JP2547458B2 - 半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents
半導体レーザ素子及びその製造方法Info
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- JP2547458B2 JP2547458B2 JP2022953A JP2295390A JP2547458B2 JP 2547458 B2 JP2547458 B2 JP 2547458B2 JP 2022953 A JP2022953 A JP 2022953A JP 2295390 A JP2295390 A JP 2295390A JP 2547458 B2 JP2547458 B2 JP 2547458B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は埋め込み型半導体レーザ素子及びその製造方
法に関し、特に、幅の比較的広いメサストライプ構造を
有していながら、単一の基本水平横モードで発振するこ
とができる半導体レーザ素子及びその製造方法に関す
る。
法に関し、特に、幅の比較的広いメサストライプ構造を
有していながら、単一の基本水平横モードで発振するこ
とができる半導体レーザ素子及びその製造方法に関す
る。
(従来の技術) 活性層を含むメサストライプ構造の側面部が、埋込層
によって覆われた埋め込み型半導体レーザ素子は、メサ
ストライプ構造の幅が調整されることにより、単一の基
本水平横モードで発振することができる。
によって覆われた埋め込み型半導体レーザ素子は、メサ
ストライプ構造の幅が調整されることにより、単一の基
本水平横モードで発振することができる。
以下に、第5図〜第7図を参照しながら、従来の埋め
込み型半導体レーザ素子を説明する。以下に示すこれら
の半導体レーザ素子は、何れも、n型基板31上に、n型
クラツド層32、活性層33、p型クラッド層34、及びp型
キャップ層35がこの順番で基板31側から積層されたメサ
ストライプ構造を有するものであり、各々の特徴は埋込
層の構成にある。
込み型半導体レーザ素子を説明する。以下に示すこれら
の半導体レーザ素子は、何れも、n型基板31上に、n型
クラツド層32、活性層33、p型クラッド層34、及びp型
キャップ層35がこの順番で基板31側から積層されたメサ
ストライプ構造を有するものであり、各々の特徴は埋込
層の構成にある。
まず、第5図に示す半導体レーザ素子を説明する。
この半導体レーザ素子は、p型エピタキシャル層51及
びn型エピタキシャル層52がこの順番で基板31側から積
層された埋込層を有している。
びn型エピタキシャル層52がこの順番で基板31側から積
層された埋込層を有している。
ウェハの上面は平坦化されており、その平坦化された
上面にp側電極37が形成されている。また、基板31の裏
面にはn側電極38が形成されている。
上面にp側電極37が形成されている。また、基板31の裏
面にはn側電極38が形成されている。
埋込層中にはpn接合が設けられており、半導体レーザ
素子を駆動するための電圧を電極37、38に印加したと
き、このpn接合には逆バイアスが印加されるようになっ
ている。これによって、埋込層中を流れる無効電流が減
少するため、電極37、38から注入された電流は、メサス
トライプ構造中を集中して流れる。
素子を駆動するための電圧を電極37、38に印加したと
き、このpn接合には逆バイアスが印加されるようになっ
ている。これによって、埋込層中を流れる無効電流が減
少するため、電極37、38から注入された電流は、メサス
トライプ構造中を集中して流れる。
次に、第6図に示す半導体レーザ素子を説明する。
この半導体レーザ素子は、半絶縁性半導体層61からな
る埋込層を有している。
る埋込層を有している。
ウェハの上面は平坦化されており、その平坦化された
上面にp型電極37が形成されている。また、基板の裏面
にはn側電極38が形成されている。
上面にp型電極37が形成されている。また、基板の裏面
にはn側電極38が形成されている。
この半絶縁性半導体層61は、Cr、Fe又はCo等の遷移金
属が不純物としてドープされたエピタキシャル半導体層
である。これらの不純物は、半導体層61中に深い不純物
準位を形成する。この深い準位が半導体層61に注入され
たキャリアをトラップするため、電流は半導体層61内を
ほとんど流れない。従って、半導体レーザ素子を駆動す
るための電圧を電極に印加すると、電極37、38から注入
された電流はメサストライプ構造中を集中して流れる。
属が不純物としてドープされたエピタキシャル半導体層
である。これらの不純物は、半導体層61中に深い不純物
準位を形成する。この深い準位が半導体層61に注入され
たキャリアをトラップするため、電流は半導体層61内を
ほとんど流れない。従って、半導体レーザ素子を駆動す
るための電圧を電極に印加すると、電極37、38から注入
された電流はメサストライプ構造中を集中して流れる。
次に、第7図に示す半導体レーザ素子を説明する。
この半導体レーザ素子は、ポリイミド樹脂71からなる
埋込層を有している。このポリイミド樹脂71と基板31と
の間には、メサストライプ構造中の半導体層を保護する
ための薄いp型エピタキシャル層72とSiO2層73とが設け
られている。
埋込層を有している。このポリイミド樹脂71と基板31と
の間には、メサストライプ構造中の半導体層を保護する
ための薄いp型エピタキシャル層72とSiO2層73とが設け
られている。
ウェハの上面は平坦化されており、その平坦化された
上面にp型電極37が形成されている。また、基板31の裏
面にはn側電極38が形成されている。
上面にp型電極37が形成されている。また、基板31の裏
面にはn側電極38が形成されている。
このポリイミド樹脂71からなる埋込層は、絶縁体であ
る。従って、半導体レーザ素子を駆動するための電圧を
電極37、38に印加しても、埋込層中を電流は流れない。
これによって、電極37、38から注入された電流はメサス
トライプ構造中を集中して流れる。
る。従って、半導体レーザ素子を駆動するための電圧を
電極37、38に印加しても、埋込層中を電流は流れない。
これによって、電極37、38から注入された電流はメサス
トライプ構造中を集中して流れる。
なお、上記半導体レーザ素子のメサストライプ構造の
幅は、何れも2μm程度である。放射するレーザ光の水
平横モードを基本単一横モードにするためには、このよ
うに、2μm程度の狭いメサストライプ構造を基板上に
形成しなければならない。
幅は、何れも2μm程度である。放射するレーザ光の水
平横モードを基本単一横モードにするためには、このよ
うに、2μm程度の狭いメサストライプ構造を基板上に
形成しなければならない。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述の従来技術においては、以下に述
べる問題点があった。
べる問題点があった。
第5図の半導体レーザ素子には、素子の温度上昇に伴
って、埋込層のpn接合を越えて流れる接合リーク電流の
量が増加するという問題がある。このため、所望の光出
力を得るために必要な駆動電流が、温度の上昇に伴って
増加してしまう。また、電流−光出力特性や発振波長の
温度依存性が強くなることにより、半導体レーザ素子の
温度特性が劣化し、信頼性が低下する。
って、埋込層のpn接合を越えて流れる接合リーク電流の
量が増加するという問題がある。このため、所望の光出
力を得るために必要な駆動電流が、温度の上昇に伴って
増加してしまう。また、電流−光出力特性や発振波長の
温度依存性が強くなることにより、半導体レーザ素子の
温度特性が劣化し、信頼性が低下する。
さらに、pn接合近傍には接合容量が形成されるため、
駆動電圧の変調に対する光出力の応答特性が悪くなると
いう問題もある。
駆動電圧の変調に対する光出力の応答特性が悪くなると
いう問題もある。
第6図の半導体レーザ素子には、Cr、Fe又はCo等の遷
移金属を不純物として半導体層にドープすることに起因
する以下の問題がある。
移金属を不純物として半導体層にドープすることに起因
する以下の問題がある。
埋込層となる半絶縁性半導体層61を液相エピタキシャ
ル成長法により形成した場合、成長した半導体層61中に
形成される深い不純物準位の密度が低いために、埋込層
中に注入されたキャリアを充分にトラップすることがで
きず、絶縁性が埋込層としては不充分なものとなってし
まう。不純物準位の密度が低くなるのは、液相エピタキ
シャル成長に使用する融液中に上記遷移金属が溶解しに
くいためである。
ル成長法により形成した場合、成長した半導体層61中に
形成される深い不純物準位の密度が低いために、埋込層
中に注入されたキャリアを充分にトラップすることがで
きず、絶縁性が埋込層としては不充分なものとなってし
まう。不純物準位の密度が低くなるのは、液相エピタキ
シャル成長に使用する融液中に上記遷移金属が溶解しに
くいためである。
埋込層となる半絶縁性半導体層61を気層成長法により
形成した場合には、チップに分割される前の基板31上に
形成された複数のメサストライプ構造間の深い溝を、半
絶縁性半導体層61で充分に埋め込むことができない。
形成した場合には、チップに分割される前の基板31上に
形成された複数のメサストライプ構造間の深い溝を、半
絶縁性半導体層61で充分に埋め込むことができない。
また、第6図の半導体レーザ素子には、半導体レーザ
素子の動作中に発生する熱によって加熱された埋込層か
ら、メサストライプ構造中の活性層33やクラッド層34中
に、遷移金属元素が拡散するという問題がある。遷移金
属が活性層33中に拡散すると、半導体レーザ素子の発光
効率は低下し、動作寿命が短縮してしまう。
素子の動作中に発生する熱によって加熱された埋込層か
ら、メサストライプ構造中の活性層33やクラッド層34中
に、遷移金属元素が拡散するという問題がある。遷移金
属が活性層33中に拡散すると、半導体レーザ素子の発光
効率は低下し、動作寿命が短縮してしまう。
第7図の半導体レーザ素子には、ポリイミド樹脂71か
らなる埋込層の熱伝導率が低いという問題がある。
らなる埋込層の熱伝導率が低いという問題がある。
埋込層の熱伝導率が低いと、動作中に活性層33内で発
生した熱が素子の外部に充分に放熱されないので、活性
層33の温度が上昇してしまう。この活性層33の温度上昇
が進行すると、閾値電流が増加し、微分効率を低下して
しまう。
生した熱が素子の外部に充分に放熱されないので、活性
層33の温度が上昇してしまう。この活性層33の温度上昇
が進行すると、閾値電流が増加し、微分効率を低下して
しまう。
上述の半導体レーザ素子は、何れも、幅が2μm程度
と狭いメサストライプ構を有している。このため、ウェ
ハ表面を平坦化するとき、メサストライプ構造が損傷を
受けやすいという問題もある。このため、製造歩留りが
低下してしまう。
と狭いメサストライプ構を有している。このため、ウェ
ハ表面を平坦化するとき、メサストライプ構造が損傷を
受けやすいという問題もある。このため、製造歩留りが
低下してしまう。
しかし、メサストライプ構造の幅が所定値よりも広す
ぎると、半導体レーザ素子は、単一の基本水平横モード
で安定に発振することができなくなる。
ぎると、半導体レーザ素子は、単一の基本水平横モード
で安定に発振することができなくなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので
あり、その目的とするところは、幅の比較的広いメサス
トライプ構造を有していながら、単一の基本水平横モー
ドで発振することができ、製造歩留りの高い半導体レー
ザ素子及びその製造方法を提供することにある。
あり、その目的とするところは、幅の比較的広いメサス
トライプ構造を有していながら、単一の基本水平横モー
ドで発振することができ、製造歩留りの高い半導体レー
ザ素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、駆動電圧の変調に対する光出力
の応答特性にすぐれ、また、温度特性に優れた閾値電流
の低い半導体レーザ素子及びその製造方法を提供するこ
とにある。
の応答特性にすぐれ、また、温度特性に優れた閾値電流
の低い半導体レーザ素子及びその製造方法を提供するこ
とにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の半導体レーザ素子は、活性層を有するメサス
トライプ構造の側面部が、埋込層によって埋め込まれた
半導体レーザ素子に於いて、該埋込層がドーパントを含
んだSOG膜であり、該埋込層からドーピングされたドー
パントを含む拡散領域が、該メサストライブ構造内に於
いて、該埋込層に近接する領域に形成されており、その
ことにより上記目的が達成される。
トライプ構造の側面部が、埋込層によって埋め込まれた
半導体レーザ素子に於いて、該埋込層がドーパントを含
んだSOG膜であり、該埋込層からドーピングされたドー
パントを含む拡散領域が、該メサストライブ構造内に於
いて、該埋込層に近接する領域に形成されており、その
ことにより上記目的が達成される。
本発明の半導体レーザ素子の製造方法は、活性層を有
するメサストライプ構造の側面部が、埋込層によって埋
め込まれた半導体レーザ素子の製造方法に於いて、ドー
パントを含んだ該活性層を形成する工程と、該ドーパン
トをドーピングすることにより、該活性層を含む該メサ
ストライプ構造内の電流通路幅を実効的に狭めるか、又
は該メサストライプ構造内の屈折率を変化させて光導波
路幅を実効的に狭める工程と、を包含しており、そのこ
とにより上記目的が達成される。
するメサストライプ構造の側面部が、埋込層によって埋
め込まれた半導体レーザ素子の製造方法に於いて、ドー
パントを含んだ該活性層を形成する工程と、該ドーパン
トをドーピングすることにより、該活性層を含む該メサ
ストライプ構造内の電流通路幅を実効的に狭めるか、又
は該メサストライプ構造内の屈折率を変化させて光導波
路幅を実効的に狭める工程と、を包含しており、そのこ
とにより上記目的が達成される。
(作用) 本発明の半導体レーザ素子の埋込層は、SOG膜からな
る。SOG膜は、SOG溶液から形成される。SOG(Spin On
Glass)溶液は、珪素化合物[RnSi(OH)4-n]の微粒
子(直径0.45μm程度以下)を含むアルコールやエステ
ル等の有機溶媒である。SOG溶液を加熱により400〜600
℃程度に昇温すると、有機溶媒が蒸発し、珪素化合物の
微粒子から、ガラス状のSOG膜が形成される。SOG膜は、
400〜500℃程度以上の温度で焼成されると、ほとんどSi
O2膜と同様の性質を有するものとなる。
る。SOG膜は、SOG溶液から形成される。SOG(Spin On
Glass)溶液は、珪素化合物[RnSi(OH)4-n]の微粒
子(直径0.45μm程度以下)を含むアルコールやエステ
ル等の有機溶媒である。SOG溶液を加熱により400〜600
℃程度に昇温すると、有機溶媒が蒸発し、珪素化合物の
微粒子から、ガラス状のSOG膜が形成される。SOG膜は、
400〜500℃程度以上の温度で焼成されると、ほとんどSi
O2膜と同様の性質を有するものとなる。
膜厚1〜5μm程度の厚いSiO2膜を、スパッタ法等の
方法により、基板上に形成することは困難であるが、膜
厚の厚いSOG膜を形成することは容易である。
方法により、基板上に形成することは困難であるが、膜
厚の厚いSOG膜を形成することは容易である。
メサストライプ構造によってウェハ上に形成された溝
がアスペクト比の大きい深い溝であっても、SOG溶液の
塗布により完全に埋め込まれる。塗布後、上述の焼成を
行うことにより、深い溝内に埋め込まれたSOG膜が形成
される。
がアスペクト比の大きい深い溝であっても、SOG溶液の
塗布により完全に埋め込まれる。塗布後、上述の焼成を
行うことにより、深い溝内に埋め込まれたSOG膜が形成
される。
SOG膜は絶縁層であるので、高電圧駆動時にもSOG膜か
ら基板に向けて電流リークが発生することがない。この
ため、無効電流が発生しないので、高電圧駆動時におけ
る光出力の応答性を向上できる。
ら基板に向けて電流リークが発生することがない。この
ため、無効電流が発生しないので、高電圧駆動時におけ
る光出力の応答性を向上できる。
500℃程度以下の温度でSOG膜を焼成した場合、有機溶
媒は完全には蒸発してしまうことなく、その一部がSOG
膜中に残存する。このため、SOG膜の体積弾性率は、通
常のSiO2膜の体積弾性率に比較して充分に低下する。こ
のようなSOG膜が半導体レーザ素子の埋込層として用い
られている場合、半導体レーザ素子の製造工程中又は動
作中に、たとえ素子の温度が大きく変化しても、活性層
とSOG膜との間の熱膨張係数差に起因して、SOG膜中にク
ラックが生じたり、半導体層中に歪が加えられたりする
ことが無い。従来の方法、例えばスパッタ法等により形
成したSiO2膜は、SOG膜よりも緻密な膜質を有している
ために、素子の温度が変化すると、半導体層の熱膨張係
数(InPの場合4.75×10-6deg-1、GaAsの場合6.63×10-6
deg-1)とSiO2膜の熱膨張係数(0.4×10-6deg-1)との
不一致のために、SiO2膜膜中にクラックが発生しやす
く、また上記半導体層に歪を与えやすい。
媒は完全には蒸発してしまうことなく、その一部がSOG
膜中に残存する。このため、SOG膜の体積弾性率は、通
常のSiO2膜の体積弾性率に比較して充分に低下する。こ
のようなSOG膜が半導体レーザ素子の埋込層として用い
られている場合、半導体レーザ素子の製造工程中又は動
作中に、たとえ素子の温度が大きく変化しても、活性層
とSOG膜との間の熱膨張係数差に起因して、SOG膜中にク
ラックが生じたり、半導体層中に歪が加えられたりする
ことが無い。従来の方法、例えばスパッタ法等により形
成したSiO2膜は、SOG膜よりも緻密な膜質を有している
ために、素子の温度が変化すると、半導体層の熱膨張係
数(InPの場合4.75×10-6deg-1、GaAsの場合6.63×10-6
deg-1)とSiO2膜の熱膨張係数(0.4×10-6deg-1)との
不一致のために、SiO2膜膜中にクラックが発生しやす
く、また上記半導体層に歪を与えやすい。
SOG膜の熱伝導率は、0.014W・cm-1・deg-1である。こ
の値は、例えば、ポリイミド樹脂の熱伝導率(0.0042W
・cm-1・deg-1)よりも大きい。このため、活性層内で
発生した熱は、埋込層として設けられたSOG膜を介し
て、ヒートシンク等に効率よく放熱される。
の値は、例えば、ポリイミド樹脂の熱伝導率(0.0042W
・cm-1・deg-1)よりも大きい。このため、活性層内で
発生した熱は、埋込層として設けられたSOG膜を介し
て、ヒートシンク等に効率よく放熱される。
ドーパント(不純物)を添加したSOG溶液を用いるこ
とにより、このSOG溶液から形成したSOG膜埋込層が、不
純物拡散源としても利用される。これによって、SOG膜
からドーピングされたドーパントを含む拡散領域が、メ
サストライプ構造内に於いて、SOG膜に近接する領域に
形成される。
とにより、このSOG溶液から形成したSOG膜埋込層が、不
純物拡散源としても利用される。これによって、SOG膜
からドーピングされたドーパントを含む拡散領域が、メ
サストライプ構造内に於いて、SOG膜に近接する領域に
形成される。
メサストライプ構造内に形成された上記拡散領域によ
り、活性層内に於てドーパントを含まない領域の幅が縮
小される。このため、活性層内に於て発光に直接寄与す
る領域の幅が、メサストライプ構造の幅よりも縮小す
る。こうして、本発明の半導体レーザ素子は、幅の比較
的広いメサストライプ構造を有していながらも、メサス
トライプ構造内の所定領域に光を効果的に閉じ込めるこ
とができるため、レーザ光を単一の基本水平横モードで
安定に発振させることができる。
り、活性層内に於てドーパントを含まない領域の幅が縮
小される。このため、活性層内に於て発光に直接寄与す
る領域の幅が、メサストライプ構造の幅よりも縮小す
る。こうして、本発明の半導体レーザ素子は、幅の比較
的広いメサストライプ構造を有していながらも、メサス
トライプ構造内の所定領域に光を効果的に閉じ込めるこ
とができるため、レーザ光を単一の基本水平横モードで
安定に発振させることができる。
本発明の半導体レーザ素子の製造方法によれば、活性
層を含むメサストライプ構造内の電流通路幅を実効的に
狭めるか、又はメサストライプ構造内の屈折率を変化さ
せて光導波路幅を実効的に狭める工程を、コーティング
及び焼成により埋込層を形成する工程と、より高温の焼
成で埋込層に含まれるドーパントをメサストライプ構造
にドーピングする工程との2工程で行うことができる。
ここで、上記焼成工程は連続的に行うことができる。従
って、その分製造時間を短縮できる。第2に、埋込層を
形成する工程をスピンコート等のコーティングで行うこ
とができるので、、埋込層の形成工程を短時間で行うこ
とができる。
層を含むメサストライプ構造内の電流通路幅を実効的に
狭めるか、又はメサストライプ構造内の屈折率を変化さ
せて光導波路幅を実効的に狭める工程を、コーティング
及び焼成により埋込層を形成する工程と、より高温の焼
成で埋込層に含まれるドーパントをメサストライプ構造
にドーピングする工程との2工程で行うことができる。
ここで、上記焼成工程は連続的に行うことができる。従
って、その分製造時間を短縮できる。第2に、埋込層を
形成する工程をスピンコート等のコーティングで行うこ
とができるので、、埋込層の形成工程を短時間で行うこ
とができる。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
第1図に、実施例の半導体レーザ素子の断面図を示
す。
す。
n型InP基板(キャリア濃度n≧1017cm-3)1の上
に、n型InPバッファ層(層厚1μm、キャリア濃度n
〜1018cm-3)2、活性層(層厚0.1μm、発振波長1.3μ
m)3、p型InPクラッド層(層厚1μm、キャリア濃
度p〜1017cm-3)4、及びp型GaInAsキャップ層(層厚
0.5μm、キャリア濃度p〜1017cm-3)5がこの順番で
基板1側から積層されたメサストライプ構造(幅3μ
m)が形成されている。
に、n型InPバッファ層(層厚1μm、キャリア濃度n
〜1018cm-3)2、活性層(層厚0.1μm、発振波長1.3μ
m)3、p型InPクラッド層(層厚1μm、キャリア濃
度p〜1017cm-3)4、及びp型GaInAsキャップ層(層厚
0.5μm、キャリア濃度p〜1017cm-3)5がこの順番で
基板1側から積層されたメサストライプ構造(幅3μ
m)が形成されている。
メサストライプ構造の側面部は、ドーパントを含むSO
G膜6からなる埋込層によって埋め込まれている。
G膜6からなる埋込層によって埋め込まれている。
ウェハの上面は平坦化されており、その平坦化された
上面にp側電極7が形成されている。また、基板1の裏
面にはn側電極8が形成されている。
上面にp側電極7が形成されている。また、基板1の裏
面にはn側電極8が形成されている。
第2図に、活性層3のバンドダイヤグラムを示す。こ
の活性層3は、4〜5原子層のGa0.47In0.53As層(ウェ
ル層)3aと5〜6原子層のGaInAsP層(バリア層)3bと
が周期的に積層された多重量子井戸構造(MQW)を有し
ている。第2図が示すように、厚さLbのGaInAsPバリア
層3bのバンドギャップは、厚さLwのGa0.47In0.53Asウェ
ル層3aのバンドギャップよりも大きい。GaInAsPバリア
層3bの組成比は、発振させるべきレーザ光の波長に応じ
て変化させられている。本実施例では、波長が1.3μm
となるように、組成比が調整されている。
の活性層3は、4〜5原子層のGa0.47In0.53As層(ウェ
ル層)3aと5〜6原子層のGaInAsP層(バリア層)3bと
が周期的に積層された多重量子井戸構造(MQW)を有し
ている。第2図が示すように、厚さLbのGaInAsPバリア
層3bのバンドギャップは、厚さLwのGa0.47In0.53Asウェ
ル層3aのバンドギャップよりも大きい。GaInAsPバリア
層3bの組成比は、発振させるべきレーザ光の波長に応じ
て変化させられている。本実施例では、波長が1.3μm
となるように、組成比が調整されている。
ここで、Lbは、50〜300Å程度、Lwは、50〜100Å程度
である。なお、n型InPバッファ層2又はp型InPクラッ
ド層4に接するGaInAsPバリア層3bの厚さを、他のGaInA
sPバリア層3bの厚さLbよりも厚くしてもよい。この場
合、厚さの厚いGaInAsPバリア層3bが光ガイド層として
機能するSCH(Separate Confinement Heterostructur
e)構造が形成される。
である。なお、n型InPバッファ層2又はp型InPクラッ
ド層4に接するGaInAsPバリア層3bの厚さを、他のGaInA
sPバリア層3bの厚さLbよりも厚くしてもよい。この場
合、厚さの厚いGaInAsPバリア層3bが光ガイド層として
機能するSCH(Separate Confinement Heterostructur
e)構造が形成される。
活性層3を含むメサストライプ構造内に於いて、SOG
膜6とメサストライプ構造の界面から約0.5μm以内の
領域に、不純物拡散領域10が形成されている。この不純
物拡散層10は、SOG膜6からドーパントが拡散すること
によって形成されたものである。活性層3に於いてドー
パントがドーピングされた領域10aでは、ドーパントの
拡散によって、量子井戸構造が無秩序化し、混晶化して
いる。活性層3に於いて、混晶化した領域10aの屈折率
は、混晶化していない領域の屈折率よりも小さい。この
ため、活性層3内で発生したレーザ光は、混晶化した領
域10aに囲まれた混晶化していない領域内に、閉じ込め
られることになる。
膜6とメサストライプ構造の界面から約0.5μm以内の
領域に、不純物拡散領域10が形成されている。この不純
物拡散層10は、SOG膜6からドーパントが拡散すること
によって形成されたものである。活性層3に於いてドー
パントがドーピングされた領域10aでは、ドーパントの
拡散によって、量子井戸構造が無秩序化し、混晶化して
いる。活性層3に於いて、混晶化した領域10aの屈折率
は、混晶化していない領域の屈折率よりも小さい。この
ため、活性層3内で発生したレーザ光は、混晶化した領
域10aに囲まれた混晶化していない領域内に、閉じ込め
られることになる。
活性層3内に於いて、レーザ光が実質的に閉じ込めら
れる領域の幅をWa、混晶化した領域10aの片側の幅を
D、メサストライプ構造幅をWsとすると、メサストライ
プ構造幅Wsは、次式で表される。
れる領域の幅をWa、混晶化した領域10aの片側の幅を
D、メサストライプ構造幅をWsとすると、メサストライ
プ構造幅Wsは、次式で表される。
Ws=Wa+2D 水平横モードを基本単一モードとするためには、Waが
2μm程度となることが必要である。そこで、本実施例
では、Waが2μmとなるように、Dを0.5μm、Wsを3
μmとした。このように、本実施例では、メサストライ
プ構造が、従来の半導体レーザ素子のメサストライプ構
造の幅(2μm)の1.5倍の幅を有しているが、その実
効的な活性層幅が2μm程度であるために、単一の基本
水平横モードでレーザ光が発振した。こうして、平坦化
工程中にメサストライプ構造が損傷しにくい幅広のメサ
ストライプ構造を有していながら、しかも、単一基本水
平横モードで発振するレーザ光を放射する半導体レーザ
素子を得ることができた。
2μm程度となることが必要である。そこで、本実施例
では、Waが2μmとなるように、Dを0.5μm、Wsを3
μmとした。このように、本実施例では、メサストライ
プ構造が、従来の半導体レーザ素子のメサストライプ構
造の幅(2μm)の1.5倍の幅を有しているが、その実
効的な活性層幅が2μm程度であるために、単一の基本
水平横モードでレーザ光が発振した。こうして、平坦化
工程中にメサストライプ構造が損傷しにくい幅広のメサ
ストライプ構造を有していながら、しかも、単一基本水
平横モードで発振するレーザ光を放射する半導体レーザ
素子を得ることができた。
本実施例では、活性層3に於て発光が生じる混晶化し
ていない領域とSOG膜6との間に、混晶化した領域10aが
挟まれており、活性層3の発光領域とSOG膜6とが直接
には接していない。従って、活性層3とSOG膜6との界
面に形成される再結合準位によって、活性層3の発光領
域が悪影響を受けることがなく、素子の長期信頼性が向
上する。
ていない領域とSOG膜6との間に、混晶化した領域10aが
挟まれており、活性層3の発光領域とSOG膜6とが直接
には接していない。従って、活性層3とSOG膜6との界
面に形成される再結合準位によって、活性層3の発光領
域が悪影響を受けることがなく、素子の長期信頼性が向
上する。
さらに、本実施例では、熱伝導性に優れたSOG膜を埋
込層として用いているため、活性層内で発生した熱を効
率良く素子外へ放熱させることができる。こうして、活
性層の温度上昇が抑制されるために、閾値電流が低下
し、微分効率が増加した。
込層として用いているため、活性層内で発生した熱を効
率良く素子外へ放熱させることができる。こうして、活
性層の温度上昇が抑制されるために、閾値電流が低下
し、微分効率が増加した。
SOG膜が高抵抗で誘電率の低い膜であるため、駆動電
圧の変調に対する光出力の応答特性が向上した。
圧の変調に対する光出力の応答特性が向上した。
SOG膜の体積弾性率が通常のSiO2膜の体積弾性率に比
較して充分に低いため、SOG膜中にクラックが生じた
り、SOG膜によって半導体層に大きな歪が加えられたり
することがなかった。
較して充分に低いため、SOG膜中にクラックが生じた
り、SOG膜によって半導体層に大きな歪が加えられたり
することがなかった。
次に、第3図を参照しながら、第1図の半導体レーザ
素子の製造方法を説明する。
素子の製造方法を説明する。
まず、MOCVD法により、n型InPバッファ層2、活性層
3、p型InPクラッド層4、p型GaInAキャップ層5を、
n型InP基板1の上に順次エピタキシャル成長させた
(第3図(a))。
3、p型InPクラッド層4、p型GaInAキャップ層5を、
n型InP基板1の上に順次エピタキシャル成長させた
(第3図(a))。
ここで、活性層3を形成するとき、4〜5原子層のGa
0.47In0.53As層3aと5〜6原子層のGaInAsP層3bとを交
互に積層した。
0.47In0.53As層3aと5〜6原子層のGaInAsP層3bとを交
互に積層した。
活性層3上にp型GaInAsキャップ層5を形成した後、
幅3μmのメサストライプパターンを有するレジスト
(不図示)をキャップ層5上に形成し、逆メサ方向にメ
サエッチを行った(第3図(b))。エッチャントとし
ては、0.2%のBr−CH3OH溶液(20℃)を使用した。
幅3μmのメサストライプパターンを有するレジスト
(不図示)をキャップ層5上に形成し、逆メサ方向にメ
サエッチを行った(第3図(b))。エッチャントとし
ては、0.2%のBr−CH3OH溶液(20℃)を使用した。
メサエッチ後、レジストを除去することなく、スピン
コート法により、ウェハ上にSOG溶液を塗布した。SOG溶
液としては、濃度10mol%のZnOが含まれているものを用
いた。なお、SOG溶液に添加する不純物としては、ZnOの
他に、SnOを用いてもよい。また、III−V族半導体であ
るInPのV族元素であるPが、拡散工程中にInPから熱解
離しないように、SOG溶液中にリン酸を添加しておい
た。使用するIII−V族半導体のV族元素がAsであると
きは、同様の目的のために、SOG溶液中に、AsO、As2O3
を添加しておけばよい。
コート法により、ウェハ上にSOG溶液を塗布した。SOG溶
液としては、濃度10mol%のZnOが含まれているものを用
いた。なお、SOG溶液に添加する不純物としては、ZnOの
他に、SnOを用いてもよい。また、III−V族半導体であ
るInPのV族元素であるPが、拡散工程中にInPから熱解
離しないように、SOG溶液中にリン酸を添加しておい
た。使用するIII−V族半導体のV族元素がAsであると
きは、同様の目的のために、SOG溶液中に、AsO、As2O3
を添加しておけばよい。
スピンコートの際のウェハの回転速度は、1000〜3000
rpm、回転時間は15〜20秒とした。ウェハ表面の平坦性
をいっそう向上させるためには、上記のスピンコートを
複数回繰り返してもよい。複数回繰り返すことにより、
深い溝内を完全に埋め込むことができる。
rpm、回転時間は15〜20秒とした。ウェハ表面の平坦性
をいっそう向上させるためには、上記のスピンコートを
複数回繰り返してもよい。複数回繰り返すことにより、
深い溝内を完全に埋め込むことができる。
SOG溶液の塗布後、500℃で30分間のベーキンクを行っ
た。このベーキングにより、SOG膜6からなる埋込層の
形成を行った(第3図(c))。このあと、650℃で2
〜3分間のベーキングを行うことにより、SOG膜6から
メサメサストライプ構造へのZnのドーピングを行った
(第3図(d))。このベーキングの温度及び時間で決
まる、活性層3中のZnの拡散長は、約0.5μmである。
このため、活性層3に於いて、活性層3の側面から約0.
5μm以内の領域では、混晶化が生じた。なお、この拡
散長は、InPバッファ層2及びInPクラッド層4に於いて
も、約0.5μmであった。
た。このベーキングにより、SOG膜6からなる埋込層の
形成を行った(第3図(c))。このあと、650℃で2
〜3分間のベーキングを行うことにより、SOG膜6から
メサメサストライプ構造へのZnのドーピングを行った
(第3図(d))。このベーキングの温度及び時間で決
まる、活性層3中のZnの拡散長は、約0.5μmである。
このため、活性層3に於いて、活性層3の側面から約0.
5μm以内の領域では、混晶化が生じた。なお、この拡
散長は、InPバッファ層2及びInPクラッド層4に於いて
も、約0.5μmであった。
SOG膜6からなる埋込層の形成によってウェハの上面
を平坦化した後、その平坦化されたウェハ上面にp側電
極7を形成し、基板1の裏面にn側電極8を形成した。
を平坦化した後、その平坦化されたウェハ上面にp側電
極7を形成し、基板1の裏面にn側電極8を形成した。
このように、本実施例では、ウェハの上面に深い溝が
形成されていても、SOG膜6によって、簡単にウェハの
上面を平坦化することができた。
形成されていても、SOG膜6によって、簡単にウェハの
上面を平坦化することができた。
第4図に、他の実施例を示す。
本実施例の半導体レーザ素子は、n型InP基板1上
に、n型InPクラツド層2、ノンドープGaInAsP活性層3
0、p型InPクラッド層4、及びp型GaInAsキャップ層5
がこの順番で基板1側から積層されたメサストライプ構
造を有する埋め込み型ダブルヘテロ構造半導体レーザ素
子である。
に、n型InPクラツド層2、ノンドープGaInAsP活性層3
0、p型InPクラッド層4、及びp型GaInAsキャップ層5
がこの順番で基板1側から積層されたメサストライプ構
造を有する埋め込み型ダブルヘテロ構造半導体レーザ素
子である。
本実施例の半導体レーザ素子は、幅3μmの活性層30
が量子井戸構造を有していない単層のものである点以
外、前記実施例と類似の構成を有している。
が量子井戸構造を有していない単層のものである点以
外、前記実施例と類似の構成を有している。
第4図が示すように、SOG膜6からなる埋込層とメサ
ストライプ構造の上面は平坦化されており、その平坦化
された上面にp型電極7が形成されている。また、基板
1の裏面にはn側電極8が形成されている。
ストライプ構造の上面は平坦化されており、その平坦化
された上面にp型電極7が形成されている。また、基板
1の裏面にはn側電極8が形成されている。
メサストライプ構造及び基板1に於て、SOG膜6に近
接する領域には、SOG膜6からp型不純物であるZnがド
ーピングされた拡散領域10(幅0.5μm程度)が形成さ
れている。本実施例に於いて、この拡散領域10の不純物
濃度は、1019cm-3程度である。この不純物濃度がn型In
P基板1及びn型InPバッファ層2のn型不純物濃度より
も高いため、拡散領域10の導電性は、n型InP基板1及
びn型InPバッファ2層中に於いてもp型となる。こう
して、n型InP基板1及びn型InPバッファ層2の中に、
pn接合が形成されることになる。このpn接合はホモ接合
であるため、接合の拡散電圧(ビルトイン電圧)Vb1
は、ダブルヘテロ接合の拡散電圧Vb2よりも小さい。こ
のために、駆動電流は、メサストライプ構造のp型不純
物がドーピングされていない領域内に閉じ込められる。
接する領域には、SOG膜6からp型不純物であるZnがド
ーピングされた拡散領域10(幅0.5μm程度)が形成さ
れている。本実施例に於いて、この拡散領域10の不純物
濃度は、1019cm-3程度である。この不純物濃度がn型In
P基板1及びn型InPバッファ層2のn型不純物濃度より
も高いため、拡散領域10の導電性は、n型InP基板1及
びn型InPバッファ2層中に於いてもp型となる。こう
して、n型InP基板1及びn型InPバッファ層2の中に、
pn接合が形成されることになる。このpn接合はホモ接合
であるため、接合の拡散電圧(ビルトイン電圧)Vb1
は、ダブルヘテロ接合の拡散電圧Vb2よりも小さい。こ
のために、駆動電流は、メサストライプ構造のp型不純
物がドーピングされていない領域内に閉じ込められる。
また、Znがドーピングされていない領域の活性層30の
不純物濃度(1018cm-3程度)よりも、拡散領域10の不純
物濃度が高いため、プラズマ効果により、拡散領域10の
屈折率は、Znがドーピングされていない領域の活性層30
の屈折率よりも小さくなる。こうして、レーザ光は、活
性層30内に於て、SOG膜6からZnがドーピングされてい
ない領域(幅2μm)内に閉じ込められる。この光閉じ
込めを効果的に行うためには、拡散領域10の不純物濃度
を1019cm-3程度にすれば良い。
不純物濃度(1018cm-3程度)よりも、拡散領域10の不純
物濃度が高いため、プラズマ効果により、拡散領域10の
屈折率は、Znがドーピングされていない領域の活性層30
の屈折率よりも小さくなる。こうして、レーザ光は、活
性層30内に於て、SOG膜6からZnがドーピングされてい
ない領域(幅2μm)内に閉じ込められる。この光閉じ
込めを効果的に行うためには、拡散領域10の不純物濃度
を1019cm-3程度にすれば良い。
上記の電流閉じ込め及び光閉じ込めにより、レーザ光
は、単一基本水平横モードで安定に発振することができ
た。また、前記の実施例と同様に、熱伝導性に優れたSO
G膜6を埋込層として用いているため、活性層30内で発
生した熱を効率良く素子外へ放熱させることができた。
このため、活性層30の温度上昇が抑制されることによ
り、閾値電流が低下し、微分効率が増加した。
は、単一基本水平横モードで安定に発振することができ
た。また、前記の実施例と同様に、熱伝導性に優れたSO
G膜6を埋込層として用いているため、活性層30内で発
生した熱を効率良く素子外へ放熱させることができた。
このため、活性層30の温度上昇が抑制されることによ
り、閾値電流が低下し、微分効率が増加した。
SOG膜6が高抵抗で誘電率の高い膜であるため、駆動
電圧の変調に対する光出力の応答特性が向上した。
電圧の変調に対する光出力の応答特性が向上した。
なお、メサストライプ構造の幅及び不純物拡散層領域
の幅は、上記実施例の値に限定されず、単一の基本水平
横モードでレーザを発振させるのに必要な実効的な幅を
有する活性層を得ることができる範囲内で、他の値に設
定され得る。
の幅は、上記実施例の値に限定されず、単一の基本水平
横モードでレーザを発振させるのに必要な実効的な幅を
有する活性層を得ることができる範囲内で、他の値に設
定され得る。
また、上記何れの実施例に於いても、GaInAsP/InP系
半導体を用いたが、他の系の半導体を用いてもよい。
半導体を用いたが、他の系の半導体を用いてもよい。
(発明の効果) このように本発明によれば、幅の比較的広いメサスト
ライプ構造を有していながら、メサストライプ構造内の
所定領域に光及び電流を効果的に閉じ込めることができ
るために、低電流でも単一の基本水平横モードで安定に
発振するレーザ光を得ることができる。
ライプ構造を有していながら、メサストライプ構造内の
所定領域に光及び電流を効果的に閉じ込めることができ
るために、低電流でも単一の基本水平横モードで安定に
発振するレーザ光を得ることができる。
SOG膜により、メサストライプ構造の側面部が完全に
埋め込まれ、ウェハ表面が平坦化される。
埋め込まれ、ウェハ表面が平坦化される。
また、本発明の半導体レーザ素子によれば、以下の効
果を奏することができる。
果を奏することができる。
(イ)高電圧駆動時にも、電流のリークがないので、高
電圧駆動時における光出力の応答性を向上できる。
電圧駆動時における光出力の応答性を向上できる。
即ち、SOG膜は絶縁層であるので、高電圧駆動時にもS
OG膜から基板に向けて電流リークが発生することがな
い。このため、無効電流が発生しないので、高電圧駆動
時における光出力の応答性を向上できる。
OG膜から基板に向けて電流リークが発生することがな
い。このため、無効電流が発生しないので、高電圧駆動
時における光出力の応答性を向上できる。
(ロ)閾値電流が低下し、微分効率が増加する。
即ち、SOG膜膜の熱伝導率は、埋込層として一般的に
用いられるポリイミド樹脂の熱伝導率よりも大きい。こ
のため、活性層内で発生した熱は、埋込層として設けら
れたSOG膜を介して、素子外に効率よく放熱される。こ
の結果、活性層の温度上昇が抑制されので、閾値電流が
低下し、微分効率が増加する。
用いられるポリイミド樹脂の熱伝導率よりも大きい。こ
のため、活性層内で発生した熱は、埋込層として設けら
れたSOG膜を介して、素子外に効率よく放熱される。こ
の結果、活性層の温度上昇が抑制されので、閾値電流が
低下し、微分効率が増加する。
(ハ)駆動電圧の変調時の応答特性が向上する。
即ち、SOG膜は高抵抗で誘電率の高い膜であるため、
無効電流の発生を効率よく阻止できるので、駆動電圧の
変調時における光出力の応答特性を向上できる。
無効電流の発生を効率よく阻止できるので、駆動電圧の
変調時における光出力の応答特性を向上できる。
(ニ)体積弾性率が低いため、活性層に歪を与えること
がない。
がない。
即ち、SOG膜は焼成しても、有機溶媒は完全に蒸発せ
ず、一部がSOG膜中に残存する。このため、SOG膜の体積
弾性率は、通常のSiO2膜の体積弾性率に比較して充分に
低下する。このため、半導体レーザ素子の製造工程中又
は半導体レーザ素子の動作中に、半導体レーザ素子の温
度が大きく変化しても、活性層とSOG膜との間の熱膨張
係数差に起因して、SOG膜が大きく変形することがない
ので、SOG膜中にクラックが生じたり、活性層に歪が発
生することがない。
ず、一部がSOG膜中に残存する。このため、SOG膜の体積
弾性率は、通常のSiO2膜の体積弾性率に比較して充分に
低下する。このため、半導体レーザ素子の製造工程中又
は半導体レーザ素子の動作中に、半導体レーザ素子の温
度が大きく変化しても、活性層とSOG膜との間の熱膨張
係数差に起因して、SOG膜が大きく変形することがない
ので、SOG膜中にクラックが生じたり、活性層に歪が発
生することがない。
更に、本発明の半導体レーザ素子によれば、上記効果
(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)の相乗的効果である
以下の効果(ホ)を奏することができる。
(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)の相乗的効果である
以下の効果(ホ)を奏することができる。
(ホ)半導体レーザ素子の特性を向上でき、かつその信
頼性を長期にわたって維持できる。
頼性を長期にわたって維持できる。
即ち、まず第1に、上記効果イを奏することにより、
高電圧駆動時における光出力の応答性を向上できる。第
2に、上記効果ロを奏することにより、閾値電流が低下
し、微分効率が増加することによる特性の向上が図れ
る。第3に、上記効果ハを奏することにより、駆動電圧
の変調時の応答特性が向上することによる特性の向上が
図れる。第4に、上記効果ニを奏することにより、活性
層を長期間にわたって安定化できるので、信頼性を長期
間にわたって維持できる。この結果、本願発明によれ
ば、効果イ、効果ロ、効果ハ及び効果ニの相乗的効果で
ある、半導体レーザ素子の特性を向上でき、かつその信
頼性を長期にわたって維持できる、といった効果を奏す
ることができる。
高電圧駆動時における光出力の応答性を向上できる。第
2に、上記効果ロを奏することにより、閾値電流が低下
し、微分効率が増加することによる特性の向上が図れ
る。第3に、上記効果ハを奏することにより、駆動電圧
の変調時の応答特性が向上することによる特性の向上が
図れる。第4に、上記効果ニを奏することにより、活性
層を長期間にわたって安定化できるので、信頼性を長期
間にわたって維持できる。この結果、本願発明によれ
ば、効果イ、効果ロ、効果ハ及び効果ニの相乗的効果で
ある、半導体レーザ素子の特性を向上でき、かつその信
頼性を長期にわたって維持できる、といった効果を奏す
ることができる。
また、本発明の半導体レーザ素子の製造方法によれ
ば、以下の効果を奏することができる。
ば、以下の効果を奏することができる。
(ヘ)2工程を連続的に、かつそれぞれを短時間で行う
ことができるので、半導体レーザ素子の製造能率を向上
できる。
ことができるので、半導体レーザ素子の製造能率を向上
できる。
即ち、本発明によれば、活性層を含むメサストライプ
構造内の電流通路幅を実効的に狭めるか、又はメサスト
ライプ構造内の屈折率を変化させて光導波路幅を実効的
に狭める工程を、コーティング及び焼成により埋込層を
形成する工程と、より高温の焼成で埋込層に含まれるド
ーパントをメサストライプ構造にドーピングする工程と
の2工程で行うことができる。ここで、上記焼成工程は
連続的に行うことができる。従って、その分製造時間を
短縮できる。
構造内の電流通路幅を実効的に狭めるか、又はメサスト
ライプ構造内の屈折率を変化させて光導波路幅を実効的
に狭める工程を、コーティング及び焼成により埋込層を
形成する工程と、より高温の焼成で埋込層に含まれるド
ーパントをメサストライプ構造にドーピングする工程と
の2工程で行うことができる。ここで、上記焼成工程は
連続的に行うことができる。従って、その分製造時間を
短縮できる。
第2に、埋込層を形成する工程をスピンコート等のコ
ーティングで行うことができるので、埋込層の形成工程
を短時間で行うことができる。
ーティングで行うことができるので、埋込層の形成工程
を短時間で行うことができる。
従って、本願発明によれば、2工程をそれぞれ短時間
で行うことができるので、半導体レーザ素子の製造能率
を向上できる、といった効果を奏することができる。
で行うことができるので、半導体レーザ素子の製造能率
を向上できる、といった効果を奏することができる。
第1図は本発明の実施例の半導体レーザ素子を示す断面
図、第2図は第1図の半導体レーザ素子の活性層のバン
ドダイヤグラムを示す図、第3図は第1図の半導体レー
ザ素子の製造方法を示す断面図、第4図は他の実施例の
半導体レーザ素子を示す断面図、第5図〜第7図は各々
従来例を示す断面図である。 1……n型InP基板、2……n型InPバッファ層、3、30
……活性層、3a……GaInAs層(ウェル層)、3b……GaIn
AsP層(バリア層)、4……p型InPクラッド層、5……
P型GaInAsキャップ層、6……SOG膜、7……p側電
極、8……n側電極、10……不純物拡散領域。
図、第2図は第1図の半導体レーザ素子の活性層のバン
ドダイヤグラムを示す図、第3図は第1図の半導体レー
ザ素子の製造方法を示す断面図、第4図は他の実施例の
半導体レーザ素子を示す断面図、第5図〜第7図は各々
従来例を示す断面図である。 1……n型InP基板、2……n型InPバッファ層、3、30
……活性層、3a……GaInAs層(ウェル層)、3b……GaIn
AsP層(バリア層)、4……p型InPクラッド層、5……
P型GaInAsキャップ層、6……SOG膜、7……p側電
極、8……n側電極、10……不純物拡散領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 敏之 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 滝口 治久 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−51890(JP,A) 特開 昭61−50389(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】活性層を有するメサストライプ構造の側面
部が、埋込層によって埋め込まれた半導体レーザ素子に
於いて、 該埋込層がドーパントを含んだSOG膜であり、 該埋込層からドーピングされたドーパントを含む拡散領
域が、該メサストライプ構造内に於いて、該埋込層に近
接する領域に形成されている、 半導体レーザ素子。 - 【請求項2】活性層を有するメサストライプ構造の側面
部が、埋込層によって埋め込まれた半導体レーザ素子の
製造方法に於いて、 ドーパントを含んだ該活性層を形成する工程と、 該ドーパントをドーピングすることにより、該活性層を
含む該メサストライプ構造内の電流通路幅を実効的に狭
めるか、又は該メサストライプ構造内の屈折率を変化さ
せて光導波路幅を実効的に狭める工程と、 を包含する半導体レーザ素子の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022953A JP2547458B2 (ja) | 1990-01-31 | 1990-01-31 | 半導体レーザ素子及びその製造方法 |
US07/625,169 US5070510A (en) | 1989-12-12 | 1990-12-10 | Semiconductor laser device |
EP90313536A EP0433051B1 (en) | 1989-12-12 | 1990-12-12 | A semiconductor laser device and a method of producing the same |
DE69032451T DE69032451T2 (de) | 1989-12-12 | 1990-12-12 | Halbleiterlaser und Verfahren zur Herstellung desselben |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022953A JP2547458B2 (ja) | 1990-01-31 | 1990-01-31 | 半導体レーザ素子及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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