JP2550593Y2 - 食器洗浄機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、食器洗浄機に係り、特
に、食器を収納する洗浄室の下部に設けたタンク内に、
制御装置によって開作動及び閉作動を制御される常閉型
開閉弁（給水電磁弁）を所定位置に介装した給水管を通
して給水されるようにした食器洗浄機に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の食器洗浄機は、例えば特開昭６
２−１１７５２３号公報に示されている。しかして、同
公報にて提案されている食器洗浄機においては、常閉型
開閉弁（給水電磁弁）を含む給水系の故障時に、これを
溢水レベル検知スイッチにより検出して制御装置により
当該食器洗浄機が備える排水ポンプを作動させるととも
に報知手段にて設定時間だけ異常状態であることを報知
するようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記した従来の食器洗
浄機においては、停電時（電源コードをコンセントから
外した場合も含む）における常閉型開閉弁（給水電磁
弁）の機械的な漏れ故障時とか溢水レベル検知スイッチ
の電気的な故障時には溢水レベルに達しても排水ポンプ
が作動しないといった問題や、給水系の故障時には給水
が溢水レベルに達する毎に当該食器洗浄機の主要機能部
品である排水ポンプが作動し同ポンプの寿命を低下させ
るおそれがある。本考案は、上記した各問題に対処すべ
くなされたものであり、給水系の故障に対して、溢水レ
ベル検知スイッチが不要で停電時にも有効に作動しまた
当該食器洗浄機の主要機能部品を作動させることなく対
処できる食器洗浄機を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本考案においては、食器を収納する洗浄室の下
部に設けたタンク内に、制御装置によって開作動及び閉
作動を制御される常閉型開閉弁を所定位置に介装した給
水管を通して給水されるようにした食器洗浄機におい
て、前記常閉型開閉弁の流出側に下方に延びる漏水排出
管を分岐接続し、この漏水排出管に前記制御装置による
前記常閉型開閉弁の開作動制御時に前記制御装置によっ
て閉作動制御される常開型開閉弁を介装した。この場合
において、前記給水管と前記漏水排出管の分岐接続部よ
り洗浄室側に位置する前記給水管に前記分岐接続部より
所定量上方に延びる立ち上がり部を設けること、及び前
記常開型開閉弁より排出側の前記漏水排出管に内部を水
が流れたことを検出する水検出手段を設けるとともに、
この水検出手段からの信号により警告を発する警告器を
設けることが望ましい。

【０００５】

【作用】本考案による食器洗浄機においては、正常時、
給水管に介装した常閉型開閉弁が制御装置によって開作
動制御されるとき、漏水排出管に介装した常開型開閉弁
が制御装置によって閉作動制御されるため、給水管の水
は給水管から漏水排出管を通して外部に排出されること
はなくタンクに的確に供給される。しかして、停電時に
おいて常閉型開閉弁が機械的に漏れ故障して給水管を通
してタンクに給水がなされようとするときには、常閉型
開閉弁を通過した給水管の水が分岐接続部から漏水排出
管に流入し常開型開閉弁を通して外部に排出されてタン
クに流入することはない。かかる作動は、制御装置によ
って給水時以外は閉作動制御されている常閉型開閉弁が
故障して給水管を通してタンクに給水がなされようとす
るときにも、同様に得られる。したがって、上記した各
異常時には、給水管からの給水によりタンクが満杯とな
ってタンクから水が溢れでることはない。また、本考案
の実施に際して、給水管と漏水排出管の分岐接続部より
洗浄室側に位置する給水管に分岐接続部より所定量上方
に延びる立ち上がり部を設けた場合には、上記した各異
常時に漏水を漏水排出管に的確に流入させることがで
き、また常開型開閉弁より排出側の漏水排出管に内部を
水が流れたことを検出する水検出手段を設けるととも
に、この水検出手段からの信号により警告を発する警告
器を設けた場合には、上記した各異常を使用者に的確に
知らせることができる。

【０００６】

【実施例】以下に、本考案の一実施例を図面に基づいて
説明する。図１は本考案による食器洗浄機を示してい
て、この食器洗浄機においては、前方に開口を有する洗
浄槽１１とこれの開口を開閉するドア１２によって食器
ＡをラックＢとともに収納する洗浄室Ｒが形成されてい
る。洗浄室Ｒの下部には下方噴射ノズル２１が配設さ
れ、上部には上方噴射ノズル２２が配設されていて、洗
浄室Ｒの下方に配設した給水ポンプ３０から各噴射ノズ
ル２１，２２に給水されるようになっている。給水ポン
プ３０はその作動を制御装置４０によって周知のように
制御されるものであり、洗浄槽１１の下部に一体的に形
成したタンク１３の側部に接続される吸入口３１と、下
方噴射ノズル２１に接続される第１吐出口３２と、上方
噴射ノズル２２に接続される第２吐出口３３とを備えて
いる。

【０００７】また、この食器洗浄機には、タンク１３内
の水を外部に排出するための排水ポンプ５０と、タンク
１３内に外部から所定量の水（湯の場合もある）を供給
するための給水管６１が設けられている。排水ポンプ５
０は、その作動を制御装置４０によって周知のように制
御されるものであり、タンク１３の底部に接続される吸
入口５１と、逆流防止用の弁７０を介装してなる排水管
６２の接続される吐出口５２とを備えている。給水管６
１は、図示省略の給水源（給湯器の場合もある）に接続
されていて、所定部位が上下方向となるように配管され
ており、同部位には制御装置４０によって開作動及び閉
作動を周知のように制御される常閉型の電磁開閉弁７１
が介装されている。

【０００８】しかして、本実施例においては、電磁開閉
弁７１の流出側にある給水管６１に下方に延びて下端に
て排水管６２の排出側に接続される漏水排出管６３（排
水管６２とは別個に設けて外部に排水できるようにして
実施することも可能である）が分岐接続されていて、こ
の漏水排出管６３には制御装置４０による電磁開閉弁７
１の開作動制御時に制御装置４０によって閉作動制御さ
れる常開型の電磁開閉弁７２が介装されている。また、
本実施例においては、給水管６１と漏水排出管６３の分
岐接続部Ｐより洗浄室Ｒ側に位置する給水管６１に分岐
接続部Ｐより所定量上方に延びる立ち上がり部（逆Ｕ字
部）６１ａが設けられるとともに、電磁開閉弁７２より
排出側の漏水排出管６３に内部を水が流れたことを電気
的に検出する水検出器８１が設けられている。水検出器
８１は、警告器（ランプまたはブザー）８２に電気的に
接続されていて、水検出器８１が水の流れを検出すると
警告器８２が警告を発するようになっている。

【０００９】上記のように構成した本実施例において
は、正常時、給水管６１に介装した常閉型電磁開閉弁７
１が制御装置４０によって開作動制御されるとき、漏水
排出管６３に介装した常開型電磁開閉弁７２が制御装置
４０によって閉作動制御されるため、給水管６１の水は
給水管６１から漏水排出管６３を通して外部に排出され
ることはなくタンク１３に的確に供給される。なお、給
水管６１からタンク１３への給水は、タンク１３に設け
た水位検出スイッチ（図示省略）の動作に基づいて制御
装置４０が常閉型電磁開閉弁７１を閉作動制御しかつ常
開型電磁開閉弁７２を開作動制御することにより完了す
る。

【００１０】しかして、停電時において常閉型電磁開閉
弁７１が機械的に漏れ故障して給水管６１を通してタン
ク１３に給水がなされようとするときには、常閉型電磁
開閉弁７１を通過した給水管６１の水が分岐接続部Ｐか
ら漏水排出管６３に流入し常開型電磁開閉弁７２を通し
て外部に排出されてタンク１３に流入することはない。
かかる作動は、制御装置４０によって給水時以外は閉作
動制御されている常閉型電磁開閉弁７１が故障して給水
管６１を通してタンク１３に給水がなされようとすると
きにも、同様に得られる。したがって、上記した各異常
時には、給水管６１からの給水によりタンク１３が満杯
となってタンク１３から水が溢れでることはない。

【００１１】また、本実施例においては、給水管６１と
漏水排出管６３の分岐接続部Ｐより洗浄室Ｒ側に位置す
る給水管６１に分岐接続部Ｐより所定量上方に延びる立
ち上がり部６１ａを設けたため、上記した各異常時に漏
水を漏水排出管６３に的確に流入させることができ、ま
た常開型電磁開閉弁７２より排出側の漏水排出管６３に
内部を水が流れたことを検出する水検出器８１を設ける
とともに、この水検出器８１からの信号により警告を発
する警告器８２を設けたため、上記した各異常を使用者
に的確に知らせることができる。

【００１２】

【考案の効果】以上要するに、本考案による食器洗浄機
においては、給水系の故障に対して、(1) 溢水レベル検
知スイッチが不要であるため、同スイッチの保守・点検
が不要であって使用性が良い。(2) 停電時にも的確に作
動するため、電源コードがコンセントから外されていて
も、溢水事故を防止することができる。(3) 当該食器洗
浄機の主要機能部品を作動させることなく対処できるた
め、当該食器洗浄機の耐久性は全く阻害されない。等の
各効果を期待することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案による食器洗浄機の一実施例を示す縦
断側面図である。

【符号の説明】

１３…タンク、４０…制御装置、６１…給水管、６１ａ
…立ち上がり部、６３…漏水排出管、Ｐ…分岐接続部、
７１…常閉型電磁開閉弁、７２…常開型電磁開閉弁、８
１…水検出器（手段）、８２…警告器、Ａ…食器、Ｒ…
洗浄室。

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 食器を収納する洗浄室の下部に設けたタ
   ンク内に、制御装置によって開作動及び閉作動を制御さ
   れる常閉型開閉弁を所定位置に介装した給水管を通して
   給水されるようにした食器洗浄機において、前記常閉型
   開閉弁の流出側に下方に延びる漏水排出管を分岐接続
   し、この漏水排出管に前記制御装置による前記常閉型開
   閉弁の開作動制御時に前記制御装置によって閉作動制御
   される常開型開閉弁を介装したことを特徴とする食器洗
   浄機。
2. 【請求項２】 前記給水管と前記漏水排出管の分岐接続
   部より洗浄室側に位置する前記給水管に前記分岐接続部
   より所定量上方に延びる立ち上がり部を設けたことを特
   徴とする請求項１に記載の食器洗浄機。
3. 【請求項３】 前記常開型開閉弁より排出側の前記漏水
   排出管に内部を水が流れたことを検出する水検出手段を
   設けるとともに、この水検出手段からの信号により警告
   を発する警告器を設けたことを特徴とする請求項１また
   は２に記載の食器洗浄機。