JP2547195B2 - 内視鏡用画像信号処理回路 - Google Patents

内視鏡用画像信号処理回路

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はγ補正手段とラチチュード補正手段とを設け
て診断し易い画像を得るようにした固体撮像素子を用い
た内視鏡用画像信号処理回路に関する。
[従来の技術] 近年、細長の挿入部を挿入することによって、切開す
ることを必要としないで、体腔内の患部等を診断した
り、必要に応じて処置具を挿入して治療処置のできる内
視鏡が広く用いられるようになった。
上記内視鏡は、挿入部の先端側に配設した結像レンズ
によって、患部等の対象部位を結像し、この結像された
光学像はファイババンドル等の光学的な像伝送手段にて
手元側に伝送し、接眼レンズ系にて拡大観察できるよう
になっている。
ところで、内視鏡においても、上記光学的な像伝送手
段を用いることなく、結像レンズによって、CCD等の固
体撮像素子の撮像面に光学像を結び、この固体撮像素子
で光電変換した電気的な画像信号をモニタ画面に表示す
る電子式の内視鏡(以下、電子スコープと記す)は画像
の記録とか再生等が容易であり、今後広く用いられる状
況にある。
上記電子スコープによる画像においても、使用される
状況が、管腔状や凹凸の激しい被写体が多く、スコープ
から被写体迄の距離のばらつきは同一画面内において約
2〜20cmと言う具合に10倍程度の差がある場合が多い。
そして照明が点光源に近いために距離の差は多きな照明
むらとなる。つまり同一画面内において、近い被写体は
強くハレーションを起し、遠い物体は暗くて何も見えな
い減少が起きる。これを解決する手段として、従来の電
子スコープにおいて、例えば特願昭59−183083号に示す
様な自動調光システムが用いられている。
[発明が解決すべき問題点] ところが上記従来の自動調光システムの原理は画像の
輝度の平均値を一定に保つものであり根本的にラチチュ
ードを向上させるものではない。つまり同一画面内に遠
くて暗い部分と近くて明るい部分を適切な明るさで同時
表示することはできない。
本発明は、上述した点にかんがみてなされたもので、
照明むら等による影響を軽減して診断し易い画像を実現
できる電子スコープ等に適した内視鏡用画像信号処理回
路を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明は固体撮像素子から出力される画像信号に対
し、γ補正回路を通して非直線性を補正し、さらに後段
の輝度信号に対してラチチュード補正回路を通して照明
むら等の影響を軽減して診断し易いコントラストの画像
を得る画像信号処理回路を形成している。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。
第1図ないし第3図は本発明の1実施例に係り、第1
図は1実施例を備えた電子スコープの構成を示し、第2
図はラチチュード補正回路の構成を示し、第3図は第2
図の入出力特性を示す。
第1図に示すように、1実施例を備えた電子スコープ
1は、体腔内等に挿入できるように細長の挿入部2の先
端側に結像レンズ3を配設し、この結像レンズ3の焦点
面にはCCD等の固体撮像素子4が配設して電子式の撮像
手段が形成してある。また、上記挿入部2内にはライト
ガイドファイバ5が挿通され、外部の光源装置6の照明
光を伝送し、その先端面から配光レンズ7を経て対象物
側に照明光を照射できるようにしてある。
上記光源装置6は、光源ランプ8の照明光を凹面鏡9
で反射し、この反射光はコンデンサレンズ11を経て、ラ
イトガイドファイバ5に連結されるライトガイドケーブ
ルの入射端に集光照射される。この集光照射される際、
3原色透過フィルタを回転軸の回りに設け、モータ12で
回転駆動される回転フィルタ13を通すことによって、3
原色の各波長の光で順次照射される。つまり対象物は各
3原色の照明光で順次照明されるようにしてある。
ところで、上記固体撮像素子4で光電変換された光学
像の画像信号は低雑音指数のプリアンプ14で増幅され、
AGC回路15に入力されると共に、調光用信号を形成する
ために積分器16に入力される。
上記積分器16で積分された信号は、比較増幅器17の一
方の入力端に印加され、他端の入力端に印加される基準
電圧Vのレベルと比較され、この基準電圧Vとの差動出
力で調光信号が形成され、この調光信号は絞り駆動回路
18に入力される。しかして、この絞り駆動回路18の出力
で、自動調光用絞り19の絞り量を制御し、ライトガイド
ファイバ5を経て対象物を証明する証明光量を自動制御
している。
即ち、プリアンプ14から出力される画像信号の平均レ
ベルが高いと絞り駆動回路18を経て、絞り19の絞り量を
大きく(つまり絞り19の通過光量が小さく)され、対象
物を照明する照明光量が小さくされる。尚、この場合、
積分器16は、カラー1画面分(各色については3フレー
ム分)の期間積分して、輝度信号の積分値を出力するこ
とになり、カラー1画面分ごとに積分器16の出力は更新
される。カラー画面分の周期ごとに積分器16の出力をサ
ンプルホールドするようにしても良い。
尚、照明光量を制御する場合に用いられる絞り19とし
ては、例えば、特願昭59−164704号,特願昭59−164701
号,特願昭59−162523号等に示されているものを用いる
ことができる。上記絞り19は、モータ等の駆動手段で回
転することによってその絞り量を可変できる。
ところで上記プリアンプ14の出力はAGC回路15でその
入力信号のレベルが小さいと大きく増幅され、入力信号
のレベルが大きいと小さい増幅率で増幅された後、γ補
正回路21に入力される。
このγ補正回路21は非直線性等を補正する回路であっ
て、このγ補正がされた後A/D変換器22に入力され、デ
ィジタル量に変換される。このA/D変換器22で変換され
たディジタル画像信号は手元側のマルチプレクサ23を介
して赤用フレームメモリ24R、縁用フレームメモリ24G、
青用フレームメモリ24Bに各色の照明のもとでの1フレ
ーム分が順次記録される。これらフレームメモリ24R、2
4G、24Bで記録された信号は同時に読み出され、それぞ
れD/A変換器25R、25G、25Bを経てアナログ量に変換さ
れ、マトリックス回路26に入力される。このマトリック
ス回路26によって、輝度信号Yと2つの色差信号R−
Y、B−Yが取り出される。
上記2つの色差信号R−Y、B−Yは、カラーエンコ
ーダ回路27に入力され、一方輝度信号Yは、ラチチュー
ド補正回路28を通してカラーエンコーダ回路27に入力さ
れる。しかして、このカラーエンコーダ回路27でNTSC方
式のカラー画像(映像)信号に変換され、カラー表示モ
ニター29に入力され、表示画面上にカラーで表示される
ようになっている。
上記ラチチュード補正回路28は、入力される輝度信号
を適度に圧縮して、暗すぎたり、明るすぎたりすること
なく、診断し易い輝度レベル範囲内に設定するものであ
る。
尚、上記γ補正回路21とラチチュード補正回路28は、
ともに信号の圧縮を行う点では同じであるが、γ補正回
路21だけでラチチュード補正も兼ねて行なおうとする
と、画像信号の振幅によって、R,G,Bの比率が変化して
しまうことになり、診断する都合上好ましくないが、1
実施例ではγ補正を行った後、A/D変換器でディジタル
画像信号に変換してフレームメモリに書き込み、このフ
レームメモリから読み出した後に輝度信号レベルに対し
て圧縮を行っているので、この様な不都合は殆んど生じ
ない。(尚、γ補正を行わないで、輝度信号に変換した
後、この輝度信号のみについて圧縮すれば、上記不都合
は生じないが、途中でフレームメモリ24R、24G、24Bに
書き込むため、ディジタル変換を行うことが必要にな
る。この場合には、必要とされる階調方向のビット数
が、圧縮後の量子化誤差を防ぐために急激に増大させる
ことが必要になり、それに付随する回路も急に増えると
いう不都合が生じる。) 従って、1実施例は非直線性を補正するγ補正回路21
をA/D変換器22の前段側に設け、且つこのA/D変換器22を
経た後のマトリツクス回路26で輝度信号を分離し、この
輝度信号に対してラチチュード補正回路28でラチチュー
ド補正を行っている。このようにして、色相の変化と量
子化誤差の影響を十分に軽減できるようにしている。
ところで上記ラチチュード補正回路28の具体的構成例
を第2図に示す。
入力信号は第1のリミッタ回路31に入力されて適宜リ
ミッタレベルより高いレベルがリミットされると共に、
第1の利得可変アンプ32に入力され、この利得可変アン
プ2で増幅された出力は、第2のリミッタ回路33に入力
される。又、このアンプ32の出力は第2の利得可変アン
プ34で増幅された後、第3のリミッタ回路35に入力され
る。
上記両利得可変アンプ32,34は可変抵抗器36によって
可変設定される電圧を利得設定端子に引火することによ
って、同一の各利得Avが可変設定できるものが用いてあ
る。
上記3つのリミッタ回路31,33,35を経た信号は加算器
37で加算されて出力端から圧縮された信号が出力され
る。
上記ラチチュード補正回路28は、例えばマニュアルで
可変抵抗器36を可変することによって、両利得可変アン
プ32,34の利得Avを可変して、信号の圧縮率とか圧縮特
性を変化できる。例えば、リミッタ回路31,33,35のリミ
ットレベルを1/3にし、両利得Avを1,1.2,2,4と順次変え
た場合には、第3図のa,b,c,dに示すように変化する。
尚、上記利得可変アンプ32,34及びリミッタ回路31,3
3,35等の数を増すことによって所望とする圧縮特性のラ
チチュード補正回路を実現できる。
上記1実施例によれば、色相を変えることなく、ラチ
チュードを改善できる。又、フレームメモリに書き込む
ためにA/D変換する前段側にγ補正を行っているのでラ
チチュード補正時の量子化誤差を軽減できる。
第4図の本発明の他の実施例を示す。
この実施例を備えた電子スコープ41では、平均の色相
付近の色相の変化を拡大して表示できるようにしてい
る。
即ち、第1図に示す電子スコープ1において、さらに
マトリックス回路26から出力される色差信号R−Y、B
−Yをそれぞれ積分器42,43でカラー1画面分の期間積
分し、その積分値をマイクロプロセシングユニット(MP
U)44に図示しないA/D変換器を介して取り込み、これら
色差信号R−Y、B−Yの積分値から一画面分での平均
の色を演算して求める。しかして、3原色を色ベクトル
で表わした場合、上記平均の色ベクトルの両側で対称と
なる3原色での色の比率を求め、且つ平均の輝度信号を
取り込み、一定の係数等を乗じて、各色についての絞り
量制御信号を形成する。
つまり、比較増幅器17の出力で一画面分の絞り量が自
動制御されることになるため、さらにMPU44によって、
各色の照明状態になると、その色の照明状態ごとに、絞
り19の絞り量が大きくあるいは小さく制御し、平均の色
付近の両側の色での照明光量が対称的に大きく設定さ
れ、従って、平均の色付近では微妙な色合いが拡大(強
調)して表示されることになる。例えば、平均色が赤で
あると、この赤の両側で対称的となる縁、青での照明強
度が(絞り量を小さくする等して)大きくされる。この
場合、白色照明からずれることになるが、一画面での平
均の色相は殆んど変わらないように保持される。つま
り、この色強調によって、色層が不確定に変わってしま
うことを防止し、平均の色については色強調を行わない
場合と同一に保持てきるようにしているので、診断する
場合、好都合である。尚、この色強調はスイッチSwによ
って色強調のオン,オフを選択できる。この色強調以外
の部分については、第1図に示すものと同様である。
尚、色強調を行う大きさを可変設定したり、色強調の
大きさを表示画面に表示させることもできる。尚、上記
MPU44を用いないで、積分器42,43の出力をA/D変換器を
介してその平均の色の両側となる色を書き込んだROMに
印加し、それら両側の色を読みだし、この読みだされた
色に基づいて、絞り19を制御するようにしても良い。
尚、ラチチュード補正回路28において、高域フィルタ
等を通して、照明むらによる低域側の影響を低減して、
ラチチュードを改善することもできる。
又、本発明は内視鏡に限らず、固体撮像素子を用いた
カメラ等にも適用できる。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、γ補正回路とラチ
チュード補正回路とを設けると共に、γ補正回路をA/D
変換する前段に、ラチチュード補正回路をマトリックス
回路を経た輝度信号に対して行うようにしてあるので、
簡単な構成で照明むら等の影響を軽減してラチチュード
を改善した診断し易いカラー画像を得ることができる。
又、ラチチュード補正時の量子化誤差を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本発明の1実施例に係り、第1図
は1実施例を備えた電子スコープの構成を示す構成図、
第2図はラチチュード補正回路の構成例を示すブロック
図、第3図は第2図のラチチュード補正回路の入出力特
性を示す特性図、第4図は本発明の他の実施例を示す構
成図である。 1……電子スコープ、2……挿入部 3……結像レンズ、4……固体撮像素子 5……ライトガイドファイバ 6……光源装置、8……光源ランプ 13……回転フィルタ、14……プリアンプ 15……AGC回路、16……積分器 17……比較増幅器、18……絞り駆動回路 19……絞り、21……γ補正回路 22……A/D変換器 28……ラチチュード補正回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の異なる波長領域の照明光を時系列的
    に順次被写体に固体撮像素子でこの被写体像を撮像し、
    前期固体撮像素子を用いて撮像された面順次の画像信号
    をA/D変換器でA/D変換してフレームメモリに書き込み、
    且つフレームメモリから読み出してカラー表示モニタに
    表示可能とする内視鏡において、前記A/D変換器の前段
    側にγ補正回路を設けると共に、A/D変換器の後段側
    で、前記面順次画像信号を変換して得られる輝度信号に
    対してラチチュード補正を行うラチチュード補正回路を
    設けたことを特徴とする内視鏡用画像信号処理回路。
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