JPH0640910Y2 - エンジンのオートテンシヨナー装置 - Google Patents

エンジンのオートテンシヨナー装置

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JPH0640910Y2
JPH0640910Y2 JP19673087U JP19673087U JPH0640910Y2 JP H0640910 Y2 JPH0640910 Y2 JP H0640910Y2 JP 19673087 U JP19673087 U JP 19673087U JP 19673087 U JP19673087 U JP 19673087U JP H0640910 Y2 JPH0640910 Y2 JP H0640910Y2
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tensioner pulley
tension
timing belt
tensioner
power transmission
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伸彦 田中
宏行 花房
典朗 水戸部
博之 杉本
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Mazda Motor Corp
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Mazda Motor Corp
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、クランクシャフトの回転をカムシャフト等に
伝達するベルト等の無端状動力伝達部材の張力を、自動
的に調整するエンジンのオートテンショナー装置に関す
る。
(従来の技術) エンジンにおけるクランクシャフトとカムシャフトとの
間には、通常、クランクシャフトに取り付けられたプー
リとカムシャフトに取り付けられたプーリとの間に掛け
回されたベルト等に張力を与えるためのアイドラプーリ
が、回転可能な状態で配設されており、ベルト等は、ア
イドラプーリによってその外面側から押圧されることに
より、必要とされる張力が与えられるものとされる。し
かしながら、このように、ベルト等が、単にアイドラプ
ーリによってその外面側から押圧されるようにされただ
けでは、例えば、エンジン本体が熱膨張してクランクシ
ャフトとカムシャフトとの軸間距離が変動したとき、ベ
ルト等にアイドラプーリから与えられる張力が、適正な
ものとされなくなってしまう虞がある。
そのため、例えば、実開昭61-186858号公報にも示され
ている如くのオートテンショナー装置が提案されてい
る。斯かるオートテンショナー装置は、クランクシャフ
トとカムシャフトとの間に配され、クランクシャフトの
回転をカムシャフトに伝達するベルトを外面側から押圧
して、そのベルトに張力を与えるテンショナープーリ
と、テンショナープーリを転がり軸受を介して支持する
ものとされ、移動用長孔が設けられたスリーブ状の支持
部材と、支持部材の移動用長孔に挿入されて支持部材を
エンジン本体に取り付ける取付ボルトと、支持部材に嵌
合せしめられる開口部を有し、一端部がエンジン本体に
取り付けられて変位可能とされたブラケットと、一端部
がブラケットの他端部に係止されるとともに他端部がエ
ンジン本体に取り付けられたピンに係止された引張スプ
リングと、支持部材と転がり軸受との間に介装された弾
性部材とを有して構成されている。
このようなオートテンショナー装置がエンジン本体に組
み付けられるにあたっては、先ず、支持部材の移動用長
孔に取付ボルトが挿入されて仮止めされるとともに、引
張スプリングの両端が、夫々、ブラケット及びエンジン
本体に設けられた係止ピンに掛止めされる。そして、ブ
ラケットが変位せしめられて、テンショナープーリがベ
ルトをその外面側から押圧する状態とされる。斯かる状
態において、ベルトに対するテンショナープーリの押圧
力が、ブラケットの位置が変化せしめられることにより
調整されて、ベルトに与えられる張力が適正なものとさ
れ、その後、取付ボルトが締めつけられて、支持部材が
エンジン本体に固定される。そして、このようにしてエ
ンジン本体に組み付けられたもとにおいて、例えば、エ
ンジン本体の熱膨張により、クランクシャフトとカムシ
ャフトとの軸間距離等が変化した場合には、テンショナ
ープーリに加えられるベルトからの押圧力が変化し、そ
れに伴ってテンショナープーリと支持部材との間に介装
された弾性部材の変形が生じ、斯かる弾性部材の変形に
よってテンショナープーリが変位せしめられ、それによ
り、ベルトに与えられる張力が適正なものに維持され
る。
しかしながら、このようなオートテンショナー装置にあ
っては、支持部材がエンジン本体に固定されたもとで、
ベルトの張力が弾性部材の変形によってのみ調整される
ものとなされるので、ベルトの張力変化が比較的小なる
ものとされる場合には、上述の如くに、ベルトに与えら
れる張力が適正に維持されることになるが、ベルトの張
力変化が比較的大なるものとされる場合には、ベルトに
与えられる張力が適正なものとされなくなる虞がある。
そのため、斯かる不都合を解消すべく、例えば、第6図
に示される如くのオートテンショナー装置も考えられて
いる。この第6図に示されるオートテンショナー装置
は、エンジン本体60におけるクランクシャフト57及びカ
ムシャフト58の間に配設された固定軸59と、クランクシ
ャフト57の回転を歯付プーリ63及び64等を介してカムシ
ャフト58及びウォータポンプの回転軸66等に伝達する、
係合歯が形成されたタイミングベルト61を挾むようにし
てその外面に当接せしめられるテンショナープーリ65及
びアイドラプーリ62と、テンショナープーリ65を転がり
軸受を介して回転可能な状態で支持するとともに、テン
ショナープーリ65の中心軸線が通る部位から離隔した部
位をもって固定軸59に嵌装されたスリーブ状の支持部材
67と、支持部材67に固定されたブラケット68と、一端部
がブラケット68に掛止めされるとともに他端部がエンジ
ン本体60に取り付けられた係止ピン69に掛止めされた引
張スプリング70とを有するものとされている。
斯かる構成をとるオートテンショナー装置においては、
エンジンの作動時に、例えば、クランクシャフト57が右
回りに回転せしめられて、タイミングベルト61が、第6
図において白抜矢印で示される方向に回動せしめられ、
それに伴って、アイドラプーリ62とテンショナープーリ
65とが共に左回りに回転せしめられる。その際、タイミ
ングベルト61は、アイドラプーリ62側が張り側とされ、
また、テンショナープーリ65側が緩み側とされる。
そして、タイミングベルト61の緩み側に比較的大なる張
力変動が、例えば、緩み側における張力が増大される状
態をもって生じ、テンショナープーリ65に加えられるタ
イミングベルト61からの押圧力が増大するときには、タ
イミングベルト61の緩み側が、第6図において一点鎖線
で示される如くに外方に変位して、タイミングベルト61
の外面に当接するテンショナープーリ65を外方に移動さ
せ、それにより、支持部材67及びそれに固定されたブラ
ケット68が、引張スプリング70の付勢力に抗して移動せ
しめられて、タイミングベルト61に与えられる張力が適
正値に調整されることが期待されることになる。
(考案が解決しようとする問題点) しかしながら、上述の第6図に示される如くのオートテ
ンショナー装置にあっては、例えば、エンジンのトルク
変動等に起因してタイミングベルト61の張力が比較的短
い周期をもって増減する際、テンショナープーリ65が、
特にタイミングベルト61の緩み側における張力の増大に
対して敏感に応答して外方に迅速に変位するものとな
り、タイミングベルト61の緩み側における不所望な振動
的外方変位を許す結果となる不都合がある。
即ち、タイミングベルト61の緩み側に比較的短い周期の
張力増減が生じるとき、先ず、タイミングベルト61の緩
み側の張力が増大すると、テンショナープーリ65に対す
るタイミングベルト61の押圧力がテンショナープーリ65
の回転中心O1に向けて作用し、その際、引張スプリング
70の一端部が掛止めされたブラケット68が、第7図に示
される如く、タイミングベルト61に対するテンショナー
プーリ65の巻付角θを2等分する直線とタイミングベル
ト61の緩み側の外面との交点となる、タイミングベルト
61のテンショナープーリ65に対する荷重点Pよりタイミ
ングベルト61のテンショナープーリ65からの退出側に突
出するものとされていて、荷重点Pが、テンショナープ
ーリ65の回転中心O1と固定軸59の中心O2とを結ぶ直線L
よりタイミングベルト61のテンショナープーリ65への進
入側にあるものとされるので、テンショナープーリ65が
固定軸59を回転支軸として左回りに変位せしめられる力
を受けることになり、さらに、タイミングベルト61とテ
ンショナープーリ65との間における摩擦力によっても、
テンショナープーリ65が固定軸59を回転支軸として左回
りに変位せしめられる力を受ける。そのため、テンショ
ナープーリ65が、これらの力が加算された力を受けて左
回りに迅速に変位して、タイミングベルト61の緩み側
が、第6図及び第7図において実線で示される位置から
一点鎖線で示される位置へと外方に変位する。
そして、上述の如くに、タイミングベルト61の緩み側に
おける張力が増大して、タイミングベルト61の緩み側が
外側に変位した後、タイミングベルト61の緩み側におけ
る張力が減少すると、テンショナープーリ65が、引張ス
プリング70の付勢力によって、固定軸59を回転支軸とし
て右回りに変位せしめられる力を受け、かつ、タイミン
グベルト61とテンショナープーリ65との間における摩擦
力によって、固定軸59を回転支軸として左回りに揺動せ
しめられる力を受けることになる。このため、テンショ
ナープーリ65は、引張スプリング70の付勢力に起因する
固定軸59を回転支軸として右回りに変位せしめられる力
から、タイミングベルト61とテンショナープーリ65との
間における摩擦力に起因する固定軸59を回転支軸として
左回りに揺動せしめられる力が減じられて得られる力を
受けて、固定軸59を回転支軸として右回りに比較的遅い
速度をもって変位し、タイミングベルト61の緩み側が、
第6図及び第7図において一点鎖線で示される位置から
実線で示される位置側へと内方に変位する。
従って、タイミングベルト61の緩み側における張力が増
大するときには、テンショナープーリ65が、タイミング
ベルト61の緩み側が外方に移動するものとなるように迅
速に変位し、また、その後、タイミングベルト61の緩み
側における張力が減少するときには、テンショナープー
リ65が、タイミングベルト61の緩み側が内方に移動する
ものとなるように変位するが、その変位においてタイミ
ングベルト61の緩み側における張力減少に対する追従遅
れを伴い易くなり、その結果、タイミングベルト61の緩
み側が、比較的短い周期をもって振動的外方変位を伴う
ことになってしまう。
また、第6図に示される如くのオートテンショナー装置
にあっては、引張スプリング70の付勢力によりタイミン
グベルト61の張力が調整されるようになされているの
で、タイミングベルト61の張力が大幅に増大した場合に
は、引張スプリング70が、過度に引き伸ばされて破損す
る事態、あるいは、タイミングベルト61の張力変動に伴
う引張スプリング70の弾性力の増加によって、ブラケッ
ト68及び係止ピン69に夫々掛止めされた引張スプリング
70の両端部、もしくは、ブラケット68における引張スプ
リング70との係合部等が破損する事態が生じる虞があ
る。さらに、引張スプリング70は、その両端部が夫々ブ
ラケット68及び係止ピン69に掛止めされるものとなされ
るが、斯かる引張スプリング70の掛止めは、タイミング
ベルト61とエンジン本体60との間において、引張スプリ
ング70が引き伸ばされつつ行われるものとされるので、
作業性に劣るものとされることになるという問題もあ
る。
斯かる点に鑑み本考案は、クランクシャフトの回転をカ
ムシャフトに伝達する無端状動力伝達部材を、テンショ
ナープーリや付勢スプリングの使用のもとに、エンジン
のトルク変動等に起因する比較的短い周期の張力変動に
対しては、それによる不所望な移動が抑制されるものと
なされ、しかも、比較的長期に亙る張力変化に対して
は、適正な張力調整がなされるものとすることができ、
さらに、付勢スプリング等の破損の虞が著しく低減さ
れ、また、エンジンへの組付作業が容易なものとされる
エンジンのオートテンショナー装置を提供することを目
的とする。
(問題点を解決するための手段) 上述の目的を達成すべく、本考案に係るエンジンのオー
トテンショナー装置は、エンジンにおけるクランクシャ
フトとカムシャフトとの間に配設された固定軸と、クラ
ンクシャフトの回転をカムシャフトに伝達する無端状動
力伝達部材の外面に当接するテンショナープーリと、テ
ンショナープーリを回転可能な状態で支持するととも
に、テンショナープーリの回転中心に対応する部位から
離隔した部位をもって固定軸に嵌装される支持部材と、
一端部が支持部材に取り付けられたブラケットと、ブラ
ケットの他端部及びエンジンの側壁に両端部が夫々係止
されたスプリングとを備え、支持部材が、無端状動力伝
達部材のテンショナープーリに対する荷重点を、テンシ
ョナープーリの回転中心と固定軸の中心とを結ぶ直線よ
り、無端状動力伝達部材のテンショナープーリからの退
出側にあるようになすものとされ、ブラケットが、その
他端部を、無端状動力伝達部材のテンショナープーリに
対する荷重点より無端状動力伝達部材のテンショナープ
ーリへの進入側に突出させるものとされ、さらに、スプ
リングが、テンショナープーリを無端状動力伝達部材側
に付勢するとともにテンショナープーリの変位範囲を規
制する圧縮スプリングとされて構成される。
(作用) 上述の如くの構成とされる本考案に係るオートテンショ
ナー装置においては、テンショナープーリを支持する支
持部材が、無端状動力伝達部材のテンショナープーリに
対する荷重点を、テンショナープーリの回転中心と固定
軸の中心とを結ぶ直線より、無端状動力伝達部材のテン
ショナープーリからの退出側にあるようになすものとさ
れ、また、支持部材に取り付けられたブラケットの他端
部が、無端状動力伝達部材のテンショナープーリに対す
る荷重点より無端状動力伝達部材のテンショナープーリ
への進入側に突出せしめられて圧縮スプリングの一端部
を係止するものとされ、それによって、支持部材により
固定軸を中心にして変位し得るように支持されたテンシ
ョナープーリが、無端状動力伝達部材のテンショナープ
ーリへの進入側から付勢されて、無端状動力伝達部材に
張力を与えるものとされる。
それにより、例えば、エンジンのトルク変動等に起因し
て無端状動力伝達部材の張力が比較的短い周期をもって
増減する場合、無端状動力伝達部材の張力が増大すると
きには、テンショナープーリが、無端状動力伝達部材が
外方へ移動するものとなるように変位するが、その変位
が比較的遅い速度のもとで行われて、無端状動力伝達部
材の張力の比較的短い周期をもっての増大に対する追従
遅れを伴う結果、その変位量が少とされ、また、その
後、無端状動力伝達部材の張力が減少するときには、テ
ンショナープーリが、無端状動力伝達部材が内方に移動
するものとなるように迅速に変位するものとされる。従
って、無端状動力伝達部材が、比較的短い周期をもって
の振動的外方変位を伴わないものとされる。
一方、無端状動力伝達部材の張力が比較的長期に亙って
増減する場合には、例えば、無端状動力伝達部材の張力
が増大するとき、テンショナープーリが、無端状動力伝
達部材が比較的遅い速度をもて外方へ移動して、無端状
動力伝達部材の張力の比較的長期に亙る増大に対応して
変位し、無端状動力伝達部材の張力を適正に維持し、ま
た、無端状動力伝達部材の張力が減少するときには、テ
ンショナープーリが、無端状動力伝達部材の張力減少に
追従して変位する。
また、無端状動力伝達部材の張力が大幅に増大するとき
には、圧縮スプリングが収縮限界まで縮んでテンショナ
ープーリの変位を規制することになり、圧縮スプリング
の無理な変形が抑制されて、圧縮スプリングやブラケッ
トにおける係合部等が破損する事態が回避される。
さらに、ブラケットの他端部を介してなされるテンショ
ナープーリの無端状動力伝達部材側への付勢に、圧縮ス
プリングが用いられることにより、テンショナープーに
対する付勢機構のエンジン本体への組付作業性が改善さ
れることになる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は、本考案に係るエンジンのオートテンショナー
装置の一例を、それが適用されたエンジンの前端部と共
に示す。
第1図において、エンジン本体10には、その下部に右回
りに回転するものとされたクランクシャフト12が配され
るとともにその上部にカムシャフト14が配されており、
これらクランクシャフト12とカムシャフト14との間に、
ウォータポンプの回転軸16,アイドラプーリ17の支軸1
8、及び、固定軸ボルト32が配置されている。クランク
シャフト12,カムシャフト14及び固定軸16には、夫々、
歯付プーリ22,24及び26が取り付けられており、それら
には、係合歯が内面側に設けられたタイミングベルト20
が掛け回されている。タイミングベルト20は、アイドラ
プーリ17とテンショナープーリ34とにより、その外面側
から挾まれて押圧されるようになされている。
そして、本考案に係るエンジンのオートテンショナー装
置の一例を成すオートテンショナー装置30が、第1図に
その全体の外観が示され、かつ、その細部が第2図及び
第3図に断面図をもって詳細に示される如く、固定軸ボ
ルト32及びテンショナープーリ34に加えて、固定軸ボル
ト32によりエンジン本体10に固定される固定軸部材33
と、テンショナープーリ34を、転がり軸受35を介して回
転可能な状態で支持するとともに、テンショナープーリ
34の回転中心より偏心した部位において固定軸部材33に
嵌合するスリーブ状の支持部材37と、支持部材37におけ
る背面側部分にそこから斜め下方に伸びるように固定さ
れたブラケット38と、一端がブラケット38に係止される
とともに他端がエンジン本体10の側壁10aに係止された
圧縮スプリング50とを備えて構成されている。ブラケッ
ト38は、第4図に示される如く、テンショナープーリ34
におけるタイミングベルト20の巻付角θ′を2等分する
直線とテンショナープーリ34に接するタイミングベルト
20の外面との交点とされる、タイミングベルト20のテン
ショナープーリ34に対する荷重点Qより、タイミングベ
ルト20のテンショナープーリ34への進入側に突出するも
のとされており、ブラケット38の先端部には、ばね受部
38aが設けられている。
第2図及び第3図に示される如く、固定軸ボルト32と支
持部材37との間には、固定軸部材33に固定された滑り軸
受41,オイルシール42,固定軸部材33に圧入されて固定さ
れたインナープレート43及び45,支持部材37に圧入され
て固定されたアウタープレート44及び46、及び、オイル
シール47が配置されている。そして、オイルシール42と
オイルシール47との間には潤滑油が封入されて、支持部
材37とアウタープレート44及び46とが、夫々、固定軸部
材33とインナープレート43及び45とに対して相対的に回
転し得るようにされており、オイルシール42及び47,イ
ンナープレート43及び45、及び、アウタープレート44及
び46等でビスカス式の減衰力調整手段が構成されてい
る。
そして、圧縮スプリング50の、ブラケット38を介しての
付勢力により、テンショナープーリ34が、タイミングベ
ルト20の緩み側を押圧してタイミングベルト20に張力を
与えるものとされている。その際、第4図に示される如
く、タイミングベルト20のテンショナープーリ34に対す
る荷重点Qが、テンショナープーリ34の回転中心O1′と
固定軸ボルト32の中心O2′とを結ぶ直線L′より、タイ
ミングベルト20のテンショナープーリ34からの退出側に
あるものとなるように設定される。
上述の如くの構成のもとに、エンジンの作動時において
は、クランクシャフト12の回転により、タイミングベル
ト20が、第1図において白抜き矢印で示される方向に回
動せしめられ、それに伴って、アイドラプーリ17とテン
ショナープーリ34とが共に左回りに回転せしめられ、そ
れにより、タイミングベルト20は、アイドラプーリ17側
が引張側とされ、また、テンショナープーリ34側が緩み
側とされる。
そして、例えば、エンジンのトルク変動等に起因してタ
イミングベルト20の張力が比較的短い周期をもって増減
するにあたっては、先ず、タイミングベルト20の緩み側
の張力が増大すると、第4図に示される荷重点Qに作用
するテンショナープーリ34に対するタイミングベルト20
の押圧力が、第4図に示されるテンショナープーリ34の
回転中心O1′に向けて作用する。その際、第4図に示さ
れる如く、圧縮スプリング50の一端部に係合するブラケ
ット38が、荷重点Qよりタイミングベルト20のテンショ
ナープーリ34への進入側に突出し、荷重点Qが、テンシ
ョナープーリ34の回転中心O1′と固定軸ボルト32の中心
O2′とを結ぶ直線L′よりタイミングベルト20のテンシ
ョナープーリ34からの退出側にあるものとされているの
で、テンショナープーリ34が固定軸ボルト32を回転支軸
として右回りに変位せしめられる力を受けることにな
る。
また、それと同時に、テンショナープーリ34は、タイミ
ングベルト20とテンショナープーリ34との間における摩
擦力により、固定軸ボルト32を回転支軸として左回りに
変位せしめられる力を受ける。そのため、テンショナー
プーリ34は、タイミングベルト20の押圧力に起因する固
定軸ボルト32を回転支軸として右回りに変位せしめられ
る力から、タイミングベルト20とテンショナープーリ34
との間における摩擦力に起因する固定軸ボルト32を回転
支軸として左回りに変位せしめられる力が減じられたも
のとされる力を受けて、固定軸ボルト32を回転支軸とし
て右回りに比較的遅い速度をもって変位することにな
る。
即ち、テンショナープーリ34が、第1図及び第4図にお
いて実線で示される位置から一点鎖線で示される位置へ
と外方に変位するのであり、それに伴って、タイミング
ベルト20の緩み側も、第1図及び第4図において実線で
示される位置から一点鎖線で示される位置へと外方に変
位するのであるが、斯かるテンショナープーリ34の外方
への変位は、その速度が遅く、タイミングベルト20の比
較的短い周期をもっての張力増大に追従できないものと
なり、従って、テンショナープーリ34の外方への変位量
及びそれに伴うタイミングベルト20の緩み側の外方への
変位量は、比較的少に規制される。
一方、その後、タイミングベルト20の緩み側における張
力が減少すると、テンショナープーリ34が、圧縮スプリ
ング50の付勢力によって、固定軸ボルト32の回転支軸と
して左まわりに変位せしめられる力を受け、かつ、タイ
ミングベルト20とテンショナープーリ34との間における
摩擦力によって、固定軸ボルト32を回転支軸として左回
りに変位せしめられる力を受けることになる。このた
め、テンショナープーリ34は、これらの力が加算された
力を受けて、固定軸ボルト32を回転支軸として左まわり
に迅速に変位し、タイミングベルト20の比較的短い周期
をもっての張力減少に充分に追従して、第1図及び第4
図において一点鎖線で示される位置から実線で示される
位置側へと内方に変位し、また、それに伴って、タイミ
ングベルト20の緩み側も、第1図及び第4図において一
点鎖線で示される位置から実線で示される位置へと内方
に変位する。
このようにして、タイミングベルト20の緩み側における
張力が比較的短い周期をもって増減する場合に、張力増
大時には、テンショナープーリ34が、タイミングベルト
20の緩み側が外方に移動するのを規制し、また、その
後、張力減少時には、テンショナープーリ34が、タイミ
ングベルト20を伴って迅速に内方に移動するものとな
り、その結果、タイミングベルト20の緩み側が、比較的
短い周期をもって振動的外方変位を伴うことが抑圧され
ることになる。
また、エンジン本体10の熱膨張によりクランクシャフト
12とカムシャフト14との軸間距離等が変化すること等に
起因して、タイミングベルト20に、比較的長期に亙る張
力変動が、例えば、タイミングベルト20の緩み側におけ
る張力が増大する状態をもって生じる場合には、上述の
タイミングベルト20の張力が比較的短い周期をもって増
減する際において、タイミングベルト20の緩み側の張力
が増大する場合と同様にして、テンショナープーリ34
が、比較的遅い速度をもって、第1図及び第4図におい
て実線で示される位置から一点鎖線で示される位置へと
外方に変位し、それに伴って、タイミングベルト20の緩
み側も、第1図及び第4図において実線で示される位置
から一点鎖線で示される位置へと外方に変位することに
なるが、斯かる際には、タイミングベルト20の張力増大
は比較的長期に亙るので、テンショナープーリ34の外方
への変位は、タイミングベルト20の張力増大に追従でき
るものとなる。従って、テンショナープーリ34の外方へ
の変位量が、タイミングベルト20の張力増大に応じたも
のとなり、タイミングベルト20の張力が適正に調整され
る。
また、タイミングベルト20に、比較的長期に亙る張力変
動が、タイミングベルト20の緩み側における張力が減少
する状態をもって生じる場合には、それに追従して、テ
ンショナープーリ34が第1図及び第4図において一点鎖
線で示される位置から実線で示される位置側への変位へ
と内方に変位し、それに伴って、タイミングベルト20の
緩み側も、第1図及び第4図において一点鎖線で示され
る位置から実線で示される位置側へと内方に変位して、
タイミングベルト20の張力調整が適正に行われる。
さらに、オートテンショナー装置30の場合には、圧縮ス
プリング50の付勢力によりタイミングベルト20の張力が
調整されるようにされているので、タイミングベルト20
の張力が大幅に増大するときには、圧縮スプリング50が
収縮限界まで縮んでテンショナープーリ34の外方への変
位を規制する状態とされる。従って、圧縮スプリング50
の無理な変形が抑制されて、圧縮スプリング50やそれに
係合するブラケット38が破損する事態が回避される。ま
た、圧縮スプリング50を収縮状態にしてブラケット38と
エンジン本体10の側壁10aとの間に挿入し、その後伸長
状態にすることによって、圧縮スプリング50を容易にブ
ラケット38とエンジン本体10の側壁10aとの間に装着す
ることができるので、組付作業性が改善されることにな
る。
なお、上述のオートテンショナー装置30においては、圧
縮スプリング50がエンジン本体10から外れることを防止
すべく、圧縮スプリング50の他端部分に、エンジン本体
10の側壁10aに螺入されて、それを貫通するボルト52が
挿入される機構が採用されているが、斯かる機構とは異
なる機構が採られてよいこと勿論である。例えば、第5
図に示される如く、上述のボルト52が使用されるに代え
て、エンジン本体10の側壁10aに、圧縮スプリング50に
おけるブラケット38側とは反対側の端部が挿入される筒
部54が設けられ、圧縮スプリング50が筒部54内にエンジ
ン本体10の側壁10aの外部から挿入されて、その先端が
ブラケット38のばね受部38aに当接せしめられた後、筒
部54にブラインドプラグ56が嵌め込まれて、圧縮スプリ
ング50がブラケット38とエンジン本体10の側壁10aとの
間に装着されるようになされてもよい。
さらに、上述のオートテンショナー装置30は、タイミン
グベルト20の張力調整に供されているが、本考案に係る
オートテンショナー装置は、クランクシャフトの回転が
タイミングチェーンによってカムシャフトに伝達される
エンジンにおいて、そのタイミングチェーンの張力調整
を行うものとされることもできる。
(考案の効果) 以上の説明から明らかな如く、本考案に係るエンジンの
オートテンショナー装置によれば、クランクシャフトの
回転をカムシャフトに伝達するタイミングベルトやタイ
ミングチェーン等の無端状動力伝達部材の張力調整を、
テンショナープーリや付勢スプリングを使用して行うに
あたり、無端状動力伝達部材を、エンジンのトルク変動
等に起因する比較的短い周期の張力変動に対しては、そ
れによりもたらされる不所望な振動的変位が抑制される
ものとなし、しかも、比較的長期に亙る張力変化に対し
ては、適正な張力調整状態が維持されるものとなすこと
ができる。
また、無端状動力伝達部材の張力が極めて大とされる場
合等においても、付勢スプリングやそれに係合する部材
に破損が生じる事態を回避でき、さらには、付勢スプリ
ングの装着にあたっての作業性の改善を図ることができ
ることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るエンジンのオートテンショナー装
置の一例をそれが適用されたエンジンの一部と共に示す
構成図、第2図及び第3図は夫々第1図に示される例の
要部を示す断面図、第4図は第1図に示される例の動作
説明に供される概略図、第5図は本考案に係るエンジン
のオートテンショナー装置の他の例の部分を示す構成
図、第6図は従来のオートテンショナー装置の一例をそ
れが適用されたエンジンの一部とともに示す構成図、第
7図は第6図に示される例の動作説明に供される概略図
である。 図中、10はエンジン本体、12はクランクシャフト、14は
カムシャフト、20はタイミングベルト、30はオートテン
ショナー装置、32は固定軸ボルト、33は固定軸部材、34
はテンショナープーリ、37は支持部材、38はブラケッ
ト、50は圧縮スプリングである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 杉本 博之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (56)参考文献 実開 昭64−15851(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンにおけるクランクシャフトとカム
    シャフトとの間に配設された固定軸と、 上記クランクシャフトの回転を上記カムシャフトに伝達
    する無端状動力伝達部材の外面に当接するテンショナー
    プーリと、 該テンショナープーリを回転可能な状態として支持する
    とともに、上記テンショナープーリの回転中心に対応す
    る部位から離隔した部位をもって上記固定軸に嵌装さ
    れ、上記無端状動力伝達部材の上記テンショナープーリ
    に対する荷重点を、該テンショナープーリの回転中心と
    上記固定軸の中心とを結ぶ直線より、上記無端状動力伝
    達部材の上記テンショナープーリからの退出側にあるも
    のとなす支持部材と、 一端部が上記支持部材に取り付けられ、他端部が上記無
    端状動力伝達部材の上記テンショナープーリに対する荷
    重点より上記無端状動力伝達部材の上記テンショナープ
    ーリへの進入側に突出するものとされたブラケットと、 該ブラケットの他端部及び上記エンジンの側壁に両端部
    が夫々係止され、上記テンショナープーリを上記無端状
    動力伝達部材側に付勢するとともに、上記テンショナー
    プーリの変位範囲を規制する圧縮スプリングと、 を備えて構成されるエンジンのオートテンショナー装
    置。
JP19673087U 1987-12-25 1987-12-25 エンジンのオートテンシヨナー装置 Expired - Lifetime JPH0640910Y2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102018106371B4 (de) 2018-03-19 2023-01-19 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Riemenrolle

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DE102018106371B4 (de) 2018-03-19 2023-01-19 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Riemenrolle

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