JP2546394Y2 - 天井用給気ダンパ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、給気ダンパに関し、
特に天井裏に配された換気系に対し、柔軟性を有する接
続ダクトを介して接続される天井用給気ダンパに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】給気ダンパは、換気扇等による強制排気
で減圧した室内に屋外から外気の給気を行なうもので、
強制排気による減圧の力を利用して給気路を開口するこ
とにより給気が行なわれるようになっている。

【０００３】ところで、このような給気ダンパを天井裏
の換気ダクトに接続する作業は意外に面倒なものである
が、例えば蛇腹ホースのような柔軟性を有する接続ダク
トを介在させると突き合わせ等が容易になりその作業性
が格段に向上する。しかし一方で、このような柔軟な接
続ダクトの場合には、天井用給気ダンパを保持する剛性
がないため、何らかの方法で天井用給気ダンパを天井に
十分固定する必要性が生じる。

【０００４】そのための固定方法としては、例えば、ビ
スなどを用いることが考えられるが、しかしビスが表に
現れるようでは意匠的に好ましくない。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】そこで、この考案で
は、柔軟性を有する接続ダクトへの接続を簡単に行な
え、しかも天井への固定に用いたビス等が見えることの
ないようにした天井用給気ダンパの提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この考案による天井用給
気ダンパは、天井裏に配された換気ダクトに柔軟性を有
する接続ダクトを介して接続されるもので、接続ダクト
に接続可能とされた筒状の接続部材及びこの接続部材に
接続可能とされた固定部材を含んでなる固定用ユニット
と、給気開口中央にスライド筒が設けられ、固定用ユニ
ットの固定部材を覆うようにされた化粧部材、及びスラ
イド軸が設けられた給気調節部材を含み、そしてスライ
ド筒に挿通させられたスライド軸が弾性体を介しスライ
ド筒に係止させられており、室内側と換気ダクト内との
圧力差により弾性体の付勢力に抗して給気調節部材が化
粧部材の給気開口から離反するようにされてなり、且つ
固定用ユニットに接続可能とされた給気用ユニットとよ
りなり、接続部材を接続ダクトに接続し、また固定部材
を天井に固定し、それから天井に固定済みの固定部材に
対し接続ダクトに接続済みの接続部材を接続することで
固定用ユニットの天井への固定をなした後、この固定用
ユニットに給気用ユニットを接続するようになってい
る。

【０００７】即ちこの天井用給気ダンパを設置するに
は、先ず、接続ダクトの先端を天井の取付け開口から室
内側に出し、この接続ダクトの先端に接続部材を取り付
け、次いでこの接続部材が取り付けられた接続ダクトを
一旦天井裏に引っ込め、そこで固定部材をビスなどで天
井に固定し、それから接続ダクトに取付けの接続部材を
固定部材に固定させる。そしてさらに、このようにして
接続・固定された固定用ユニットに対し給気用ユニット
を組み付けることにより全体の換気ダクトへの接続及び
天井への固定が完了する。

【０００８】このように、この天井用給気ダンパは、そ
れぞれの接続乃至取付けが極めて簡単である各部材を順
に処理することにより接続・固定を行なえるので、その
作業が容易であるし、また固定部材のビスを給気用ユニ
ットで覆うことができるので、ビスの露出を避けること
ができる。

【０００９】上記のような天井用給気ダンパについて
は、接続部材の外周面に係止凸条を設け、また固定部材
は接続部材が嵌合可能な構造に形成すると共に、この固
定部材に接続部材の係止凸条に弾性的に係止可能な係止
爪を設け、そして接続部材を固定部材に嵌合させること
で接続部材の係止凸条に固定部材の係止爪を弾性的に係
止さて接続部材と固定部材との接続をなせるような構造
とすることが好ましく、この構造によると、接続部材と
固定部材との接続をワンタッチ的に行なうことができ、
作業性をさらに向上させることができる。

【００１０】

【実施例】以下この考案の実施例を説明する。この考案
による天井用給気ダンパ１は、図１及び図２に示すよう
に、接続部材２と固定部材３を分解・組立可能に組み合
わせた固定用ユニット４、及び化粧部材５と給気調節部
材６を分解・組立可能に組み合わせた給気用ユニット７
からなっており、この固定用ユニット４及び給気用ユニ
ット７同士も分解・組立可能とされている。

【００１１】接続部材２は、図６に示すような天井裏に
配された換気ダクトＤに例えば蛇腹構造のような柔軟性
を有する接続ダクトＳを介して接続されるもので、図３
に示すように、円筒状に形成されており、その内側面に
は後述の化粧部材５の接続のための螺合用の螺旋凸条１
１が設けられると共に、外周面には後述の固定部材３を
係止させるための係止凸条１２が設けられている。

【００１２】固定部材３は、天井Ｂに固定するためのも
ので、図４に示すように、短円筒状に形成されており、
その下端縁にはビス止め部１３が径方向で複数放射状に
突設されている。また、上端縁にはビス止め部１３と位
置対応させて係止爪１４が高さ方向で複数に突設されて
おり、この係止爪１４、１４、……が接続部材２の係止
凸条１２に係止することにより接続部材２への組付・固
定がなされるようになっている。すなわち、接続部材２
を固定部材３に嵌合させると係止爪１４がその弾性で外
側に反りつつ接続部材２の係止凸条１２を越え、そこで
係止爪１４の爪部１４ｈが係止凸条１２の上面に係止す
るもので、この状態において接続部材２の下端面は支持
突起２０により当接・支持されることになる。

【００１３】化粧部材５は、室内側に露出する部分で、
図１及び図２に示すように、短円筒状に形成された本体
部１５の下端部に化粧フランジ１６を設けて形成されて
いる。そして、化粧フランジ１６の内側には段差部１７
が凹設され、この段差部１７が本体部１５の下部開口と
共に、天井Ｂに沿って横方向に外気を拡散・給気する給
気開口１８とされ、また本体部１５の中央には放射状に
設けられた３本の支持フレーム１９、１９、１９により
支持させて長孔２９付きのスライド筒２１が設けられ、
さらに本体部１５の上端には前述の接続部材２の螺旋凸
条１１に螺合係止させるための螺合爪２２が複数設けら
れている。

【００１４】給気調節部材６は、化粧部材５の給気開口
１８の開閉調節を行なうもので、図１及び図２に示すよ
うに、給気開口１８の径に対応する径の開閉用プレート
２３の中央にスライド軸２４を突設してなっている。そ
して、この給気調節部材６は、弾性体、具体的にはコイ
ルバネ２５を介して化粧部材５のスライド筒２１に組み
付けられるている。詳細には、図５に示すように、スラ
イド筒２１の上下各端に嵌合・固定させたストッパ２
６、２６の間にコイルバネ２５を保持させ、このコイル
バネ２５に挿通させたスライド軸２４を止め環２７にて
コイルバネ２５に係止させている。

【００１５】止め環２７は、コイルバネ２５のバネ定数
を調節するための弾性調節手段でもあるもので、押しネ
ジ２８にてスライド軸２１に固定されており、押しネジ
２８を緩めた状態で長孔２９を利用して止め環２７を上
下させることにより、コイルバネ２５の高さＨを調節し
てバネ定数を変えることができる。つまり、給気のため
に開閉用プレート２３を給気開口１８から離反させるに
ついて必要な減圧力の大きさを変えることができ、した
がって給気量を調節できるものである。

【００１６】このような天井用給気ダンパ１は、図６〜
図８に示すようにして接続ダクトＳへの接続及び天井Ｂ
への固定が行なわれる。先ず、接続ダクトＳの先端を天
井Ｂの取付け開口Ｌから室内側に出し、この接続ダクト
Ｓの先端に接続部材２を例えばアルミテープでテーピン
グして取り付ける（図６）。次いで、この接続部材２が
取り付けられた接続ダクトＳを一旦天井裏に引っ込め、
そこで固定部材３をビスにて天井Ｂに固定する。この固
定には天井Ｂの裏側に配した木桟Ｐを用いるもので、木
桟Ｐとビス止め部１３とで天井Ｂを挟持して固定がなさ
れる（図７）。それから、接続ダクトＳの先端の接続部
材２と固定部材３とを前述したような係止凸条１２への
係止爪１４の係止により係止・接続すれば、固定用ユニ
ット４の接続及び固定が完了する。

【００１７】そして最後に、化粧部材５と給気調節部材
６とを前述のように予め組み立てなる給気用ユニット７
を、螺合爪２２の螺旋凸条１１への螺合により、固定用
ユニット４に対し組み付けて取付けが完了する（図
８）。

【００１８】

【考案の効果】この考案による天井用給気ダンパは、以
上説明してきた如きものであり、柔軟性を有する接続ダ
クトへの接続及び天井への固定を簡単に行なえ、しかも
固定に用いたビス等の露出を避けることができるので意
匠性を損なうことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】給気用ユニットを主に示した天井用給気ダンパ
の断面図。

【図２】図１中の矢示Ａ方向から見た給気用ユニットの
底面図。

【図３】接続部材の断面図。

【図４】固定部材の断面図。

【図５】化粧部材のスライド筒と給気調節部材のスライ
ド軸との接続状態を示す部分斜視図。

【図６】接続部材の接続ダクトへの接続作業を示す説明
図。

【図７】固定部材の天井への固定作業を示す説明図。

【図８】給気用ユニットの固定用ユニットへの組み付け
作業を示す説明図。

【符号の説明】

１ 天井用給気ダンパ ２ 接続部材 ３ 固定部材 ４ 固定用ユニット ７ 給気用ユニット

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井裏に配された換気ダクトに柔軟性を
   有する接続ダクトを介して接続される天井用給気ダンパ
   であって、 接続ダクトに接続可能とされた筒状の接続部材及びこの
   接続部材に接続可能とされた固定部材を含んでなる固定
   用ユニットと、 給気開口中央にスライド筒が設けられ、固定用ユニット
   の固定部材を覆うようにされた化粧部材、及びスライド
   軸が設けられた給気調節部材を含み、そしてスライド筒
   に挿通させられたスライド軸が弾性体を介しスライド筒
   に係止させられており、室内側と換気ダクト内との圧力
   差により弾性体の付勢力に抗して給気調節部材が化粧部
   材の給気開口から離反するようにされてなり、且つ固定
   用ユニットに接続可能とされた給気用ユニットとよりな
   り、 接続部材を接続ダクトに接続し、また固定部材を天井に
   固定し、それから天井に固定済みの固定部材に対し接続
   ダクトに接続済みの接続部材を接続することで固定用ユ
   ニットの天井への固定をなした後、この固定用ユニット
   に給気用ユニットを接続するようになっていることを特
   徴とする天井用給気ダンパ。
2. 【請求項２】 接続部材は外周面に係止凸条を有し、ま
   た固定部材は接続部材が嵌合可能に形成されると共に、
   接続部材の係止凸条に弾性的に係止可能な係止爪を有し
   ており、接続部材を固定部材に嵌合させることで接続部
   材の係止凸条に固定部材の係止爪が弾性的に係止して接
   続部材と固定部材との接続がなされるようになっている
   請求項１に記載の天井用給気ダンパ。