JP2546765B2 - 氷利用施設の製氷装置 - Google Patents

氷利用施設の製氷装置

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JP2546765B2 JP4314372A JP31437292A JP2546765B2 JP 2546765 B2 JP2546765 B2 JP 2546765B2 JP 4314372 A JP4314372 A JP 4314372A JP 31437292 A JP31437292 A JP 31437292A JP 2546765 B2 JP2546765 B2 JP 2546765B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,氷利用施設の製氷法お
よび装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アイススケート,アイスホーケー,ボブ
スレー等の氷を用いる遊戯・スポーツ施設では,製氷や
補氷を適切且つ迅速に行うことが必要とされる。
【0003】かような氷利用施設に対する従来の製氷
は,冷凍サイクルの冷媒(フロンやアンモニア等)をリ
ンクやコースに埋め込まれた製氷コイルで直膨式に蒸発
させて行う方式が多く採用されている。また,冷凍機で
作ったブラインを該コイルに循環させる方式も採用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来の製
氷法では,施工不良や経年変化によって冷媒漏れやブラ
イン漏れが発生するおそれがある。特に定期的に行うメ
インテナンス時にはストレーナの掃除等を行うさいに必
然的に漏れが発生する。或る報告によれば,設備系内の
保有冷媒量の5%が一年に放出される計算となると言わ
れている。
【0005】フロン漏れはオゾン層破壊の問題を生じ,
アンモニアやブライン漏れも空気汚染や土壌汚染の原因
となり,環境保護の点からその回避策が急務となってい
る。
【0006】本発明は,かような状況に鑑み,冷媒やブ
ラインを用いないで氷利用施設の製氷を行うことを目的
としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,屋内外
の氷利用施設の製氷を行うさいに,圧縮空気を膨脹機で
膨脹させて−5℃以下の空気を作り,この低温空気で水
を直接的または間接的に零℃以下に冷却することを特徴
とする。
【0008】すなわち本発明によれば,請求項1に記載
したとおり,空気の経路に,空気圧縮機,圧縮空気冷却
器,膨脹機および製氷用冷風器を空気流れの順に配置
し,該製氷用冷風器を経た空気を再び空気圧縮機に戻
路を設けてなる空気循環処理装置であって前記の圧
縮空気冷却器が冷却水と圧縮空気を熱交換する水対空気
熱交換器と,該製氷用冷風器を経た空気と圧縮空気を熱
交換する空気対空気熱交換器とからなる氷利用施設の製
氷装置を提供する。この圧縮空気冷却器は,これら二つ
の熱交換器のほかに,請求項2に記載したとおり,外気
と圧縮空気を熱交換する空気対空気熱交換器を更に備え
ることもできる。
【0009】
【作用】空気を圧縮して高圧空気(例えば2気圧)とす
れば高温となるので,これを水道水温度や外気温度で常
温近くまで簡単に冷却できる。この常温高圧空気を製氷
用冷風器を経た低温空気でさらに冷却すると低温高圧空
気が得られる。この低温高圧空気を膨脹機で常圧付近に
まで膨脹させれば−5℃〜−45℃程度の低温空気を得
ることができる。
【0010】この零℃以下の空気を水滴や水膜流に直接
的に接触させれば,無公害で製氷が行える。またこの零
℃以下の冷風を,リンクやコース内に埋設した冷風管に
通風すれば,氷リンクや氷コースを屋内外で作れる。冷
風管を通過したレタン空気は再び圧縮・冷却・膨脹にリ
サイクルすることができる。
【0011】そして,圧縮空気を冷却するのに外気や水
道水を用いた場合には,温風と温水が得られるので,こ
れを施設の暖房や保温用に使用することができる。
【0012】
【実施例】 図1は,本発明に従う空気循環処理設備の
機器配置を示したものである。この空気循環処理設備
は,図示のように閉鎖した空気循環路に,空気圧縮機
1,圧縮空気冷却器2(第一熱交換器2A,第二熱交換
器2B,第三熱交換器2Cからなる),膨脹機3および
製氷用冷風器4を空気の流れの順に配置し,製氷用冷風
器4を経た空気を再び空気圧縮機1に戻す経路5(
下,レタン経路と略称する)を設けてある。
【0013】圧縮機1は電動機6で駆動する動力式のも
のが使用され,約2気圧の高圧空気を作る。膨脹機3は
高圧空気を常圧より若干高い圧まで減圧膨脹させ,その
膨脹エネルギーは圧縮機1の駆動力の一部として動力回
収ができる。
【0014】図示の設備では,圧縮機1から膨脹機3に
至る空気経路に配置する圧縮空気冷却器2として,第一
熱交換器2A,第二熱交換器2Bおよび第三熱交換器2
Cが設けてある。
【0015】第一熱交換器2Aは圧縮空気を冷却水を用
いて冷却するための水対空気熱交換器である。冷却水と
しては施設稼動時期が冬期の場合には通常の水道水を用
いて圧縮空気の冷却ができる。
【0016】第二熱交換器2Bは圧縮空気を空気を用い
て冷却するための空気対空気熱交換器である。この冷却
用空気としては,施設稼動時期が冬期の場合には外気を
そのまま使用することができる。
【0017】第三熱交換器2Cは空気対空気熱交換器で
ある。これは,圧縮機1に戻るレタン経路5の空気(製
氷後も低温を維持している空気)の冷熱を利用して圧縮
空気を冷却するために利用される。これにより,レタン
空気の温度が昇温し,圧縮機1に戻る空気温度が高くな
り,且つ膨脹器3に入る空気温度が下がるので,サイク
ルの成績係数を上昇させることができる。
【0018】製氷用冷風器4は,膨脹機3で得られる低
温空気をその中に通気し,その周囲の温度を零℃以下に
下げて氷を生成させるための製氷用熱交換器である。こ
れは氷利用施設の氷リンクやコースを形成する箇所に埋
設され,必要な氷層を形成するのに供される。氷層の位
置や形態によっては多数本の通気管で構成することもで
きるが,フイン付熱交換コイルとして,或いは伝熱材料
内に通気管を埋設した面熱性の熱交換器として該施設に
供される。
【0019】氷利用施設によっては,膨脹機3で得られ
る低温空気の一部はホース7を経て外部に放出させる。
このホース7の先端に,弁またはダンパー9を介してノ
ズル10を取付け,ノズル10から意図する位置に低温
空気を放出させ,放出した低温空気と水とを直接接触さ
せて,意図する箇所に必要量の氷を生成させる。例え
ば,散水ノズルとこのノズル10とを用いて,散水ノズ
ルからの噴霧水を氷滴にしてこれを氷リンクやコースの
補氷箇所に吹付けたり,補氷箇所に水膜を作り,この水
膜にノズル10から低温空気を吹付けて該水膜を氷結さ
せる。
【0020】前述のように空気の一部をクローズドサイ
クル系から放出させる場合には,これに見合う空気を系
内に取入れる。これは,第三熱交換器2Cを経た後の製
氷用冷風器4から空気圧縮機1に戻るレタン経路5で取
入れるのがよい。すなわち,図1のように弁またはダン
パー11を介装した外気取入管路12をレタン経路5に
接続し,弁またはダンパー11の操作で,必要量の外気
を閉鎖経路内に取入れる。
【0021】外気を系内に取入れる場合には湿分の除去
が問題となるが,これは,空気圧縮機1の上流側に吸着
器8を介装することによって解決できる。この吸着器8
としては,シリカゲル等の吸湿剤を用いた乾式除湿器を
用いるのが便宜である。この場合,吸湿剤の再生を行う
ことが必要となるが,ムンター式(回転式の再生機能を
もつ除湿機)のほか,再生と吸湿とを切替式に行う二塔
式のものも使用できる(図1の例では二塔式の例を示し
ている)。
【0022】このように構成された循環式空気処理設備
を用いて或る氷利用施設の製氷を冬期に行う場合の該設
備の諸元は,例えば次のとおりである。 氷利用施設における製氷のための冷却面積:4500m2 同施設の製氷のための最大負荷:350kcal/h.m2 同施設の製氷のための平均負荷:150kcal/h.m2 必要風量:3000m3/min として,わが国の12月から2月の三ケ月に稼動する場
合,水道水の平均温度が5℃,外気の平均気温が6.4 ℃
とする。
【0023】この場合,製氷用冷風器4に供給する冷風
温度を−45℃,この製氷用冷風器4から出る空気温度
が−15℃に設定し,形成される氷の表面温度を−1〜
−3℃に維持する場合には,本設備による運転状況は図
1に示したとおり,次のようになる。
【0024】圧縮機1の出口空気が88℃で2気圧とな
るように稼動し,第一熱交換器2Aでは5℃の水を通水
し,60℃程度まで昇温する。第二熱交換器2Bでは2
0℃より低い外気(6.4 ℃)を通気し,この外気を40
℃程度まで昇温する。これにより圧縮空気を20℃まで
冷却する。得られる温水と温風はいずれも施設の暖房用
や保温用に利用できる温度となる。
【0025】膨脹機3では−45℃で常圧より若干高圧
(例えば1.1 気圧)の空気とし,これを製氷用冷風器4
に送り,前記諸元の施設で製氷し,−15℃の空気とし
て第三熱交換器2Cに通し,ここで15℃に昇温して圧
縮機1に戻す。
【0026】これによって,乾き空気1kgあたりの冷凍
能力:7.32Kcal,成績係数:0.8の冷凍サイクルが形
成できる。得られる温水と温風等の熱量は16.43Kcal
/kg'で, 成績係数:1.8となり,系内全体の成績係数:
2.6が形成できる。
【0027】図2および図3は,本発明に従う循環式空
気処理設備によって屋外ボブスレー競技用の氷コースを
形成する実施例を示したものであり,図2は直線コー
ス,図3は曲線コース付近におけるコースと直交する断
面を示している。
【0028】両図において,13はコンクリート基台,
14はコンクリート基礎,15は防湿層で密封された断
熱材層,16はコース基盤を示している。コースの両脇
にはコースに沿って横シャフト17A,17Bが施設さ
れ,各シャフト内には送風管と送水管が配設されてい
る。送風管は冷風往管18,冷風還管19,レバースレ
タン管20とからなり,送水管は水道水管21と温水管
22からなっている。
【0029】コース基盤16の上には製氷用冷風器4が
設置される。これは,図示の例ではコースを横切るよう
に多数配管された風管からなり,一方のシャフトの冷風
往管18から他方のシャフトの冷風還管19に並列に接
続される風管と,他方のシャフトの冷風往管18から一
方のシャフトの冷風還管19に並列に接続される風管と
を交互に配置した風管群からなる。
【0030】両シャフトの冷風往管18には,図1で説
明したように冷凍サイクルの膨脹機3から冷風が送り込
まれ,製氷用冷風器4を通過したあと冷風還管19から
第三熱交換器2Cを経て圧縮機1に戻される。
【0031】図3に示したように,冷風往管18内の冷
風の一部は,ホース7を介してノズル10から外気に放
出され,コースに向けて吹付けることにより,意図する
箇所の補氷や製氷を行なう。そのさい,送水管20から
適量の水を同時に噴霧することによって,一層効果的な
製氷ができる。とくに,図3のような曲線コースの位置
や日射の多いところでは,ノズル10を利用してコース
の補修を意図するように簡単に行える。
【0032】他方,図1で説明した第一熱交換器2Aや
第二熱交換器2Bでは,温水や温風が取り出されるが,
これは観客席の足元等に温水配管や温風配管を行うこと
により,観客席を温熱環境に形成できる。図示の温水管
22は,手すり23の近傍に立つ観客の足元に温熱が供
給できるように配管してある。また,この温水管22よ
りコース補修時の融氷用温水を取り出し,これをコース
に向けて撒水することにより効果的な融氷ができる。
【0033】図には示していないが,観客用仮設スタン
ドや歩行通路等に対しても,前記の温風を導く温風ダク
トを施設することにより,厳冬期での競技でも観戦環境
を良好にすることができる。
【0034】以上の実施例は屋外での氷上競技施設に本
発明を適用した例であるが,アイススケート等の屋内競
技の場合にも同様に適用できる。この場合,製氷面積や
製氷の厚さや形に応じて,製氷用冷風器4を各種態様の
熱交換器に構成することもできる。例えば,伝熱性モル
タル内部に冷風管を埋設したり,冷風管をフイン付コイ
ルに形成したり,或いはパネル式熱交換器に構成したり
して,冷風管の強度補償と熱伝達の向上を図ることがで
きる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば,空気を媒介として製氷
用の冷熱を得るものであるから,全く無公害に氷利用施
設の製氷が行える。逆に,冷媒である冷風を外気に放出
して製氷に利用することもできる。この場合には,意図
する形態の氷面を簡単に形成できる。加えて,冷風を得
るために採用する圧縮機の圧縮熱を温風や温水の形態で
採熱し,これを温熱環境の形成に利用できるから,動力
エネルギーの有効利用が図れる。また,空気と水だけの
配管施設となるので工事が簡易であり,補修も簡単であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う空気循環処理設備の機器配置を示
した図である。
【図2】本発明に従う循環式空気処理設備によってボブ
スレー競技コース直線部の製氷を行う装置を示す断面図
である。
【図3】本発明に従う循環式空気処理設備によってボブ
スレー競技コース曲線部の製氷を行う装置を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 空気圧縮機 2 圧縮空気冷却器 3 膨脹機 4 製氷用冷風器 5 レタン経路 6 電動機 7 低温空気吹出用ホース 8 吸着器 10 低温空気吹出ノズル 13 コンクリート基台 14 コンクリート基礎 15 断熱材層 16 コースの基盤 17 横シャフト 18 冷風往管 19 冷風還管 20 レバースレタン管 21 水道水管 22 温水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−97850(JP,A) 実開 平2−116653(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気の経路に,空気圧縮機,圧縮空気冷
    却器,膨脹機および製氷用冷風器を空気流れの順に配置
    し,該製氷用冷風器を経た空気を再び空気圧縮機に戻す
    経路を設けてなる空気循環処理装置であって,前記の圧
    縮空気冷却器が冷却水と圧縮空気を熱交換する水対空気
    熱交換器と,該製氷用冷風器を経た空気と圧縮空気を熱
    交換する空気対空気熱交換器とからなる氷利用施設の製
    氷装置。
  2. 【請求項2】 空気の経路に,空気圧縮機,圧縮空気冷
    却器,膨脹機および製氷用冷風器を空気流れの順に配置
    し,該製氷用冷風器を経た空気を再び空気圧縮機に戻す
    経路を設けてなる空気循環処理装置であって,前記の圧
    縮空気冷却器が冷却水と圧縮空気を熱交換する水対空気
    熱交換器と,外気と圧縮空気を熱交換する空気対空気熱
    交換器と,該製氷用冷風器を経た空気と圧縮空気を熱交
    換する空気対空気熱交換器とからなる氷利用施設の製氷
    装置。
  3. 【請求項3】 氷利用施設はボブスレー競技施設である
    請求項1または2に記載の製氷装置。
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