
ーンを、移動体の固有振動周期と関連付けた時間に従っ
た変化を持たせることにより、振動的な挙動を抑えて加
工点における変位をできるだけ少なくすることである。
もう少し具体的には、初期段階の加速が終了し、定常加
速に移行する前に、振動変位が定常加速力により生じる
静的変位に等しく、かつ、振動速度が0になるように加
速度の大きさ、時間を調整することにある。
【0048】加減速装置に要求される基本機能 前記のような加減速パターンを実現するには、加減速装
置の直線加減速に以下のような設定機能が必要である。
【0049】(1)振幅抑制パターンon/off(図
9参照) 0:off 1:加速および減速の始まりのみ実施 2:加速および減速の終わりのみ実施 3:加速および減速の、始まりと終わりに実施 (2)各ステップの時間と加速度比 ST1:第1ステップ時間(0.1ms単位) SR1:第1ステップにおける加速度の定常加速度に対
する比率(3桁以上例えば0.333) ST2:第2ステップ時間 SR2:第2ステップにおける加速度の定常加速度に対
する比率 加減速の始まりについては、上記各ステップの順に加減
速する。加減速の終わりについては、逆に順序に行う。
時間が0のステップは実行不要である。ここでいう定常
加速度は、本機能を仕様しない場合の直線加減速の時定
数にて決まる加速度をいう。
【0050】指令速度が低い場合、移動距離が短い場合
の取扱いは次のように行う。指令速度が低くなるにつれ
て、加速に要する時間が短くなるので、全ステップを実
行することができなくなる。その場合、定常加速→第2
ステップ→第1ステップの順にその期間を短縮あるいは
ステップを省略する。移動距離が短い場合も同様の考え
方とする。
【0051】(3)作動の詳細 ディジタルサーボを使用したCNC装置では、任意加減
速機能を持ったものが知られている。この機能は、通
常、ファームウェアとして用意されており、メモリに設
けられたプロファイルテーブルに、加減速パターンを書
き込み、これを読み出してサーボモータを制御すること
により、望みの加減速パターンで運転する。
【0052】(a)係数セット方法 この発明を実施するには、補間前加減速を行い、その後
の補間後任意加減速のプロファイルテーブル(後記す
る)には、出力するべき加速度の微分値(跳躍=J)
を、総計1(簡単なために1としたものであり、他の任
意の数字で良い。)例えば、プロファイルテーブルはα
0 からα63まで64個の係数がセットできるとすると、
係数、αn は、先頭から時間nmsの経過に対応する。
【0053】実例を、以下に示す。
【0054】前記第1の加速方法の場合:補間前での直
線加減速値をAとする。0msと20msで本来の加減
速の半分を与えるので、J0 =J20=0.5Aとなる。
【0055】
【数式8】 第2加速方法の場合:J=A(0ms)、J=−A
(6.6・・・ms)、J=A(13.3・・・ms)
なので、時間をms単位に丸めて、
【0056】
【数式9】 第3の加速法方法および第4の加速方法の場合:同様の
考え方で、n1=ST1、n2=ST1+ST2とし、
【0057】
【数式10】 (b)動作の説明 この系に入ってくる指令パルスは、例えば、1ms毎に
100パルスで、100msにわたって入力される。パ
ルス数の合計は10,000パルスであり、1パルスあ
たりμmの移動距離は10mmである。また、指令速度
は、F=10×60/0.1=6m/minである。
【0058】補間前直線加減速により、このパルス列
は、前後が直線的に加減速された形に変形し、補間器に
入力される。今、ここでの時定数を50msとすると、
補間器に入力されるパルス列は0から始まり、50ms
の間は、直線的に100まで増加する。この間の移動距
離は2.5mmに相当する。次の50msの間は、10
0パルス/msのレートであり、その後の50msの間
で100から0まで直線的に減少する。
【0059】補間器では、プログラムされた移動方向、
形状に従って各軸に分配されるが、今の議論には、直接
関係しないので、簡単のため、補間器の前後でパルス列
は変化しないものとする。補間後加減速用プロファイル
テーブルには、前に述べた方法により例えば、第1の加
速方法のパターンがセットしてあるものとする。
【0060】補間後加減速ブロックにおいては、単位時
間毎に、入力パルスをプロファイルテーブルの各係数と
掛け合わせて時間展開し、その結果を順次累積するよう
になっている。累積値は1ms毎のパルス列として出力
される。
【0061】そのような機能を持っているので、いま、
第1の加速方法のパターンの場合の係数α0 =0.5、
α1 〜α19=0、α20=0.5、α21〜α63=0がプロ
ファイルテーブルにセットしてあるものとすると、補間
前直線加減速処理された入力に対する補間後加減速ブロ
ックの出力は図に示すように意図した形状となる。
【0062】同様に、前述した他のパターンについても
意図した出力を得るとことができる。
【0063】加減速制御装置の機能ブロック図 図11は、前記した加減速パターンを実現するための加
減速制御装置10の概要を示す機能ブロック図である。
CPU12は、制御装置全体を統括するための中央処理
装置である。CPU12には、バス13を介してCR
T、キーボードなどの入出力装置14が接続されてい
る。この入出力装置14は、データの表示、入出力を行
うための周知の機器である。加工プログラムメモリ15
は、ワークを加工するための加工プログラムを記憶保持
しておくためのメモリである。
【0064】プロファイルテーブル16は、加減速ステ
ップごとに前記した係数αn および切替点すなわち時間
が設定され保持記憶されている。速度パルス出力回路1
7は、加工プログラムメモリ5から読み出した加工プロ
グラムにしたがって各軸の合成されたパルス列を出力す
ものである。速度パルス出力回路17を出たパルス列
は、補間前加減速回路18に入る。
【0065】この補間前加減速回路18では、送り速度
指令に加減速をかけるために第1次の波形処理が行われ
る。これは、本例では台形状の一定加速度指令である。
この後、補間器19は、与えられた直線、円弧、放物な
どの関数曲線に沿った点群で近似すべくパルス列を各軸
に分配する。補間器19を出たパルス列は、補間後加減
速回路20a,20bにより前記した原理にしたがって
加減速のために整形される。この整形の形状は、プロフ
ァイルフテーブル16内に記憶されたデータによって行
われる。
【0066】分周回路23は、発振器24で発振したパ
ルス列を分周するものである。分周されたパルス列は、
速度パルス出力回路17に入力され、サーボモー22
a,22bの速度を規定する。分周回路23の分周の速
度は、分周比切換指令回路25によりプログラムにした
がって切り換えられる。補間後加減速回路20a,20
bは、プロファイルテーブル16に記憶された前記した
係数αn、時間により前記した各パターンの制御を行
う。
【0067】
【その他の実施例】前記実施例は、コラム移動型のマシ
ニングセンタで説明した。しかし、前記被駆動体の加減
速時の変形は、このタイプに限定されるものではなく他
の工作機械も同様の問題があり、他のタイプの工作機械
にも本発明は適用できる。また、補間前加減速回路18
でパルス波形を整形し、更に補間後、前記パターンに整
形している。しかし、この整形は1段で行ってもよいこ
とは当業者にとって明白である。
【0068】
【発明の効果】以上詳記したように、この発明の加減速
制御方法によれば、機体の変形を静的変形以下に押さえ
られかつ高速送りができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はコラム移動型のマシニングセンタを示す
図である。
【図2】図2は加減速時間と最大変位との関係を示す図
である。
【図3】図3は加速時間と加速度および速度の関係を示
す図である。
【図4】図4は第1の加速方法を示す図である。
【図5】図5は第2の加速方法を示す図である。
【図6】図6は第3の加速方法を示す図である。
【図7】図7は他の加速方法を示す図である。
【図8】図8は更に他の加速方法を示す図である。
【図9】図9はこの発明の加減速パターンの例を示す図
である。
【図10】図10は加減速のパターンの一例を示す図で
ある。
【図11】図11は加減速制御装置の実施例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 コラム移動型マシニングセンタ 2 ベット 3 Y軸リニアガイド 4 移動コラム 5 Z軸リニアガイド 6 主軸ヘッド 10 加減速制御装置 12 CPU 16 プロファイルテーブル 17 速度パルス出力回路 18 補間前加減速回路 20a,20b 補間後加減速回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 裕一 千葉県我孫子市我孫子1番地 日立精機 株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−289644(JP,A) 特開 昭57−178645(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.サーボモータと、 b.前記サーボモータの出力軸に連結された送りネジ
    と、 c.前記送りネジに連結されベッド上を移動する移動体
    と、 d.前記移動体に設けられた機械加工用の工具と、 e.前記サーボモータを制御駆動するための加減速回路
    とを有する工作機械であって、 f.前記移動体の定常速度まで又は定常速度よりの加減
    速を固有振動周期と関連付けた時間に従った変化を持た
    定常速度中及び加減速中の前記移動体の振動を抑えて
    前記工具の加工中(前記移動体の速度が零である場合を
    除く)の変位を少なくした工作機械の加減速制御方法。
  2. 【請求項2】a.サーボモータと、 b.前記サーボモータの出力軸に連結された送りネジ
    と、 c.前記送りネジに連結されベッド上を移動する移動体
    と、 d.前記移動体に設けられた機械加工用の工具と、 e.前記サーボモータを制御駆動するための加減速制御
    手段とを有する工作機械であって、 f.前記移動体の振動変位が定常加速力により生じる静
    的変位に等しく、かつ振動速度が少なくなるように、固
    有振動周期と関連付けた時間に従って加工中(前記移動
    体の速度が零である場合を除く)の前記移動体を加減速
    する、工作機械の加減速制御方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、第1ステップの加速時
    または減速時における第1の加減速度a,第1の加減
    速時間t,第2ステップの加速時または減速時におけ
    る第2の加減速度a,第2の加減速時間tを、送り
    の最大加速度a、移動体の振動周期Tより 【数式6】 の式で求めたことを特徴とする工作機械の加減速制御方
    法。
  4. 【請求項4】請求項2において、第1ステップの加速時
    または減速時における第1の加減速度a,第1の加減
    速時間t,第2ステップの加速時または減速時におけ
    る第2の加減速度a,第2の加減速時間tを、送り
    の最大加速度a、移動体の振動周期Tより 【数式7】 の式で求めたことを特徴とする工作機械の加減速制御方
    法。
  5. 【請求項5】請求項2において、前記加減速時の各ステ
    ップ時の切換時間、係数を記憶するためのプロファイル
    テーブルを有し、このプロファイルテーブルの内容にし
    たがって前記各サーボモータの加減速度を制御するため
    の工作機械の加減速制御装置。
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