JP2546793B2 - 粒状ないし粉末状炭素微粒子の製造方法 - Google Patents

粒状ないし粉末状炭素微粒子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、粒状ないし粉末状の炭素微粒子の製造方法
に係り、さらに詳細には粒状ないし粉末状のフェノール
・ホルムアルデヒド樹脂を炭化焼成することによって、
炭化収率が高く、高純度で、強度と耐摩耗性にすぐれた
粒状ないし粉末状の炭素微粒子を製造する方法に関す
る。
(従来の技術) 炭素粉末は、導電性を有し、耐熱性、耐化学薬品性あ
るいは耐摩耗性にすぐれているので、耐熱フィラー、複
合材料の強化材、摺動性改良材あるいは導電性付与材と
して、自動車部品、電気部品、産業機械、事務機器等の
分野において幅広く用いられている。しかしながら、従
来の炭素粉末は原料として天然黒鉛、石炭、コークス、
各種ピッチあるいはヤシガラ等の天然物を用いることが
多い。従って、これらの原料から得られる炭素粉末には
成分として硫黄やハロゲン化合物あるいは金属酸化物を
多量に含むので、電子部品や機械部品等の応用において
は、金属腐触等の問題がある。又、天然原料を用いたも
のは、形状がブロックあるいは塊状物なので炭化焼成の
前あるいは炭化焼成後に粉砕加工の必要があり、従って
得られた炭素粉末の破断面は尖っているので、樹脂やゴ
ムへの分散性、流動性が良くないばかりでなく、摺動材
やシール材への応用においては耐摩耗性の損われること
がある。更に従来の炭素粉末は、樹脂やゴムへの混練に
おいて炭素粉末がお互いに凝集し易く、製品のバラツキ
の原因にもなる。更に強化材等の用途においては、より
機械強度に優れたものが要求されている。
従来の炭素粉末の原料としては更に、レゾール樹脂や
ノボラック樹脂等のフェノール樹脂を必要に応じてヘキ
サメチレンテトラミン等の硬化剤を用いて加熱硬化した
ものが挙げられるが、この場合には合成樹脂原料であ
り、炭化焼成によって高純度の炭素が得られるが、炭化
収率が低くまた上記したような粉砕加工を必要とするの
で、性能と価格において実用的でない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者等はかゝる問題点に着目して鋭意検討した結
果、本発明を完成したものである。
本発明の目的は、高純度の炭素微粒子を提供するにあ
る。他の目的は、形状が球状ないし粒状で、粒径が数ミ
クロンで且つ適当に分布しており、従って樹脂やゴム等
への分散性、流動性に優れた炭素微粒子の製造方法を提
供するにある。
更に他の目的は、強度や耐摩耗性等の機械的特性にす
ぐれた炭素微粒子の製造方法を提供するにある。更に他
の目的は、以下の説明にて明らかである。
(問題点を解決するための手段) 上述の目的は、 (A) 粒径が0.1〜150ミクロンの球状一次粒子、およ
びその二次凝集物を含有し、そして (B) 少なくとも全体の50重量%が100タイラーメッ
シュの篩を通過し得る大きさであり、且つ (C) メタノール溶解度が20%以下である 粒状ないし粉末状のフェノール・ホルムアルデヒド樹
脂を非酸化性の雰囲気下に少なくとも500℃の温度で炭
化焼成することによって達成される。
この場合、本発明に用いられる粒状ないし粉末状のフ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂は、フェノールとホル
ムアルデヒドの重縮合によって得られたその大部分が0.
1〜150ミクロンの球状ないし粒状の硬化物であり、耐熱
性にすぐれ、比重が1.2〜1.3と小さいので、その形状の
まま炭化焼成することによって、炭化収率が高く、強度
や耐摩耗性にすぐれ、純度の高い球状ないし粒状の本質
的に等方性の炭素微粒子として工業的容易に製造し得
る。
本発明方法に使用される粒状ないし粉末状のフェノー
ル・ホルムアルデヒド樹脂は既知の方法、例えば、特開
昭57−177011号、特開昭58−17114号によって製造した
ものが使用できるが、その概要を次に示す。
室温下、15〜22重量%の塩酸と7〜15重量%のホルム
アルデヒドとからなる混合水溶液を撹拌しながら、フェ
ノールまたはフェノールと尿素、メラミン、アニリン等
の含窒素化合物とからなる混合物を該混合水溶液に対し
て15分の1以下の割合で加え、反応系内に白濁が生成す
る前に撹拌を停止し静置する。静置している間に反応系
内にはピンク色の粒状フェノール樹脂が生成・沈降す
る。
次ぎに、反応系全体を再度撹拌しながら60〜90℃の温
度にまで加熱・昇温して反応を完了せしめた後水洗し、
引続き0.1〜1重量%のアンモニア水溶液で中和処理
後、水洗、脱水、乾燥する。
粒状フェノール樹脂は、その殆んどが粒径0.1〜150μ
の一次粒子またはその二次凝集物からなり、少なくとも
全体の50重量%、好ましくは90重量%が100タイラーメ
ッシュの篩を通過し得る大きさであるが、1〜50μの間
にピークを有するように分布している。本発明において
粒径0.1μ未満の樹脂は殆んど含まれないが、150μを越
えるものは炭化焼成後にゴムや樹脂への混練において分
散性、流動性が悪く、得られた製品の摺動性やシール性
を損う傾向にある。
本発明に係る粒状フェノール樹脂は、液体クロマトグ
ラフィーによる測定値として遊離フェノール含有量が50
ppm以下、好ましくは10ppm以下であり、実質的に無水の
メタノール500ml中で、加熱還流した場合に、下記式 で表わされるメタノール溶解度が20重量%以下、好まし
くは10重量%以下であるが、遊離フェノール含有量やメ
タノール溶解度の大きいものは炭化焼成時に粒子が融着
したり、低沸点物が分解して炭化収率が低下する傾向に
ある。
本発明に用いられる粒状ないし粉末状のフェノール・
ホルムアルデヒド樹脂成分は、フェノールとホルムアル
デヒド、またはフェノールとホルムアルデヒドと含窒素
化合物とからなり、いずれも炭素微粒子の原料として好
適であるが、炭化収率や導電性あるいは機械強度におい
て、フェノールとホルムアルデヒドを原料に用いた樹脂
がすぐれている。しかし比表面積を付与した吸着、脱色
用のいわゆる活性炭微粒子の用途においては、フェノー
ルとホルムアルデヒドおよび含窒素化合物からなる樹脂
が好ましい場合がある。
本発明における炭化焼成は非酸化性雰囲気下、通常は
200℃以下の温度から少なくとも500℃、好ましくは600
〜2,000℃の温度にまで昇温することによって行うが、
炭化焼成の最高温度が500℃未満では長時間保持しても
目的とする導電性や機械強度にすぐれた炭素微粒子は得
難い。上記最高温度の設定は炭素微粒子の使用目的に応
じて任意に選定できるが、500〜700℃の場合は半導体の
導電性を有し、樹脂やゴムとの親和性がよい。又700℃
以上の場合は高導電性品が得られる。
本発明における炭化焼成は、非酸化性雰囲気下、通常
分子状酸素を実質的に含まない雰囲気、例えば窒素、ヘ
リウム、アルゴン、水素、および一酸化炭素から選ばれ
る少なくとも1種を主たる雰囲気の気体として含有する
雰囲気下で実施する。炭化焼成の温度および雰囲気は、
得られる炭素微粒子の性質に与える影響が大きい。
例えば、水蒸気、二酸化炭素、これらの混合ガスある
いはこれらと上記した非酸化性ガスとの混合物の雰囲気
下で約600〜1,000℃の温度で炭化焼成を実施した場合に
は、比表面積の大きな炭素微粒子が得られる。
本発明方法によれば、既に前述したところから理解で
きるように、半導体の導電性を示すものとして得られる
かあるいは導体の導電性を示すものとして得られるか、
表面積の大きいものとして得られるかあるいは小さいも
のとして得られるか等は炭化焼成の条件例えば温度、雰
囲気等によって任意に選択できる。
本発明によって得られた炭素微粒子はその殆んどが粒
径0.1〜150ミクロンであるが、炭化焼成時に発生した分
解ガス等によって粒子が融着することがあるので、この
場合は例えばエアージェット等で粒子の融着を解除して
もよい。更に目的によっては篩等を通過させたり、分級
して用いてもよい。
(発明の効果) かくして本発明にて得られる炭素微粒子は、粒状ない
し粉末状のフェノール・ホルムアルデヒド樹脂を加熱し
炭化焼成したものなので、硫黄、ハロゲン化合物、金属
酸化物等を殆んど含まず純度が高い。従って、例えば、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、
テフロン、ポリフェニレンスルホン等の樹脂や各種ゴム
に混合して用いた電子部品、電気部品、事務機器等にお
いて配線や金属が錆るようなこともなく、又炭化珪素の
ような金属炭化物の炭素原料としても最適である。
又本発明の炭素微粒子は、実質的に等方性炭素であ
る。このことは、X−線回折図における回折角(2θ)
23〜24度付近のブロードなピークの存在によっても確認
できるが、粒子の破断面のガラス状光沢からも所謂“ガ
ラス状カーボン”であると認められる。本発明における
炭素微粒子は、他のガラス状カーボンと同様比重が1.4
〜1.6と小さく、機械強度や耐摩耗性にもすぐれている
ので、ギヤー、軸受、接点、ロール、メカニカルシール
等のシール材、摺動材等の充填材としても効果が大き
い。
更に本発明の炭素微粒子は、形状が球状ないし粒状で
あり、しかも粒径はその殆んどが1〜50ミクロンの間に
分布しているので、各種の樹脂やゴムへの分散性、流動
性は他の炭素粉末に比べて著るしくすぐれているので大
量に配合し得るばかりでなく、最密充填が可能であり、
しかも粒子間の凝集も殆んど起らない。
通常の炭素粉末は樹脂やゴムへの混合において、配合
量が増加するに従って、流動性と分散性の低下が顕著で
あり、得られた成形品の強度が損われるが、本発明にお
ける炭素微粒子は上記したような形状と性質によって、
樹脂やゴムへの分散性や流動性がよくしかも得られた製
品の強度がむしろ向上することは驚くべきことである。
上記したような特長を有する本発明の炭素微粒子は、
各種樹脂やゴムに配合することによって、強化材、シー
ル材、摺動材、耐蝕材、導電材、電極材、着色材、吸着
材極めて広範囲での使用が可能である。
(実施例) 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお、実施例における試料の測定は次の方法により行
った。
1. 0.1〜150μ粒子の測定法 1つの試料から約0.1gのサンプルをサンプリングす
る。このようなサンプリングを1つの試料について異な
る場所から5回行なう。
サンプリングした各約0.1gのサンプルの各1部を、そ
れぞれ顕微鏡観察用スライドグラス上に載せる。スライ
ドグラス上に載せたサンプルは観察を容易とするため、
できるだけ粒子同志が重なり合わないように拡げる。
顕微鏡観察は、光学顕微鏡下視野に粒状ないし粉末状
物および/またはその二次凝集物が10〜50個程度存在す
る箇処について行うようにする。通常倍率102〜103倍で
観察するのが望ましい。光学顕微鏡下視野に存在する全
ての粒子の大きさを光学顕微鏡下視野中のメジャーによ
り読みとり記録する。
0.1〜150μの粒子の含有率(%)は次式にて求められ
る。
N0:顕微鏡下視野で寸法を読みとった粒子の全個数。
N1:N0のうち0.1〜150μの寸法を有する粒子の個数。
1つの試料についての5つのサンプルの結果が平均値
として0.1〜150μの粒子の含有量を表わす。
2. 100タイラーメッシュ篩通過量 乾燥試料を、必要により十分に手で軽くもみほぐした
のち、その約10gを精秤し、5分間で少量ずつ100タイラ
ーメッシュの篩振とう機(篩の寸法:200mmφ、振とう条
件:200RPM)に投入し、試料投入後更に10分間振とうさ
せる。100タイラーメッシュ通過量は次式にて求める。
W0:投入量(g) W1:100タイラーメッシュ篩を通過せずに篩上に残存した
量(g) 3. フリーフェノール含量の定量 100タイラーメッシュ通過の試料約10gを精秤し、100
%のメタノール190g中で30分間還流下に加熱処理する。
ガラスフィルター(No.3)で過した液を、高速液体
クロマトグラフィー(米国、ウォーターズ社製6000A)
にかけ液中のフェノール含量を定量し、別個に作成し
た検量線から該試料中のフリーフェノール含量を求め
た。
高速液体クロマトグラフィーの操作条件は次のとおり
である。
装置:米国ウァーターズ社製6000A カラム担体:μ−Bondapak C13 カラム:径1/4インチ×長さ1フィート カラム温度:室温 溶離液:メタノール/水(3/7、容積比) 流速:0.5ml/分 デイテクター:UV(254nm)、Range0.01(1mV) 液中のフェノール含量は、予め作成した検量線(フ
ェノール含量とフェノールに基づくピークの高さとの関
係)から求めた。
4. 耐アルコール性試験 試料約10gを精秤し(その精秤重量をWDとする)、100
%のメタノール約500ml中で30分間還流下に加熱処理す
る。ガラスフィルター(No.3)で過し、更にフィルタ
ー残試料をフィルター上で約100mlのメタノールで洗浄
し、次いでフィルター残試料を70℃の温度で2時間乾燥
した(その精秤重量をW1とする)。次式にてメタノール
溶解度を求めた。メタノール溶解度が小さいほど耐アル
コール性は良好である。
5. 嵩密度 100mlの指標のところですり切になっている100mlのメ
スシリンダーに、メスシリンダーのふち上方2cmのとこ
ろから、100タイラーメッシュ通過の試料を注ぎ込む。
次式によって嵩密度を求める。
W:100ml当りの重量(g) 6. 見掛比重 浮沈法により測定した。
7. 電気比抵抗値 10mm角の鋼板の底を付けたプラスチックの10mm角容器
に、測定用の粉末を10kg/cm2の圧力をかけながら10mmの
厚みに迄充填した後、10mm角の鋼板で蓋をし、鋼板の底
と鋼板の蓋の間の電気抵抗を測定し、電気比抵抗を求め
た。
〔粒状フェノール樹脂の製造〕
40の反応溶液4個の夫々に、18重量%の塩酸と9重
量%のホルムアルデヒドとからなる混合水溶液を30kg入
れた。それぞれのフラスコに、28℃の温度で撹拌しなが
ら、下記Run No.1〜Run No.3に示す組成の混合水溶液を
所定量添加した。
いずれの場合も該混合水溶液を投入後更に撹拌し続け
ていると、15〜60秒間で急激に白濁した。白濁と同時に
撹拌を中止し、そのまま静置した。内温が徐々に上昇
し、白濁してから30分後にはいずれにもピンク色(Run
No.1とRun No.2)又は白色(Run No.3)のスラリー状あ
るいは樹脂状物の生成がみられた。次いで各々の内容物
を撹拌しながら80℃にまで60分間で昇温し、次いで80〜
81℃の温度で20分間、加熱、撹拌した。
上記各々の内容物を水洗した後、0.2重量%のアンモ
ニア水溶液中、60℃の温度で60分間処理し、水洗後、10
0℃の温度で60分間乾燥した。
第1表に、上記方法で得た反応生成物の収率、0.1〜1
50μ粒子の含有率、100タイラーメッシュ篩通過量、フ
リーフェノール含有量、メタノール溶解度および嵩密度
を示した。
実施例1 上記Run No.1〜Run No.3で得た粒状ないし粉末状のフ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂各100gを横型のシリコ
ニット発熱炉に挿入した内径100mmφのアルミナ燃焼管
内に静置し、窒素ガスを200ml/minの割合で流しながら
炉内の温度を室温から800℃の温度にまで2時間を要し
て昇温した後、800℃の設定温度で30分間保持した。
第2表には、得られた炭素微粒子の手で軽くもみほぐ
したものの、炭化収率、不純物元素としての鉄(Fe)、
イオウ(S)、塩素(Cl)含有量、見掛比重、0.1〜150
μ粒子含有率および電気比抵抗率をRun No.4〜Run No.6
に示した。この場合、100タイラーメッシュの篩通過量
はいずれも100重量%であった。
炭素粉末の対照品としてRun No.7〜Run No.9にシース
ト5H(東海カーボン社製)、V−XC−72R(キャボット
社製)、ケッチェンブラックEC(ライオンアクゾー社
製)を示した。
第2表中、不純物元素含有率は螢光X線により測定し
た。又、対照品(Run No.7〜Run No.9)の見掛比重は1.
5〜1.9の間でバラツキが大きかった。
実施例2 Run No.1で得た粒状ないし粉末状のフェノール・ホル
ムアルデヒド樹脂400gを8等分して、各々50gを内寸法5
0mm×50mm×100mmの黒鉛ルツボに充填した後、黒鉛板の
蓋をした。この場合、黒鉛板の蓋は分解ガスを出易くす
るため蜂巣状に穴の開いたものを用いた。
次いで、上記黒鉛ルツボを実施例1で用いた電気炉の
燃焼管内に静置した後、100ml/minの割合でアルゴンガ
スを流しながら炉内温度を室温から450℃(Run No.1
0)、520℃(Run No.11)、610℃(Run No.12)、660℃
(Run No.13)、720℃(Run No.14)、850℃(Run No.1
5)、1500℃(Run No.16)および1800℃(Run No.17)
にまで300℃/時の速度で昇温した後、各々の温度で3
時間保持した。
第3表に上記方法によって得た熱処理品の収量、見掛
比重、0.1〜150μ粒子含有率、100タイラーメッシュ篩
通過量および電気比抵抗値を示す。
なお、上記第3表における100タイラーメッシュ篩通
過量は、手で軽くもみほぐした場合は全て100重量%で
あった。
実施例3 Run No.1〜Run No.3の粒状ないし粉末状フェノール・
ホルムアルデヒド樹脂各々100gを実施例1のアルミナ燃
焼管内に静置し、80℃の熱水中を通過せしめた水蒸気含
有窒素を200ml/minの割合で送り続けながら、室温から8
50℃の温度迄60分間で昇温し、更に850℃の温度で15分
間保持した後冷却して取り出した(Run No.18〜Run No.
20)。
第4表に、使用原料の種類、炭化収率、BET法(N
2法)による比表面積、20℃における各々1,000ppmのベ
ンゼン、臭化メチルの飽和吸着量および電気比抵抗値を
示す。
〔参考例1〕 Run No.4で得た炭素微粒子とエポキシ樹脂(エポミッ
クR−140<三井石油化学社製>100部、ジミアンジアミ
ド3.5部、ベンジルジメチルアミン0.3部)を種々の割合
で混合し(Run No.21〜Run No.26)、夫々の試料を加熱
プレス機の間で予め180℃に加温しておいた金型を用い
て200kg/cm2の加圧下に120分間熱処理して寸法が10mm角
で厚み3.5mmの試験片と寸法が13mm×3mm×120mmの試験
片を各々について各5個作成した。Run No.18/エポキシ
樹脂=60/40についても同様に試験片を作成した(Run N
o.27)。
対照試験として、Run No.7〜Run No.9の炭素粉末と上
記のエポキシ樹脂を用いて同様に成形した(Run No.28
〜Run No.30)が炭素粉末が60重量%以上の配合につい
ては、混合樹脂が粘着し目的とする試験片が得られなか
った。
第5表に、炭素粉末の組成、圧縮強度、曲げ強度およ
び電気比抵抗値を示す。
第5表中に、圧縮強度及び曲げ強度は、JIS−K−691
1に準じて測定した。又電気比抵抗は、JIS−R−7202に
準じ電圧降下法で測定した。
〔参考例2〕 Run No.1とRun No.15の繰り返しにより作成した炭素
微粒子と6ナイロン(カネボウ合繊製、品番112L)を二
軸の混練機(TEX−30、日本製鋼所)を用いて各種の割
合で混練して得た混合ペレット(Run No.31〜Run No.3
4)を射出成形機(J−150SA、日本製鋼所)にて成形し
た。かくして得た曲げ試験用ダンベルを用いて、曲げ強
度と電気比抵抗値を測定した結果を第6表に示す。又射
出成形機にて成形して得たプレートを用い限界PV値、摩
耗量及び摩擦係数を測定した結果を同様に第6表に示
す。
なお第6表における曲げ強度と電気比抵抗は参考例2
に準じて測定した。限界PV値、摩耗量、摩擦係数は下記
方法にて測定した。
・限界PV値: 測定機−東洋ボールウインModel EFM−III−F すべり面断面積 2cm2 すべり速度 60cm/sec 相手鋼材 S−45C サンドペーパー800# 仕上げ 各荷重保持時間 10分 ・摩擦量の測定: 1.5Kg/cm2 摺動速度1m/sec 距離 1,000m時の摩擦量 ・摩擦係数: ASTM D−1894
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−242906(JP,A) 特開 昭61−183110(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 粒径が0.1〜150ミクロンの球状一
    次粒子、およびその二次凝集物を含有し、そして (B) 少なくとも全体の50重量%が100タイラーメッ
    シュの篩を通過し得る大きさであり、且つ (C) メタノール溶解度が20%以下である粒状ないし
    粉末状のフェノール・ホルムアルデヒド樹脂を非酸化性
    の雰囲気下に少なくとも500℃の温度で炭化焼成するこ
    とを特徴とする粒状ないし粉末状炭素微粒子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】球状一次粒子がその少なくとも30重量%が
    粒径0.1〜150ミクロンのものである特許請求の範囲第
    (1)項に記載の方法。
  3. 【請求項3】球状一次粒子およびその二次凝集物がその
    少なくとも90重量%が100タイラーメッシュの篩を通過
    し得る大きさのものである特許請求の範囲第(1)項又
    は第(2)項に記載の方法。
  4. 【請求項4】球状一次粒子およびその二次凝集物がメタ
    ノール溶解度10重量%以下のものである特許請求の範囲
    第(1)〜(3)項のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】球状一次粒子およびその二次凝集物が遊離
    フェノール含有量50ppm以下のものである特許請求の範
    囲第(1)〜(4)項のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】非酸化性雰囲気が分子状酸素を実質的に含
    まない特許請求の範囲第(1)〜(5)項のいずれかに
    記載の方法。
  7. 【請求項7】非酸化性雰囲気が窒素、ヘリウム、アルゴ
    ン、水素又は一酸化炭素を気体として含有して成るもの
    である特許請求の範囲第(6)項に記載の方法。
  8. 【請求項8】非酸化性雰囲気が、水蒸気又は二酸化炭素
    を主たる気体として含有して成るものである特許請求の
    範囲第(6)項に記載の方法。
  9. 【請求項9】炭化焼成が600〜2000℃の温度で行われる
    ものである特許請求の範囲第(1)〜(8)項のいずれ
    かに記載の方法。
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