JP2551693Y2 - エンジンのシリンダーブロック構造 - Google Patents
エンジンのシリンダーブロック構造Info
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- JP2551693Y2 JP2551693Y2 JP1991010756U JP1075691U JP2551693Y2 JP 2551693 Y2 JP2551693 Y2 JP 2551693Y2 JP 1991010756 U JP1991010756 U JP 1991010756U JP 1075691 U JP1075691 U JP 1075691U JP 2551693 Y2 JP2551693 Y2 JP 2551693Y2
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- Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、エンジンのシリンダー
ブロック構造に関するものである。
ブロック構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にエンジンにおいては、エンジン保
護上の観点から、クランク室内に溜ったブローバイガス
を順次吸気系に還流させて該クランク室圧力の異常上昇
を未然に防止するようにしている。そして、この場合、
ブローバイガスをクランク室から吸気系に還流させるた
めに、シリンダーブロックを上下方向に嵌通してブロー
バイガス通路を形成するのが一般的である(例えば特開
昭59ー126014号公報参照)。
護上の観点から、クランク室内に溜ったブローバイガス
を順次吸気系に還流させて該クランク室圧力の異常上昇
を未然に防止するようにしている。そして、この場合、
ブローバイガスをクランク室から吸気系に還流させるた
めに、シリンダーブロックを上下方向に嵌通してブロー
バイガス通路を形成するのが一般的である(例えば特開
昭59ー126014号公報参照)。
【0003】また一方、このブローバイガスにはオイル
分が少なからず含まれてため、該ブローバイガスを吸気
系に戻す場合にこのオイル分を分離除去してやる必要が
あり、このため一般には上掲公知例にも開示されるよう
に、シリンダーヘッド部分にオイルバッファ機構を設
け、ここでオイル分を分離捕集するようにしている。
分が少なからず含まれてため、該ブローバイガスを吸気
系に戻す場合にこのオイル分を分離除去してやる必要が
あり、このため一般には上掲公知例にも開示されるよう
に、シリンダーヘッド部分にオイルバッファ機構を設
け、ここでオイル分を分離捕集するようにしている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところで、このような
ブローバイガスからのオイル分の分離除去はなかなか困
難であり、十分な分離性能を得ようとすれば勢いオイル
バッファ機構の大形化(特に高さ方向)を招来することと
なり、エンジンのコンパクト化という点において好まし
くなく、このことからエンジンのコンパクト化を阻害す
ることなくオイル分の分離除去性能を高め得る技術の開
発が要請されているところである。
ブローバイガスからのオイル分の分離除去はなかなか困
難であり、十分な分離性能を得ようとすれば勢いオイル
バッファ機構の大形化(特に高さ方向)を招来することと
なり、エンジンのコンパクト化という点において好まし
くなく、このことからエンジンのコンパクト化を阻害す
ることなくオイル分の分離除去性能を高め得る技術の開
発が要請されているところである。
【0005】そこで本考案は、エンジンのコンパクト化
を阻害することなくブローバイガスからのオイル分の分
離除去性能の向上を図るとともに、その製造の容易化を
図り得るようにしたエンジンのシリンダーブロック構造
を提案せんとしてなされたものである。
を阻害することなくブローバイガスからのオイル分の分
離除去性能の向上を図るとともに、その製造の容易化を
図り得るようにしたエンジンのシリンダーブロック構造
を提案せんとしてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案ではかかる課題を
解決するための手段として、その上部にシリンダーが形
成される上部ブロック部材の下面と、その下面側にオイ
ルパンが取付けられる下部ブロック部材の上面とを相互
に衝合合体させてこの両者の衝合部分にクランク室を形
成するエンジンにおいて、上記上部ブロック部材のクラ
ンク軸方向に延びる側壁を、変速機取付面側でエンジン
幅方向に拡大して形成し、その拡大して形成した側壁部
には、該上部ブロック部材の上面から下面にかけてその
内部を上下方向に延びるとともにその途中部から下面に
かけて通路面積の大きい拡大部とされた上側貫通路を形
成する一方、上記下部ブロック部材のクランク軸方向に
延びる側壁には、その上面において上記拡大部の下面開
口面積よりも小さい開口面積をもって開口し、その下方
端がクランク室に開口する下側貫通路を形成したことを
特徴としている。
解決するための手段として、その上部にシリンダーが形
成される上部ブロック部材の下面と、その下面側にオイ
ルパンが取付けられる下部ブロック部材の上面とを相互
に衝合合体させてこの両者の衝合部分にクランク室を形
成するエンジンにおいて、上記上部ブロック部材のクラ
ンク軸方向に延びる側壁を、変速機取付面側でエンジン
幅方向に拡大して形成し、その拡大して形成した側壁部
には、該上部ブロック部材の上面から下面にかけてその
内部を上下方向に延びるとともにその途中部から下面に
かけて通路面積の大きい拡大部とされた上側貫通路を形
成する一方、上記下部ブロック部材のクランク軸方向に
延びる側壁には、その上面において上記拡大部の下面開
口面積よりも小さい開口面積をもって開口し、その下方
端がクランク室に開口する下側貫通路を形成したことを
特徴としている。
【0007】
【作用】本考案ではかかる構成とすることによって、ク
ランク室内に溜ったブローバイガスは、該クランク室に
臨んで開口する下部ブロック部材の下側貫通路の上半部
を通ってこれに連通する上部ブロック部材の上側貫通路
に導入され、さらに該上側貫通路から上部ブロック部材
の上面側(即ち、シリンダーヘッド側)に排出される。
ランク室内に溜ったブローバイガスは、該クランク室に
臨んで開口する下部ブロック部材の下側貫通路の上半部
を通ってこれに連通する上部ブロック部材の上側貫通路
に導入され、さらに該上側貫通路から上部ブロック部材
の上面側(即ち、シリンダーヘッド側)に排出される。
【0008】この場合、上記上側貫通路の下半部が拡大
部とされるとともに該上側貫通路の下面側に連通する上
記下側貫通路が上記拡大部の下面開口面積よりも小さく
されているので、上記ブローバイガス通路は上記拡大部
の上流側と下流側でともに通路面積が絞られることにな
る。このため、ブローバイガスは下部ブロック部材の下
側貫通路からこの拡大部に導入されることにより急膨張
し、さらにこの拡大部の下流側において再度絞られるこ
とから、該拡大部部分においてそれに含まれていたオイ
ル分が効率よく分離せしめられることになる。
部とされるとともに該上側貫通路の下面側に連通する上
記下側貫通路が上記拡大部の下面開口面積よりも小さく
されているので、上記ブローバイガス通路は上記拡大部
の上流側と下流側でともに通路面積が絞られることにな
る。このため、ブローバイガスは下部ブロック部材の下
側貫通路からこの拡大部に導入されることにより急膨張
し、さらにこの拡大部の下流側において再度絞られるこ
とから、該拡大部部分においてそれに含まれていたオイ
ル分が効率よく分離せしめられることになる。
【0009】この拡大部においてブローバイガスから分
離せしめられたオイル分は、該拡大部から下部ブロック
部材の下側貫通路を通って該下部ブロック部材の下面側
(即ち、オイルパン側)に戻される。
離せしめられたオイル分は、該拡大部から下部ブロック
部材の下側貫通路を通って該下部ブロック部材の下面側
(即ち、オイルパン側)に戻される。
【0010】また、クランク室壁面上に付着したオイル
の一部は、該クランク室壁面をその自重によって落下す
る途中において上記下部ブロック部材の下側貫通路に捕
集され、該下側貫通路を介して素早くオイルパン側に戻
される。
の一部は、該クランク室壁面をその自重によって落下す
る途中において上記下部ブロック部材の下側貫通路に捕
集され、該下側貫通路を介して素早くオイルパン側に戻
される。
【0011】
【考案の効果】従って、本考案のエンジンのシリンダー
ブロック構造によれば、変速機取付面側でエンジン幅方
向に拡大して形成された上部ブロック部材の側壁に、該
拡大形成部分を有効に利用して通路面積の大きい拡大部
をもつ上側貫通路を形成し、該拡大部においてブローバ
イガスを急膨張させて該ブローバイガス中のオイル分を
分離除去するようにしているため、例えば従来一般に考
えられるようにシリンダーヘッド側に設けられるオイル
バッファ機構を大形化することなくオイル分離除去性能
を従来に増して高めることができるとともに、例えば、
単に上部ブロック部材の側壁に拡大部をもつ上側貫通路
を形成する場合の如くシリンダブロックの幅方向の拡大
という問題が生じることもなく、これらの結果、エンジ
ンのコンパクト化とブローバイガスのオイル分離性能の
向上とが両立されるものである。
ブロック構造によれば、変速機取付面側でエンジン幅方
向に拡大して形成された上部ブロック部材の側壁に、該
拡大形成部分を有効に利用して通路面積の大きい拡大部
をもつ上側貫通路を形成し、該拡大部においてブローバ
イガスを急膨張させて該ブローバイガス中のオイル分を
分離除去するようにしているため、例えば従来一般に考
えられるようにシリンダーヘッド側に設けられるオイル
バッファ機構を大形化することなくオイル分離除去性能
を従来に増して高めることができるとともに、例えば、
単に上部ブロック部材の側壁に拡大部をもつ上側貫通路
を形成する場合の如くシリンダブロックの幅方向の拡大
という問題が生じることもなく、これらの結果、エンジ
ンのコンパクト化とブローバイガスのオイル分離性能の
向上とが両立されるものである。
【0012】また、クランク室から上記拡大部に至る部
位に形成される絞り部分を、上記上部ブロックと下部ブ
ロックとの分割面における上記上側貫通路の開口面積と
上記下側貫通路の開口面積との間に差を持たせることで
形成しているので、該絞り部分の製造が容易である。
位に形成される絞り部分を、上記上部ブロックと下部ブ
ロックとの分割面における上記上側貫通路の開口面積と
上記下側貫通路の開口面積との間に差を持たせることで
形成しているので、該絞り部分の製造が容易である。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照して本考案の好適な実
施例を説明すると、図1には自動車用6気筒V型エンジ
ンに適用されるシリンダーブロック1が示されている。
このシリンダーブロック1は、クランクシャフト軸心を
境にその上方に位置する後述のアッパーブロック2(実
用新案登録請求の範囲中の上部ブロック部材に該当す
る)と下方に位置する後述のロアブロック3(実用新案
登録請求の範囲中の下部ブロック部材に該当する)とか
らなり、この両者の衝合部にクランク室7を形成するよ
うにした上下二分割式構造とされている。
施例を説明すると、図1には自動車用6気筒V型エンジ
ンに適用されるシリンダーブロック1が示されている。
このシリンダーブロック1は、クランクシャフト軸心を
境にその上方に位置する後述のアッパーブロック2(実
用新案登録請求の範囲中の上部ブロック部材に該当す
る)と下方に位置する後述のロアブロック3(実用新案
登録請求の範囲中の下部ブロック部材に該当する)とか
らなり、この両者の衝合部にクランク室7を形成するよ
うにした上下二分割式構造とされている。
【0014】上記アッパーブロック2は、図1及び図2
に示すように、その上部にはそれぞれシリンダー20を
備えるとともに所定の交差角をもって対向する左右一対
のバンク21,21,・・をアッパーブロック軸方向に所
定間隔で3組形成する一方、その下部にはクランク室7
の側壁の上半部を構成する左右一対の側壁2b,2bを設
けている。そして、この左右一対の側壁2b,2bの内部
は、クランク室7の上半部を構成するものであって、上
記左右の側壁2b,2b相互間に跨がるようにして所定間
隔で設けた4つの隔壁部22,22,・・によりアッパー
ブロック軸方向に並ぶ3つの空間部23,23,・に区画
されている。そして、この各空間部23,23,・に臨む
各側壁2b,2bの内面は、それぞれクランク室壁面32
a,23a,・・とされる。また、このアッパーブロック2
の一方の端面2cは変速機(図示省略)が締着固定される
変速機取付面8とされる。
に示すように、その上部にはそれぞれシリンダー20を
備えるとともに所定の交差角をもって対向する左右一対
のバンク21,21,・・をアッパーブロック軸方向に所
定間隔で3組形成する一方、その下部にはクランク室7
の側壁の上半部を構成する左右一対の側壁2b,2bを設
けている。そして、この左右一対の側壁2b,2bの内部
は、クランク室7の上半部を構成するものであって、上
記左右の側壁2b,2b相互間に跨がるようにして所定間
隔で設けた4つの隔壁部22,22,・・によりアッパー
ブロック軸方向に並ぶ3つの空間部23,23,・に区画
されている。そして、この各空間部23,23,・に臨む
各側壁2b,2bの内面は、それぞれクランク室壁面32
a,23a,・・とされる。また、このアッパーブロック2
の一方の端面2cは変速機(図示省略)が締着固定される
変速機取付面8とされる。
【0015】そして、このアッパーブロック2の一方の
側壁2bの上記変速機取付面8に近接する部分には、後
述のロアブロック3側の下側貫通路34とともに一連の
ブローバイガス通路10を構成する後述の上側貫通路2
4が形成されている。
側壁2bの上記変速機取付面8に近接する部分には、後
述のロアブロック3側の下側貫通路34とともに一連の
ブローバイガス通路10を構成する後述の上側貫通路2
4が形成されている。
【0016】この上側貫通路24は、該一方の側壁2b
側において上記アッパーブロック2の下面2aに開口し
且つ該下面2aからその上下方向中段部付近にまで達す
る断面長円状の下部孔26と、その下端が上記下部孔2
6の上端部のしかも長軸方向の外端側に偏心状態で連続
するとともに上記シリンダー20の側壁を上下方向に貫
通してアッパーブロック上面2dに達する上部孔25と
で構成されている。そして、この上側貫通路24におい
ては、その下部孔26の通路面積が上部孔25のそれよ
りも大きく設定されており、従って該下部孔26は上側
貫通路24中における拡大部24aとして機能すること
となる。
側において上記アッパーブロック2の下面2aに開口し
且つ該下面2aからその上下方向中段部付近にまで達す
る断面長円状の下部孔26と、その下端が上記下部孔2
6の上端部のしかも長軸方向の外端側に偏心状態で連続
するとともに上記シリンダー20の側壁を上下方向に貫
通してアッパーブロック上面2dに達する上部孔25と
で構成されている。そして、この上側貫通路24におい
ては、その下部孔26の通路面積が上部孔25のそれよ
りも大きく設定されており、従って該下部孔26は上側
貫通路24中における拡大部24aとして機能すること
となる。
【0017】一方、上記ロアブロック3は、図1及び図
3にそれぞれ示すように、上記アッパーブロック2の下
面2aとほぼ同一形状の上面3aを有し、該上面3aを上
記アッパーブロック2の下面2aに衝合させた状態で該
アッパーブロック2と一体化されて一つのシリンダーブ
ロック1を形成する。また、このロアブロック3は、そ
の左右一対の側壁3b,3bに跨って所定間隔で隔壁部3
1,31,・・を形成し、これら相互間をそれぞれ上記ア
ッパーブロック2の各空間部23に対応する空間部3
2,32,・・とするとともに、その内周面をクランク室
壁面32a,32a,・・としている。そして、このアッパ
ーブロック2とロアブロック3との衝合合体状態におい
ては、該アッパーブロック2側の各隔壁部22,22,・
・とロアブロック3の各隔壁部31,31,・・の衝合部
にクランクシャフト軸受5,5,・・がそれぞれ形成され
る。
3にそれぞれ示すように、上記アッパーブロック2の下
面2aとほぼ同一形状の上面3aを有し、該上面3aを上
記アッパーブロック2の下面2aに衝合させた状態で該
アッパーブロック2と一体化されて一つのシリンダーブ
ロック1を形成する。また、このロアブロック3は、そ
の左右一対の側壁3b,3bに跨って所定間隔で隔壁部3
1,31,・・を形成し、これら相互間をそれぞれ上記ア
ッパーブロック2の各空間部23に対応する空間部3
2,32,・・とするとともに、その内周面をクランク室
壁面32a,32a,・・としている。そして、このアッパ
ーブロック2とロアブロック3との衝合合体状態におい
ては、該アッパーブロック2側の各隔壁部22,22,・
・とロアブロック3の各隔壁部31,31,・・の衝合部
にクランクシャフト軸受5,5,・・がそれぞれ形成され
る。
【0018】一方、このロアブロック3は、上記アッパ
ーブロック2の上側貫通路24に対応する位置に後述の
下側貫通路34を形成している。即ち、この下側貫通路
34は、その上端がロアブロック上面3aのしかも上記
上側貫通路24の下部孔26のシリンダーブロック幅方
向内側寄り部分に偏心して重合するように開口されると
ともに、上記クランク室壁面32a上を下方に向けてそ
の上下方向中段付近まで延びる溝36と、その上端が上
記溝36の下端に連続するとともにその下端がロアブロ
ック下面3dに開口する縦孔35とで構成されている。
ーブロック2の上側貫通路24に対応する位置に後述の
下側貫通路34を形成している。即ち、この下側貫通路
34は、その上端がロアブロック上面3aのしかも上記
上側貫通路24の下部孔26のシリンダーブロック幅方
向内側寄り部分に偏心して重合するように開口されると
ともに、上記クランク室壁面32a上を下方に向けてそ
の上下方向中段付近まで延びる溝36と、その上端が上
記溝36の下端に連続するとともにその下端がロアブロ
ック下面3dに開口する縦孔35とで構成されている。
【0019】尚、この下側貫通路34の縦孔35は、ク
ランク室7の壁面に付着したオイルをロアブロック3の
下面3d側に配置されるオイルパン4側へ戻すためのオ
イルリターン通路としても機能するものであり、このた
めこの縦孔35をオイルを捕集し易いようにシリンダー
ブロック軸方向に長くのびる長穴状断面を有するととも
に、上記変速機取付面8寄りのみならずシリンダーブロ
ック軸方向の反対側部位にも一つ形成されている。
ランク室7の壁面に付着したオイルをロアブロック3の
下面3d側に配置されるオイルパン4側へ戻すためのオ
イルリターン通路としても機能するものであり、このた
めこの縦孔35をオイルを捕集し易いようにシリンダー
ブロック軸方向に長くのびる長穴状断面を有するととも
に、上記変速機取付面8寄りのみならずシリンダーブロ
ック軸方向の反対側部位にも一つ形成されている。
【0020】このように、上側貫通路24を設けたアッ
パーブロック2と、下側貫通路34を設けたロアブロッ
ク3とを衝合合体させた状態においては、これら各貫通
路24,34によりシリンダーブロック1をその下面1a
から上面1bまで貫通するブローバイガス通路10が形
成されることとなる。従って、このシリンダーブロック
1を用いてエンジンを構成し、それを運転させた状態に
おいては、燃焼室からクランク室7側に吹きだされて該
クランク室7内に溜るブローバイガスは、図1に矢印G
で示すように、該クランク室7から下側貫通路34の溝
36を通って上側貫通路24の下部孔26(即ち上側貫
通路24の拡大部24a)内に導入され、さらにこれから
上部孔25を介してシリンダーブロック上面2d側(即
ち、シリンダーヘッド側)へ導かれる。
パーブロック2と、下側貫通路34を設けたロアブロッ
ク3とを衝合合体させた状態においては、これら各貫通
路24,34によりシリンダーブロック1をその下面1a
から上面1bまで貫通するブローバイガス通路10が形
成されることとなる。従って、このシリンダーブロック
1を用いてエンジンを構成し、それを運転させた状態に
おいては、燃焼室からクランク室7側に吹きだされて該
クランク室7内に溜るブローバイガスは、図1に矢印G
で示すように、該クランク室7から下側貫通路34の溝
36を通って上側貫通路24の下部孔26(即ち上側貫
通路24の拡大部24a)内に導入され、さらにこれから
上部孔25を介してシリンダーブロック上面2d側(即
ち、シリンダーヘッド側)へ導かれる。
【0021】この場合、先ず第1に、溝36から下部孔
26に導入されるブローバイガスは該下部孔26におい
て急膨張すること、第2に下部孔26に対して溝36と
上部孔25とがそれぞれ逆方向に偏心しており該溝36
から下部孔26内に導入されたブローバイガスは該下部
孔26内を迂回状態で且つ下部孔26の天井面26aに
衝突しながら流れて該天井面26aが一種のバッファプ
レートとして機能すること、等から、該ブローバイガス
に含まれていたオイル分が効率良く分離されることとな
る。そして、この分離したオイル分は、該下部孔26か
ら溝36側に流下し、さらに縦孔35を通ってオイルパ
ン4側に戻される。
26に導入されるブローバイガスは該下部孔26におい
て急膨張すること、第2に下部孔26に対して溝36と
上部孔25とがそれぞれ逆方向に偏心しており該溝36
から下部孔26内に導入されたブローバイガスは該下部
孔26内を迂回状態で且つ下部孔26の天井面26aに
衝突しながら流れて該天井面26aが一種のバッファプ
レートとして機能すること、等から、該ブローバイガス
に含まれていたオイル分が効率良く分離されることとな
る。そして、この分離したオイル分は、該下部孔26か
ら溝36側に流下し、さらに縦孔35を通ってオイルパ
ン4側に戻される。
【0022】このように、この実施例のシリンダーブロ
ック構造を適用した場合には、クランク室7からシリン
ダーヘッド内空間に至るブローバイガス通路10の通路
途中に拡大部24aを形成するという極めて簡単な構成
により、該シリンダーヘッド側に設けられるオイルバッ
ファ機構を大きくすることなく(換言すれば、エンジン
の大形化を招くことなく)ブローバイガスからのオイル
分離性能を高めることができ、エンジンのコンパクト化
とオイル分離性能の向上という相反する要求を同時に達
成することができるものである。
ック構造を適用した場合には、クランク室7からシリン
ダーヘッド内空間に至るブローバイガス通路10の通路
途中に拡大部24aを形成するという極めて簡単な構成
により、該シリンダーヘッド側に設けられるオイルバッ
ファ機構を大きくすることなく(換言すれば、エンジン
の大形化を招くことなく)ブローバイガスからのオイル
分離性能を高めることができ、エンジンのコンパクト化
とオイル分離性能の向上という相反する要求を同時に達
成することができるものである。
【0023】尚、この実施例の如き通路構成によってブ
ローバイガス通路10を形成した場合には、例えこの実
施例のように該ブローバイガス通路10をシリンダーブ
ロック1の変速機取付面8寄り部分に形成した場合であ
っても、該シリンダーブロック1に対する変速機の取付
剛性を良好に維持することができるものである。即ち、
このような二分割式のシリンダーブロック1の変速機取
付面8に変速機を取付ける場合、該変速機はシリンダー
ブロック1に対して上方に偏位した状態で取り付けられ
ることから、シリンダーブロック1における荷重負担割
合はアッパーブロック2側の方がロアブロック3側より
大きくなる。従って、変速機の取付剛性を確保するには
アッパーブロック2側の剛性が重要となるが、この実施
例のものにおいては、該アッパーブロック2側に形成さ
れる上側貫通路24を貫通孔で構成し該部分を一種の閉
断面構造としていることから、例えば該上側貫通路24
を溝等の開断面構造とする場合に比してその剛性を高く
維持することができ、結果的に変速機に対する取付剛性
が良好状態に維持されるものである。
ローバイガス通路10を形成した場合には、例えこの実
施例のように該ブローバイガス通路10をシリンダーブ
ロック1の変速機取付面8寄り部分に形成した場合であ
っても、該シリンダーブロック1に対する変速機の取付
剛性を良好に維持することができるものである。即ち、
このような二分割式のシリンダーブロック1の変速機取
付面8に変速機を取付ける場合、該変速機はシリンダー
ブロック1に対して上方に偏位した状態で取り付けられ
ることから、シリンダーブロック1における荷重負担割
合はアッパーブロック2側の方がロアブロック3側より
大きくなる。従って、変速機の取付剛性を確保するには
アッパーブロック2側の剛性が重要となるが、この実施
例のものにおいては、該アッパーブロック2側に形成さ
れる上側貫通路24を貫通孔で構成し該部分を一種の閉
断面構造としていることから、例えば該上側貫通路24
を溝等の開断面構造とする場合に比してその剛性を高く
維持することができ、結果的に変速機に対する取付剛性
が良好状態に維持されるものである。
【図1】本考案の実施例にかかるシリンダーブロック構
造を備えたシリンダーブロックの縦断面図である。
造を備えたシリンダーブロックの縦断面図である。
【図2】図1のIIーII矢視図である。
【図3】図1のIIIーIII矢視図である。
1はシリンダーブロック、2はアッパーブロック(上部
ブロック部材)、3はロアブロック(下部ブロック部
材)、4はオイルパン、5はクランクシャフト軸受、6
は隔壁、7はクランク室、8は変速機取付面、10はブ
ローバイガス通路、20はシリンダー、21はバンク、
22は隔壁部、23は空間部、23aはクランク室壁
面、24は上側貫通路、24aは拡大部、25は上部
孔、26は下部孔、31は隔壁部、32は空間部、32
aはクランク室壁面、34は下側貫通路、35は縦孔、
36は溝である。
ブロック部材)、3はロアブロック(下部ブロック部
材)、4はオイルパン、5はクランクシャフト軸受、6
は隔壁、7はクランク室、8は変速機取付面、10はブ
ローバイガス通路、20はシリンダー、21はバンク、
22は隔壁部、23は空間部、23aはクランク室壁
面、24は上側貫通路、24aは拡大部、25は上部
孔、26は下部孔、31は隔壁部、32は空間部、32
aはクランク室壁面、34は下側貫通路、35は縦孔、
36は溝である。
Claims (1)
- 【請求項1】 その上部にシリンダーが形成される上部
ブロック部材の下面と、その下面側にオイルパンが取付
けられる下部ブロック部材の上面とを相互に衝合合体さ
せてこの両者の衝合部分にクランク室を形成するエンジ
ンにおいて、 上記上部ブロック部材のクランク軸方向に延びる側壁
が、変速機取付面側でエンジン幅方向に拡大して形成さ
れ、その拡大して形成された側壁部には、該上部ブロッ
ク部材の上面から下面にかけてその内部を上下方向に延
びるとともにその途中部から下面にかけて通路面積の大
きい拡大部とされた上側貫通路が形成される一方、 上記下部ブロック部材のクランク軸方向に延びる側壁に
は、その上面において上記拡大部の下面開口面積よりも
小さい開口面積をもって開口し、その下方端がクランク
室に開口する下側貫通路が形成されていることを特徴と
するエンジンのシリンダーブロック構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991010756U JP2551693Y2 (ja) | 1991-03-02 | 1991-03-02 | エンジンのシリンダーブロック構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991010756U JP2551693Y2 (ja) | 1991-03-02 | 1991-03-02 | エンジンのシリンダーブロック構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04107434U JPH04107434U (ja) | 1992-09-17 |
JP2551693Y2 true JP2551693Y2 (ja) | 1997-10-27 |
Family
ID=31900468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991010756U Expired - Fee Related JP2551693Y2 (ja) | 1991-03-02 | 1991-03-02 | エンジンのシリンダーブロック構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2551693Y2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63173811A (ja) * | 1987-01-13 | 1988-07-18 | Mazda Motor Corp | エンジンのブロ−バイガス通路構造 |
-
1991
- 1991-03-02 JP JP1991010756U patent/JP2551693Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04107434U (ja) | 1992-09-17 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |