JP2549846Y2 - ドット印字ヘッド - Google Patents

ドット印字ヘッド

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JP2549846Y2
JP2549846Y2 JP1991104820U JP10482091U JP2549846Y2 JP 2549846 Y2 JP2549846 Y2 JP 2549846Y2 JP 1991104820 U JP1991104820 U JP 1991104820U JP 10482091 U JP10482091 U JP 10482091U JP 2549846 Y2 JP2549846 Y2 JP 2549846Y2
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紘一 安藤
英昭 石水
匡幸 石川
俊行 浅香
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、インパクト形プリンタ
に用いられるばね解放型のドット印字ヘッドに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】インパクト形プリンタの代表的なものと
してドットプリンタがあり、ドットプリンタの印字ヘッ
ド方式には、印字ワイヤをスプリングの力により突き出
させる、所謂バネチャージ式がある。図4はバネチャー
ジ式の従来のドット印字ヘッドを表す部分断面図であ
る。ドット印字ヘッド(以下、ヘッドという)1の前部
にはガイドノーズ3が設けられ、ガイドノーズ3は図示
しないプラテン側に突出している。ガイドノーズ3の先
端にはワイヤガイド5が設けられ、ワイヤガイド5は後
述する印字ワイヤを所定位置に配設する。ガイドノーズ
3の後部にはガイドフレーム7が設けられ、ガイドフレ
ーム7はガイドノーズ3を固定する。一方、ヘッド1の
後部にはガイドフレーム7と平行な放熱フィン9が設け
られ、放熱フィン9は後述する印字素子をガイドフレー
ム7とで挟んでいる。ガイドフレーム7と放熱フィン9
にはクランプ11が掛着され、クランプ11はヘッド1
を一体に固定している。
【0003】次に、上述した印字素子について説明す
る。放熱フィン9の前面側(ガイドノーズ3の突出方向
側)にはプレート状のベース13が固定され、ベース1
3は前方に突出するコア15を保持している。コア15
の側面外周にはコイル17が巻装され、コイル17はベ
ース13の後面側に設けられるボビン19、端子21、
基板23に接続されている。コイル17は、基板23が
励磁回路に接続されることで、励磁するようになってい
る。コア15の前面には板ばねであるアーマチュア25
が可動自在に配置され、アーマチュア25のコア15側
にはスプリング27が固定されている。スプリング27
は、アーマチュア25を前方側、即ち、コア15に離反
方向に付勢している。アーマチュア25は、後述するマ
グネットの磁気吸引力によりスプリング27の付勢力に
抗して、スプリング27と共にコア15に吸着される。
アーマチュア25の先端には印字ワイヤ29の後端が固
定され、印字ワイヤ29はアーマチュア25の可動によ
りワイヤガイド5から突出するようになっている。スプ
リング27の基端は、ガイドフレーム7の後面に当接す
る第一ヨーク31と、第一ヨーク31に対向するスペー
サ33との間で挟着されている。スペーサ33は第二ヨ
ーク35を介して永久磁石であるマグネット37に固着
され、マグネット37の後面は第三ヨーク39を介して
ベース13の前面に固着されている。
【0004】上述した印字素子であるベース13、コア
15、アーマチュア25、スプリング27、第一ヨーク
31、スペーサ33、第二ヨーク35、第三ヨーク39
は、透磁性を有する材料から形成されている。つまり、
これらの部材は、マグネット37を挟む環状の磁路を構
成し、アーマチュア25はこの磁路を通る磁束により、
コア15に吸着されているのである。印字素子は、ヘッ
ド1内において放射状に複数個配設され、コア15、コ
イル17、アーマチュア25、印字ワイヤ29を除いた
部分が、複数個を一体形成することにより組み立てられ
ている。
【0005】このように構成されるヘッド1において、
コイル17が励磁されると、コア15にはマグネット3
7の磁束と反対方向の磁束が発生し、マグネット37に
よる磁気吸引力が打ち消され、スプリング27が解放さ
れる。スプリング27が解放されると、アーマチュア2
5がスプリング27の付勢力によりコア15に対して離
反方向に可動し、印字ワイヤ29をワイヤガイド5から
突出させ、図示せぬインクリボンと印字媒体をプラテン
に押し付け、ドット印字を行う。そして、コイル17の
励磁が解除されると、スプリング27がマグネット37
の磁束により再びコア15に吸引され、一回の印字動作
が終了するのである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ヘッド1では、図5に示すように、コア15の前面に対
し、スプリング27が角度を有して当接されていたた
め、コア15とスプリング27の吸着部には空隙41が
存在していた。そして、この空隙41は小さい程、スプ
リング27の吸引力が大きくなり、より強いスプリング
を吸引できるため、印字速度を高速化し、印字力を増大
させることができる。また、空隙41を小さくすると、
磁気抵抗が低減するため、消費エネルギーを低減させる
ことができるとともに、発熱量も低減するため、熱スル
ープットを向上させることもできる。このため、空隙4
1を小さくする種々の方法が試みられ、例えば、コア1
5の前面をスプリング27の接触面と平行に研磨加工す
ることも考えられたが、加工工数が著しく増大し、コス
トが高いものとなる欠点があり、合理的に改良が行われ
る技術の要望が高かった。
【0007】本考案は上記状況に鑑みてなされたもの
で、コアとスプリングとの吸着部の空隙が容易に小さく
できるドット印字ヘッドを提供し、もって、印字速度の
高速化、印字力の増大、及び消費エネルギーの低減を図
ることを目的とする。
【0008】上記目的を達成するための本考案に係るド
ット印字ヘッドの構成は、永久磁石と接触する一のヨー
クと、一端側が一のヨークによって片持ち状に保持され
他端側にアーマチュアが取り付けられる板ばねと、断面
視略長方形の柱状でありその短辺方向に沿った面を板ば
ねの他端側を吸着する吸着面としたコアと、コアを挿入
保持するためのベースと、ベースと永久磁石とに接触す
る他のヨークとを備え、永久磁石の磁束により一のヨー
ク、板ばね、アーマチュア、コア、ベース、他のヨーク
を経由する環状の磁路を構成してアーマチュアをコアの
吸着面側に引き付けておき、コアに巻き付けられたコイ
ルによって永久磁石の磁束を打ち消して板ばねの他端側
を開放し板ばねの付勢力によってアーマチュアを可動さ
せるものであり、ベースには、コアの外寸法よりわずか
に大きい内寸法を有する固着孔が設けられ、固着孔にコ
アがその長手方向に差し込まれるとともに、固着孔の内
寸法とコアの外寸法との寸法差の範囲内でコアが傾いた
状態で装着され、この装着状態においてコアの長手方向
に対して直交する面をコアの吸着面とし、その吸着面の
角度を板ばねの他端側における吸着の際の角度と略同一
にしているものである。また、コアをベースの固着孔に
レーザ溶接で固着したドット印字ヘッドでもある。
【0009】
【作用】本考案のドット印字ヘッドでは、ベースにコア
の外寸法よりわずかに大きい内寸法を有する固着孔が設
けられており、この固着孔にコアがその長手方向に差し
込まれるとともに、固着孔の内寸法とコアの外寸法との
寸法差の範囲内でコアが傾いた状態で装着され、さらに
このコアの長手方向に対して直交する面をコアの吸着面
としてその吸着面の角度を板ばねの他端側における吸着
の際の角度と略同一にしていることから、吸着状態にお
いて板ばねの他端側とコアの吸着面とが略平行で接触す
るようになり、その空隙を極めて小さくできるようにな
る。また、コアをベースの固着孔にレーザ溶接で固着す
ることで、固着孔内へコアを傾けて挿入した状態での固
定を的確にしかも容易に行うことができるようになる。
【0010】
【実施例】以下、本考案に係るドット印字ヘッドの好適
な一実施例を図面を参照して詳細に説明する。図1は本
考案に係るドット印字ヘッドを表す部分断面図である。
尚、図4に示した部材と同一の部材には同一の符号を付
し、重複する説明は省略する。永久磁石であるマグネッ
ト37の前面側(ガイドノーズ3の突出方向側)には第
二ヨーク35が固着され、第二ヨーク35の前面には板
ばねであるスプリング27の基端が配置されている。そ
して、スプリング27は前面側の第一ヨーク31に固着
されている。つまり、スプリング27は従来と同じであ
るが、スペーサ33(図4参照)が挟入されることな
く、直接第一ヨーク31と第二ヨーク35とに基端が挟
持されているのである。スプリング27にはアーマチュ
ア25が固着され、スプリング27はコア15の前方に
従来と同様の接触角度で配置されている。
【0011】一方、ベース13には中心軸がガイドノー
ズ3の突出方向と同一方向である固着孔51が形成さ
れ、固着孔51の内寸法はコア15の外寸法より僅かに
大きくなっている。つまり、コア15は固着孔51の中
心軸に対して傾いた状態で挿入できるようになっている
のである。コア15の吸着面(コア吸着面)は、コア1
5の長手方向に対して直交する面に加工されている。そ
して、コア15は、吸着面がスプリング27の接触角度
とほぼ一致するように傾けられ、固着孔51に固着され
ているのである。
【0012】図2はコアとアーマチュアの吸着状態を表
す要部断面図である。コア15の固着孔51に対する固
着方法としては、ビード幅が狭く、深い溶け込みが得ら
れ、且つ、歪みも少ないレーザ溶接53が好適となる。
コア15は、従来のコア位置(図2中、一点鎖線)と異
なり、吸着面がスプリング27の接触角度とほぼ一致す
るように傾けられて固着されることで、吸引部の空隙5
5が極めて小さいものとなっているのである。
【0013】本実施例では、コア15をベース13に溶
接する際、従来のスペーサ33分の高さだけコア15の
高さを低く位置決めしているので、スペーサ33を削除
することが可能となっている。スペーサ33が削除さ
れ、コア15が傾けられて固着されることで本実施例に
係るドット印字ヘッド57が構成されている。
【0014】ところで、ドット印字ヘッド57は、コア
15の傾斜角度や高さがばらつくと、印字特性にばらつ
きを生じる問題がある。そのため、コア15の組立に際
しては、図3に示すような治具を使用することが望まし
い。図3に基づいて治具を使用した場合のコア15の組
立手順を説明する。ベース治具61の上面には第二ヨー
ク35、マグネット37、第三ヨーク39、ベース13
が順次下方から載置され、これらの部材は側面外周が外
周位置決め治具63に当接され、位置決めされるように
なっている。位置決めされたベース13の下方にはコア
位置決め治具65が所定位置で配置され、コア位置決め
治具65にはコア15の傾き角度を規制するガイド穴6
5aが形成されている。また、コア位置決め治具65の
下方には高さ治具67が配置され、高さ治具67はガイ
ド穴65aに挿入されたコア15の吸着面に当接するよ
うになっている。
【0015】そして、上方からベース13の固着孔51
にコア15が押し込まれ、コア15はガイド穴65aに
挿入されることで所定傾き角度で保持されるとともに、
吸着面が高さ治具67に当接し、所定高さで位置決めさ
れる。この状態で、コア15は上方よりレーザ溶接さ
れ、ベース13の固着孔51に固定される。このとき同
時に、外周位置決め治具63に穿設された穴63aから
接着剤が吐出され、これらの部材は一体化される。一体
化された部材はベース治具61に設けられた取り出し治
具69により治具内から押し出される。このような治具
を使用することにより、精度が要求されるコア15の固
定を極めて高精度に、しかも、簡単に行うことが可能と
なるのである。また、それぞれの治具は、予め寸法精度
を出して一体固定しておくことが作業性を向上させるの
に好適である。
【0016】尚、本実施例では、コア15の傾き角度が
略3°程度であるため、ボビン19(図4参照)の挿入
等に問題が生じることも全くない。また、コア15の傾
き角度は、吸着面がスプリング27の接触角度と一致し
ていても、或いは、多少異なっていても差し支えない。
【0017】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本考案に係
るドット印字ヘッドでは、ベースに設けられた固着孔に
コアをその長手方向に差し込むとともに、固着孔の内寸
法とコアの外寸法との寸法差の範囲内でコアが傾いた状
態で装着され、コアの長手方向に対して直交する面をコ
アの吸着面としてその角度を板ばねの吸着の際の角度と
略同一にすることで、吸着状態において板ばねの他端側
とコアの吸着面との空隙を極めて小さいものにすること
ができ、印字速度の高速化を図ることが可能となる。ま
た、印字力も増大させることができるとともに、磁気抵
抗が小さくなるため、消磁効率も向上し、消費エネルギ
ーを低減することた可能となる。また、レーザ溶接を用
いることで、コアを固着孔に傾斜させた状態での固定を
非常に簡単かつ的確に行うことができ、生産性の向上を
図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るドット印字ヘッドを表す部分断面
図である。
【図2】本考案ドット印字ヘッドにおけるコアとアーマ
チュアの吸着状態を表す要部断面図である。
【図3】治具によるコアの組立状況を表した説明であ
る。
【図4】バネチャージ式の従来のドット印字ヘッドを表
す部分断面図である。
【図5】従来ドット印字ヘッドにおけるコアとアーマチ
ュアの吸着状態を表す要部断面図である。
【符号の説明】
13 ベース 15 コア 17 コイル 25 アーマチュア 27 スプリング(板ばね) 37 マグネット(永久磁石) 57 ドット印字ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 浅香 俊行 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−103977(JP,A) 特開 平2−1329(JP,A) 特開 昭55−103978(JP,A) 実開 昭60−137550(JP,U)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石と接触する一のヨークと、一端
    側が該一のヨークによって片持ち状に保持され他端側に
    アーマチュアが取り付けられる板ばねと、断面視略長方
    形の柱状でありその短辺方向に沿った面を該板ばねの他
    端側を吸着する吸着面としたコアと、該コアを挿入保持
    するためのベースと、該ベースと該永久磁石とに接触す
    る他のヨークとを備え、該永久磁石の磁束により、該一
    のヨーク、該板ばね、該アーマチュア、該コア、該ベー
    ス、該他のヨークを経由する環状の磁路を構成して該ア
    ーマチュアを該コアの吸着面側に引き付けておき、該コ
    アに巻き付けられたコイルによって該永久磁石の磁束を
    打ち消して該板ばねの他端側を開放し該板ばねの付勢力
    によって該アーマチュアを可動させるドット印字ヘッド
    であって、 前記ベースには、前記コアの外寸法よりわずかに大きい
    内寸法を有する固着孔が設けられ、 前記固着孔に前記コアがその長手方向に差し込まれると
    ともに、該固着孔の内寸法と該コアの外寸法との寸法差
    の範囲内で該コアが傾いた状態で装着され、 この装着状態において前記コアの長手方向に対して直交
    する面を該コアの吸着面とし、該吸着面の角度を前記板
    ばねの他端側における吸着の際の角度と略同一にしてい
    ることを特徴とするドット印字ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記コアは、前記ベースの固着孔にレー
    ザ溶接によって固着されていることを特徴とする請求項
    1記載のドット印字ヘッド。
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