JP2549524Y2 - オートテンショナ - Google Patents

オートテンショナ

Info

Publication number
JP2549524Y2
JP2549524Y2 JP4645491U JP4645491U JP2549524Y2 JP 2549524 Y2 JP2549524 Y2 JP 2549524Y2 JP 4645491 U JP4645491 U JP 4645491U JP 4645491 U JP4645491 U JP 4645491U JP 2549524 Y2 JP2549524 Y2 JP 2549524Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ratchet
gear
intermediate sleeve
belt
pulley
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4645491U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04129956U (ja
Inventor
勇人 近江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP4645491U priority Critical patent/JP2549524Y2/ja
Publication of JPH04129956U publication Critical patent/JPH04129956U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2549524Y2 publication Critical patent/JP2549524Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案に係るオートテンショナ
は、自動車用エンジンのタイミングベルト、或はオルタ
ネータやコンプレッサ等の補機を駆動する為のベルトに
適正な張力を付与する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】OHC型、或はDOHC型エンジンのカ
ムシャフトを、クランクシャフトと同期して回転駆動す
る為、図5に示す様なタイミングベルト1による駆動機
構が広く使用されている。
【0003】この図5に於いて、2はエンジンのクラン
クシャフトにより回転駆動される駆動プーリ、3はカム
シャフトの端部に固定された従動プーリ、4、4はタイ
ミングベルト1を案内したり、或はウォータポンプ等の
補機を駆動する為のガイドプーリ或は従動プーリ、5は
タイミングベルト1に適正な張力を付与する為のテンシ
ョンプーリである。
【0004】このテンションプーリ5は、枢軸6を中心
として揺動する揺動部材7の中間部に枢支されている。
そして、この揺動部材7の端部にはばね8を設け、テン
ションプーリ5をタイミングベルト1に向け弾性的に押
圧する事で、温度変化等に伴なうタイミングベルト1等
の寸法変化やエンジンの運転に伴なう振動等に拘らず、
このタイミングベルト1の張力が常に一定に保たれる様
にしている。
【0005】ところが、上述の様にしてタイミングベル
ト1等のベルトの張力を常に一定に保つ為の、所謂オー
トテンショナの場合、従来は次に述べる様な不都合を生
じる事がある。
【0006】即ち、図5に於いて駆動プーリ2が、矢印
aで示す様に時計方向に回転した場合、タイミングベル
ト1の右半分は駆動プーリ2に引っ張られて緊張傾向と
なり、左半分は弛み傾向となる。テンションプーリ5を
含むオートテンショナは、この様なタイミングベルト1
の左半分、即ち弛み傾向となる部分に設けるが、エンジ
ンが停止する場合、瞬間的とは言え、エンジンが逆方向
に回転する傾向となり、この瞬間には上記左半分が緊張
傾向となる。
【0007】この様な急激な張力の変動が生じた場合
に、テンションプーリ5がタイミングベルト1の動きに
そのまま追従すると、タイミングベルト1に瞬間的に大
きな弛みが生じ、著しい場合にはこの弛みが原因となっ
て、タイミングベルト1と歯付プーリ(駆動、従動両プ
ーリ2、3)との間で、所謂歯飛び現象が生じ、エンジ
ンのクランクシャフトとカムシャフトとの回転位相がず
れてしまう。
【0008】この様な不都合を解消する為には、枢軸6
と揺動部材7との間にあるダンパ抵抗により、急激な張
力の変動にはテンションプーリ5が直ちには追従しない
様にすれば良いが、この場合にはテンションプーリ5が
通常の回転をしている場合(張力変動の少ない状態の場
合)、タイミングベルト1の細かい振れに追従する事も
出来なくなり、タイミングベルト1の振れの原因となる
場合がある。
【0009】この為特開昭63−167163号公報に
開示された考案に於いては、枢軸の周囲に油ダンパ機構
とローラ式の一方向クラッチとを設ける事で、ベルトが
弛む傾向の場合にのみ、テンションプーリ5が直ちにベ
ルトの動きに追従する様にしている。
【0010】ところが、この公報に開示された考案の場
合、ローラ式の一方向クラッチの潤滑が難しく、又構造
上フレッチング摩耗を生じ易い事、及びベルトの張力を
ローラにより支承する構造である事から、耐久性、信頼
性の点で必ずしも充分でない。
【0011】更に、特開平2−80839号公報には、
一方向クラッチの代わりにラチェット機構を利用する事
で、ベルトが弛む傾向の場合にのみ、テンションプーリ
が直ちにベルトの動きに追従する様にして、耐久性と信
頼性との向上を図る構造が記載されている。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】ところが、この特開平
2−80839号公報に開示されたオートテンショナに
於いても、依然として、次に述べる様な、解決すべき問
題が生じる。
【0013】即ち、ベルトが振動した場合、この振動に
伴なって揺動部材が揺動するが、この揺動角度は極く小
さいものとなる。従って、ラチェット歯のピッチを余程
細かくしない限り、ベルトの振動に伴なう揺動部材の揺
動時に、ラチェット爪が新たな(それ迄係合していたラ
チェット歯の隣の)ラチェット歯と噛合する事がない。
【0014】勿論、ラチェット歯のピッチを細かくすれ
ば、揺動部材が少し揺動しただけでも、上記ラチェット
爪による揺動部材の揺動阻止機能を発揮させて、ベルト
の微小振動を防止出来るが、ラチェット歯を形成する部
分の外径は限られており、ラチェット歯の強度も或る程
度以上保持しなければならない為、上記ラチェット歯の
ピッチを細かくするには限度がある。
【0015】本考案のオートテンショナは、上述の様な
事情に鑑みて考案されたものである。
【0016】
【課題を解決する為の手段】本考案のオートテンショナ
は、固定軸と、この固定軸の周囲に回転自在に支持され
た中間スリーブと、この中間スリーブの周囲に回転自在
に支持された揺動部材と、中間スリーブと揺動部材との
間に設けられた粘性ダンパ機構と、揺動部材の一部に、
固定軸と平行な枢軸により支承されたプーリと、このプ
ーリを張力を付与すべき部材に向けて押圧するばねと、
中間スリーブの外周面に固定された第一の歯車及びこの
第一の歯車と噛合する第二の歯車により構成される歯車
増速機構と、この歯車増速機構により、上記揺動部材の
動きに応じて、この揺動部材よりも大きな角速度で回動
するラチェット車と、その基端部を固定の部分に枢支さ
れて、このラチェット車の外周縁に形成したラチェット
歯と噛合するラチェット爪とから成り、ラチェット歯と
ラチェット爪とは、プーリが上記ばねの弾力方向と反対
方向に移動する場合にのみ噛合する様に構成している。
【0017】
【作用】上述の様に構成される本考案のオートテンショ
ナにより適正な張力を付与すべきベルトの張力が急激に
増大した場合、揺動部材がばねの弾力に抗して急激に揺
動しようとし、この揺動部材の動きが粘性ダンパ機構を
介して中間スリーブに伝わる。粘性ダンパ機構は、揺動
部材と中間スリーブとの相対的変位が急激に行なわれる
事を阻止する機能を有する為、揺動部材が急激に揺動し
ようとした場合、中間スリーブも揺動部材と同方向に揺
動する傾向となり、この中間スリーブと固定軸との間に
設けたラチェット歯とラチェット爪とが互いに噛合し
て、中間スリーブと固定軸とが一体的に結合され、中間
スリーブがそれ以上急激に揺動する事がなくなる。
【0018】この結果揺動部材は、中間スリーブとの間
に設けた粘性ダンパ機構の抵抗に抗してのみ揺動可能と
なり、急激に緊張力が高まったベルトに対してプーリ
を、緩徐に追従させる。この為、ベルトの他の部分が過
度に弛む事が防止される。
【0019】反対に、ベルトの一部で、プーリが押圧さ
れた部分が急に弛んだ場合、プーリを支承した揺動部材
がばねの弾力によって迅速に揺動し、プーリをベルトの
弛みに追従させる。この際には、中間スリーブと固定軸
との間に設けたラチェット歯とラチェット爪とが噛合す
る事はなく、中間スリーブが固定軸に対して揺動可能と
なる為、中間スリーブは粘性ダンパ機構を介して揺動部
材と共に揺動する。即ち、この場合には粘性ダンパ機構
の緩衝作用は働かず、ベルトの弛みは迅速に解消され
る。
【0020】要するに本考案のオートテンショナは、前
記特開平2−80839号公報に記載されたオートテン
ショナと同様に、ベルトのプーリ当接部分が緊張する傾
向の場合には緩徐に対応し、反対にベルトが弛む傾向の
場合には迅速に対応して、ベルトの何れの部分にも過度
に弛んだ部分が発生しない様に作用する。
【0021】特に本考案のオートテンショナの場合に
は、歯車増速機構によりラチェット車が、上記揺動部材
の動きに応じて、この揺動部材よりも大きな角速度で回
動する為、ベルトの振動に伴なう上記揺動部材の揺動時
に、ラチェット爪が新たなラチェット歯と噛合し易くな
り、ベルトの微小振動も有効に抑え付ける事が可能とな
る。
【0022】
【実施例】図1〜3は本考案の第一実施例を示してい
る。円筒形の固定軸9の基端部(図1の右端部)には取
付フランジ10が固設されており、この取付フランジ1
0をエンジンのシリンダブロック11の前面に当接させ
ている。この状態で、上記固定軸9に挿通したボルト1
2を、上記シリンダブロック11前面に形成した螺子孔
13に螺合し更に緊締する事で、上記固定軸9をシリン
ダブロック11に固定している。取付フランジ10とシ
リンダブロック11との間には図示しない凹凸係合部を
設けて、固定軸9がシリンダブロック11に対して回動
するのを阻止している。
【0023】上記固定軸9の外周面基端寄り部分には中
間スリーブ14が、固定軸9を中心とする回転を自在と
して外嵌されている。この中間スリーブ14の中間部外
周面には、後述する粘性ダンパ機構25を構成する為の
フランジ板15を固設している。
【0024】又、上記固定軸9の先端寄り部分には揺動
部材16を、滑り軸受17を介して外嵌している。次述
するテンションプーリ20を支持する為の枢軸として機
能する、この揺動部材16の外周面18は、内周面19
に対し偏心している。そして、この外周面18にテンシ
ョンプーリ20を、転がり軸受21を介して回転自在に
支持している。従ってこのテンションプーリ20は、上
記固定軸9を中心として揺動部材16が揺動した場合
に、上記固定軸9を中心として変位する。
【0025】上記揺動部材16の基端部には係止板22
の基端部を外嵌固定している。そして、この係止板22
の先端部に形成した係止孔23と、エンジンのシリンダ
ブロック11の前面等に固定した、図示しないピン等と
の間には、引っ張りばね24を設けて、上記揺動部材1
6に、図2で反時計方向に揺動しようとする弾力を付与
し、上記テンションプーリ20を、張力を付与すべきベ
ルト1aに向け押圧している。
【0026】又、前記揺動部材16の基端部には、前記
中間スリーブ14外周面のフランジ板15と共に粘性ダ
ンパ機構25を構成する、ハウジング部26を設けてい
る。上記フランジ板15を覆う状態で設けられたハウジ
ング部26は、上記揺動部材16と一体の主部27と、
この主部27の開口部を塞ぐ蓋板28とから成る。そし
て、これら主部27及び蓋板28の側面と上記フランジ
板15の側面とが、微小隙間を介して対向している。
又、上記主部27及び蓋板28の内周縁と前記中間スリ
ーブ14の外周面との間には、それぞれシール材29、
29を設けている。そして、両シール材29、29に挟
まれた、上記微小隙間を含む空間内に、シリコンオイル
等の高粘性流体を封入している。
【0027】又、上記中間スリーブ14の基端部外周面
には、第一の歯車30を外嵌固定している。この第一の
歯車30は、比較的多くの歯数を有する。
【0028】一方、前記取付フランジ10の隅部には固
定軸9と平行な枢軸31を固定しており、この枢軸31
の周囲に滑り軸受32を介して、第二の歯車33を回転
自在に支持している。この第二の歯車33は、上記第一
の歯車30よりも十分に少ない歯数を有し、上記第一の
歯車30と噛合する事で、歯車増速機構を構成してい
る。
【0029】更に、上記第二の歯車33をその一端部に
固設した短円筒部34の他端部には、ラチェット車35
を固設している。そしてこのラチェット車35の外周縁
部には図3に示す様に、ラチェット歯36、36をその
全周に亙り一体に形成している。又、前記取付フランジ
10の側面には、このラチェット歯36、36と噛合す
る1個乃至は複数個のラチェット爪37を設け、図示し
ないばねによりこのラチェット爪37の先端部を、上記
ラチェット車35の外周面に向けて、弾性的に押圧して
いる。
【0030】この様に中間スリーブ14と共に回転する
ラチェット車35外周縁のラチェット歯36、36と、
取付フランジ10に枢支したラチェット爪37とは、テ
ンションプーリ20が引っ張りばね24の弾力方向と反
対方向に移動する場合にのみ噛合する様にしている。
【0031】即ち、揺動部材16に連られて中間スリー
ブ14が図2の時計方向に揺動しようとする場合にの
み、ラチェット歯36、36とラチェット爪37とが互
いに噛合し、固定軸9に対して中間スリーブ14が回転
しない様にして、揺動部材16が単独でのみ、粘性ダン
パ機構25の抵抗力に抗して揺動するが、揺動部材16
が引っ張りばね24の弾力により同図で反時計方向に揺
動した場合、ラチェット歯36、36とラチェット爪3
7とが係合する事なく、揺動部材16が中間スリーブ1
4と共に軽く揺動する様にしている。
【0032】上述の様に構成される本考案のオートテン
ショナは、適正な張力を付与すべきベルト1aにテンシ
ョンプーリ20を当接させ、引っ張りばね24の弾力に
よりこのテンションプーリ20をベルト1aに向けて押
し付けた状態で使用される。
【0033】エンジンの停止等により、ベルト1aの一
部で、上記テンションプーリ20が押圧された部分の張
力が急激に増大した場合、先端部にテンションプーリ2
0を支承した揺動部材16が、引っ張りばね24の弾力
に抗して、図2の時計方向に急激に揺動しようとする。
【0034】この様に、ベルト1aの急激な緊張に伴な
って揺動部材16が図2の時計方向に揺動しようとした
場合、この揺動部材16の動きが、粘性ダンパ機構25
を介して中間スリーブ14に伝わり、この中間スリーブ
14が図2で時計方向に揺動しようとする。この結果、
この中間スリーブ14に固定の第一の歯車30と、枢軸
31を中心として回転する第二の歯車33とから成る歯
車増速機構によりラチェット車35が図3の矢印b方向
に回転し、取付フランジ10に枢支したラチェット爪3
7と、上記ラチェット車35の外周縁に形成した何れか
のラチェット歯36とが互いに噛合して、中間スリーブ
14がそれ以上揺動する事がなくなる。
【0035】この結果揺動部材16は、中間スリーブ1
4との間に設けた粘性ダンパ機構25の抵抗に抗しての
み揺動可能となり、急激に緊張力が高まったベルト1a
に対してテンションプーリ20を、緩徐に追従させる。
この為、テンションプーリ20が押圧されたベルト1a
の他の部分が過度に弛む事が防止される。
【0036】反対に、ベルト1aの一部で、テンション
プーリ20が押圧された部分が急に弛んだ場合、テンシ
ョンプーリ20を支承した揺動部材16が、引っ張りば
ね24の弾力によって、図2の反時計方向に迅速に揺動
し、テンションプーリ20をベルト1aの弛みに追従さ
せる。
【0037】この際には、ラチェット車35の外周縁に
設けたラチェット歯36、36は何れも、ラチェット爪
37と噛合する事はなく、中間スリーブ14が固定軸9
に対して揺動可能となる。この為中間スリーブ14は、
粘性ダンパ機構25を介して揺動部材16と共に揺動す
る。即ち、この場合には粘性ダンパ機構25の緩衝作用
は働かず、テンションプーリ20はベルト1aの動きに
直ちに追従して、ベルト1aの弛みが迅速に解消され
る。
【0038】要するに本考案のオートテンショナは、前
記特開平2−80839号公報に記載されたオートテン
ショナと同様に、ベルト1aのプーリ当接部分が緊張す
る傾向の場合には緩徐に対応し、反対にベルト1aが弛
む傾向の場合には迅速に対応して、ベルト1aの何れの
部分にも過度に弛んだ部分が発生しない様に作用する。
【0039】特に本考案のオートテンショナの場合に
は、第一、第二の歯車30、33により構成される歯車
増速機構によりラチェット車35が、上記揺動部材16
の動きに応じて、この揺動部材16よりも大きな角速度
で回動する。この為、ベルト1aの振動に伴なう上記揺
動部材16の揺動時に、ラチェット爪37が新たな、即
ち、それ迄噛合していたラチェット歯36の隣のラチェ
ット歯36と噛合し易くなり、ベルト1aの微小振動も
有効に抑え付ける事が可能となる。
【0040】次に、図4は本考案の第二実施例を示して
いる。本実施例の場合、上述の第一実施例の構造から、
中間スリーブ14(図1参照)を省略する代わりに、第
一の歯車30を揺動部材16の基端部に外嵌固定してい
る。これと共に、上記第一の歯車30と噛合する第二の
歯車33とラチェット車35との間に、粘性ダンパ機構
25を設けている。
【0041】即ち、上記粘性ダンパ機構25を構成する
ハウジング部26に対して上記第二の歯車33を固定す
ると共に、ハウジング部26と共に粘性ダンパ機構25
を構成するフランジ板15を、枢軸31の周囲に回転自
在に支持した円筒部38の中間部外周面に固定してい
る。そして、この円筒部38の基端部外周面に、上記ラ
チェット車35を固設している。
【0042】この様に構成される本実施例の構造の場合
も、前述した第一実施例の場合と同様に、ベルトが弛む
場合にはテンションプーリ20をベルトの動きに対して
迅速に追従させ、ベルトが緊張する際にはこの動きを抑
え付けて、このベルトが振動するのを確実に防止出来
る。
【0043】尚、各実施例に於いて、ラチェット車35
外周縁のラチェット歯36、36と噛合するラチェット
爪37は、1個でも良いが、複数個設ける事も出来る。
そして、ラチェット爪37を複数個設けた場合に、各ラ
チェット爪37のラチェット歯36、36に対する位相
を少しずつずらせ、上記複数個のラチェット爪37を順
番に何れかのラチェット歯36と噛合させる様に、各ラ
チェット爪37を配置すれば、より細かい振動を抑える
事が可能となる。
【0044】例えば、ラチェット爪37を3個設け、各
ラチェット爪37のラチェット歯36、36に対する位
相を、ラチェット歯36、36の1/3ピッチ分ずつず
らせれば、ラチェット歯36、36のピッチを1/3に
したのと同様の効果を得られる。尚、同時にラチェット
歯36、36と噛合するラチェット爪37の数は、単数
でも、或は複数でも良い。例えば、ラチェット車35の
周囲に9個のラチェット爪37を配置し、この内の3個
ずつのラチェット爪37が同時に、ラチェット歯36、
36と噛合する様に構成する事も出来る。
【0045】
【考案の効果】本考案のオートテンショナは、以上に述
べた通り構成され作用する為、潤滑が容易で、フレッチ
ング摩耗を生じる事もなく、耐久性、信頼性に優れた構
造にも拘らず、ベルトの張力を常に最適な状態に保持し
て、歯付ベルトの歯飛び現象等の不都合の発生を確実に
防止する事が出来る。更に、ラチェット機構の係合ピッ
チを細かく出来て、細かい振動に就いても確実に抑える
事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例を示す、図2のA−A断面
図。
【図2】図1の左方から見た図。
【図3】ラチェット車の外周縁部を示す図。
【図4】本考案の第二実施例を示す、図1と同様の断面
図。
【図5】オートテンショナを付設したエンジンのタイミ
ングベルト駆動機構を示す正面図。
【符号の説明】
1 タイミングベルト 1a ベルト 2 駆動プーリ 3 従動プーリ 4 ガイドプーリ或は従動プーリ 5 テンションプーリ 6 枢軸 7 揺動部材 8 ばね 9 固定軸 10 取付フランジ 11 シリンダブロック 12 ボルト 13 螺子孔 14 中間スリーブ 15 フランジ板 16 揺動部材 17 滑り軸受 18 外周面 19 内周面 20 テンションプーリ 21 転がり軸受 22 係止板 23 係止孔 24 引っ張りばね 25 粘性ダンパ機構 26 ハウジング部 27 主部 28 蓋板 29 シール材 30 第一の歯車 31 枢軸 32 滑り軸受 33 第二の歯車 34 短円筒部 35 ラチェット車 36 ラチェット歯 37 ラチェット爪 38 円筒部

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定軸と、この固定軸の周囲に回転自在
    に支持された中間スリーブと、この中間スリーブの周囲
    に回転自在に支持された揺動部材と、中間スリーブと揺
    動部材との間に設けられた粘性ダンパ機構と、揺動部材
    の一部に、固定軸と平行な枢軸により支承されたプーリ
    と、このプーリを張力を付与すべき部材に向けて押圧す
    るばねと、中間スリーブの外周面に固定された第一の歯
    車及びこの第一の歯車と噛合する第二の歯車により構成
    される歯車増速機構と、この歯車増速機構により、上記
    揺動部材の動きに応じて、この揺動部材よりも大きな角
    速度で回動するラチェット車と、その基端部を固定の部
    分に枢支されて、このラチェット車の外周縁に形成した
    ラチェット歯と噛合するラチェット爪とから成り、ラチ
    ェット歯とラチェット爪とは、プーリが上記ばねの弾力
    方向と反対方向に移動する場合にのみ噛合するオートテ
    ンショナ。
  2. 【請求項2】 中間スリーブを省略する代わりに第一の
    歯車を揺動部材に固定すると共に、第二の歯車とラチェ
    ット車との間に粘性ダンパ機構を設けた、請求項1に記
    載のオートテンショナ。
  3. 【請求項3】 ラチェット爪をラチェット車の周囲に複
    数個設けると共に、各ラチェット爪のラチェット歯に対
    する位相を少しずつずらせる事により、上記複数個のラ
    チェット爪を順番に何れかのラチェット歯と噛合させ
    る、請求項1〜2の何れかに記載のオートテンショナ。
JP4645491U 1991-05-24 1991-05-24 オートテンショナ Expired - Lifetime JP2549524Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4645491U JP2549524Y2 (ja) 1991-05-24 1991-05-24 オートテンショナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4645491U JP2549524Y2 (ja) 1991-05-24 1991-05-24 オートテンショナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04129956U JPH04129956U (ja) 1992-11-30
JP2549524Y2 true JP2549524Y2 (ja) 1997-09-30

Family

ID=31925964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4645491U Expired - Lifetime JP2549524Y2 (ja) 1991-05-24 1991-05-24 オートテンショナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2549524Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04129956U (ja) 1992-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2893726B2 (ja) オートテンショナ
JP4809440B2 (ja) テンショナ
JP3059391B2 (ja) パワー・トランスミッション・ベルトのための調整ストッパ付きテンショナー
US4040305A (en) Device for tensioning a chain
JPH0712648U (ja) オートテンショナ
AU2001269376B2 (en) Timing belt autotensioner with an anti-tooth skip mechanism
AU2001269376A1 (en) Timing belt autotensioner with an anti-tooth skip mechanism
US20040166975A1 (en) Timing belt autotensioner with an anti-tooth skip mechanism
JP2549524Y2 (ja) オートテンショナ
JP6600105B2 (ja) テンショナ
JP2762527B2 (ja) オートテンショナ
JP2949911B2 (ja) オートテンショナ
JPH0280839A (ja) オートテンショナ
JP2881780B2 (ja) オートテンショナ
JPH084859A (ja) オートテンショナ
JPH0640910Y2 (ja) エンジンのオートテンシヨナー装置
US8181621B2 (en) Internal combustion engine with dynamic balancing system
JPH0634003A (ja) オートテンショナ
JPH0647757U (ja) オートテンショナ
JP2890620B2 (ja) オートテンショナ
JP2529957Y2 (ja) オートテンショナ
JPH0749102Y2 (ja) 2本掛けチェーンによる動力伝達機構
JP3424737B2 (ja) オートテンショナ
JPH0356748A (ja) オートテンショナ
JP2601506Y2 (ja) オートテンショナ

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term