JP2547930B2 - 部品供給装置の部品搬送機構 - Google Patents

部品供給装置の部品搬送機構

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、振動を利用した部品
供給装置(パーツフィーダなど)から順次排出される部
品を受取って移送する部品搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁又は回転手段などにより発生する振
動を利用して、各種部品を一定の姿勢にして取り出す部
品供給装置には、図7に示すように、この部品供給装置
1から排出される部品を受取って目的の位置にまで直線
的に移送する部品搬送機構2が組合せ使用される。
【0003】上記部品搬送機構2は、部品の形状にもよ
るが、例えばボルトや釘のような頭部を有する部品の場
合は、頭部の部分で部品を吊下げ保持するレール状に形
成され、先端下りの傾斜状に配置することにより、受取
った部品を前方に滑動させるようになっている。
【0004】ところで、部品が軟質樹脂コーティングや
塗装が施されている場合、レール状の搬送機構に対する
滑り性が極めて悪く、このため、搬送機構の途中で部品
が停止して詰まりが発生するという問題がある。
【0005】これを防ぐ従来の手段としては、図7に示
したように、搬送機構2の直上にエアー吹出ノズル3を
設け、搬送機構2で保持した部品にエアーを吹付けるこ
とにより強制的に移動させる方法や、また、別の手段と
しては、同図に示したように、搬送機構2に補助電磁振
動装置4を取付け、搬送機構2を強制的に振動させる方
法が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者のエア
ー吹付け方法は、装置が複雑になるだけでなく部分的な
移動促進のため、部品の移動に送りムラが発生するとい
う問題がある。
【0007】また、後者の補助電磁振動装置を用いる方
法は、先のエアー吹付け方法と同様に装置が複雑にな
り、更に全体の大型化及び重量化をまねくという問題が
ある。
【0008】そこでこの発明の課題は、別の動力源や駆
動源を用いることなく、部品の移送が確実に行なえる部
品供給装置の部品搬送機構を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、この発明は、電磁又は回転手段により発生す
る振動を利用した部品供給装置から順次排出される部品
を受取って移送するレール状の部品搬送機構において、
所定の間隔で対向配置した一対の板状支持部材と、一方
の板状支持部材の他方板状支持部材と対向する面に取付
けられ、他方板状支持部材とで部品を支持する可動支持
部材とからなり、一方板状支持部材と可動支持部材の少
なくとも一方が部品供給装置の振動を受けるように該部
品供給装置と接続され、前記可動支持部材と一方板状支
持部材が相対的に異なる振動をするように、可動支持部
材が一方板状支持部材に可動状態に取付けられている構
成を採用したものである。また、一方板状支持部材に
通孔を設け、この貫通孔よりも小径の取付軸を有する可
動支持部材を、貫通孔に取付軸を貫通させて一方板状支
持部材に可動に取り付けた構成とすることもできる。
【0010】また、対向する板状支持部材の少なくとも
一方に貫通孔を設け、この貫通孔よりも小径の取付軸を
有する可動支持部材を、貫通孔に取付軸を貫通させて一
方の板状支持部材に可動体に取り付けた構成とすること
もできる。
【0011】
【作用】部品供給装置から送り出されてきた部品を受取
るレール状の搬送機構は、部品を支持する支持部材の一
部又は全部が部品供給装置で発生した振動を受けて振動
すると共に、この振動が増幅されるため、部品は確実に
振動を受け、軟質樹脂コーティングや塗装が施された部
品でも詰まりを生じることなく移送できる。
【0012】
【実施例】以下この発明の実施例を添付図面の図1乃至
図6に基づいて説明する。
【0013】図1のように、部品供給装置1は、電磁又
は回転手段などにより発生する振動を利用して、部品を
一定の姿勢で取り出すパーツフィーダであり、その取出
し部分に、排出される部品を受取って直線的に移送する
レール状の部品搬送機構11が配置されている。
【0014】上記部品搬送機構11は、図1と図2
(A)に示す第1の実施例の場合、両側に対向配置する
一対の長い板状支持部材12、13と、一方の板状支持
部材12に取付けた板状の長い可動支持部材14との組
合せからなり、部品供給装置1の排出部5に受取側端部
が臨み、先端側が下る傾斜状に配置されている。
【0015】両側の板状支持部材12と13は、図2
(A)のように、部品Xよりも対向面の間隔が少し広幅
となるように対向させて平行状に配置し、一方の板状支
持部材12に円形の貫通孔15を両端部寄りの位置に形
成すると共に、可動支持部材14は、両板状支持部材1
2と13間で一方板状支持部材12に接近した位置にこ
の一方板状支持部材12と平行するよう配置され、貫通
孔15を貫通する取付軸16で一方板状支持部材12に
可動状態に取付けられている。
【0016】上記取付軸16は貫通孔15よりも小径に
形成され、一方板状支持部材12の外面に突出する端部
に貫通孔15よりも大径の頭部17が設けられ、可動支
持部材14は貫通孔15と取付軸16の隙間の範囲で移
動可能となる。
【0017】なお、一方板状支持部材12には貫通孔1
5の上部に、取付軸16を貫通孔15に嵌込むための切
欠18が設けられている。
【0018】図2(A)に示すように、部品搬送機構1
1は、可動支持部材14と他方板状支持部材13の対向
面間が部品Xの移送路19となり、部品Xはその頭部X
1 が可動支持部材14と他方板状支持部材13の上端縁
で支持され、吊下げ状態になる。
【0019】上記部品搬送機構11において、図示省略
したが、両板状支持部材12と13は適当な手段で床面
等に固定支持され、その受取側端部は部品供給装置1の
排出部5に接触しない程度に接近して臨んでいる。
【0020】また、可動支持部材14は、その受取側端
部が部品供給装置1と自在的な接続手段を介して接続さ
れ、部品供給装置1に発生した振動がこの可動支持部材
14に伝達されるようになっている。
【0021】上記とは逆に、両板状支持部材12、13
を移動可能に支持し、これを部品供給装置1と自在的に
連結し、可動支持部材14を部品供給装置1と離すよう
にしてもよく、更に両板状支持部材12、13と可動支
持部材14を共に部品供給装置1と自在的に連結するよ
うにしてもよい。
【0022】何れにしても一方板状支持部材12に対し
て可動支持部材14は貫通孔15と取付軸16の関係に
よって相対的に移動可能になり、一方板状支持部材12
と可動支持部材14の一方又は両方が部品供給装置1の
振動を受けると、図6で示すように、可動支持部材14
は、貫通孔15内で取付軸16が回動するような、振動
と回動が複合した運動を行ない、このような可動支持部
材14の振動は、部品供給装置1によって付与され振動
と異なった増幅された振動となる。
【0023】図2(B)は部品搬送機構11において、
可動支持部材14を一方の板状支持部材12にスプリン
グやゴム等の弾性対20を介して可動状態に取付けた例
を示している。
【0024】図3と図4は、図1と図2(A)で示した
部品搬送機構11において、可動支持部材14の取付軸
16に1枚以上のワッシャ21を取付け、このワッシャ
21の位置を、図4(A)のように一方板状支持部材1
2と頂部17の間に位置させた場合と、図4(B)のよ
うに、一方板状支持部材12と可動支持部材14の間に
位置させた場合とで移送路19の溝幅をa又はbに部品
Xに合わせて変化させることができるようにしている。
【0025】図5に示す部品搬送機構11は、長い板状
となる一対の可動支持部材14、14を、その対向面間
に移送路19を形成した対向状態で、その前後両端部を
板状の支持部材22上に設けた支持金具23、23で支
持した構造になっており、図1で示したと同様の状態で
配置されている。
【0026】上記支持金具23、23の支持軸24に対
する可動支持部材14、14の取付部分は可動支持部材
14、14に設けた大径の貫通孔になっていると共に、
両可動支持部材14、14又は支持部材22の何れか一
方又は両方が部品供給装置に対して自在的に接続され、
両可動支持部材14、14が振動するようになってい
る。
【0027】この発明の部品搬送機構は上記のような構
成であり、図1と図2(A)の例に基づいて作用を説明
する。
【0028】部品供給装置1内に部品を投入した状態
で、電磁又は回転手段により発生する振動で部品の向き
を整列し、排出部5に達した部品Xは図1に示すよう
に、部品搬送機構11の可動支持部材14と他方板状支
持部材13の間の移送路19に落込み、図2(A)のよ
うに部品Xは頭部X1 で吊下げ状に支持された姿勢が一
定の状態になる。
【0029】この状態で、部品供給装置1の振動を受け
た可動支持部材11は、回動と振動が複合した増幅され
た振動を行ない、部品Xに対してその振動を直接伝える
ことになるので、部品Xは大きな振動を受け、この結果
部品Xは部品搬送機構11の下り側先端に向けて確実に
移送されることになる。
【0030】このように、部品Xに対して大きな振動を
与えることにより、部品Xが軟質樹脂コーティングや塗
装が施された部品であっても詰まりが生じることなく確
実に直線移送することができる。
【0031】以上のように、この発明によると、一方の
板状支持部材に取付けた可動支持部材と他方板状支持部
材で部品を支持し、可動支持部材を一方板状支持部材に
可動状態に取付け、部品供給装置の振動を受ける可動
持部材に他方の板状支持部材の振動の動きとは相対的に
異なる増幅された振動を与えて部品を移送するようにし
たので、他方の板状支持部材とで部品を支持する可動支
持部材の振動発生が大幅に向上し、レール状の支持部材
のみで部品を確実に詰まりなく移送することができ、滑
りの悪い部品でも他の移送補助手段を使用する必要がな
く、部品搬送機構の構造簡略化と小型化及び軽量化を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る部品搬送機構の使用状態を示す
斜視図
【図2】(A)は同上の要部を拡大した縦断面図、
(B)は同上の他の例を示す縦断面図
【図3】図1の例にワッシャを組合せ使用した部品搬送
機構の分解斜視図
【図4】(A)と(B)は同上におけるワッシャの組込
みの異なった例を示す縦断面図
【図5】部品搬送機構の更に他の例を示す斜視図
【図6】振動発生の増幅を示す説明図
【図7】従来の部品搬送機構の使用状態を示す斜視図
【符号の説明】
1 部品供給装置 11 部品搬送機構 12、13 板状支持部材 14 可動支持部材 15 貫通孔 16 取付軸 19 移送路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁又は回転手段により発生する振動を
    利用した部品供給装置から順次排出される部品を受取っ
    て移送するレール状の部品搬送機構において、所定の間
    隔で対向配置した一対の板状支持部材と、一方の板状支
    持部材の他方板状支持部材と対向する面に取付けられ、
    他方板状支持部材とで部品を支持する可動支持部材とか
    らなり、一方板状支持部材と可動支持部材の少なくとも
    一方が部品供給装置の振動を受けるように該部品供給装
    置と接続され、前記可動支持部材と一方板状支持部材が
    相対的に異なる振動をするように、可動支持部材が一方
    板状支持部材に可動状態に取付けられていることを特徴
    とする部品供給装置の部品搬送機構。
  2. 【請求項2】 一方板状支持部材に貫通孔を設け、この
    貫通孔よりも小径の取付軸を有する可動支持部材を、貫
    通孔に取付軸を貫通させて一方板状支持部材に可動
    取り付けた請求項1記載の部品供給装置の部品搬送機
    構。
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