JP2547948Y2 - 木質系防音床板 - Google Patents

木質系防音床板

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JP2547948Y2
JP2547948Y2 JP1988131920U JP13192088U JP2547948Y2 JP 2547948 Y2 JP2547948 Y2 JP 2547948Y2 JP 1988131920 U JP1988131920 U JP 1988131920U JP 13192088 U JP13192088 U JP 13192088U JP 2547948 Y2 JP2547948 Y2 JP 2547948Y2
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一郎 鍬守
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段谷産業 株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、主として、集合住宅のコンクリート床ス
ラブ上に直接接着施工される木質系の床材で、詳しく
は、生活振動ないし騒音(軽量床衝撃音や重量床衝撃
音)が床スラブを介して隣室や階下室に伝播するのを防
止する為の木質複合遮音床板に関する。
従来の技術 従来、合板等を基材とし、集合住宅などの床スラブ上
に直接貼着して施工されている床材は、表面に薄い突板
等が貼着された厚さが12mm程度の基材の裏面に厚さが2
〜4mm程度のクッション性を有する発泡合成樹脂シート
が貼着されたものが一般的で、裏面の発泡シートはクッ
ション性を有するので、スラブ面の凹凸を吸収すると共
に、歩行感を向上させる等の効果を有していたが、床板
を介して騒音が伝播するのを防止する効果はほとんど期
待出来なかった。
一方、木質系の床板に通常の生活騒音を遮断するため
スラブと床板の接触を出来るだけ少なくする為に床板を
床スラブ上にスタンドで支えて空間を設ける浮床工法や
床スラブと床板間に厚みが25mm程度の高密度グラスウー
ルマットや硬度が60〜90度の範囲にある厚さが25mm程度
の防振ゴムを全面的に介在させるなどの構成が採用され
てきた。
ところが、床板とスラブの間にスタンドを設けたりグ
ラスウールや防振ゴムを介在させる構成の床は、床高が
高くなって天井までの高さを低くして室内空間を狭くす
るだけでなく、施工も特別な工法を必要とし、一般の大
工では施工できないなど、一般住宅向きでは無かった。
また、厚さ2〜15mmの複数の木質系板材間に厚さ0.25
〜3.0mmの粘弾性体を積層した積層板材の下面に、密度
が50〜200kg/m3,厚さが5〜150mmの繊維状物質を貼着
した防音床材、とくに、ツキ板0.25mm,合板3.0mm,ブチ
ルゴム系粘弾性体1.0mm,合板3.0mm,ガラス繊維15.0mmの
各厚さのものを貼着して遮音等級L−50としたものが特
開昭63−78960号として提案されている。
しかし、このものは、繊維状物質が可撓性に乏しく、
積層板材自体も柔軟性に乏しいので、床下地に馴染みに
くく、床下時に凹凸があるとこれを処理して平滑にしな
ければ、施工しにくいものであり、ガラス繊維の厚さが
15mmと厚く、全体の厚さが22.25mmで浮遊感が大きいも
のであった。
考案が解決しようとする課題 本考案は、全体の厚みが15mm以下と薄いにもかかわら
ずL−50の遮音性能が得られ、特に衝撃音を有効に遮断
することができ、柔軟性に富むと共に最下層の布状物の
厚みが3.5mm〜4mmで浮遊感がなく、施工性の良い木質系
防音床材を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本考案の木質系防音床材は、上記課題を解決するため
に、表面に薄い化粧単板1を貼着下厚さが2.5〜3.5mm程
度の木質化粧板の下面に、接着剤を介してJIS K 6301号
に規定するC形硬度計による硬度が10〜40度の範囲で厚
さが0.5〜2mmのゴム又は合成樹脂シートが貼着され、そ
のシートの下面に接着剤を介して厚さ5〜7mmの範囲に
ある合板等の木質基板が貼着され、該木質基板に一定の
間隔をおいて切り溝が形成され、その木質基板の下面に
JIS L 1096号に規定する方法により測定した厚さが3.5
〜4mmの範囲でかさ比重が0.02〜0.15の範囲にある布状
物が貼着され、かつ、全体の厚さが15mm以下で遮音等級
がL−50以下である。
以下、この考案を図面を参照しながら詳述する。
第1図はこの考案の実施例になる床板の断面図で、第
2図はこの考案の実施例による木質系防音床板の軽量床
衝撃音と重量床衝撃音による遮音等級試験結果を示して
いる。
木質化粧板1は合板、パーティクルボード、MDF、LVL
等を基板とし、その表面には厚さが0.2〜0.5mm程度の常
用の薄い化粧単板が貼着された厚さ2.5〜3.5mmの単板貼
り化粧板である。該表面の木質化粧板1は薄い方が良い
が、薄すぎると表面からの荷重により割れたりして耐久
性能に問題を生じるため、2.5〜3.5mmの範囲が好まし
い。
そして、その木質化粧板1の下面には接着剤を介して
JIS K 6301号に規定するC形硬度計による硬度が10〜40
度の範囲で厚さが0.5〜2mmのゴム又は合成樹脂シート2
が貼着される。
ゴム又は合成樹脂シート2の下面には厚さ7mm前後の
合板等の木質基板3を貼着する。木質基板3には、床板
全体をフレキシブルにしてコンクリート床スラブ面への
馴染みを良くするため、一定の間隔をおいて切り溝5が
形成されている。
更に、木質基板3の下面にはJIS L 1096号に規定する
方法により測定した厚さ3.5〜4mmの範囲でかさ比重が0.
02〜0.15の範囲にある布状物4が貼着される。
布状物4としては、織物、不織布、フェルトなど、軽
くてかさ高い布状の物が使用出来る。
ゴム又は合成樹脂シート2と化粧板1や木質基板3と
の接着は常用の合成樹脂−木材系用の接着剤、例えばゴ
ム系やウレタン、アクリル樹脂系などの合成樹脂接着剤
が用いられる。木質基板3と布状物4との接着もゴム系
やビニル、メラミン、フェノール樹脂系等常用の合成樹
脂接着剤が用いられる。
なお、上記木質系防音床材の周辺部には施工性を向上
させるために本実加工が施されることもある。
作用 この考案の請求項1において、木質化粧板2の厚さを
2.5〜3.5mmに限定するのは、一般に音を発する化粧板の
表面は厚さが薄くて軟らかいほど発生音は少ないことが
実験的に知られているが、表面材である化粧板1の厚さ
が2.5mmより薄すぎると表面からの荷重により割れたり
矯んだりして床板としての耐久性能に問題を生じるた
め、注意が必要である。
木質化粧板2の下面に貼着されるゴム又は合成樹脂シ
ート2の硬度と厚さを10〜40度の範囲で0.5〜2mmに限定
するのは、ゴム又は合成樹脂シート2の硬度が低く、厚
さが厚い方が防音効果は優れるが硬度が10度以下であっ
たり厚みが2mmよりも厚い場合には床面に部分的な荷重
による沈みが生じて、床板の接続面に段差を生じ易くな
るためである。
木質基板3の厚さを7mm前後の範囲に限定するのは、
床板としての全体の厚さを出来る限り薄く押えながら且
つ、床板として実用的な強度を有するためである。
また、木質基板3に形成された切り溝5は、床板に柔
軟性を付与する。
木質基板3の下面に貼着される布状物4の厚さをJIS
L 1096号に規定された方法による測定値が3.5〜4mmの範
囲で、かさ比重を0.02〜0.15の範囲に限定するのは、床
板の表面から伝達された振動は厚くて低比重な布状物7
の方が効果的に吸収するからであるが、かさ比重を0.02
以下にしたり、厚さを4mmを越えたものにするとフワフ
ワになりすぎて浮遊感が大きくなり、床板としての機能
に問題を生じやすくなることと、床板を用いた騒音測定
試験の結果によると、床衝撃音の点で布状物7のかさ比
重を0.02〜0.15の範囲にして、厚さを3.5mm以上にする
と遮音等級(L)値が軽量床衝撃音で50〜45を、重量床
衝撃音が55〜50に合格することが判明したことによる。
以下、この考案の実施例を示す。
実施例 厚さ2.5mmの合板表面に厚さ0.3mmのナラの突板単板を
貼着した厚さ2.8mmの木質化粧板1、JIS K 6301号に規
定するC形硬度系による硬度が30度で厚さ1mmの合成樹
脂シート2、厚さ7mmの合板より成る木質基板3の順に
接着積層して、該木質基板3の下面にJIS L 1096号に規
定する方法による測定厚さが3.5mmで、かさ比重0.1の不
織布より成る布状物4を接着剤で貼着後、周辺部に本実
加工を施して、総厚が14.2mmの求める木質系防音床板を
得た。
そして、この床板を厚さ150mmコンクリートスラブに
接着剤を用いて固着し、床板の上面よりタッピングマシ
ンによる軽量床衝撃音とバングマシンによる重量床衝撃
音を個別に加え、スラブの下面で騒音計を用いてそれぞ
れの周波数毎の騒音を測定し、遮音等級(L)値を求め
た。
試験の結果、第2図に示す様に遮音等級(L)値は軽
量床衝撃音で50に、重量床衝撃音では55に合格する性能
であった。
考案の効果 この考案の木質系防音床板は上記の様に、厚さが2.5
〜3.5mmの木質化粧板の下面にJIS K 6301号に規定する
C形硬度計による硬度が10〜40度の範囲で厚さが0.5〜2
mmのゴム又は合成樹脂シートが貼着され、そのシートの
下面に厚さ7mm前後の木質基板が貼着され、さらにその
下面にJIS L 1096号に規定する方法による測定厚さが3.
5〜4mmの範囲でかさ比重0.02〜0.15の範囲にある布状物
7が貼着され、かつ、全体の厚さが15mm以下で遮音等級
がL−50以下であるので、表面が木質系で、かつ全体の
厚みが従来の遮音床材に比較して非常に薄く、15mm以下
の厚さにもかかわらず床板としての強度を保持しなが
ら、遮音等級値(L)が軽量床衝撃音で50以下を達成す
ることができるので、室内の空間を狭くすることなく有
効に使用できる。
また、最下層の布状物の厚みが3.5mm〜4mmであって浮
遊感がなく、ゴム又は合成樹脂シートがクッション性能
を有しているので歩行感に優れている。
さらに、木質基板に形成された切り溝によって床板の
柔軟性が高まり、しかも、布状物は他の繊維状建材に比
較して可撓性に富むので、切り溝によって付与された木
質基板の柔軟性を妨げることがなく、このため、床下地
に不陸があっても馴染みやすく、床下地処理の手間が軽
減されて施工性が良く、床仕上げ面が平滑となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の実施例になる床板の側面図で、第2
図は床板の軽量及び重量床衝撃試験による遮音等級試験
結果を示している。 1……木質化粧板、2……シート、3……木質基板、4
……布状物、5……切り溝

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に薄い化粧単板を貼着した厚さが2.5
    〜3.5mm程度の木質化粧板の下面に、接着剤を介してJIS
    K 6301号に規定するC形硬度計による硬度が10〜40度
    の範囲で厚さが0.5〜2mmのゴム又は合成樹脂シートが貼
    着され、そのシートの下面に接着剤を介して厚さ5〜7m
    mの範囲にある合板等の木質基板が貼着されると共に、
    該木質基板に一定の間隔をおいて切り溝が形成され、そ
    の木質基板の下面にJIS L 1096号に規定する方法により
    測定した厚さが3.5〜4mmの範囲でかさ比重が0.02〜0.15
    の範囲にある布状物が貼着され、かつ、全体の厚さが15
    mm以下で遮音等級がL−50以下であることを特徴とする
    木質系防音床板。
JP1988131920U 1988-10-08 1988-10-08 木質系防音床板 Expired - Lifetime JP2547948Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6378960A (ja) * 1986-09-22 1988-04-09 日本ゼオン株式会社 防音床材

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