JP2002274632A - リニアフィーダ - Google Patents

リニアフィーダ

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JP2002274632A
JP2002274632A JP2001077557A JP2001077557A JP2002274632A JP 2002274632 A JP2002274632 A JP 2002274632A JP 2001077557 A JP2001077557 A JP 2001077557A JP 2001077557 A JP2001077557 A JP 2001077557A JP 2002274632 A JP2002274632 A JP 2002274632A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リニアフィーダにおいて、振動中のトラフの振
動角を、ほぼ一定に保持させることである。 【解決手段】リニアフィーダA1 を構成する可動台2と
固定台3とを一体に取付ける駆動用板ばね4を、前後の
各可動台2の横方向(水平方向)に配置し、それらの横
方向の一端部を可動台2の脚部2aに連結させると共
に、それらの他端部を固定台3の支持部3aに連結さ
せ、前記可動台2に取付けられたトラフ1を、水平面に
対して、駆動用板ばね4の取付角θだけ傾斜した基準面
S内で直線振動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部品を搬送するた
めのトラフが取付けられた可動台と、前記可動台からの
振動反力を受ける固定台とを一体に取付ける板ばねを撓
み振動させて、前記トラフ内の部品を振動搬送させるリ
ニアフィーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のリニアフィーダA’について説明
する。ここで、リニアフィーダA’の前後方向(部品の
搬送方向P)における両側面部の構成は、ほとんど同一
であるため、ここでは一方側(部品の出口側)の構成に
ついてのみ説明する。図13及び図14に示されるよう
に、部品(図示せず)を振動搬送させるためのトラフ5
1が取付けられた可動台52と、前記可動台52を支持
するための固定台53とが、前記可動台52の前後方向
の両端部において、縦方向(垂直方向)に配置された駆
動用板ばね54によって連結されている。ここで、「縦
方向に配置された」とは、可動台52及び固定台53に
おける駆動用板ばね54の連結部が、縦方向(垂直方
向)に、所定間隔W’をおいて配置されていることを意
味する。即ち、駆動用板ばね54の上下端部が、2本の
上側固定ボルト55及び2本の下側固定ボルト56によ
り、各座金57を介して、可動台52と固定台53に連
結されている。そして、可動台52と固定台53との間
には、前記トラフ51が揺動振動(後述)したとき、両
者が干渉することを防止するために、高さ方向に僅かな
隙間が設けられている。
【0003】ここで、可動台52及び固定台53におけ
る駆動用板ばね54の板ばね取付面52a,53a は、ト
ラフ51に振動角αを付与させるために、僅かに傾斜状
態を呈している。即ち、駆動用板ばね54は、取付角θ
だけ後方に傾斜した状態で連結されている。ここで、振
動角αとは、振動中のトラフ51の底板部51aと、固
定台53の板ばね取付面53aに直交する方向cとの成
す角度をいう。そして、前記固定台53は、固定ボルト
58及び座金59により、上記した駆動用板ばね54と
同様に、縦方向(垂直方向)に、所定の間隔W”をおい
て配置された防振用板ばね61を介して、基台62と一
体に取付けられている。この防振用板ばね61は、前記
駆動用板ばね54を介して固定台53に伝達されるトラ
フ51の振動反力を吸収して、該振動反力が、前記基台
62の設置台Fに及ぶことを防止するという機能を有し
ている。
【0004】前記駆動用板ばね54は、電磁石63等の
加振手段により、所定の振幅と振動数でもって撓み振動
され、トラフ51を前後方向に振動させる。それに伴
い、トラフ51内の部品が、該トラフ51の前方に振動
搬送される。図13において、部品の搬送方向を、符号
Pで示す。なお、図13において、64は、前記電磁石
63から所定長さのギャップを介して、前記可動台52
に垂下された可動コアであり、65は、前記電磁石63
を支持するための支持板である。
【0005】ここで、トラフ51、可動台52等の可動
部材の全荷重は、その重心G1 に作用し、固定台53、
電磁石63等の固定部材が受ける振動反力は、その重心
2に作用する。各重心G1,G2 を結ぶ線分Kの方向
が、前記直交方向cと合致する場合には、電磁石63か
ら発生したエネルギーのほとんどが、トラフ51を前記
直交方向cを含む面(基準面S)内で振動させるために
費やされるので、前記トラフ51は、その振動方向aを
前記直交方向cに沿わせた理想的な直線振動をする。こ
こで、「直線振動」とは、振動の1サイクルのトラフ5
1の軌跡が「往復直線運動」であることをいう。このと
き、振動中、トラフ51の振動角αは、ほぼ一定に保持
される。このために、固定台53の後部に、重心調整用
ブロック(図示せず)を付加させることが、よく行われ
ている。
【0006】ところが、現実的には、トラフ51の前後
に接続される各装置との干渉回避等の制限があって、前
記各重心G1,G2 を結ぶ線分Kが、前記直交方向cと合
致することは少ない(第1理由)。しかも、図13及び
図14に示されるように、駆動用板ばね54が縦方向
(垂直方向)に配置されているために、トラフ51は垂
直面(YZ平面)内において振動する(第2理由)。上
記した各理由により、トラフ51は、駆動用板ばね54
の振幅の前後端において、その振動角αを僅かに変化さ
せながら振動する。例えば、駆動用板ばね54の振幅の
前端でほぼ水平姿勢であったトラフ51は、その後端に
おいて後傾姿勢となる。即ち、前記トラフ51は、垂直
面内において揺動振動をする。ここで「揺動振動」と
は、振動の1サイクルのトラフ51の軌跡が「往復曲線
運動」であることをいう。このため、振動中のトラフ5
1の振動角αは、その部位によって異なり、トラフ51
の各部位における部品の搬送速度が異なる。
【0007】また、図15に示されるように、トラフ5
1は、駆動用板ばね54の撓み作用によって、垂直面内
で大きな曲げモーメントM1 を受けながら揺動振動する
ので、該トラフ51の垂直面内での曲げ剛性が低い場合
には、該トラフ51の底板部51aが曲げられることも
ある(第3理由)。なお、図15において、M2 は、基
準面S内で作用する曲げモーメントである。また、逆方
向の曲げモーメントM 1,M2 を、破線で示す。
【0008】上記した結果、トラフ51内の部品は、そ
の搬送方向Pに沿った各部位により、それらの搬送速度
が異なる等の現象が生じ、前記部品が一様に搬送されな
かったり、極端な場合には、全く搬送されなかったりす
るという不具合が発生している。
【0009】更に、トラフ51が垂直面内で揺動振動す
ることにより、固定台53には、該トラフ51の振動反
力が、トラフ51及び可動台52等の自重と相乗して作
用する。この振動反力が大きいと、設置台Fに悪影響を
及ぼすため、固定台53を大きく、強固なものにしなけ
ればならない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した不
具合に鑑み、振動中のトラフの振動角が一定になるよう
にして、該トラフ内の部品が、一様に振動搬送されるよ
うにすることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、トラフを取付けた可動台と、振動反力を受
ける固定台とが複数の駆動用板ばねで連結されて、加振
手段により前記駆動用板ばねを撓み振動させて、前記ト
ラフ内の部品を振動搬送させるリニアフィーダにおい
て、前記駆動用板ばねが横方向に配置されて、その横方
向の一端部が前記可動台に連結されていると共に、同じ
く他端部が前記固定台に連結されていることを特徴とし
ている。
【0012】請求項1に記載の発明の場合、可動台と固
定台とは、所定の取付角で取付けられた各駆動用板ばね
によって、一体に取付けられている。各駆動用板ばね
は、横方向に配置されている。即ち、可動台と固定台の
各ばね連結部が、横方向(水平方向)に、所定間隔をお
いて配置されている。そして、前記可動台には、前記板
ばねにおける横方向の一端部が取付けられていて、前記
固定台には、同じく他端部が取付けられている。このた
め、加振手段により、各駆動用板ばねは、水平面に対し
て、各駆動用板ばねの取付角だけ傾斜した面(基準面)
内で撓み振動される。それに伴い、トラフが前記基準面
内で振動する。このとき、トラフの振動方向は、前記基
準面に沿っているため、該トラフは理想的な直線振動を
して、垂直面内で揺動振動をすることはない。
【0013】また、各板ばねが撓み変形することによ
り、前記トラフに作用する曲げモーメントは、基準面内
でのみ作用し、垂直面内で作用することはない。このた
め、トラフの振動方向と、トラフ、可動台等の可動部材
と、固定台等の固定部材の各重心を結ぶ線分の方向とが
合致しない場合であっても、その影響は僅かである。こ
のように、本発明に係るリニアフィーダは、各板ばねの
取付構造のみによって、振動中におけるトラフの振動角
を、ほぼ一定に保持できる。上記した結果、トラフ内の
部品は、一様に振動搬送される。
【0014】更に、トラフが、水平面に対して、各駆動
用板ばねの取付角だけ傾斜した基準面内で直線振動し、
垂直面内で揺動振動しないため、固定台に作用するトラ
フの振動反力は、極めて小さい。この結果、固定台を小
さくすることができ、リニアフィーダ全体の大きさをコ
ンパクトなものにすることができる。
【0015】また、トラフ及び可動台の各自重は、それ
らの配置からして、縦配置の駆動用板ばねを有する従来
装置のように、駆動用板ばねの撓みに対して作用して、
これを増幅させることはなく、固定台に対しては、駆動
用板ばねの撓み作用とは殆ど無関係に、該固定台に対し
てほぼ単純反力として作用するのみである。よって、固
定台に作用する振動反力は、駆動用板ばねの自重と、そ
の撓みに起因するもののみとなって、トラフ及び可動台
の各自重が、前後の各駆動用板ばねの撓みと相乗して、
固定台に対して作用することはないので、固定台に作用
する振動反力は、駆動用板ばねが縦配置の従来装置より
も小さくなる。この結果、振動反力が、設置台に及ぼす
影響を小さくすることができる。
【0016】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明を前提として、相前後する各駆動用板ばねの可動
台及び固定台に対する連結位置が、相互に逆の関係にな
っていることを特徴としている。このため、基準面内で
トラフに作用する曲げ力が、相互に逆方向に作用して相
殺される。即ち、固定台に作用するトラフ及び可動台の
各自重による横断面内での曲げ力が、ほぼ相殺されるた
めに、駆動用板ばねを介して固定台に支持される可動台
の支持状態が安定する。この結果、該トラフ内の部品
は、安定した状態で、しかも、一様に振動搬送される。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明を前提として、前記可動台の裏面及び前記
固定台の上面における部品の搬送方向に沿った両端部で
あって、しかも該搬送方向と直交する方向に沿って互い
に干渉しない位置に、それぞれ可動側及び固定側の各ば
ね連結部が下方及び上方に向けて突設されて、可動側及
び固定側の各ばね連結部に駆動用板ばねが連結されてい
ることを特徴としている。このため、簡単な構造でもっ
て、各駆動用板ばねを横方向に配置させた状態で、可動
台及び固定台に連結できる。
【0018】請求項4に記載の発明は、トラフを取付け
た可動台と、振動反力を受ける固定台とが複数の駆動用
板ばねで連結されて、加振手段により前記駆動用板ばね
を撓み振動させて、前記トラフ内の部品を振動搬送させ
るリニアフィーダにおいて、前記駆動用板ばねが横方向
に配置されて、その横方向の中央部が前記可動台に連結
されていると共に、同じく両端部が前記固定台に連結さ
れていることを特徴としている。
【0019】この発明の場合、各駆動用板ばねの両端部
は、それぞれの中央部を支点として逆方向に、しかも、
同一変位量だけ撓み振動される。このため、各駆動用板
ばねの撓み振動によって、トラフに作用する曲げ力が、
完全に相殺され、トラフには、基準面内での曲げモーメ
ントが全く作用しない。また、駆動用板ばねを介して固
定台に支持される可動台の支持状態が安定する。この結
果、トラフ内の部品は、より安定した状態で、しかも、
一様に振動搬送される。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明を前提として、前記可動台の裏面における部品の
搬送方向に沿った両端部であって、しかも該搬送方向と
直交する方向の両端部に一対の可動側ばね連結部が下方
に向けて突設されていると共に、前記固定台の上面にお
ける部品の搬送方向に沿った両端部であって、しかも該
搬送方向と直交する方向の中央部に固定側ばね連結部が
上方に向けて突設され、前記一対の可動側ばね連結部の
間に、前記固定側ばね連結部が挿入されて、各ばね連結
部に駆動用板ばねが連結されていることを特徴としてい
る。このため、簡単な構造でもって、各駆動用板ばねを
横方向に配置させた状態で、可動台及び固定台に連結で
きる。
【0021】請求項6に記載の発明は、請求項1ないし
5のいずれかに記載の発明を前提として、前記可動側ば
ね連結部と前記駆動側ばね連結部との間隔を広くして、
前記駆動用板ばねの撓み振動の振幅を大きくしたことを
特徴としている。こうすることにより、リニアフィーダ
の高さを高くすることなく、部品の搬送能力を大きくす
ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施形態を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。最初に、第1実施例のリニアフィ
ーダA1 について説明する。図1は本発明の第1実施例
のリニアフィーダA1 において、固定ボルト7,8を省
略した全体斜視図、図2は同じく正面図、図3は同じく
左側面図、図4は同じく分解斜視図である。「従来の技
術」と同様に、リニアフィーダA1 の一方側(部品の出
口側)の構成についてのみ説明する。図1ないし図4に
示されるように、断面が略U字状のトラフ1が上面に取
付けられた可動台2の下方に、該可動台2を支持するた
めの固定台3が配置されている。前記可動台2及び前記
固定台3は、それらの前後方向の両端部に所定の取付角
θで連結された各駆動用板ばね4によって、一体に取付
けられている。即ち、前記可動台2における前後方向の
両端部の手前側には、脚部2aが下方に突設されてい
る。同じく固定台3における前後方向の両端部の奥側に
は、前記脚部2aと対応する支持部3aが上方に突設さ
れている。前記可動台2と前記固定台3は、それらの脚
部2aと支持部3aが、上下方向、及び左右方向に所定
の隙間を有した状態で、しかも、それらが相対向する形
態で配設されている。図4に示されるように、前記脚部
2aには、高さ方向に所定の間隔をおいて2本の雌ねじ
5が設けられている。同様にして、前記支持部3aに
も、同一間隔をおいて2本の雌ねじ6が設けられてい
る。そして、前記可動台2と前記固定台3とは、それら
の側面部(板ばね取付面2b,3b )に連結された駆動用
板ばね4、可動側の各固定ボルト7、固定側の各固定ボ
ルト8、及び各座金9によって一体に取付けられてい
る。前記脚部2aと前記支持部3aが相対向する部分に
は、所定の隙間が設けられているため、トラフ1の振動
中に、可動台2と固定台3が干渉することが防止され
る。
【0023】前記可動台2の幅(奥行方向の長さ)と、
前記固定台3の幅(奥行方向の長さ)とは、ほぼ同一で
ある。そして、前記可動台2の側面部(板ばね取付面2
b)は、鉛直方向に対して所定の角度(駆動用板ばね4
の取付角θ)で切除されている。同様にして、前記固定
台3の側面部の上方部分(板ばね取付面3b)も、前記
取付角θでもって切除されている。
【0024】前記駆動用板ばね4は、所定の厚さを有す
る長方形状で、その幅(横方向の長さ)は、可動台2及
び固定台3の幅とほぼ同一である。そして、その横方向
(幅方向)の一端部(手前側の端部)には、上記した脚
部2aに設けられた2本の雌ねじ5に対応するボルト孔
11が設けられていて、同じく、他端部(奥側の端部)
には、支持部3aに設けられた2本の雌ねじ6に対応す
るボルト孔12が設けられている。駆動用板ばね4の各
ボルト孔11,12に、各固定ボルト7,8が挿通さ
れ、前記各固定ボルト7,8が各座金9を介して、対応
する各雌ねじ5,6に螺合される。こうすることによっ
て、可動台2と固定台3が、一体にして取付けられる。
このとき、正面視における可動台2の板ばね取付面2b
と、固定台3の板ばね取付面3bとは合致する。また、
正面視において、脚部2aどうし、及び支持部3aどう
しの間には、空間部が形成されていて、該空間部に、支
持板13に取付けられた電磁石14と可動コア15が配
設されている。なお、図4において、16は、可動台2
と可動コア15とを連結するための固定ボルトである。
【0025】図1ないし図3に示されるように、前記固
定台3は、防振用板ばね17により、前記固定台3の下
方に配置された基台18に、一体に取付けられている。
ここで、防振用板ばね17は、従来のリニアフィーダ
A’と同様に、縦方向(垂直方向)に、所定の間隔W”
をおいて配置されている。即ち、固定台3の側面部の下
方には、水平方向に所定の間隔をおいて、2本の雌ねじ
19が設けられていると共に、基台18の側面部には、
同一間隔をおいて、2本の雌ねじ21が設けられてい
る。そして、防振用板ばね17の上下部分には、前記各
雌ねじ19,21と対応する各ボルト孔22,23が設
けられている。該防振用板ばね17の各ボルト孔22,
23に、各固定ボルト24,25が挿通され、前記各固
定ボルト24,25が、各座金9を介して、対応する各
雌ねじ19,21に螺合される。こうすることによっ
て、固定台3と基台18が、一体にして取付けられる。
【0026】上記した電磁石14に交流電圧を印加させ
ると、該電磁石14に交流磁気吸引力が発生し、可動コ
ア15の吸引・離反が繰り返される。前記可動コア15
は、可動台2の底面部に取付けられているため、可動コ
ア15の吸引・離反に伴い、可動台2が前後に往復移動
する。前記可動台2は、駆動用板ばね4により、固定台
3と一体にして取付けられているため、駆動用板ばね4
が、自身の弾性復元力に抗して撓み振動される。この結
果、可動台2に取付けられたトラフ1が、前後に振動す
る。
【0027】次に、このときのトラフ1と駆動用板ばね
4の作用について、図5及び図6を参照しながら、詳細
に説明する。図5及び図6は、トラフ1と駆動用板ばね
4の作用を説明するために、不要な部材を省略した模式
図である。図5に示されるように、駆動用板ばね4は、
可動台2及び固定台3に対して、それらの各板ばね連結
部が、横方向(水平方向)に、所定の間隔W1 をおいて
配置されている。即ち、該駆動用板ばね4は、可動台2
の脚部2aとの連結部Q1 と、固定台3の支持部3aと
の連結部Q2 の間に、所定の間隔W1 をおいて連結され
ている。
【0028】電磁石14に交流電圧が印加されると、可
動コア15が、前記電磁石14に吸引・離反される。す
ると、図6に示されるように、駆動用板ばね4は、前記
連結部Q2 を支点として、固定台3の板ばね取付面3b
と直交する面(基準面S)内で、撓み振動される。この
基準面Sは、水平面に対して、駆動用板ばね4の取付角
θだけ傾斜した面である。図6において、駆動用板ばね
4が撓んで、前方に移動した状態のトラフ1を一点鎖線
で示す。このように、駆動用板ばね4の撓み振動中、そ
の取付角θは、ほぼ一定に保持される。この結果、可動
台2に一体に取付けられたトラフ1は、固定台3の板ば
ね取付面3bと直交する振動方向aに沿って振動すると
いう、理想的な直線振動を行い、しかも、駆動用板ばね
4の撓み振動中、前記トラフ1の振動角αは、ほぼ一定
に保持される。なお、図6において、トラフ1が前方に
移動するときの振動方向aを実線で示し、後方に移動す
るときの振動方向aを破線で示す。
【0029】このように、前記トラフ1は、基準面S内
で直線振動する。そして、水平面に対する基準面Sの傾
斜角度は、駆動用板ばね4の取付角θと同じく僅かであ
るため、振動中のトラフ1の前後端部に作用する垂直面
内での曲げモーメントM1 (図6参照)は、十分に小さ
い。また、駆動用板ばね4が撓み振動されることによ
り、トラフ1の前後端部には、基準面S内での曲げモー
メントM2 (図5参照)が作用する。しかし、トラフ1
の底板部1aの断面係数は極めて大きい。これは、トラ
フ1に、基準面S内で曲げモーメントM2 が作用して
も、トラフ1の変形量は僅かであることを意味してい
る。即ち、該トラフ1の変形が、該トラフ1内の部品に
及ぼす影響は、極めて僅かである。この結果、トラフ1
内の部品は、一様に振動搬送される。
【0030】また、従来のリニアフィーダA’の場合、
トラフ1は垂直面内で揺動振動するため、固定台3に作
用するトラフ1の振動反力は、極めて大きい。この結
果、固定台3を大きく、強固なものにしなければならな
い。しかし、本発明の場合、可動部材(トラフ1、可動
台2等)の各自重は、固定台3に対しては、駆動用板ば
ね4の撓み作用とは殆ど無関係に、該固定台3に対して
ほぼ単純反力として作用するのみである。よって、前記
固定台3に作用する振動反力は、駆動用板ばね4の自重
と、その撓みに起因するもののみとなって、前記可動部
材の自重が、駆動用板ばね4の撓みと相乗して、固定台
3に対して作用することはないので、該固定台3に作用
する振動反力は、前記駆動用板ばね4が縦配置の従来装
置よりも小さくなる。この結果、固定台3を小さくでき
ると共に、振動反力が、設置台Fに及ぼす影響を小さく
することができる。
【0031】次に、第2実施例のリニアフィーダA2
ついて説明する。以降、第1実施例のリニアフィーダA
1 と同一の部材には、同一の符号を付し、本実施例の特
徴部分についてのみ説明する。このリニアフィーダA2
は、図7ないし図9に示されるように、可動台26の脚
部26aと、固定台27の支持部27aが、それらの前
後で、相互に逆の関係で設けられている(換言すれば、
平面視におけるそれぞれの、異なる対角線方向に沿って
設けられている)場合である。そして、前記可動台26
と前記固定台27とは、横方向(水平方向)に配置され
た駆動用板ばね4によって、一体に取付けられている。
第1実施例の場合と同様に、電磁石14に交流電圧を印
加させると、トラフ1が基準面S内で直線振動する。該
トラフ1は、振動方向a(図6参照)に沿って直線振動
するため、振動中のトラフ1の振動角αは、ほぼ一定で
ある。このとき、図9に示されるように、駆動用板ばね
4は、固定台27との連結部Q2 を支点として、逆方向
に撓み振動される。このため、トラフ1の前後端部に
は、基準面S内で、作用方向が逆で、大きさがほぼ同一
の各曲げモーメントM2 が作用する。そして、これらの
曲げモーメントM2 は、ほぼ相殺される。この結果、ト
ラフ1は殆ど変形されず、該トラフ1内の部品は、安定
した状態で、しかも一様に振動搬送される。また、第2
実施例のリニアフィーダA2 における垂直面内での作用
は、第1実施例の場合と全く同様であるため、固定台2
7に大きな振動反力が作用することはない。
【0032】次に、第3実施例のリニアフィーダA3
ついて説明する。この実施例のリニアフィーダA3 は、
図10ないし図12に示されるように、平面視における
可動台28の四隅の部分に、各脚部28aが、それぞれ
一対となって設けられている場合である。そして、固定
台29の支持部29aは、前記一対の脚部28aどうし
の間に入り込む形態で設けられている。前記一対の脚部
28aには、駆動用板ばね31を連結するための雌ねじ
32が、それぞれ同一の高さ位置に設けられていると共
に、前記支持部29aには、高さ方向に所定間隔をおい
て、2本の雌ねじ33が設けられている。そして、駆動
用板ばね31には、各雌ねじ32,33に対応するボル
ト孔34,35が設けられている。駆動用板ばね31の
ボルト孔34に、可動側の各固定ボルト36が挿通さ
れ、座金9を介して可動台28の一対の脚部28aに螺
合される。同様にして、駆動用板ばね31のボルト孔3
5に、固定側の各固定ボルト37が挿通され、座金9を
介して固定台29の支持部29aに螺合される。このよ
うにして、可動台28と固定台29が、一体にして取付
けられる。そして、駆動用板ばね31は、前記可動台2
8及び前記固定台29に、横方向(水平方向)に配置さ
れている。即ち、それらの幅方向(横方向)のほぼ中央
部が、固定台29の板ばね取付面29bに連結されてい
ると共に、それらの幅方向の両端部が、可動台28の板
ばね取付面28bに連結されている。そして、平面視に
おいて、駆動用板ばね31と固定台29の支持部29a
との連結部Q2 から、可動台28の一対の脚部28aと
の連結部Q1 までの間隔W2 は、同一である(図12参
照)。
【0033】第1実施例の場合と同様に、電磁石14に
交流電圧を印加させると、トラフ1が基準面S内で直線
振動する。該トラフ1は、振動方向a(図6参照)に沿
って直線振動するため、振動中のトラフ1の振動角α
は、ほぼ一定である。このとき、図12に示されるよう
に、駆動用板ばね31は、固定台29との連結部Q2
支点として、その両端部が、相互に逆方向に、しかも、
同一変位量だけ、バタフライ状に撓み振動される。この
ため、トラフ1の前後端部には、基準面S内で、作用方
向が逆で、しかも、大きさが同一の各曲げモーメントM
2a,M2bが作用する。そして、これらの曲げモーメント
2a,M2bは、トラフ1の前後端部において、相互に完
全に相殺される。この結果、トラフ1は全く変形され
ず、該トラフ1内の部品は、より安定した状態で、しか
も一様に振動搬送される。また、第3実施例のリニアフ
ィーダA3 における垂直面内での作用は、第1実施例の
場合と全く同様であるため、固定台3に大きな振動反力
が作用することはない。
【0034】上記した各実施例のリニアフィーダA1
3 において、駆動用板ばね4、31の振幅を大きくし
たい場合には、各連結部Q1,Q2 の間隔W1,W2 を、よ
り広くすればよい。こうすることにより、リニアフィー
ダA1 〜A3 の高さを高くすることなく、部品の搬送能
力を大きくすることができる。
【0035】上記したように、本発明の各実施例のリニ
アフィーダA1 〜A3 は、各駆動用板ばね4,31の取
付構造のみによって、直線振動中におけるトラフ1の振
動角αを、ほぼ一定に保持できる。
【0036】本実施例の加振手段は電磁石14である
が、これ以外のもの、例えば、超音波モータを使用した
もの、エアを使用したもの等であっても構わない。
【0037】
【発明の効果】本発明に係るリニアフィーダは、トラフ
が取付けられた可動台と、前記可動台からの振動反力を
受ける固定台とを連結するための板ばねを横方向に配置
して、前記板ばねにおける横方向の一端部を前記可動台
に取付け、同じく他端部を前記固定台に取付けたことを
特徴としている。前記板ばねを撓み振動させると、トラ
フは、水平面に対して前記板ばねの取付角だけ傾斜した
基準面内でのみ、直線振動する。このため、振動中のト
ラフの振動角を、ほぼ一定に保持することができ、該ト
ラフ内の部品は、一様に振動搬送される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のリニアフィーダA1 にお
いて、固定ボルト7,8を省略した全体斜視図である。
【図2】同じく正面図である。
【図3】同じく左側面図である。
【図4】同じく分解斜視図である。
【図5】リニアフィーダA1 の平面模式図である。
【図6】同様の状態の側面模式図である。
【図7】第2実施例のリニアフィーダA2 において、固
定ボルト7,8を省略した全体斜視図である。
【図8】同じく、一方側の固定ボルト7,8と座金9、
及び防振用板ばね17,基台18等を省略した分解斜視
図である。
【図9】リニアフィーダA2 の平面模式図である。
【図10】第3実施例のリニアフィーダA3 において、
固定ボルト36,37を省略した全体斜視図である。
【図11】同じく、一方側の固定ボルト36,37と座
金9、及び防振用板ばね17,基台18等を省略した分
解斜視図である。
【図12】リニアフィーダA3 の平面模式図である。
【図13】従来のリニアフィーダA’の正面図である。
【図14】同じく左側面図である。
【図15】トラフ1に作用する各曲げモーメントM1,M
2 を示す図である。
【符号の説明】
1 〜A3 :リニアフィーダ c:直交方向 P:搬送方向 W1,W2 :間隔 1:トラフ 2,26,28:可動台 2a,26a,28a :脚部(可動側ばね連結部) 3,27,29:固定台 3a,27a,29a :支持部(固定側ばね連結部) 4,31:駆動用板ばね 14:電磁石(加振手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラフを取付けた可動台と、振動反力を
    受ける固定台とが複数の駆動用板ばねで連結されて、加
    振手段により前記駆動用板ばねを撓み振動させて、前記
    トラフ内の部品を振動搬送させるリニアフィーダにおい
    て、 前記駆動用板ばねが横方向に配置されて、その横方向の
    一端部が前記可動台に連結されていると共に、同じく他
    端部が前記固定台に連結されていることを特徴とするリ
    ニアフィーダ。
  2. 【請求項2】 相前後する各駆動用板ばねの可動台及び
    固定台に対する連結位置が、相互に逆の関係になってい
    ることを特徴とする請求項1に記載のリニアフィーダ。
  3. 【請求項3】 前記可動台の裏面及び前記固定台の上面
    における部品の搬送方向に沿った両端部であって、しか
    も該搬送方向と直交する方向に沿って互いに干渉しない
    位置に、それぞれ可動側及び固定側の各ばね連結部が下
    方及び上方に向けて突設されて、可動側及び固定側の各
    ばね連結部に駆動用板ばねが連結されていることを特徴
    とする請求項1又は2に記載のリニアフィーダ。
  4. 【請求項4】 トラフを取付けた可動台と、振動反力を
    受ける固定台とが複数の駆動用板ばねで連結されて、加
    振手段により前記駆動用板ばねを撓み振動させて、前記
    トラフ内の部品を振動搬送させるリニアフィーダにおい
    て、 前記駆動用板ばねが横方向に配置されて、その横方向の
    中央部が前記可動台に連結されていると共に、同じく両
    端部が前記固定台に連結されていることを特徴とするリ
    ニアフィーダ。
  5. 【請求項5】 前記可動台の裏面における部品の搬送方
    向に沿った両端部であって、しかも該搬送方向と直交す
    る方向の両端部に一対の可動側ばね連結部が下方に向け
    て突設されていると共に、前記固定台の上面における部
    品の搬送方向に沿った両端部であって、しかも該搬送方
    向と直交する方向の中央部に固定側ばね連結部が上方に
    向けて突設され、 前記一対の可動側ばね連結部の間に、前記固定側ばね連
    結部が挿入されて、各ばね連結部に駆動用板ばねが連結
    されていることを特徴とする請求項4に記載のリニアフ
    ィーダ。
  6. 【請求項6】 前記可動側ばね連結部と前記駆動側ばね
    連結部との間隔を広くして、前記駆動用板ばねの撓み振
    動の振幅を大きくしたことを特徴とする請求項1ないし
    5のいずれかに記載のリニアフィーダ。
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