JP2546469B2 - 架空送電線の撚線装置 - Google Patents

架空送電線の撚線装置

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JP2546469B2
JP2546469B2 JP4085698A JP8569892A JP2546469B2 JP 2546469 B2 JP2546469 B2 JP 2546469B2 JP 4085698 A JP4085698 A JP 4085698A JP 8569892 A JP8569892 A JP 8569892A JP 2546469 B2 JP2546469 B2 JP 2546469B2
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宏明 伊藤
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Hitachi Cable Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、螺旋状に突起を有した
架空送電線を成型する架空送電線の撚線装置に係り、特
に、螺旋状に突起を精度よく成型することのできる架空
送電線の撚線装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】架空送電線には、その外周部に連続的に
突起を設け、この突起が架空送電線を螺旋状に取り巻く
ように撚合わせたものがある。架空送電線にこのような
螺旋状の突起を設けると、雪が付着するのを防止する着
雪防止効果と、風音の発生を防止する風音防止効果が生
じることが知らており、これらの効果を利用して難着雪
電線、低騒音電線が作られている。
【0003】架空送電線は、複数の素線を撚合わせて集
合したものであるが、螺旋状の突起は、撚合わせと同時
に成型される。このためには、素線の撚合わせを行う集
合ダイスの加工穴に突起の成型のための溝部を設ける。
集合ダイスは、架空送電線の仕上がり断面に沿うような
略円筒形の加工穴を有し、この加工穴入の口側より複数
の素線を送り込み、加工穴で押圧成型すると共に集合ダ
イスを回転させることにより、出口側から送り出される
架空送電線が所定のピッチで撚合わされると共に略円筒
状に成型されるものである。従って、溝部を設けること
により、溝部を通ってきた突起は、集合ダイスの回転に
伴って架空送電線の周りに螺旋形を描いて形成される。
【0004】従来の集合ダイスは、略円筒形の加工穴を
有し、中心線を含む平面で2分割された所定の長さの分
割片を向かい合わせ、加工穴内に複数の素線を挟み込ん
で径方向内方に押圧できるように構成されている。図6
に示されるように、分割片61は半円筒形の凹部62を
有し、2個の分割片61を合わせると凹部62が加工穴
が形成される。凹部62には、上記突起の成型のための
溝部となるストレート溝63が設けられる。ストレート
溝63は、中心線に対して撚合わせのピッチに合わせて
撚角度に等しい角度を有し、集合ダイスの入口側64か
ら出口側65に真っ直ぐに形成される。従って、集合ダ
イスの側面側から見たストレート溝63の形状は、図6
(b)のB視図に示されるように直線状を呈している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
集合ダイスにあっては、突起の成型のための溝部がスト
レート溝で構成されている。一方、架空送電線の周りに
形成される突起は、螺旋状を呈しているので、中心線に
対する角度は一定であるが径方向の角度は常に変化して
いる。また、ストレート溝は、その底部と加工穴の半円
筒形の内周壁との距離が一定ではなく、入口側から出口
側までの間で深さが均一でない。即ち、ストレート溝は
螺旋形に近似させて設けられるものであり、螺旋状の突
起にはぴったりとは一致しない。
【0006】このようにストレート溝が螺旋状の突起に
一致しないことにより、ストレート溝内で突起がストレ
ート溝側面に不均一に当たることになる。その結果、所
々で突起が歪んで変形してしまうことになり、架空送電
線が理想的な螺旋状突起を有するように仕上がらなくな
ってしまう。上記のような着雪防止効果や風音防止効果
は、突起を螺旋状に形成することにより生じるものなの
で、突起の変形はこれらの効果を低下させることにな
る。
【0007】このような不具合は従来、避けられないも
のとして考えられていたが、架空送電線の諸性能の可及
的な向上を図る上で、解決が臨まれていた。本出願人
は、この問題を解決するためには、上記溝の形状をスト
レート溝から改め新規な形状にすることが必要であると
考えた。このためには、ストレート溝のように簡単な加
工では製造されなくとも、その効果が大きく得られるよ
うな溝であれば利用価値は大であると考えた。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、螺旋状に突起を精度よく成型することのできる架空
送電線の撚線装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、素線を撚合わせ成型する集合ダイスの加工
穴に螺旋状に溝部を形成したことものである。
【0010】また、素線を撚合わせ成型する集合ダイス
の加工穴に成型用コマを装着して螺旋状の突起を形成す
るようにしたものである。
【0011】
【作用】上記構成により、溝部が螺旋形であるので、架
空送電線の外周に形成される螺旋状の突起と溝部とがぴ
ったりと一致する。従って、突起には均一に力が加わる
ことになり、突起が変形することがない。
【0012】また、突起が複雑な輪郭を有する場合や、
突起の幅が架空送電線に対して比較的大きく突起以外の
部分に集合ダイスの加工穴が当たりにくい場合、集合ダ
イスの加工穴に成型用コマを装着して螺旋状の突起を形
成することにより、この成型用コマが形成する螺旋状の
突起が、上記複雑な輪郭や上記突起以外の部分に当たる
ことになるので、成型が正確になる。
【0013】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0014】図1は、本発明に係る集合ダイス1の一部
分を構成する分割片を示している。図1(a)は正面
図、図1(b)は、図1(a)のAから見た側面図であ
る。図示されるように、分割片5は、外殻2の内側に、
加工穴3となる所定の長さの略円筒形の凹部4が形成さ
れている。集合ダイス1は、分割片5の凹部4を互いに
向かい合わせて構成されている。外殻2の両端部はそれ
ぞれ集合ダイス1の入口側6、出口側7を形成してい
る。それぞれの分割片5の凹部4には、集合ダイス1の
入口側6から出口側7に向かって、撚合わせのピッチに
合わせて形成された螺旋状の溝部8が形成されている。
集合ダイス1の側面側から見た螺旋状の溝部8の形状
は、図1(b)に示されるようにカーブしており、図6
のストレート溝との違いがよく表れている。螺旋状の溝
部8は、入口側6から出口側7まで深さが一定である。
【0015】上記集合ダイス1を用いた撚線装置20
は、図2に示される。図示されるように、撚線装置20
は、複数の素線22を径方向外方より軸心に集中して供
給すると共に軸心の周りに回転される撚線機23と、上
記集合ダイス1を保持すると共に集合ダイス1を軸心の
周りに撚線機23に同期して回転させる保持台24とが
設けられている。集合ダイス1は、その入口側6を撚線
機23に臨ませて配置される。また、図示されないが集
合ダイスの出口側7に面して保持台24の下流側には集
合ダイス1より送り出される架空送電線25を巻き取る
ドラム等が設けられている。
【0016】次に実施例の作用を述べる。
【0017】撚線機23より供給されるの複数の素線2
2は、集合ダイス1の入口側6で軸心に集中され、加工
穴3に送り込まれる。加工穴3は分割片5の凹部4が向
かい合わされて略円筒形に形成されると共にそれぞれの
分割片5に螺旋状の溝部8が形成されているので、加工
穴3に押圧された複数の素線22は、図3に示されるよ
うにその断面において略円形を呈し且つ突起33を有す
る架空送電線に成型される。図3に示される断面図にお
いて、5は、集合ダイスの各分割片、22a、22b、
及び22cは、種々の素線である。撚線機23及び集合
ダイス1の回転と、下流側からの巻き取りとに伴い、突
起33が螺旋状に連続的に形成され集合ダイス1の出口
側7から成型された架空送電線25が送り出される。
【0018】上記複数の素線22が撚合わせ成型されて
集合ダイス1を通過する間、突起33は螺旋状の溝部8
に沿ってぴったりと一致したまま移動するので、突起3
3には均一に力が加わることになり、突起33が変形す
ることがない。従って、出口側7より送りだされる架空
送電線25には精度のよい螺旋形の突起が形成されるこ
とになる。
【0019】なお、上記実施例において、好適な結果を
得るための数値を示せば、架空送電線の外径は10〜5
0mm、架空送電線の仕上がりでの突起のピッチ(撚合
わせピッチ)は150〜500mm、溝部のピッチは仕
上がりでの突起のピッチ±10mmとなる。
【0020】次に本発明の他の実施例を説明する。
【0021】図4は、上記実施例の図3に置き換えられ
る集合ダイス及び架空送電線の断面図である。即ち、集
合ダイス1、分割片5、素線22a、22b、22cが
示されている。この実施例では、突起33が単一の突部
ではなく、突起の頂部から径方向内方に窪んで突起の凹
部34を形成しており、突起33の断面は複雑な輪郭を
表している。溝部8は、この突起に対応する形状を呈し
ていなければならない。このような断面輪郭を表す溝部
を分割片5の凹部4に螺旋状に作りつけるのは困難なの
で、幅の広い一段目の溝26を加工し、さらにその溝2
6内に幅の狭い二段目の溝27を加工し、この二段目の
溝に成型用コマ28を装着したものである。成型用コマ
28は、基部が二段目の溝27に嵌合し且つ頂部が一段
目の溝26内に突き出すように取り付けられ、ネジ等で
集合ダイス1に固定される。これにより図4に示される
ような断面が複雑な輪郭をする溝部が、集合ダイス1の
入口側6から出口側7まで螺旋状に形成される。このよ
うな集合ダイス1を図2の撚線装置に用いることによ
り、図4の断面を連続的に螺旋状に有する架空送電線2
5が成型できる。
【0022】次に、図5に示される実施例にあっては、
架空送電線の外径に対して突起の幅が比較的大きい場合
に好適である。図5には集合ダイス1、分割片5、素線
22、突起23が示されている。この例では集合ダイス
1は突起33に当てがわれる部分(図5で径の大きい円
弧に相当)の適宜な位置29を境に分割形成され、これ
とは略直角の位置において、架空送電線の外周(図5で
径の小さい円弧に相当)に、成型用コマ30の頂部があ
てがわれている。成型用コマ30の基部は、螺旋状に形
成された溝部31に嵌合されネジ32等で固定されてい
る。この構成により突起23の幅の広い架空送電線で
も、均一に力が加えられることになり、突起の形状が精
度よく螺旋状に成型されることになる。
【0023】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0024】(1)突起の形状が精度よく螺旋状になる
ので、着雪防止効果や風音防止効果を確実に奏すること
ができる。
【0025】(2)撚合わせ成型時に均一に力が加えら
れるので、押さえがよく利いて爾後撚り戻りが生じにく
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す撚線装置に使用される
集合ダイスの入口側正面図及びA視側面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す撚線装置の構成図であ
る。
【図3】本発明の一実施例を示す集合ダイス及び架空送
電線の断面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す集合ダイス及び架空
送電線の断面図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す集合ダイス及び架空
送電線の断面図である。
【図6】従来例を示す集合ダイスの入口側正面図及びB
視側面図である。
【符号の説明】
1 集合ダイス 3 加工穴 8 溝部 20 撚線装置 22 素線 28 成型用コマ 33 突起

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の素線を撚合わせて集合し架空送電
    線を成型すると共にその外周に連続して突起を同時に成
    型するための撚線装置において、上記素線を撚合わせ成
    型する集合ダイスの加工穴に螺旋状に溝部を形成したこ
    とを特徴とする架空送電線の撚線装置。
  2. 【請求項2】 上記素線を撚合わせ成型する集合ダイス
    の加工穴に成型用コマを装着して螺旋状の突起を形成す
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載の架空送電
    線の撚線装置。
JP4085698A 1992-04-07 1992-04-07 架空送電線の撚線装置 Expired - Lifetime JP2546469B2 (ja)

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