JP2546296Y2 - ロボット用絶縁カバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、配電線作業等のように
ロボットに絶縁性が要求される場合のロボット用絶縁カ
バーに関する。

【０００２】

【従来の技術】高圧電線の近傍で配電工事を行うロボッ
トには、絶縁性が要求され、また屋外での工事であるた
め、水濡れ等からの絶縁も要求される。このような要求
に対処するため、実開昭６３−８８００７号公報には、
図４及び図５に示すように、関節で接続された複数のア
ーム本体１２からなるアーム１４とこのアーム１４の最
先端のアーム本体１２Ａに設けられた手首機構１６とこ
の手首機構１６の先に取付けられた工具把持部１８とア
ーム１４の最先端のアーム本体１２Ａ内に支持骨２４を
介して取付けられ手首機構１６を駆動する複数の駆動杆
２６Ａ，２６Ｂ，２６Ｃにそれぞれ接続された複数の駆
動モータ２８Ａ，２８Ｂ，２８Ｃとを備えた高圧配電工
事用ロボットアーム１０において、駆動杆２６Ａ，２６
Ｂ，２６Ｃはその少なくとも一部に設けられた絶縁杆部
分２６ａ，２６ｂ，２６ｃを有し、支持骨２４は途中に
絶縁物２４ａが介在され、且つ最先端のアーム本体１２
Ａは駆動杆２６Ａ，２６Ｂ，２６Ｃ、駆動モータ２８
Ａ，２８Ｂ，２８Ｃ及び支持骨２４を囲む絶縁アームカ
バー３０からなっている高圧配電工事用ロボットアーム
が記載されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、前述の従来
の絶縁アームカバー３０では、以下のような問題があっ
た。 水に濡れてしまうと沿面距離の確保のために、絶縁
カバー表面に厚くフッ素系のコンパウンドを塗る必要が
ある。 アームが絶縁材で形成されているため、アームの機
械的な剛性が低下する。そこで本考案が解決すべき課題
は、上記問題点を解決し、従来のロボットを絶縁性のあ
るロボットに置き換えることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本考案のロボット用絶縁カバーは、ロボットを構成
する導体部を覆うための、ロボットアームの形状、動作
範囲に合わせた寸法の絶縁材料からなるカバーと、前記
カバーとロボット間の絶縁のための沿面距離を確保する
ための突起を有し、前記カバーをロボット筐体に取り付
けるための支柱と、前記支柱を取り囲むように前記カバ
ーの裏面側から及び前記ロボット筐体側からそれぞれ設
けられた絶縁材料からなる傘状の蓋とからなる。

【０００５】

【作用】前記手段により、ロボットが絶縁材料のカバー
で覆われ、カバーを支える支柱は傘状の蓋により少なく
とも二重に水で濡れないようにしているので、ロボット
とカバー間の絶縁が常に保たれ、金属で構成されたロボ
ットが絶縁性を持つことになる。

【０００６】

【実施例】以下、本考案の具体的実施例を図１〜図３を
参照しながら説明する。図１は、ロボット全体とカバー
との関係を示すもので、図２はカバーの一例、図３はカ
バー用の支柱の断面図である。本実施例では、図１のよ
うに絶縁カバー１でロボットを覆うことによって、ロボ
ットの金属部の露出をなくし、ロボット全体で絶縁性を
確保する。このとき使用する絶縁カバーの一例を図２に
示す。図２を見ればわかるように、ロボットに取り付け
るカバーの形状はロボットに合わせており、ロボットの
動作に支障を来さないように関節等、旋回部を内装する
切り欠き２が設けられている。

【０００７】プラスチック等の絶縁材よりなる絶縁カバ
ー１のロボット筐体３への取り付けは、両者間に支柱４
を設けて行う。カバーと筐体間の絶縁特性は、図３に示
すように、絶縁材よりなる支柱４があるところでは、そ
の支柱４の沿面距離、支柱４のないところでは、カバー
・筐体間の空間で決まる。したがって、本実施例ではカ
バーをできるだけ小さくするために、図３に示している
ように支柱４をひだ状の突起５とすることによって、支
柱４を高くせずに沿面距離を確保している。また、カバ
ー１が濡れても支柱４が絶縁に有利な乾燥状態を保てる
ように支柱４の回りには、防滴の蓋６を設ける。蓋６
は、水の流れが支柱４に達しないように二重構造とし、
蓋６に傘状に傾斜を設けている。また、蓋６の隙間７の
間隔は、絶縁のために必要な空気層の厚さとなってい
る。

【０００８】

【考案の効果】以上述べたように、本考案によれば、ロ
ボット本体が絶縁性のカバーで覆われているので、ロボ
ットによる地絡、短絡、感電事故などを防止できる。ま
た、本考案によるカバー、傘状の蓋をロボット本体に取
り付けることにより、従来の金属フレームのロボットを
改良することなしに、絶縁対応のロボットに置き換える
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案におけるロボット全体とカバーとの関
係を示す正面図である。

【図２】 本考案のカバーの一実施例を示す斜視図であ
る。

【図３】 本考案のカバーの一実施例の断面図である。

【図４】 従来の絶縁カバーを設けたロボットの例を示
す側面図である。

【図５】 図４の従来例における絶縁カバー内部の拡大
図である。

【符号の説明】

１：絶縁カバー、２：切り欠き、３：ロボット筐体、
４：支柱、５：突起、６：蓋、７：隙間

フロントページの続き (72)考案者 丸山 佳長 福岡県福岡市中央区渡辺通２丁目１番82 号 九州電力株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−174505（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−57496（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−77222（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−88007（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロボットを構成する導体部を覆うため
   の、ロボットアームの形状、動作範囲に合わせた寸法の
   絶縁材料からなるカバー（１）と、 前記カバー（１）とロボット間の絶縁のための沿面距離
   を確保するための突起（５）を有し、前記カバー（１）
   をロボット筐体に取り付けるための支柱（４）と、 前記支柱（４）を取り囲むように前記カバー（１）の裏
   面側から及び前記ロボット筐体側からそれぞれ設けられ
   た絶縁材料からなる傘状の蓋（６）とからなることを特
   徴とするロボット用絶縁カバー。