JP2550582B2 - 中性アミノ酸−n−カルボン酸無水物の製造方法 - Google Patents

中性アミノ酸−n−カルボン酸無水物の製造方法

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JP2550582B2 JP62138027A JP13802787A JP2550582B2 JP 2550582 B2 JP2550582 B2 JP 2550582B2 JP 62138027 A JP62138027 A JP 62138027A JP 13802787 A JP13802787 A JP 13802787A JP 2550582 B2 JP2550582 B2 JP 2550582B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は繊維、フィルム、医療用品等に使用される高
分子ポリペプリドの単量体として有用な中性アミノ酸−
N−カルボン酸無水物(以下、「中性アミノ酸NCA」と
略す。)の新規製造方法に関する。
従来の技術 従来の、例えばα−アミノ酸NCAの製造法として、反
応溶媒に1,2−ジクロロエタンを使用して反応を行な
い、反応液をそのまま、あるいはこれより反応溶媒の一
部を留去した後冷却することによりNCAの結晶を析出さ
せる方法が知られている(特公昭40−94号公報参
照。)。
一方、アラニン、ロイシン等中性アミノ酸NCAの場
合、反応溶媒として1,2−ジクロロエタンを使用し反応
液を冷却しただけではNCAは晶析せず、反応溶媒の大部
分を留去する必要がある。このようにして晶析したNCA
の収率はかなり低いため、特公昭40−94号公報記載の方
法は中性アミノ酸NCAの取得法としては適していない。
また、この他の製造法として反応溶媒に1,4−ジオキ
サン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒を使用して中性
アミノ酸とホスゲンとを反応させた後、反応液を濃縮乾
固させて中性アミノ酸NCAを得るか、あるいは反応液を
濃縮した後、ヘキサン、石油エーテル等のアルカン類を
加えて中性アミノ酸NCAを析出させる方法も知られてい
る。しかしながら、上記の前者の方法において反応液を
濃縮乾固させて中性アミノ酸NCAの結晶を得るためには
反応溶媒を完全に除かなければならず高度な濃縮工程が
必要になる。さらに工業的プロセスにおいて反応槽で固
化した結晶を取り上げることは非常に困難であり、実質
的に不可能である等の大きな欠点を有する。また後者
の、反応液を濃縮後アルカン類を加えて結晶を析出させ
る方法においてはアルカン類が中性アミノ酸NCAの外、
反応で副生する酸クロライドや未反応のアミノ酸塩等の
溶解度も小さいため中性アミノ酸NCAと一緒にこれらの
不純物も析出してしまう。そのため純度の良い中性アミ
ノ酸NCAが得られず、重合反応に用いるには当該NCAを数
回にわたって再結晶しなければならない。
発明が解決しようとする問題点 以上のようなことから中性アミノ酸NCAを簡便な方法
で高収率かつ高純度に得る工業上優れた方法の開発が望
まれている。
問題点を解決するための手段 本発明者らは上記の問題点を解決すべく鋭意研究を行
なった結果、中性アミノ酸NCAの製造に関し、中性アミ
ノ酸又はその塩(塩酸塩等)と、有機溶媒中でホスゲン
とを反応せしめた後、反応液に直接、もしくは反応液を
濃縮した後、晶析溶媒として誘電率が4以下、好ましく
は4〜2のハロゲン化アルキル、又はハロゲン化アルケ
ニル、あるいは誘電率が7以下、好ましくは7〜2のハ
ロゲン化アリールを加えると高純度の中性アミノ酸NCA
が簡便かつ収率良く得られることを見出し、この発見に
基いて本発明を完成するに至った。
表1の例に示したように一般に中性アミノ酸NCAはい
かなるハロゲン系溶媒に対してでも高温下で非常によく
溶解する。しかしながら表1でも明らかなごとく、ハロ
ゲン系溶媒のうち誘電率の小さい、即ち極性の小さい当
該溶媒、特に誘電率が4以下のハロゲン化アルキル、又
はハロゲン化アルケニルあるいは誘電率が7以下のハロ
ゲン化アリールは低温下での中性アミノ酸NCAの溶解度
が極度に低下することを見出して、このため晶析溶媒の
温度差を利用して当該NCAの結晶を高い収率で得ること
ができた。
さらに、当該晶析溶媒は反応の副生成物である酸クロ
ライドや未反応のアミノ酸塩を夾雑せしめることなく晶
析時に選択的に中性アミノ酸NCAのみを晶析させること
ができる。そのため、本発明により得られた中性アミノ
酸NCAは高純度品であり再結晶を行なわなくても重合に
供することが可能である。
以上のように本発明は従来解決できなかったいくつか
の問題点を解消できた。
本発明の晶析溶媒として用いる誘電率が4以下のハロ
ゲン化アルキル又はハロゲン化アルケニルの好ましい例
としては四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロ
エチレン、テトラクロロエチレン等があげられ誘電率が
7以下のハロゲン化アリールの好ましい例としてはクロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、ブロ
モベンゼン等があげられる。これらの溶媒は単独で用い
られるほか、他の一種又は二種以上の溶媒との混合物で
も使用できる。また、本発明における中性アミノ酸とグ
リシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、イ
ソロイシン、ノルロイシン、メチオニン、フェニルアラ
ニン等を示し、D体、L体、DL体いずれも使用すること
ができる。アミノ酸にホスゲンを作用させる場合有機溶
媒を使用するとよいがその例としては、公知の1,4−ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン
や、トルエン、酢酸エチル、トリクロロエチレン等も用
いることができる。NCA化反応は、例えば、これら有機
溶媒中にあらかじめホスゲンを溶解させて用いるか、あ
るいはアミノ酸を分散させた有機溶媒中にホスゲンを吹
き込むことにより行なわれる。反応液に前記の晶析溶媒
を加えるが、この際NCA結晶を収率よく析出させるため
には反応溶媒を仕込み量の20%以下まで濃縮した方が望
ましい。濃縮物に晶析溶媒を加え、必要ならば加熱して
濃縮物を溶解させた後、冷却して当該NCA結晶を析出さ
せる。この際の冷却温度は、アミノ酸の種類による当該
NCAの低温における溶解度が異なるため一概には言えな
いが、−10〜+30℃の範囲が好ましい。また、晶析溶媒
の使用量は中性アミノ酸NCAに対し少なすぎると晶析液
に流動性がなくなり取扱いが困難になるほか晶析液中に
溶解している不純物も一緒に析出するため当該NCAの純
度が低下する。また必要以上に多く用いると晶析溶媒中
に溶け込む中性アミノ酸NCAの量も増えることになり収
率の低下を招く。従って晶析溶媒の使用量はNCA1部に対
して3〜50部が適当である。析出したNCAは過等の操
作により容易に分離され、高純度のものを高収率で容易
に得ることができる。
実施例 次に、本発明をさらに詳細に説明するため実施例を示
すが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。
実施例1. L−ロイシン20gを1,2−ジクロロエタン200ml中に懸
濁させ、70℃に保ち激しく撹拌しながらホスゲン50gを
6時間かけて吹き込んだ。6時間後L−ロイシンは全て
溶解し反応液は透明となった。反応液を常圧で濃縮し、
1,2−ジクロロエタン約190mlを留去した。得られた濃縮
物は淡黄色の油状物であった。濃縮物にテトラクロロエ
チレン100mlを加え撹拌して溶解させた後、10℃に冷却
して結晶を析出させた。結晶を取し、純白色板状結晶
のL−ロイシンNCA20g(収率83%)を得た。mp75.5〜7
6.5℃。
得られたL−ロイシンNCAは再結晶しなくてもトリエ
チルアミンにより容易に重合し▲〔η〕30℃ DCA▼=2.1
0の高重合度のポリ−L−ロイシンとなった。
実施例2. L−ロイシン20gをトリクロロエチレン200ml中に懸濁
させ、70℃に保ち激しく撹拌しながらホスゲン53gを7
時間かけて吹き込んだ。7時間後L−ロイシンはほとん
ど溶解した。反応液を過した後、液を減圧下で濃縮
し、トリクロロエチレン約100mlを留去した。得られた
濃縮物を5℃に冷却して結晶を取し、純白板状結晶の
L−ロイシンNCA17g(収率71%)を得た。mp75〜76.5
℃。
得られたL−ロイシンNCAをそのままトリエチルアミ
ンを用いて重合させ▲〔η〕30℃ DCA▼=1.52の高重合
度のポリ−L−ロイシンを得た。
発明の効果 以上から明らかな如く、本発明によれば高純度の中性
アミノ酸NCAを簡便かつ高収率で製造することができる
ので、本発明は産業上極めて有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロイシン又はその塩とホスゲンとを有機溶
    媒中で反応させた後、テトラクロロエチレン、テトラク
    クロロエチレンと1,2−ジクロロエタンの混合溶媒、ト
    リクロロエチレン又はo−ジクロロベンゼンのいずれか
    の溶媒中で、ロイシン−N−カルボン酸無水物を晶析さ
    せることを特徴とするロイシン−N−カルボン酸無水物
    の製造方法。
JP62138027A 1987-06-01 1987-06-01 中性アミノ酸−n−カルボン酸無水物の製造方法 Expired - Lifetime JP2550582B2 (ja)

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