JP2547973B2 - ダイコータ装置 - Google Patents

ダイコータ装置

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JP2547973B2
JP2547973B2 JP6212694A JP21269494A JP2547973B2 JP 2547973 B2 JP2547973 B2 JP 2547973B2 JP 6212694 A JP6212694 A JP 6212694A JP 21269494 A JP21269494 A JP 21269494A JP 2547973 B2 JP2547973 B2 JP 2547973B2
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眞司 藤野
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Chugai Ro Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば金属ストリップ
材料等の帯状材料に塗装を施すダイコータ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、亜鉛鉄板等の帯状材料に塗装を施
すダイコータ装置は、搬送用ロールで帯状材料を支持
し、上記帯状材料に所定ギャップをもって対向配置した
ダイコータの先端リップ部から塗液を塗布していた。
【0003】ところで、上記ダイコータ装置では、帯状
材料と先端リップ部のギャップを帯状材料の塗布厚みの
約1〜1.7倍に設定し、例えば、塗布厚みが30μm
である場合は上記ギャップを約30〜50μmに設定し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、厚さ0.6mm×幅1000mmの亜鉛鉄板では、
上記基準板厚に対するJISで定めた厚みは±70μm
の幅がある。この幅は上記ギャップよりも遥かに大きい
ので、上記ダイコータで帯状材料を塗布している最中
に、厚みの厚い部分が搬送されてきた場合、先端リップ
部が帯状材料と接触して損傷するという問題点があっ
た。
【0005】逆に、厚みの薄い部分が搬送されてくる
と、上記ギャップが広がり、塗布される塗液が増量し、
塗液のたれ現象が発生して、膜の厚みにむらを生じると
いう問題点があった。
【0006】上記問題点を解決する方法として、帯状材
料の厚みをセンサで測定し、この測定結果に基づいてダ
イコータを帯状材料に対して前進または後退させ、帯状
材料と先端リップ部とのギャップを帯状材料の厚み変動
に応じて調節することが考えられる。しかしながら、帯
状材料は高速で搬送される上に、その厚みがμm単位で
変動するため、ダイコータを移動させる駆動装置の中で
上述した条件を満足させるものは非常に高価であるとい
う問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記問
題点を解決するためになされたもので、搬送用ロールの
外周に支持され搬送される帯状材料に塗装を施すダイコ
ータ装置において、上記搬送用ロールを、複数の孔をほ
ぼその全長に亘って有する非回転状態に固定された内筒
と、該内筒の内部空間から上記孔を介して吐出する流体
により浮上・支持される回転自在に外装された外筒から
構成するとともに、上記帯状材料にギャップ調節機構に
より所定のギャップを隔てて対向させ得るダイコータ
と、該ダイコータ近傍の帯状材料搬送方向上流側で上記
バックアップロール外周に帯状材料を介して当接するニ
ップロールを、上記バックアップロールに対して進退可
能な移動台に設けたことを特徴としている。
【0008】また、上記内筒の内部空間を長手方向に伸
びる仕切り壁で複数の室に分割してもよいし、上記外筒
に当接して回転する位置決めロールを設けてもよい。さ
らに、上記ニップロールに当接して回転する補助ロール
を設けてもよい。
【0009】
【作用】上記構成のダイコータ装置では、流体供給装置
から搬送用ロールの内筒に供給された流体が内筒の孔か
ら吐出して内筒と外筒の隙間に静圧を発生させ、外筒を
浮上・支持する。また、内筒から浮上・支持された外筒
は帯状材料を支持して搬送する。
【0010】そして、移動台を搬送用ロールに向かって
移動し、ニップロールを上記外筒に支持され搬送される
帯状材料に当接して上記外筒の位置を規制する。また、
ギャップ調節機構を調節してダイコータの先端リップ部
と帯状材料とのギャップを調節する。そして、搬送用ロ
ールで帯状材料を搬送しながらダイコータにより塗液を
帯状材料に塗布する。
【0011】また、先端リップ部の対向位置に搬送され
てくる帯状材料の厚みが変化がすると、ニップロールが
帯状材料に当接した状態で固定されているので、厚みの
変化量だけ搬送用ロールの外筒がニップロールに対して
進退し、先端リップ部と帯状材料とのギャップを常に一
定に保持する。
【0012】さらに、内筒の内部空間を複数の室に分割
した搬送用ロールでは、各室に供給する流体の量を調節
して、帯状材料が支持される部分に対向する外筒と内筒
の隙間の静圧を高めて帯状材料を確実に支持して搬送す
る。
【0013】さらにまた、位置決めロールが設けられた
ダイコータ装置では、外筒が位置決めロールにより安定
して回転する。
【0014】そして、上記ニップロールに当接して回転
する補助ロールが設けられたダイコータ装置では、ニッ
プロールが撓まずにスムーズに回転する。
【0015】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。図1,2に示すように、本発明に係る
ダイコータ装置1は、概略、ダイコータ11を備えた移
動機構2と帯状材料搬送用ロール3とで構成されてい
る。上記移動機構2は、ベッド4と移動ブロック5と駆
動装置9とを備えており、上記移動ブロック5が駆動装
置9によってベッド4のレール部6に沿って搬送用ロー
ル3に対して進退(矢印a,b方向)するように設けて
ある。
【0016】上記移動ブロック5の上部には傾斜面10
が設けてあり、この傾斜面10にはダイコータ11が設
けてある。また、上記ダイコータ11の背部12にはギ
ャップ調節ネジ13(ギャップ調節機構)が設けてあ
り、ダイコータ11の先端リップ部16と、搬送用ロー
ル3で支持された帯状材料25とのギャップgを調節で
きるようになっている。また、ダイコータ11に設けら
れた塗液供給口15には、図示しない塗液供給装置から
塗液が供給され、スロット7を介して先端リップ部16
より塗液が吐出するようになっている。
【0017】上記移動ブロック5の前部18にはニップ
ロール21が設けてある。そして、移動ブロック5には
上記ニップロール21に当接する補助ロール22が設け
てあり、上記ニップロール21の撓みを防止している。
また、上記補助ロール22の上方には上記ニップロール
21の長手方向に沿ってブレード24が設けてある。こ
のブレード24は、ニップロール21の外周に適度な角
度をもって接触し、外周に付着した余分な塗液を掻き取
る。
【0018】上記搬送用ロール3は、図3に示すよう
に、円筒パイプからなる内筒31を備えており、その内
部空間34に連通する孔36が一定のパターンで複数設
けてある。
【0019】上記内筒31の一端部37は閉塞板38で
塞がれており、他端部39には円形リング40が設けて
ある。さらに、上記閉塞板38と円形リング40には、
内筒31よりも小径の支持ロール43と44とが上記内
筒31と同軸上にそれぞれ取り付けられている。これら
支持ロール43と44は、それぞれ支持台41と42に
支持され、内筒31を非回転状態に支持している。
【0020】上記支持ロール44の開口部46から内筒
31の閉塞板38に向かって、仕切り壁49が装入され
ている。この仕切り壁49は内部空間34を第1空間4
7と第2空間48とに仕切るように内筒31の内周に接
触し、上記第1空間47がダイコータ11に対向するよ
うに設けられている。さらに、仕切り壁49で仕切られ
た支持ロール44の第1空間51と第2空間52にはそ
れぞれバタフライ弁53と54が設けてある。また、上
記開口部46には流体供給装置である空気供給装置50
が接続してあり、第1空間51と第2空間52を介して
内部空間34に空気が供給されるようになっている。
【0021】そして、上記内筒31には、上記内筒31
よりもやや大きい径とやや長い長さを有する外筒55が
外装してある。また、外筒55の両端部には、圧力調整
リング58と59が設けてあり、外筒55と内筒31と
の隙間56の終端部73,74に通路70,71を形成
している。なお、上記外筒55の材質は鋼管または薄肉
ステンレス鋼管等が使われている。
【0022】また、外筒55の上方には、その外周に当
接して回転する位置決めロール60が設けてあり、後述
するように、浮上・支持された外筒55を安定して回転
させる。
【0023】上記構成からなるダイコータ装置1では、
亜鉛板等の帯状材料25を上記搬送用ロール3で支持し
ながら搬送し、ダイコータ11で塗液を塗布する。以
下、搬送用ロール3、移動機構2の動作について詳しく
説明する。
【0024】上記搬送用ロール3では、空気供給装置5
0から内部空間34に供給された空気が矢印63に示す
ように、孔36を通過して内筒31と外筒55の隙間5
6に吐出した後、上記通路70、71からそれぞれ排出
される。この際、上記隙間56には静圧が発生し、外筒
55を浮上・支持する。また、外筒55は、上記隙間5
6に発生した静圧により、円形リング40と圧力調整リ
ング59の隙間と、閉塞板38と圧力調整リング58と
の隙間が等しくなる位置で安定して浮上・支持される。
【0025】さらに、搬送用ロール3は、バタフライ弁
53と54の角度を調節して第1空間47と第2空間4
8とに供給される空気の量を変化させることができる。
このようにすれば、仕切り壁49で仕切られた第1空間
47と第2空間48とに圧力差が発生するので、第1空
間47に対向する第1隙間56aと第2空間48に対向
する第2隙間56bの静圧にも差が発生し、外筒55を
内筒31に対して偏心して浮上・支持できる。
【0026】例えば、搬送用ロール3の第1空間47に
対向する外筒55の部分で帯状材料25を支持する場
合、バタフライ弁53の角度を調節して第1空間47に
流入する空気の量を増加させ、第1空間47に連通する
孔36から空気を多く吐出させて第1隙間56aの静圧
を高めれば、第1隙間56aに対向する外筒55の部分
で帯状材料25は確実に支持される。なお、第1空間4
7に連通する孔36の面積を第2空間48に連通する孔
36の面積よりも大きくし、第1隙間56aに空気を多
く吐出させて、第1隙間56aの静圧を高く維持しても
よい。
【0027】そして、帯状材料25の塗装時には、上記
移動機構2の移動ブロック5を搬送用ロール3に向かっ
て移動させ(矢印a方向)、ニップロール21を搬送用
ロール3に支持されている帯状材料25に当接する。さ
らに、ギャップ調節ネジ13を調節してダイコータ11
の先端リップ部16と、帯状材料25とのギャップgを
調節する。なお、ダイコータ11とニップロール21
は、移動ブロック5が搬送用ロール3に対して進退する
方向と平行でかつ、搬送用ロール3の中心を通る中心線
28に対して同一角度θでもって、対向もしくは当接し
ている。また、上記θは15度以下に設定することが好
ましい。
【0028】以上のように、先端リップ部16と帯状材
料25とのギャップgが調節されたダイコータ装置1で
は、ダイコータ11の塗液供給口15より供給された塗
液がスロット7を通過して先端リップ部16より矢印c
方向に搬送される帯状材料25に塗布される。また、上
述したように、外筒55は空気の静圧で浮上・支持され
ているので、外筒55が回転する際の抵抗は殆ど無い。
したがって、帯状材料25に無理な力がかからず、帯状
材料25が紙等の低張力材料であっても、破断すること
なく安定して搬送される。
【0029】また、上記搬送用ロール3で搬送されてく
る帯状材料25の厚みが変化した場合でも、帯状材料2
5がニップロール21に当接している上、上記ダイコー
タ11がニップロール21近傍の搬送方向下流側67に
設けてあるので、先端リップ部16の対向位置65で、
外筒55がその厚みの変化量だけ内筒31に対して移動
する。
【0030】例えば、帯状材料25の厚みの厚い部分が
搬送されてくると、外筒55はx方向に帯状材料25の
厚みの増加量だけ移動する。逆に、帯状材料25の厚み
の薄い部分が搬送されてくると、外筒55はy方向に厚
みの減少量だけ移動する。したがって、先端リップ部1
6と帯状材料25とのギャップgは変化することなく常
に一定に保たれる。
【0031】そのため、帯状材料25の厚みが増加して
も先端リップ部16が帯状材料25に接触することはな
い。また、帯状材料25の厚みが減少しても、塗液が多
量に帯状材料25塗布されることはないので、塗液にた
れ現象が発生することはなく、帯状材料25には塗布膜
厚みの均一な塗布面が得られる。
【0032】また、板厚みの異なる帯状材料を上記帯状
材料25に繋ぎたして上記搬送用ロール3で支持して搬
送する場合、帯状材料25の継ぎ目を検出するセンサを
搬送方向上流側66に設け、このセンサからの信号を駆
動装置9に入力する構成とする。上記構成によれば、セ
ンサにより帯状材料25の継ぎ目が検出されると、駆動
装置9を駆動して移動ブロック5を矢印b方向に移動さ
せ、ダイコータ11と継ぎ目の衝突を回避することがで
きる。
【0033】さらに、図4に示すように、外筒55の内
周端部の圧力調整リング58,59に替えて、リング状
の羽根68(他端は図示せず。)を設ければ、空気の排
出によって外筒55を回転させることができる。また、
固定台41に軸69を介してカムフロア型ベアリング8
0を設ければ、外筒55が偏心して浮上・支持された際
に、このベアリング80で外筒55を補助的に支持する
ことができる。
【0034】また、図5に示すように、外筒55の外
周、または外筒55の内周に圧接可能なブレーキ機構8
1を設ければ、外筒55の回転を瞬時に停止することも
できる。なお、外筒55を浮上・支持する流体は空気に
限らず、水,油等でもよい。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るダイコータ装置では、外筒は流体の静圧で浮上・
支持されているので、回転する際の抵抗は殆ど無い。し
たがって、帯状材料に無理な力がかからず、低張力材料
を安定して搬送することができる。
【0036】また、先端リップ部と帯状材料とのギャッ
プは、ニップロールと帯状材料が当接した位置で調節さ
れている。先端リップ部の対向位置に搬送されてくる帯
状材料の厚みが変化すると、ニップロールが移動台に固
定されているので、帯状材料を支持する外筒のみがニッ
プロールに対して上記厚みの変化量だけ進退する。
【0037】これより、ニップロールの近傍に位置する
先端リップ部と帯状材料とのギャップは常に一定に保持
される。したがって、帯状材料の厚みの厚い部分が搬送
されてきても、先端リップ部が帯状材料と接触すること
はない。また、帯状材料の厚みの薄い部分が搬送されて
きても、上記ギャップを一定に維持してあるので、塗液
は安定して帯状材料に塗布される。したがって、ダイコ
ータ装置には、帯状材料の厚みの変化に応じてダイコー
タを移動させる高価な駆動装置を設ける必要がなく、ダ
イコータ装置のコストダウンが図れる。
【0038】また、内筒の内部空間を仕切り壁で複数の
室に分割した搬送用ロールでは、帯状材料が支持される
部分に対向する外筒と内筒の隙間の静圧を高めて外筒を
内筒から浮上・支持し、帯状材料を確実に支持して搬送
する。
【0039】さらに、位置決めロールにより搬送用ロー
ルの外筒は安定して回転する。また、補助ロールでニッ
プロールが撓まないように補強しているので、外筒がニ
ップロールに対して帯状材料の厚みの変化量だけ確実に
進退する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るダイコータ装置を示す断面図で
ある。
【図2】 本発明に係るダイコータ装置の斜視図であ
る。
【図3】 図2のII−II線断面図である。
【図4】 羽根を設けた搬送用ロールの部分断面図であ
る。
【図5】 ブレーキ機構を設けた搬送用ロールの部分断
面図である。
【符号の説明】
1…ダイコータ装置、2…移動機構、3…搬送用ロー
ル、11…ダイコータ、13…ギャップ調節ネジ、21
…ニップロール、22…補助ロール、31…内筒、55
…外筒、60…位置決めロール、g…ギャップ。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送用ロールの外周に支持され搬送され
    る帯状材料に塗装を施すダイコータ装置において、上記
    搬送用ロールを、複数の孔をほぼその全長に亘って有す
    る非回転状態に固定された内筒と、該内筒の内部空間か
    ら上記孔を介して吐出する流体により浮上・支持される
    回転自在に外装された外筒から構成するとともに、上記
    帯状材料にギャップ調節機構により所定のギャップを隔
    てて対向させ得るダイコータと、該ダイコータ近傍の帯
    状材料搬送方向上流側で上記バックアップロール外周に
    帯状材料を介して当接するニップロールを、上記バック
    アップロールに対して進退可能な移動台に設けたことを
    特徴とするダイコータ装置。
  2. 【請求項2】 上記内筒の内部空間を長手方向に伸びる
    仕切り壁で複数の室に分割したことを特徴とする請求項
    1に記載のダイコータ装置。
  3. 【請求項3】 上記外筒に当接して回転する位置決めロ
    ールを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のダイコータ装置。
  4. 【請求項4】 上記移動台に、上記ニップロールに当接
    して回転する補助ロールを設けたことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のダイコータ装置。
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