JP2548546B2 - 電気二重層コンデンサ - Google Patents

電気二重層コンデンサ

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JP2548546B2 JP61222036A JP22203686A JP2548546B2 JP 2548546 B2 JP2548546 B2 JP 2548546B2 JP 61222036 A JP61222036 A JP 61222036A JP 22203686 A JP22203686 A JP 22203686A JP 2548546 B2 JP2548546 B2 JP 2548546B2
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剛 森本
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広志 有賀
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電気二重層コンデンサ、詳しくは活性炭を主
成分とする分極性電極を用いた電気二重層コンデンサに
関するものである。
(従来の技術) 電気二重層コンデンサに用いる分極性電極としては従
来、アルミニウムなどの金属の薄板、ネットまたはパン
チングメタル、活性炭その他種々のものが使用されてき
た。
活性炭を用いた例としては、電解液と混合してペース
ト化して用いる電極が提案されている(特公昭55-41015
号公報)。しかしながら、このようなペースト電極に使
用された実際上の活性炭の比表面積は、最高1500m2/g程
度であり、この電極を用いたコンデンサは単位体積当り
の容量が不十分であった。
また、炭素質として活性炭繊維を使用した電極も特公
昭60-15138号公報などに開示されている。しかしなが
ら、活性炭繊維は空隙率が大きくて、単位体積当りの容
量を大きくしにくいという問題点があった。
この点を改良するために、粉砕された活性炭繊維や特
殊なバインダーを使用した電極も提案されている(特開
昭61-26207号公報、特開昭61-26208号公報)。しかしな
がら、この場合にも、依然として活性炭の比表面積は十
分大きくないため単位体積当りの容量の改善効果が不十
分であり、しかも活性炭繊維の機械的強度が損なわれる
という不利な点が加わる。
本発明は、前記の問題点を解決して、単位体積当りの
容量が大きく、長期信頼性の高い分極性電極を用いた電
気二重層コンデンサを提供することを目的とするもので
ある。
(問題点を解決するための手段) 前記の問題点を解決するため本発明は、分極性電極と
電解液との界面において形成される電気二重層を利用す
る電気二重層コンデンサにおいて、石油コークスを原料
とし、石油コークスに水酸化カリウムを混合したものを
焼成して得られた比表面積が2,000〜3,500m2/gである活
性炭を主成分とする分極性電極と、非水系電解液とを組
合わせて使用していることを特徴とする電気二重層コン
デンサを提供するものである。
本発明による電気二重層コンデンサ用電極に用いる活
性炭は、石油コークスを出発原料とし、石油コークスに
水酸化カリウムを混合したものを焼成して得られたもの
であることにより、従来にない大きな比表面積と優れた
性質を有する。原料の石油コークスは種々のものが使用
可能であるが、硫黄分として6重量%以下、金属として
5000ppm以下、および揮発分として20重量%以下を含有
する石油コークスが特に好適に使用できる。
原料の石油コークスは窒素気流中において、好ましく
は100メッシュ以下に粉砕され、重量比でこの粉末の2
〜4倍程度の水酸化カリウムと混合される。これらの操
作を窒素気流中で行うのは、水分が混入すると生成した
活性炭の特性に悪影響を及ぼすためである。前記のよう
に混合された石油コークス粉末を、300〜600℃、好まし
くは400〜500℃で仮焼し、さらに700〜1200℃、好まし
くは800〜900℃で熱分解あるいは本焼成を行って活性炭
を生成させる。
焼成後の活性炭粉末は、残留したカリウム塩などの不
純物を水によって洗浄して除去することが望ましい。
前記のような工程を経て、比表面積(BET法)2,000〜
3,500m2/g、好ましくは2,500〜3,400m2/g、かさ密度0.2
〜1.0g/ml、好ましくは0.25〜0.7g/ml、全細孔容積0.5
〜3.0ml/g、好ましくは0.8〜2.8ml/gの物性を有する活
性炭粉末が得られる。
従来市販されている活性炭、あるいは活性炭繊維はそ
の表面積は最高で1,500〜2,000m2/gであり、これを更に
賦活して2,500m2/gに高めようとすると収率が著しく低
下し、また3,000m2/gの比表面積を得ることは実際上不
可能である。本発明で用いる活性炭原料である石油コー
クスは賦活時に細孔の成長速度が早く、また比表面積を
上げても収率が低下しないという利点を有している。
本発明で用いる電極としては、この活性炭粉末を電解
液と混合してペースト化したものを電極として用いるこ
とも可能である。しかしながら、単位体積当りの容量と
機械的強度のさらに良好な電極としては、ポリテトラフ
ルオロエチレン(以下PTFEと略称する)などの耐化学薬
品性の優れた結着剤を用いて活性炭粉末をシート化して
なる電極があげられる。このようなシート状電極として
は、まず活性炭微粉末に対して好ましくは1〜50重量
%、さらに好ましくは5〜30重量%の結着剤の分散液、
好ましくはPTFE分散液を混合し、得られた粘稠な混合物
を圧縮、押出し、もしくは圧延、またはこれらの手段を
組合せることによってシート状に成型したものが好適に
使用できる。
このシート状成型物は、さらに必要に応じて一軸方
向、または二軸方向に延伸処理される。この延伸処理
は、20〜380℃、好ましくは20〜200℃において、好まし
くは原長の1.1〜5.0倍、特に好ましくは1.2〜2.0倍にな
るように公知の方法(たとえば、特開昭59-166541号公
報)により行われる。このようにして得られた延伸処理
物は、そのまま使用することもできるが、必要に応じ
て、さらにロール、プレスなどにより圧延または圧縮処
理した後、焼成または半焼成処理して使用する。
本発明の分極性電極は非水系電解液と組合せて使用す
るが、かる非水系電解液は特に限定されるものではな
く、電気二重層コンデンサ用として使用されうるものが
適宜使用される。このような非水系電解液としては、た
とえば過塩素酸、6フッ化リン酸、4フッ化ホウ酸、パ
ーフルオロアルキルスルホン酸、またはトリフルオロメ
タンスルホン酸などのテトラアルキルアンモニウム塩、
テトラアルキルホスホニウム塩、アンモニウム塩、また
はアミン塩などの溶質を、プロピレンカーボネート、ブ
チレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニト
リル、ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタ
ン、スルホラン、ニトロメタンなどの極性有機溶媒に0.
3〜1.5mol/l程度溶解されたものがあげられる。
前述のシート状物をコンデンサの形状に合せて加工・
成形した電極間に多孔質のセパレータを挟み、前記のよ
うな電解液を含浸または満たしてケース中に密閉するこ
とによって本発明による電気二重層コンデンサが得られ
る。
多孔質セパレータとしては、たとえば、ポリプロピレ
ン繊維不織布、ガラス繊維混抄不織布などが好適に使用
できる。また、セパレータの厚味は50〜200μmが適当
であり、100〜150μmとするのが特に好適である。
(実施例) 以下、本発明の実施例および比較例を図面に基づいて
具体的に説明する。
実施例1 揮発分8.2%、金属分1,200ppm、硫黄分3.9%を含有す
る石油コークスを40メッシュに粉砕し、これに重量比で
約3倍の水酸化カリウムを加えて窒素雰囲気中におい
て、385℃で1時間仮焼し、さらに840℃で2時間本焼成
を行った。得られた活性炭粉末を冷却した後、水で洗浄
して乾燥し、最終的に110℃で真空乾燥して活性炭を得
た。この活性炭は、比表面積3,000m2/g、かさ密度0.308
g/ml、全細孔容積1.0ml/gの物性値を有するものであっ
た。
この活性炭70重量%、カーボンブラック20重量%およ
びPTFE粉末(粒子径0.3μm)10重量%よりなる粉末混
合物100重量部に対して水200重量部を添加し、V形ブレ
ンダー中で混和した。得られたペースト状混和物をロー
ル成型機を用いて圧延し、厚さ1.1mmのシートとした。
このシートを300℃に予熱した状態で一軸方向に1.1倍の
倍率で延伸処理して厚さ0.6mmのシート状電極材料を得
た。
このシート状電極材料を使用して、第1図に示すよう
なコイン型の電気二重層コンデンサのユニットセル(直
径20mm、厚さ2.0mm)を下記の手順で製作した。
前記シート状電極材料を円板状に打ち抜いて分極性電
極1(直径15mm、厚さ0.6mm)とし、分極性電極1と、
これと同一の組成、形状を有する分極性電極2とをポリ
プロピレン繊維不織布よりなるセパレータ3を介してス
テンレス鋼製のキャップ4およびステンレス鋼製の缶5
からなる外装容器中に収納する。次に、ユニットセル中
に所定の電解液(トリフルオロメタンスルホン酸テトラ
エチルアンモニウムのプロピレンカーボネート溶液(濃
度:1mol/l)を注入して分極性電極1、2およびセパレ
ータ3中にこの電解液を充分に含浸させた後、ポリプロ
ピレン製パッキング6を介してキャップ4および缶5の
端部をかしめて封口した。
上記のように製作した電気二重層コンデンサユニット
セルを2.8Vで30分間定電圧充電を行い、その後1mA定電
流放電し、放電時の端子間電圧が0Vに至るまでの時間を
測定し単極単位体積当り初期容量を算出した。次に同セ
ルを70℃において、1000時間2.8V連続印加した後の容量
を同様にして測定し、初期値と比較して容量劣化率を算
出して、その結果を第1表に示した。
実施例2 揮発分10%、金属分1,500ppm、硫黄分5%を含有する
石油コークスを原料として用いた以外は実施例1と同様
の処理を行って、比表面積3,200m2/g、かさ密度0.33g/m
l、全細孔容積1.1ml/gの活性炭を得た。この活性炭を用
いて実施例1と同様にして分極性電極を製作し、この電
極を使用した電気二重層コンデンサについて、実施例1
と同様に評価を行い、結果を第1表に示した。
実施例3 粉砕した石油コークスの本焼成を840℃において1時
間行った以外は、実施例1と同様の処理を行って比表面
積3,200m2/g、かさ密度0.33g/ml、全細孔容積1.1ml/gの
活性炭を得た。この活性炭を用いて実施例1と同様の評
価を行い、結果を第1表に示した。
実施例4 電解液として4フッ化ホウ酸テトラブチルホスホニウ
ムのプロピレンカーボネート溶液(濃度:1mol/l)を用
いた以外は実施例1と同様の処理および評価を行い結果
を第1表に示した。
比較例1 比表面積が1,500m2/gのヤシガラ系活性炭を用いた以
外は、実施例1と同様の処理および評価を行って、結果
を第1表に示した。
比較例2 比表面積が2,000m2/gのフェノール系活性炭繊維を用
いた以外は、実施例1と同様の処理および評価を行って
結果を第1表に示した。
比較例3 比表面積が2,500m2/gのフェノール系活性炭繊維を用
いた以外は実施例1と同様の処理および評価を行って結
果を第1表に示した。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、石油コークスを
原料とし、石油コークスに水酸化カリウムを混合したも
のを焼成して得られた比表面積が2,000〜3,500m2/gの活
性炭を主成分とする分極性電極と非水系電解液とを組合
わせて使用することによって、単位体積当りの容量が大
きく、長期信頼性が優れた電気二重層コンデンサを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による電気二重層コンデンサの一実施例
を示す部分断面図である。 1、2……分極性電極、3……セパレータ、4……キャ
ップ、5……缶、6……パッキング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−92894(JP,A) 特開 昭59−172230(JP,A) 特開 昭60−189162(JP,A) 特公 昭55−41015(JP,B1)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分極性電極と電解液との界面において形成
    される電気二重層を利用する電気二重層コンデンサにお
    いて、石油コークスを原料とし、石油コークスに水酸化
    カリウムを混合したものを焼成して得られた比表面積が
    2,000〜3,500m2/gである活性炭を主成分とする分極性電
    極と、非水系電解液とを組み合わせて使用していること
    を特徴とする電気二重層コンデンサ。
  2. 【請求項2】前記活性炭は、かさ密度が0.2〜1.0g/ml、
    全細孔容積が0.5〜3.0ml/gである特許請求の範囲第1項
    記載の電気二重層コンデンサ。
  3. 【請求項3】前記活性炭が、石油コークスと水酸化カリ
    ウムとの混合物を300〜600℃で仮焼したものを700〜120
    0℃で本焼成して得られたものである特許請求の範囲第
    1項または第2項記載の電気二重層コンデンサ。
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