JP2548624Y2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
ゴルフクラブヘッドInfo
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- JP2548624Y2 JP2548624Y2 JP1991060090U JP6009091U JP2548624Y2 JP 2548624 Y2 JP2548624 Y2 JP 2548624Y2 JP 1991060090 U JP1991060090 U JP 1991060090U JP 6009091 U JP6009091 U JP 6009091U JP 2548624 Y2 JP2548624 Y2 JP 2548624Y2
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- fibers
- head
- face
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、内部が中空に形成され
たヘッド本体を有するゴルフクラブヘッドに関する。
たヘッド本体を有するゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフクラブヘッドとしては、ウッド又
はアイアンと通称される各種のヘッドが使用されている
が、そのいずれのヘッドにおいても打球後のボールの飛
距離を伸ばすには、クラブヘッドの重心を後部側、すな
わちバック部側へ移行させることが望ましい。
はアイアンと通称される各種のヘッドが使用されている
が、そのいずれのヘッドにおいても打球後のボールの飛
距離を伸ばすには、クラブヘッドの重心を後部側、すな
わちバック部側へ移行させることが望ましい。
【0003】そこで、冒頭に記載したようにヘッド本体
の内部を中空に形成すると共に、そのフェース部の板厚
を薄くしてヘッド本体前部側の重量を軽減したゴルフク
ラブヘッドが提案されている。
の内部を中空に形成すると共に、そのフェース部の板厚
を薄くしてヘッド本体前部側の重量を軽減したゴルフク
ラブヘッドが提案されている。
【0004】図6乃至図8はこのようなゴルフクラブヘ
ッドの一例としてウッドタイプのヘッドを示す。ここに
例示したクラブヘッドのヘッド本体1は、例えば金属、
硬質合成樹脂又は繊維強化合成樹脂などの硬質材料によ
り構成され、その内部は中空に、またその前部側のフェ
ース部2の板厚は薄く形成されている。符号3で示すも
のは、ヘッド本体1のホーゼル部4に固着されたシャフ
トである。
ッドの一例としてウッドタイプのヘッドを示す。ここに
例示したクラブヘッドのヘッド本体1は、例えば金属、
硬質合成樹脂又は繊維強化合成樹脂などの硬質材料によ
り構成され、その内部は中空に、またその前部側のフェ
ース部2の板厚は薄く形成されている。符号3で示すも
のは、ヘッド本体1のホーゼル部4に固着されたシャフ
トである。
【0005】上述のゴルフクラブヘッドによると、その
フェース部2が軽量で、しかもヘッド本体1の内部が中
空であるため、クラブヘッド全体の重心がバック部5の
側へ移行し、ボールの飛距離を大きく伸ばすことが可能
である。
フェース部2が軽量で、しかもヘッド本体1の内部が中
空であるため、クラブヘッド全体の重心がバック部5の
側へ移行し、ボールの飛距離を大きく伸ばすことが可能
である。
【0006】ところで、フェース部2の板厚が上述のよ
うに薄く形成されていると、打球時にフェース部2が弾
性的に曲げ変形する。すなわち、ゴルフクラブをスウィ
ングし、図7及び図8に鎖線で示したようにフェース部
2のスイートスポットSにボール6が当ると、フェース
部2は、ボール6から加えられた衝撃力によって鎖線で
誇張して示す如く曲げ変形する。
うに薄く形成されていると、打球時にフェース部2が弾
性的に曲げ変形する。すなわち、ゴルフクラブをスウィ
ングし、図7及び図8に鎖線で示したようにフェース部
2のスイートスポットSにボール6が当ると、フェース
部2は、ボール6から加えられた衝撃力によって鎖線で
誇張して示す如く曲げ変形する。
【0007】ここで、図6に示すようにヘッド本体1の
トウ部7からヒール部8へ至るフェース部2の長さL1
を横長さと称し、トップ部9からソール部10へ至るフ
ェース部2の長さL2を縦長さと称することにすると、
いかなるゴルフクラブヘッドにおいても横長さL1の方
が縦長さL2よりも長くなっている。
トウ部7からヒール部8へ至るフェース部2の長さL1
を横長さと称し、トップ部9からソール部10へ至るフ
ェース部2の長さL2を縦長さと称することにすると、
いかなるゴルフクラブヘッドにおいても横長さL1の方
が縦長さL2よりも長くなっている。
【0008】一方、図6に示すように、フェース部2の
表面上に、スイートスポットSを中心とした円Cを想定
し、かつスイートスポットSを通りトウ部7からヒール
部8へ向かう横方向の線Hと、同じくスイートスポット
Sを通りトップ部9からソール部10へ向かう縦方向の
線Vを考え、これらの線H,Vと円Cとが交わる第1の
点X1と第2の点X2の撓みを比較してみると、前述の
ように横長さL1の方が縦長さL2よりも長いので、図
7及び図8からも判るように、ボール6の打撃に伴う両
撓みδ1,δ2は前者の方が大きく、δ1>δ2とな
る。これは、横方向の線Hと縦方向の線Vをそれぞれ梁
として捉え、横長さL1と縦長さL2を各梁の支点間距
離として考えると、容易に理解することができる。
表面上に、スイートスポットSを中心とした円Cを想定
し、かつスイートスポットSを通りトウ部7からヒール
部8へ向かう横方向の線Hと、同じくスイートスポット
Sを通りトップ部9からソール部10へ向かう縦方向の
線Vを考え、これらの線H,Vと円Cとが交わる第1の
点X1と第2の点X2の撓みを比較してみると、前述の
ように横長さL1の方が縦長さL2よりも長いので、図
7及び図8からも判るように、ボール6の打撃に伴う両
撓みδ1,δ2は前者の方が大きく、δ1>δ2とな
る。これは、横方向の線Hと縦方向の線Vをそれぞれ梁
として捉え、横長さL1と縦長さL2を各梁の支点間距
離として考えると、容易に理解することができる。
【0009】上述したところから判るように、フェース
部2の曲げ変形による撓みは、トウ部7からヒール部8
へ向かう横方向において大きくなり、逆にトップ部9か
らソール部10へ向かう縦方向において小さくなる。
部2の曲げ変形による撓みは、トウ部7からヒール部8
へ向かう横方向において大きくなり、逆にトップ部9か
らソール部10へ向かう縦方向において小さくなる。
【0010】フェース部2に当ったボール6はこのよう
に曲げ変形するフェース部2からの反力によって弾性変
形するが、このとき、撓みの少ないフェース部部分に当
ったボールの部分は、フェース部2から大きな反力を受
けるため大きく圧縮変形し、逆に大きく撓んだフェース
部部分に当ったボールの部分はその圧縮変形量が少な
い。従って、フェース部2に当ったボール6の面は、図
6に一点鎖線で示したようにトップ部9からソール部1
0に向かう縦方向に細長い長円形ないしは楕円形に潰れ
た状態で圧縮変形する。
に曲げ変形するフェース部2からの反力によって弾性変
形するが、このとき、撓みの少ないフェース部部分に当
ったボールの部分は、フェース部2から大きな反力を受
けるため大きく圧縮変形し、逆に大きく撓んだフェース
部部分に当ったボールの部分はその圧縮変形量が少な
い。従って、フェース部2に当ったボール6の面は、図
6に一点鎖線で示したようにトップ部9からソール部1
0に向かう縦方向に細長い長円形ないしは楕円形に潰れ
た状態で圧縮変形する。
【0011】ゴルフクラブのスウィングに伴ってボール
6はヘッド本体1のフェース部2から離れて飛行する
が、このとき上述のようにフェース部2に当って細長く
変形したボール6の部分は、その弾性によって元の形態
に復元し、さらに図6に破線で示す如く横方向に伸びた
形態に弾性変形する。引き続き、このボール6の変形部
分は再び図6に鎖線で示した形態へ向けて弾性変形し、
かかる変形を交互に繰返す。このように、ヘッド本体1
から離れたボール6は、その飛行方向に対して垂直な互
いに直交する2軸の方向に交互に変形しつつ振動する。
最終的にはかかる振動は減衰することになるが、ヘッド
本体1から離れた直後の時点では、ボール6は大きな振
幅をもって激しく振動する。
6はヘッド本体1のフェース部2から離れて飛行する
が、このとき上述のようにフェース部2に当って細長く
変形したボール6の部分は、その弾性によって元の形態
に復元し、さらに図6に破線で示す如く横方向に伸びた
形態に弾性変形する。引き続き、このボール6の変形部
分は再び図6に鎖線で示した形態へ向けて弾性変形し、
かかる変形を交互に繰返す。このように、ヘッド本体1
から離れたボール6は、その飛行方向に対して垂直な互
いに直交する2軸の方向に交互に変形しつつ振動する。
最終的にはかかる振動は減衰することになるが、ヘッド
本体1から離れた直後の時点では、ボール6は大きな振
幅をもって激しく振動する。
【0012】ボール6がこのように振動すると、その振
幅の方向が飛行方向に対して直交する向きであるため、
ボールのエネルギーロスが大きくなり、その速度が低下
する。このため、ボールの飛距離を伸ばすことが困難と
なる。しかも上述したボールの振動によって、ボールの
受ける風圧分布が常時変化するため、飛行するボールの
方向性が低下する。
幅の方向が飛行方向に対して直交する向きであるため、
ボールのエネルギーロスが大きくなり、その速度が低下
する。このため、ボールの飛距離を伸ばすことが困難と
なる。しかも上述したボールの振動によって、ボールの
受ける風圧分布が常時変化するため、飛行するボールの
方向性が低下する。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】本考案は上述した新規
な認識に基づきなされたものであり、その目的とすると
ころは、打撃後のボールがその飛行方向に対して直交す
る向きに振動することを防止し、ボールの飛距離と方向
性を一層高めることの可能なゴルフクラブヘッドを提供
することにある。
な認識に基づきなされたものであり、その目的とすると
ころは、打撃後のボールがその飛行方向に対して直交す
る向きに振動することを防止し、ボールの飛距離と方向
性を一層高めることの可能なゴルフクラブヘッドを提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記目的を達
成するため、内部が中空に形成されたヘッド本体と、該
本体のフェース部に固着されたフェース部材とを具備
し、前記ヘッド本体のトウ部側からヒール部側へ至るフ
ェース部材の横長さが、ヘッド本体のトップ部側からソ
ール部側へ至るフェース部材の縦長さよりも大きく設定
され、かつ当該フェース部材が、ヘッド本体のトウ部側
からヒール部側へ延びる横繊維と、ヘッド本体のトップ
部側からソール部側へ延びる縦繊維と、前記横繊維及び
縦繊維を固定する合成樹脂材とを有し、前記横繊維が縦
繊維よりも密に配設されていることを特徴とするゴルフ
クラブヘッドを提案する。
成するため、内部が中空に形成されたヘッド本体と、該
本体のフェース部に固着されたフェース部材とを具備
し、前記ヘッド本体のトウ部側からヒール部側へ至るフ
ェース部材の横長さが、ヘッド本体のトップ部側からソ
ール部側へ至るフェース部材の縦長さよりも大きく設定
され、かつ当該フェース部材が、ヘッド本体のトウ部側
からヒール部側へ延びる横繊維と、ヘッド本体のトップ
部側からソール部側へ延びる縦繊維と、前記横繊維及び
縦繊維を固定する合成樹脂材とを有し、前記横繊維が縦
繊維よりも密に配設されていることを特徴とするゴルフ
クラブヘッドを提案する。
【0015】本考案は、同じ目的を達成するため、内部
が中空に形成されたヘッド本体と、該本体のフェース部
に固着されたフェース部材とを具備し、前記ヘッド本体
のトウ部側からヒール部側へ至るフェース部材の横長さ
が、ヘッド本体のトップ部側からソール部側へ至るフェ
ース部材の縦長さよりも大きく設定され、かつ当該フェ
ース部材が、繊維と該繊維を固定する合成樹脂材とを有
し、前記繊維がヘッド本体のトウ部側からヒール部側へ
延びる横繊維より成ることを特徴とするゴルフクラブヘ
ッドを提案する。
が中空に形成されたヘッド本体と、該本体のフェース部
に固着されたフェース部材とを具備し、前記ヘッド本体
のトウ部側からヒール部側へ至るフェース部材の横長さ
が、ヘッド本体のトップ部側からソール部側へ至るフェ
ース部材の縦長さよりも大きく設定され、かつ当該フェ
ース部材が、繊維と該繊維を固定する合成樹脂材とを有
し、前記繊維がヘッド本体のトウ部側からヒール部側へ
延びる横繊維より成ることを特徴とするゴルフクラブヘ
ッドを提案する。
【0016】さらに、本考案は、同じ目的を達成するた
め、内部が中空に形成されたヘッド本体と、該本体のフ
ェース部に固着されたフェース部材とを具備し、前記ヘ
ッド本体のトウ部側からヒール部側へ至るフェース部材
の横長さが、ヘッド本体のトップ部側からソール部側へ
至るフェース部材の縦長さよりも大きく設定され、かつ
当該フェース部材が、ヘッド本体のトウ部側からヒール
部側へ延びる横繊維と、ヘッド本体のトップ部側からソ
ール部側へ延びる縦繊維と、前記横繊維及び縦繊維を固
定する合成樹脂材とを有し、前記横繊維が、縦繊維より
もヤング率の高い材料により構成されていることを特徴
とするゴルフクラブヘッドを提案する。
め、内部が中空に形成されたヘッド本体と、該本体のフ
ェース部に固着されたフェース部材とを具備し、前記ヘ
ッド本体のトウ部側からヒール部側へ至るフェース部材
の横長さが、ヘッド本体のトップ部側からソール部側へ
至るフェース部材の縦長さよりも大きく設定され、かつ
当該フェース部材が、ヘッド本体のトウ部側からヒール
部側へ延びる横繊維と、ヘッド本体のトップ部側からソ
ール部側へ延びる縦繊維と、前記横繊維及び縦繊維を固
定する合成樹脂材とを有し、前記横繊維が、縦繊維より
もヤング率の高い材料により構成されていることを特徴
とするゴルフクラブヘッドを提案する。
【0017】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に従って詳細に
説明する。
説明する。
【0018】図1はウッドタイプのゴルフクラブヘッド
を示す正面図であり、図2及び図3はそれぞれ図1のI
I−II線及びIII−III線断面図である。このゴ
ルフクラブヘッドのヘッド本体1は、従来と同じく内部
が中空に形成され、そのフェース部2の板厚が薄く形成
されていて、ヘッド本体1を構成する材質も先に例示し
た従来のものと変りはない。ホーゼル部4にシャフト3
が固着されていることも従来と同様である。
を示す正面図であり、図2及び図3はそれぞれ図1のI
I−II線及びIII−III線断面図である。このゴ
ルフクラブヘッドのヘッド本体1は、従来と同じく内部
が中空に形成され、そのフェース部2の板厚が薄く形成
されていて、ヘッド本体1を構成する材質も先に例示し
た従来のものと変りはない。ホーゼル部4にシャフト3
が固着されていることも従来と同様である。
【0019】上述のように、ゴルフクラブヘッドは、内
部が中空に形成されたヘッド本体1を具備するが、その
ほか、その本体1のフェース部に固着されたフェース部
材14を具備し、ヘッド本体のトウ部7の側からヒール
部8の側へ至るフェース部材14の横長さL1は、ヘッ
ド本体1のトップ部9の側からソール部10の側へ至る
フェース部材14の縦長さL2よりも大きく設定されて
いる。
部が中空に形成されたヘッド本体1を具備するが、その
ほか、その本体1のフェース部に固着されたフェース部
材14を具備し、ヘッド本体のトウ部7の側からヒール
部8の側へ至るフェース部材14の横長さL1は、ヘッ
ド本体1のトップ部9の側からソール部10の側へ至る
フェース部材14の縦長さL2よりも大きく設定されて
いる。
【0020】以上の構成は、後述する第2及び第3の実
施例においても変りはなく、第1乃至第3の実施例に共
通するものである。
施例においても変りはなく、第1乃至第3の実施例に共
通するものである。
【0021】ここで、第1の実施例においては、フェー
ス部材14が、ヘッド本体1のトウ部7の側からヒール
部8の側へ延びる多数の横繊維11と、ヘッド本体1の
トップ部9の側からソール部10の側へ延びる多数の縦
繊維12と、横繊維11及び縦繊維12を固定する合成
樹脂材13とを有している。多数の横繊維11はトウ部
7側からヒール部8側へ互いに平行に延び、多数の縦繊
維12はトップ部9の側からソール部10の側へ互いに
平行に延びている。また図1に示すように、横繊維11
は縦繊維12よりも密に配設されている。すなわち単位
面積を横切る横繊維11の数が、同じく単位面積を横切
る縦繊維12の数よりも多くなるように、各繊維11,
12の配列密度が設定されているのである。
ス部材14が、ヘッド本体1のトウ部7の側からヒール
部8の側へ延びる多数の横繊維11と、ヘッド本体1の
トップ部9の側からソール部10の側へ延びる多数の縦
繊維12と、横繊維11及び縦繊維12を固定する合成
樹脂材13とを有している。多数の横繊維11はトウ部
7側からヒール部8側へ互いに平行に延び、多数の縦繊
維12はトップ部9の側からソール部10の側へ互いに
平行に延びている。また図1に示すように、横繊維11
は縦繊維12よりも密に配設されている。すなわち単位
面積を横切る横繊維11の数が、同じく単位面積を横切
る縦繊維12の数よりも多くなるように、各繊維11,
12の配列密度が設定されているのである。
【0022】上述の繊維11,12としては、例えばカ
ーボン繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、ケブラー繊維又
は金属細線などの適宜な繊維を用いることができ、これ
らの繊維11,12を一体に固定する合成樹脂材13と
しては、熱硬化性又は熱可塑性の適宜な合成樹脂を使用
することができる。
ーボン繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、ケブラー繊維又
は金属細線などの適宜な繊維を用いることができ、これ
らの繊維11,12を一体に固定する合成樹脂材13と
しては、熱硬化性又は熱可塑性の適宜な合成樹脂を使用
することができる。
【0023】上述のように構成されたゴルフクラブをス
ウィングし、そのフェース部材14でボール6を打撃す
ると、ヘッド本体1のフェース部2と、ここに固着され
たフェース部材14は、図2及び図3に一点鎖線で誇張
して示すように、ボール6からの打撃力を受けて弾性的
に曲げ変形する。このとき、横繊維11が縦繊維12よ
りも密に配設されているため、フェース部材14は、ト
ウ部7からヒール部8に至る横方向において撓みにくく
なり、逆にトップ部9からソール部10に至る縦方向に
おいては撓み易くなる。このため、フェース部2とフェ
ース部材14の全体の撓み状態が横方向と縦方向におい
て従来のように相違することはない。すなわち、図6を
参照して先に説明したところと全く同じく、フェース部
材14の横長さL1、その縦長さL2、スイートスポッ
トSを中心とした円C、横方向の線H、及び縦方向の線
Vを考え、これらの線H,Vと円Cとが交わる第1及び
第2の点X1,X2の撓みを比較したとき、両点の撓み
δ1,δ2は互いにほぼ等しくなり、円Cの全周に亘っ
てその撓みがほぼ等しくなるのである。
ウィングし、そのフェース部材14でボール6を打撃す
ると、ヘッド本体1のフェース部2と、ここに固着され
たフェース部材14は、図2及び図3に一点鎖線で誇張
して示すように、ボール6からの打撃力を受けて弾性的
に曲げ変形する。このとき、横繊維11が縦繊維12よ
りも密に配設されているため、フェース部材14は、ト
ウ部7からヒール部8に至る横方向において撓みにくく
なり、逆にトップ部9からソール部10に至る縦方向に
おいては撓み易くなる。このため、フェース部2とフェ
ース部材14の全体の撓み状態が横方向と縦方向におい
て従来のように相違することはない。すなわち、図6を
参照して先に説明したところと全く同じく、フェース部
材14の横長さL1、その縦長さL2、スイートスポッ
トSを中心とした円C、横方向の線H、及び縦方向の線
Vを考え、これらの線H,Vと円Cとが交わる第1及び
第2の点X1,X2の撓みを比較したとき、両点の撓み
δ1,δ2は互いにほぼ等しくなり、円Cの全周に亘っ
てその撓みがほぼ等しくなるのである。
【0024】従って、ボールの打撃時に、フェース部材
14からの打撃力によって潰れるように弾性変形したボ
ール6の打撃面は、図1に示した円Cと同様にほぼ円形
となる。かかるボール6がフェース部材14から離れて
飛行すると、円形に潰れたボール面はその弾性によって
元の形態に復元し、さらに飛行方向前方へ向けて突出す
るように弾性変形し、かかる変形を繰返しながら振動す
る。その際、この振動の方向はボール6の飛行方向に沿
った方向となる。このため、従来のような大きなエネル
ギーロスが発生せず、その飛距離を大きく伸ばすことが
可能となり、しかもボールの受ける風圧分布が従来のよ
うに変動しないため、ボールの方向性が高められる。
14からの打撃力によって潰れるように弾性変形したボ
ール6の打撃面は、図1に示した円Cと同様にほぼ円形
となる。かかるボール6がフェース部材14から離れて
飛行すると、円形に潰れたボール面はその弾性によって
元の形態に復元し、さらに飛行方向前方へ向けて突出す
るように弾性変形し、かかる変形を繰返しながら振動す
る。その際、この振動の方向はボール6の飛行方向に沿
った方向となる。このため、従来のような大きなエネル
ギーロスが発生せず、その飛距離を大きく伸ばすことが
可能となり、しかもボールの受ける風圧分布が従来のよ
うに変動しないため、ボールの方向性が高められる。
【0025】また、フェース部2の表面に繊維入りのフ
ェース部材14が固定されているのでフェース部2が補
強され、従ってフェース部2の板厚を従来よりもさらに
薄くすることができ、その軽量化を図ることができる。
従ってゴルフクラブの重心を一層バック部5の側へ移行
させることができ、これによってもボール6の飛距離を
伸ばすことが可能である。
ェース部材14が固定されているのでフェース部2が補
強され、従ってフェース部2の板厚を従来よりもさらに
薄くすることができ、その軽量化を図ることができる。
従ってゴルフクラブの重心を一層バック部5の側へ移行
させることができ、これによってもボール6の飛距離を
伸ばすことが可能である。
【0026】フェース部材14をヘッド本体1のフェー
ス部2に固定する方法としては、横繊維11と縦繊維1
2を埋設した硬化した合成樹脂材13をフェース部2に
接着剤又はねじなどによって固定し、或いは横繊維11
を埋設した合成樹脂シートと縦繊維12を埋設した合成
樹脂シートの2枚のシートをフェース部2に互いに重ね
合せて固定してもよい。
ス部2に固定する方法としては、横繊維11と縦繊維1
2を埋設した硬化した合成樹脂材13をフェース部2に
接着剤又はねじなどによって固定し、或いは横繊維11
を埋設した合成樹脂シートと縦繊維12を埋設した合成
樹脂シートの2枚のシートをフェース部2に互いに重ね
合せて固定してもよい。
【0027】或いは、図4に示すように未硬化の熱硬化
性合成樹脂シートにカーボン繊維やガラス繊維の縦繊維
12を埋設して成る単一方向プリプレグ13aと、同じ
く未硬化の熱硬化性合成樹脂シートにカーボン繊維やガ
ラス繊維の横繊維11を埋設した単一方向プリプレグ1
3bを、そのいずれかを先にしてフェース部2に貼り、
次いでこれを加熱して両プリプレグ13a,13bを硬
化させ、この硬化時にこれらを互いに一体に固着し、か
つフェース部2に対して固着するようにしてもよい。
性合成樹脂シートにカーボン繊維やガラス繊維の縦繊維
12を埋設して成る単一方向プリプレグ13aと、同じ
く未硬化の熱硬化性合成樹脂シートにカーボン繊維やガ
ラス繊維の横繊維11を埋設した単一方向プリプレグ1
3bを、そのいずれかを先にしてフェース部2に貼り、
次いでこれを加熱して両プリプレグ13a,13bを硬
化させ、この硬化時にこれらを互いに一体に固着し、か
つフェース部2に対して固着するようにしてもよい。
【0028】上述した第1の実施例では、横繊維11と
縦繊維12を有するフェース部材14を用いたが、縦繊
維12を省略し、横繊維11だけを合成樹脂材13によ
って固定したフェース部材を用いても、トウ部7からヒ
ール部8に至る横方向における曲げ剛性を縦方向の曲げ
剛性よりも高めることができ、フェース部材14とフェ
ース部2の両者の撓み状態を図1乃至図3に示したゴル
フクラブと同様に調整することができる。この第2の実
施例の場合には、例えば、図4に示したような横繊維1
1を有する単一方向プリプレグ13bだけをフェース部
2に貼り、これを硬化させればよい。
縦繊維12を有するフェース部材14を用いたが、縦繊
維12を省略し、横繊維11だけを合成樹脂材13によ
って固定したフェース部材を用いても、トウ部7からヒ
ール部8に至る横方向における曲げ剛性を縦方向の曲げ
剛性よりも高めることができ、フェース部材14とフェ
ース部2の両者の撓み状態を図1乃至図3に示したゴル
フクラブと同様に調整することができる。この第2の実
施例の場合には、例えば、図4に示したような横繊維1
1を有する単一方向プリプレグ13bだけをフェース部
2に貼り、これを硬化させればよい。
【0029】上述のように、第2の実施例においては、
フェース部材14が、繊維と、該繊維を固定する合成樹
脂材とを有し、前記繊維がヘッド本体1のトウ部7の側
からヒール部8の側へ延びる横繊維11より成る。
フェース部材14が、繊維と、該繊維を固定する合成樹
脂材とを有し、前記繊維がヘッド本体1のトウ部7の側
からヒール部8の側へ延びる横繊維11より成る。
【0030】また第1の実施例においては、縦繊維12
と横繊維11を有するフェース部材14を用い、横繊維
11の配設密度を縦繊維よりも密に設定して本考案の目
的を達成したが、この構成に代え、又はこの構成に加え
て、横繊維11を、縦繊維12よりもヤング率の高い材
料によって構成しても本考案の所期の目的を達成でき
る。すなわち、この第3の実施例によっても、フェース
部材14の横方向における曲げ剛性を縦方向の曲げ剛性
よりも高めることができ、先の実施例と全く同じ作用を
得ることができる。例えば、縦繊維12としてガラス繊
維を用いたときは、横繊維11としてガラス繊維よりも
ヤング率の高いカーボン繊維を用いる。また縦繊維12
としてケブラー繊維を用いたときは、横繊維11として
ケブラー繊維よりもヤング率の高いボロン繊維を用いる
のである。
と横繊維11を有するフェース部材14を用い、横繊維
11の配設密度を縦繊維よりも密に設定して本考案の目
的を達成したが、この構成に代え、又はこの構成に加え
て、横繊維11を、縦繊維12よりもヤング率の高い材
料によって構成しても本考案の所期の目的を達成でき
る。すなわち、この第3の実施例によっても、フェース
部材14の横方向における曲げ剛性を縦方向の曲げ剛性
よりも高めることができ、先の実施例と全く同じ作用を
得ることができる。例えば、縦繊維12としてガラス繊
維を用いたときは、横繊維11としてガラス繊維よりも
ヤング率の高いカーボン繊維を用いる。また縦繊維12
としてケブラー繊維を用いたときは、横繊維11として
ケブラー繊維よりもヤング率の高いボロン繊維を用いる
のである。
【0031】上述のように、第3の実施例においては、
フェース部材14が、ヘッド本体1のトウ部7の側から
ヒール部8の側へ延びる横繊維11と、ヘッド本体1の
トップ部9の側からソール部10の側へ延びる縦繊維1
2と、前記横繊維11及び縦繊維12を固定する合成樹
脂材13を有し、前記横繊維11が、縦繊維12よりも
ヤング率の高い材料により構成されているのである。ヤ
ング率はヤング係数とも称せられている。
フェース部材14が、ヘッド本体1のトウ部7の側から
ヒール部8の側へ延びる横繊維11と、ヘッド本体1の
トップ部9の側からソール部10の側へ延びる縦繊維1
2と、前記横繊維11及び縦繊維12を固定する合成樹
脂材13を有し、前記横繊維11が、縦繊維12よりも
ヤング率の高い材料により構成されているのである。ヤ
ング率はヤング係数とも称せられている。
【0032】上述した第1乃至第3の実施例ではヘッド
本体1の前部に板状のフェース部が設けられたゴルフク
ラブヘッドを示したが、図5に示すようにフェース部2
が開口しているヘッド本体に対しても上述の各実施例に
示した構成を採用することができる。この場合には開口
の縁部のフェース部部分にフェース部材14を固定す
る。
本体1の前部に板状のフェース部が設けられたゴルフク
ラブヘッドを示したが、図5に示すようにフェース部2
が開口しているヘッド本体に対しても上述の各実施例に
示した構成を採用することができる。この場合には開口
の縁部のフェース部部分にフェース部材14を固定す
る。
【0033】また本考案はウッドタイプのゴルフクラブ
ヘッドに限らず、アイアンに対しても支障なく適用でき
るものである。
ヘッドに限らず、アイアンに対しても支障なく適用でき
るものである。
【0034】
【考案の効果】請求項1,2及び3に記載した構成によ
れば、ゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの
圧縮変形面をほぼ円形にすることができ、これによって
ボールの飛距離と方向性を一層高めることができる。
れば、ゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの
圧縮変形面をほぼ円形にすることができ、これによって
ボールの飛距離と方向性を一層高めることができる。
【図1】本考案に係るゴルフクラブヘッドの一例を示す
正面図である。
正面図である。
【図2】図1のII−II線断面図であって、フェース
部とフェース部材の変形状態を鎖線で誇張して示した図
である。
部とフェース部材の変形状態を鎖線で誇張して示した図
である。
【図3】図1のIII−III線断面図であって、フェ
ース部とフェース部材の変形状態を鎖線で誇張して示し
た図である。
ース部とフェース部材の変形状態を鎖線で誇張して示し
た図である。
【図4】フェース部材の製造方法の一例を示す斜視図で
ある。
ある。
【図5】フェース部が開口している例を示す、図2と同
様な断面図である。
様な断面図である。
【図6】従来のゴルフクラブヘッドの正面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図であって、フェ
ース部の変形状態を鎖線で誇張して示した図である。
ース部の変形状態を鎖線で誇張して示した図である。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図であって、
フェース部の変形状態を鎖線で誇張して示した図であ
る。
フェース部の変形状態を鎖線で誇張して示した図であ
る。
1 ヘッド本体 2 フェース部 7 トウ部 8 ヒール部 9 トップ部 10 ソール部 11 横繊維 12 縦繊維 13 合成樹脂材 14 フェース部材 L1 横長さ L2 縦長さ
Claims (3)
- 【請求項1】 内部が中空に形成されたヘッド本体と、
該本体のフェース部に固着されたフェース部材とを具備
し、前記ヘッド本体のトウ部側からヒール部側へ至るフ
ェース部材の横長さが、ヘッド本体のトップ部側からソ
ール部側へ至るフェース部材の縦長さよりも大きく設定
され、かつ当該フェース部材が、ヘッド本体のトウ部側
からヒール部側へ延びる横繊維と、ヘッド本体のトップ
部側からソール部側へ延びる縦繊維と、前記横繊維及び
縦繊維を固定する合成樹脂材とを有し、前記横繊維が縦
繊維よりも密に配設されていることを特徴とするゴルフ
クラブヘッド。 - 【請求項2】 内部が中空に形成されたヘッド本体と、
該本体のフェース部に固着されたフェース部材とを具備
し、前記ヘッド本体のトウ部側からヒール部側へ至るフ
ェース部材の横長さが、ヘッド本体のトップ部側からソ
ール部側へ至るフェース部材の縦長さよりも大きく設定
され、かつ当該フェース部材が、繊維と該繊維を固定す
る合成樹脂材とを有し、前記繊維がヘッド本体のトウ部
側からヒール部側へ延びる横繊維より成ることを特徴と
するゴルフクラブヘッド。 - 【請求項3】 内部が中空に形成されたヘッド本体と、
該本体のフェース部に固着されたフェース部材とを具備
し、前記ヘッド本体のトウ部側からヒール部側へ至るフ
ェース部材の横長さが、ヘッド本体のトップ部側からソ
ール部側へ至るフェース部材の縦長さよりも大きく設定
され、かつ当該フェース部材が、ヘッド本体のトウ部側
からヒール部側へ延びる横繊維と、ヘッド本体のトップ
部側からソール部側へ延びる縦繊維と、前記横繊維及び
縦繊維を固定する合成樹脂材とを有し、前記横繊維が、
縦繊維よりもヤング率の高い材料により構成されている
ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991060090U JP2548624Y2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | ゴルフクラブヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991060090U JP2548624Y2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | ゴルフクラブヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH057261U JPH057261U (ja) | 1993-02-02 |
JP2548624Y2 true JP2548624Y2 (ja) | 1997-09-24 |
Family
ID=13132049
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991060090U Expired - Fee Related JP2548624Y2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | ゴルフクラブヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2548624Y2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2717759B2 (ja) * | 1993-03-16 | 1998-02-25 | マルマンゴルフ株式会社 | ゴルフクラブヘッド |
JP3469758B2 (ja) * | 1997-10-14 | 2003-11-25 | ダイワ精工株式会社 | ゴルフクラブ |
JP2005342090A (ja) * | 2004-06-01 | 2005-12-15 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴルフクラブヘッド |
JP2005342098A (ja) * | 2004-06-01 | 2005-12-15 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴルフクラブヘッド |
US8221261B2 (en) * | 2010-07-08 | 2012-07-17 | Acushnet Company | Golf club head having a multi-material face |
-
1991
- 1991-07-05 JP JP1991060090U patent/JP2548624Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH057261U (ja) | 1993-02-02 |
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