JP2547711Y2 - 複合型スピーカ装置の防塵構造 - Google Patents
複合型スピーカ装置の防塵構造Info
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- JP2547711Y2 JP2547711Y2 JP1991004389U JP438991U JP2547711Y2 JP 2547711 Y2 JP2547711 Y2 JP 2547711Y2 JP 1991004389 U JP1991004389 U JP 1991004389U JP 438991 U JP438991 U JP 438991U JP 2547711 Y2 JP2547711 Y2 JP 2547711Y2
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Description
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、低音用スピーカユニッ
トと、高音用または中音用のスピーカユニットとが連結
されて成る複合型スピーカ装置に係り、特にその防塵構
造に関する。
トと、高音用または中音用のスピーカユニットとが連結
されて成る複合型スピーカ装置に係り、特にその防塵構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の一般的な複合型スピーカ
装置を示す断面図である。図中21は、マグネット22
を備えた磁気回路であり、センターポール23と上部プ
レート24との間には磁気ギャップ25が形成されてい
る。この磁気ギャップ25には、ボイスコイル26が巻
回されたボイスコイルボビン27の下端が挿入されてい
る。
装置を示す断面図である。図中21は、マグネット22
を備えた磁気回路であり、センターポール23と上部プ
レート24との間には磁気ギャップ25が形成されてい
る。この磁気ギャップ25には、ボイスコイル26が巻
回されたボイスコイルボビン27の下端が挿入されてい
る。
【0003】また、磁気回路21の上部には、その外周
縁部に弾性エッジ28を介して円錐状の振動板29の外
周縁が取付けられたフレーム30が固着され、さらに振
動板29の内周縁がボイスコイルボビン27に接着され
て低音用スピーカ31が形成されている。そして、ボイ
スコイル26に音声電流を流すことによりボイスコイル
ボビン27を介して振動板29が振動し、低音域音声が
再生されるようになっている。この低音用スピーカ31
のセンターポール23の上部には、円柱状のスペーサ3
2を介して高音用スピーカ33が同軸上に取り付けら
れ、複合型スピーカ装置を形成している。
縁部に弾性エッジ28を介して円錐状の振動板29の外
周縁が取付けられたフレーム30が固着され、さらに振
動板29の内周縁がボイスコイルボビン27に接着され
て低音用スピーカ31が形成されている。そして、ボイ
スコイル26に音声電流を流すことによりボイスコイル
ボビン27を介して振動板29が振動し、低音域音声が
再生されるようになっている。この低音用スピーカ31
のセンターポール23の上部には、円柱状のスペーサ3
2を介して高音用スピーカ33が同軸上に取り付けら
れ、複合型スピーカ装置を形成している。
【0004】また、低音用スピーカ31のボイスコイル
ボビン27の上端には、振動板29の上面に付着した塵
埃を吸着して磁気ギャップ25内に塵埃が落下すること
を防止するためのリングプレート状の防塵シート34が
当接され且つ接着されている。この防塵シート34は、
ボイスコイルボビン27及び振動板29の振動を妨げる
ことのないようにフェルト等の軽量で且つ軟らかい材料
から形成されたものである。
ボビン27の上端には、振動板29の上面に付着した塵
埃を吸着して磁気ギャップ25内に塵埃が落下すること
を防止するためのリングプレート状の防塵シート34が
当接され且つ接着されている。この防塵シート34は、
ボイスコイルボビン27及び振動板29の振動を妨げる
ことのないようにフェルト等の軽量で且つ軟らかい材料
から形成されたものである。
【0005】しかし、音声再生時にボイスコイルボビン
27が振動した場合に、防塵シート34の内周部34a
とスペーサ32の外周面とが摺接して音質が劣化するこ
とを防ぐために、防塵シート34の内周部34aとスペ
ーサ32の外周面との間には一定の隙間を設ける必要が
あり、それもフェルト等のように成形時の寸法精度にば
らつきが多いものは安全性を考慮しなければならないた
めに、この隙間の間隔は大きなものとなっていた。
27が振動した場合に、防塵シート34の内周部34a
とスペーサ32の外周面とが摺接して音質が劣化するこ
とを防ぐために、防塵シート34の内周部34aとスペ
ーサ32の外周面との間には一定の隙間を設ける必要が
あり、それもフェルト等のように成形時の寸法精度にば
らつきが多いものは安全性を考慮しなければならないた
めに、この隙間の間隔は大きなものとなっていた。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】上述したような従来の
複合型スピーカ装置においては、防塵シート34の内周
部34aとスペーサ32の外周面との隙間が大きいため
に、大気中の塵埃が侵入し易く、また、防塵シート34
が平面的なリングプレート状のため、一旦振動板29の
上面や防塵シート34に付着した塵埃も、振動板29の
振動等によって防塵シート34の内周部34aから磁気
ギャップ25内へ転落することがあった。そして、この
塵埃がボイスコイル26やセンターポール23等に付着
して再生音の音質が劣化するという問題が発生してい
た。
複合型スピーカ装置においては、防塵シート34の内周
部34aとスペーサ32の外周面との隙間が大きいため
に、大気中の塵埃が侵入し易く、また、防塵シート34
が平面的なリングプレート状のため、一旦振動板29の
上面や防塵シート34に付着した塵埃も、振動板29の
振動等によって防塵シート34の内周部34aから磁気
ギャップ25内へ転落することがあった。そして、この
塵埃がボイスコイル26やセンターポール23等に付着
して再生音の音質が劣化するという問題が発生してい
た。
【0007】本考案は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、再生音の音質を劣化させることなく充分な防塵構
造を備えた複合型スピーカ装置を提供することを目的と
している。
あり、再生音の音質を劣化させることなく充分な防塵構
造を備えた複合型スピーカ装置を提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案は、上端側が振動板の内周縁に取り付けられ
た筒状のボイスコイルボビンを備えた低音用スピーカユ
ニットと、振動板の上側に配置される高音用または中音
用スピーカユニットとを備え、この高音用または中音用
スピーカユニットがボイスコイルボビン内に挿通される
スペーサを介して低音用スピーカユニットの磁気回路部
材に連結されて成る複合型スピーカ装置において、ボイ
スコイルボビンの上端部に、このボイスコイルボビンよ
りも小径とされスペーサの外周を包囲する小径部と、こ
の小径部から屈曲してスペーサの周方向に延びる段部と
を有する略筒状の防塵壁を一体または別体に設けたもの
である。
に、本考案は、上端側が振動板の内周縁に取り付けられ
た筒状のボイスコイルボビンを備えた低音用スピーカユ
ニットと、振動板の上側に配置される高音用または中音
用スピーカユニットとを備え、この高音用または中音用
スピーカユニットがボイスコイルボビン内に挿通される
スペーサを介して低音用スピーカユニットの磁気回路部
材に連結されて成る複合型スピーカ装置において、ボイ
スコイルボビンの上端部に、このボイスコイルボビンよ
りも小径とされスペーサの外周を包囲する小径部と、こ
の小径部から屈曲してスペーサの周方向に延びる段部と
を有する略筒状の防塵壁を一体または別体に設けたもの
である。
【0009】
【作用】上記手段によれば、スペーサの外周と、このス
ペーサの外周を包囲する防塵壁の端部との間に形成され
る隙間は、ボイスコイルボビンの上端とスペーサの外周
との間の隙間に比べて極めて小さくすることができるた
め、大気中の塵埃が侵入しにくくなる。また、筒状の防
塵壁をボイスコイルボビンの上端部に設けることによ
り、ボイスコイルボビンの上端には壁面が形成されるの
で、振動板上に堆積した塵埃が振動によって振動板の内
周縁方向へ移動した場合でも、ボイスコイルボビンの上
端から低音用スピーカユニットの内部に塵埃が転落する
ことがなく、極めて良好な防塵効果が得られるものであ
るまた、防塵壁にその小径部から屈曲してスペーサの周
方向に延びる段部を形成することにより、この防塵壁が
設けられたボイスコイルボビンの径方向の剛性が高くな
り、よって ある低い周波数の音を再生する際に振動板
に放射状分割振動、即ち振動板がその円周上で曲がるよ
うな振動モードが生じた場合でも、ボイスコイルボビン
の径方向の変形が抑えられ、これによりボイスコイルが
磁気回路のセンターポールやプレート等の周面と接触し
て異常音が発生するのを防止できる。
ペーサの外周を包囲する防塵壁の端部との間に形成され
る隙間は、ボイスコイルボビンの上端とスペーサの外周
との間の隙間に比べて極めて小さくすることができるた
め、大気中の塵埃が侵入しにくくなる。また、筒状の防
塵壁をボイスコイルボビンの上端部に設けることによ
り、ボイスコイルボビンの上端には壁面が形成されるの
で、振動板上に堆積した塵埃が振動によって振動板の内
周縁方向へ移動した場合でも、ボイスコイルボビンの上
端から低音用スピーカユニットの内部に塵埃が転落する
ことがなく、極めて良好な防塵効果が得られるものであ
るまた、防塵壁にその小径部から屈曲してスペーサの周
方向に延びる段部を形成することにより、この防塵壁が
設けられたボイスコイルボビンの径方向の剛性が高くな
り、よって ある低い周波数の音を再生する際に振動板
に放射状分割振動、即ち振動板がその円周上で曲がるよ
うな振動モードが生じた場合でも、ボイスコイルボビン
の径方向の変形が抑えられ、これによりボイスコイルが
磁気回路のセンターポールやプレート等の周面と接触し
て異常音が発生するのを防止できる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本考案による複合型スピーカ装
置の一実施例を示す断面図、図2は、本考案による防塵
壁を示す一部断面斜視図である。
細に説明する。図1は、本考案による複合型スピーカ装
置の一実施例を示す断面図、図2は、本考案による防塵
壁を示す一部断面斜視図である。
【0011】図中1は、環状のマグネット2を含む磁気
回路であり、マグネット2は磁性材料から成る円板状の
下部プレート3と、同じく磁性材料から成る環状の上部
プレート4とによって狭持されている。
回路であり、マグネット2は磁性材料から成る円板状の
下部プレート3と、同じく磁性材料から成る環状の上部
プレート4とによって狭持されている。
【0012】下部プレート3の上面中央には、マグネッ
ト2及び上部プレート4の各内周部を挿通するように上
方へ向かって突出する円柱状のセンターポール3aが一
体に設けられており、このセンターポール3aの外周面
と上部プレート4の内周面との間には、環状の空間であ
る磁気ギャップ5が形成されている。
ト2及び上部プレート4の各内周部を挿通するように上
方へ向かって突出する円柱状のセンターポール3aが一
体に設けられており、このセンターポール3aの外周面
と上部プレート4の内周面との間には、環状の空間であ
る磁気ギャップ5が形成されている。
【0013】上部プレート4の上面には、略円錐状のフ
レーム6が、その外周縁部6aを上方へ向けて固着され
ている。このフレーム6の外周縁部6aの内側には、例
えばコーン紙等の軽量な材料で円錐状に形成された振動
板7の外周縁が、例えばウレタンフォーム等の軟らかい
材質で成る断面略Ω形状の弾性エッジ8を介して揺動自
在に取り付けられている。
レーム6が、その外周縁部6aを上方へ向けて固着され
ている。このフレーム6の外周縁部6aの内側には、例
えばコーン紙等の軽量な材料で円錐状に形成された振動
板7の外周縁が、例えばウレタンフォーム等の軟らかい
材質で成る断面略Ω形状の弾性エッジ8を介して揺動自
在に取り付けられている。
【0014】この振動板7の内周縁は、例えば紙等の軽
量な材料から円筒状に形成されたボイスコイルボビン1
0の上端側外周面に接着されており、このボイスコイル
ボビン10の下端側外周面にはボイスコイル9が巻回さ
れている。
量な材料から円筒状に形成されたボイスコイルボビン1
0の上端側外周面に接着されており、このボイスコイル
ボビン10の下端側外周面にはボイスコイル9が巻回さ
れている。
【0015】そして、ボイスコイル9を備えたボイスコ
イルボビン10の下端部が前記磁気ギャップ5内に挿入
され、さらに、このボイスコイルボビン10の外周面が
断面波形状のダンパ11を介してフレーム6に対し上下
方向に揺動自在に保持されて、低音用スピーカユニット
12が形成されている。
イルボビン10の下端部が前記磁気ギャップ5内に挿入
され、さらに、このボイスコイルボビン10の外周面が
断面波形状のダンパ11を介してフレーム6に対し上下
方向に揺動自在に保持されて、低音用スピーカユニット
12が形成されている。
【0016】上記構成から成る低音用スピーカユニット
12は、磁気ギャップ5内のボイスコイル9に音声電流
を流すことにより、このボイスコイル9に対して上下方
向に力が働き、これに伴なってボイスコイルボビン10
及び振動板7が振動して低音域の音声が再生されるよう
になっている。
12は、磁気ギャップ5内のボイスコイル9に音声電流
を流すことにより、このボイスコイル9に対して上下方
向に力が働き、これに伴なってボイスコイルボビン10
及び振動板7が振動して低音域の音声が再生されるよう
になっている。
【0017】センターポール3aの上端面には、ボイス
コイルボビン10の上方に突出する円柱状のスペーサ1
3が設けられている。このスペーサ13は、低音用スピ
ーカユニット12のボイスコイルボビン10の内周面に
摺接して再生音の音質が劣化することがないように、セ
ンターポール3aの外径よりもやや小さい外径を有して
いる。このスペーサ13を介して、低音用スピーカユニ
ット12のセンターポール3aの上部に、低音用スピー
カユニット12と略同等の構成で小型に形成された高音
用または中音用のスピーカユニット14が固定されてい
る。
コイルボビン10の上方に突出する円柱状のスペーサ1
3が設けられている。このスペーサ13は、低音用スピ
ーカユニット12のボイスコイルボビン10の内周面に
摺接して再生音の音質が劣化することがないように、セ
ンターポール3aの外径よりもやや小さい外径を有して
いる。このスペーサ13を介して、低音用スピーカユニ
ット12のセンターポール3aの上部に、低音用スピー
カユニット12と略同等の構成で小型に形成された高音
用または中音用のスピーカユニット14が固定されてい
る。
【0018】図中15は、大気中の塵埃或は一旦振動板
7の上面に付着した塵埃が、ボイスコイルボビン10の
上端の開口部10aから磁気ギャップ5内へ侵入するこ
とを防ぐために設けられた防塵壁である。この防塵壁1
5は、特に限定はされないが、好ましくは振動板7に用
いられるコーン紙等の軽量で且つ成形が容易で、成形寸
法にばらつきが少ない材料から成っている。図1、2に
示すように防塵璧15は、その上端に設けられる円筒状
の小径部15aと、この小径部15aの下端から屈曲し
てスペーサ13の外周方向に延びるリング状の段部15
cと、段部15cの外周縁から屈曲して下方に延びる大
径部15bとから略円筒状に形成されたものである。
尚、小径部15aの内径寸法は、スペーサ13の外径寸
法よりもわずかに大きな値となっている。
7の上面に付着した塵埃が、ボイスコイルボビン10の
上端の開口部10aから磁気ギャップ5内へ侵入するこ
とを防ぐために設けられた防塵壁である。この防塵壁1
5は、特に限定はされないが、好ましくは振動板7に用
いられるコーン紙等の軽量で且つ成形が容易で、成形寸
法にばらつきが少ない材料から成っている。図1、2に
示すように防塵璧15は、その上端に設けられる円筒状
の小径部15aと、この小径部15aの下端から屈曲し
てスペーサ13の外周方向に延びるリング状の段部15
cと、段部15cの外周縁から屈曲して下方に延びる大
径部15bとから略円筒状に形成されたものである。
尚、小径部15aの内径寸法は、スペーサ13の外径寸
法よりもわずかに大きな値となっている。
【0019】そして、ボイスコイルボビン10とスペー
サ13との間に形成された隙間を覆うように、例えば防
塵壁15の大径部15bの内周面がボイスコイルボビン
10の上端部の外周面に嵌合され、且つ接着等の方法で
取り付けられている。従って、防塵壁15の小径部15
aの内周面とスペーサ13の外周面との間には、ボイス
コイルボビン10とスペーサ13との間に形成される隙
間に比べて微小な隙間しか発生せず、塵埃の侵入を効果
的に防止することができる。
サ13との間に形成された隙間を覆うように、例えば防
塵壁15の大径部15bの内周面がボイスコイルボビン
10の上端部の外周面に嵌合され、且つ接着等の方法で
取り付けられている。従って、防塵壁15の小径部15
aの内周面とスペーサ13の外周面との間には、ボイス
コイルボビン10とスペーサ13との間に形成される隙
間に比べて微小な隙間しか発生せず、塵埃の侵入を効果
的に防止することができる。
【0020】また、振動板7の内周縁には、筒状の防塵
壁15の外周面によって壁面が形成されるので、一旦振
動板7の上面に付着した塵埃が振動によって振動板7の
内周縁方向へ移動しても、この塵埃は防塵壁15の外周
面に当接するので、振動板7の内周縁から磁気ギャップ
5内へ転落することがないようになっている。
壁15の外周面によって壁面が形成されるので、一旦振
動板7の上面に付着した塵埃が振動によって振動板7の
内周縁方向へ移動しても、この塵埃は防塵壁15の外周
面に当接するので、振動板7の内周縁から磁気ギャップ
5内へ転落することがないようになっている。
【0021】しかも、防塵壁15はスペーサ13に直接
接触することがないため、ボイスコイルボビン10及び
振動板7の振幅を妨げることがなく、低音域の再、生音
の音質を劣化させることがない。また、一般にスピーカ
で500Hz程度の周波数の音を再生した際に、振動板
に放射状分割振動、即ち円周状方向の振動モードが発生
し、250Hz程度の低調波が生じることが知られてい
る。このとき、振動板の円周縁およびこれに接続された
ボイスコイルボビンが径方向に変形し、これによりボイ
スコイルが磁気回路構成部材に接触して異常音を発生さ
せることがある。しかしながら、本考案によるスピーカ
装置では、上述したように防塵壁15の小径部15aの
下端から屈曲してスペーサ13の外周方向に延びる段部
15cが設けられているため、防塵壁15及びこの防塵
壁15が固着されたボイスコイルボビン10の径方向の
剛性が高くなり、よって振動板7に放射状分割振動が発
生した場合でも、ボイスコイルボビン10の径方向の変
形が抑えられ、これによりボイスコイル9がセンターポ
ール3aや上部プレート4の周面と接触して異常音が発
生するのを防止できる。
接触することがないため、ボイスコイルボビン10及び
振動板7の振幅を妨げることがなく、低音域の再、生音
の音質を劣化させることがない。また、一般にスピーカ
で500Hz程度の周波数の音を再生した際に、振動板
に放射状分割振動、即ち円周状方向の振動モードが発生
し、250Hz程度の低調波が生じることが知られてい
る。このとき、振動板の円周縁およびこれに接続された
ボイスコイルボビンが径方向に変形し、これによりボイ
スコイルが磁気回路構成部材に接触して異常音を発生さ
せることがある。しかしながら、本考案によるスピーカ
装置では、上述したように防塵壁15の小径部15aの
下端から屈曲してスペーサ13の外周方向に延びる段部
15cが設けられているため、防塵壁15及びこの防塵
壁15が固着されたボイスコイルボビン10の径方向の
剛性が高くなり、よって振動板7に放射状分割振動が発
生した場合でも、ボイスコイルボビン10の径方向の変
形が抑えられ、これによりボイスコイル9がセンターポ
ール3aや上部プレート4の周面と接触して異常音が発
生するのを防止できる。
【0022】
【0023】図3及び図4は、本考案による防塵壁の変
形例を示す要部断面図である。尚、前述した一実施例と
同一の構成については、同一符号を付して詳細な説明を
省くものとする。
形例を示す要部断面図である。尚、前述した一実施例と
同一の構成については、同一符号を付して詳細な説明を
省くものとする。
【0024】図3に示す防塵壁16は、上端の小径部1
6aから下方に向かって傘状にひろがるテーパ部が設け
られており、このテーパ部を介してスペーサ13の内周
方向に延びるリング状の段部16bが屈曲形成されてい
る。そして、段部16bの内周縁部からは下方に向かっ
て略円筒状の大径部16cが延びている。この防塵壁1
6は、その大径部16cの外周面がボイスコイルボビン
10の上端の内周面に嵌合され、且つ接着されてボイス
コイルボビン10に固着されるものである。
6aから下方に向かって傘状にひろがるテーパ部が設け
られており、このテーパ部を介してスペーサ13の内周
方向に延びるリング状の段部16bが屈曲形成されてい
る。そして、段部16bの内周縁部からは下方に向かっ
て略円筒状の大径部16cが延びている。この防塵壁1
6は、その大径部16cの外周面がボイスコイルボビン
10の上端の内周面に嵌合され、且つ接着されてボイス
コイルボビン10に固着されるものである。
【0025】
【0026】
【0027】また、本考案による防塵壁は、ボイスコイ
ルボビン10に対して必ずしも別体に設ける必要はな
く、例えば図4に示すように、ボイスコイルボビン10
の上端部に、小径部10b及びリング状の段部10cを
一体に折曲形成して防塵壁17を設けることによっても
同様の効果を奏するものである。
ルボビン10に対して必ずしも別体に設ける必要はな
く、例えば図4に示すように、ボイスコイルボビン10
の上端部に、小径部10b及びリング状の段部10cを
一体に折曲形成して防塵壁17を設けることによっても
同様の効果を奏するものである。
【0028】
【考案の効果】以上説明したように、本考案ではボイス
コイルボビンの上端部に、このボイスコイルボビンより
も小径とされ、且つボイスコイルボビンの内周に挿通さ
れるスペーサの外周を包囲する端部を有する略筒状の防
塵壁を、一体または別体に設けたことにより、大気中の
塵埃或は一旦振動板の上面に付着した塵埃が、ボイスコ
イルボビンの上端から低音用スピーカユニットの内部へ
侵入することを効率良く防止することができるので、再
生音の音質を劣化させることなく充分な防塵構造を備え
た複合型スピーカ装置を提供することができるものであ
る。また、防塵壁にはスペーサの周方向に延びる段部が
設けられているので、この防塵壁が設置されたボイスコ
イルボビンの径方向の剛性が高くなり、よって、ある低
い周波数の音を再生する際に振動板に放射状分割振動、
即ち振動板がその円周上で曲がるような振動モードが生
じた場合でも、ボイスコイルボビンの径方向の変形が抑
えられ、これによりボイスコイルが磁気回路のセンター
ポールやプレート等の周面と接触して異常音が発生する
のを防止できる。
コイルボビンの上端部に、このボイスコイルボビンより
も小径とされ、且つボイスコイルボビンの内周に挿通さ
れるスペーサの外周を包囲する端部を有する略筒状の防
塵壁を、一体または別体に設けたことにより、大気中の
塵埃或は一旦振動板の上面に付着した塵埃が、ボイスコ
イルボビンの上端から低音用スピーカユニットの内部へ
侵入することを効率良く防止することができるので、再
生音の音質を劣化させることなく充分な防塵構造を備え
た複合型スピーカ装置を提供することができるものであ
る。また、防塵壁にはスペーサの周方向に延びる段部が
設けられているので、この防塵壁が設置されたボイスコ
イルボビンの径方向の剛性が高くなり、よって、ある低
い周波数の音を再生する際に振動板に放射状分割振動、
即ち振動板がその円周上で曲がるような振動モードが生
じた場合でも、ボイスコイルボビンの径方向の変形が抑
えられ、これによりボイスコイルが磁気回路のセンター
ポールやプレート等の周面と接触して異常音が発生する
のを防止できる。
【図1】本考案による複合型スピーカ装置の一実施例を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】本考案による防塵壁を示す一部断面斜視図であ
る。
る。
【図3】本考案による防塵壁の変形例を示す要部断面図
である。
である。
【図4】本考案による防塵壁の変形例を示す要部断面図
である。
である。
【図5】従来の複合型スピーカ装置を示す断面図であ
る。
る。
1 磁気回路 7 振動板 10 ボイスコイルボビン 12 低音用スピーカユニット 13 スペーサ 14 高音用または中音用スピーカユニット15,16,17 防塵壁10b,15a,16a 小径部10c,15c,16b 段部
Claims (1)
- 【請求項1】 上端側が振動板の内周縁に取り付けられ
た筒状のボイスコイルボビンを備えた低音用スピーカユ
ニットと、前記振動板の上側に配置される高音用または
中音用スピーカユニットとを備え、該高音用または中音
用スピーカユニットが前記ボイスコイルボビン内に挿通
されるスペーサを介して前記低音用スピーカユニットの
磁気回路部材に連結されて成る複合型スピーカ装置にお
いて、前記ボイスコイルボビンの上端部に、このボイス
コイルボビンよりも小径とされ前記スペーサの外周を包
囲する小径部と、この小径部から屈曲して前記スペーサ
の周方向に延びる段部とを有する略筒状の防塵壁を一体
または別体に設けたことを特徴とする複合型スピーカ装
置の防塵構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991004389U JP2547711Y2 (ja) | 1991-01-16 | 1991-01-16 | 複合型スピーカ装置の防塵構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991004389U JP2547711Y2 (ja) | 1991-01-16 | 1991-01-16 | 複合型スピーカ装置の防塵構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0494893U JPH0494893U (ja) | 1992-08-18 |
JP2547711Y2 true JP2547711Y2 (ja) | 1997-09-17 |
Family
ID=31734145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991004389U Expired - Fee Related JP2547711Y2 (ja) | 1991-01-16 | 1991-01-16 | 複合型スピーカ装置の防塵構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2547711Y2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61247196A (ja) * | 1985-04-25 | 1986-11-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 複合型スピ−カ |
-
1991
- 1991-01-16 JP JP1991004389U patent/JP2547711Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0494893U (ja) | 1992-08-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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