JP2546208B2 - 金属アルコキサイドの連続製造法 - Google Patents
金属アルコキサイドの連続製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、金属アルコキサイドの製造法に関するもの
で、更に詳しくは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,及びWか
らなる群から選ばれた一種以上の金属粉末をハロゲンガ
スと反応させガス状金属ハロゲン化物とし、次いでこれ
を芳香族炭化水素中でアルコールと接触させ得られた混
合物をアンモニア又はアミン類と接触させることを特徴
とする金属アルコキサイドの製造法に関するものであ
る。
で、更に詳しくは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,及びWか
らなる群から選ばれた一種以上の金属粉末をハロゲンガ
スと反応させガス状金属ハロゲン化物とし、次いでこれ
を芳香族炭化水素中でアルコールと接触させ得られた混
合物をアンモニア又はアミン類と接触させることを特徴
とする金属アルコキサイドの製造法に関するものであ
る。
[従来技術及びその問題点] 従来、金属とアルコールとの直接反応によって得るこ
とのできないアルコキサイドの合成には固体金属塩化物
をガラス製反応容器に装入し、アンモニアなどと共にア
ルコールを添加し加熱する固−液反応が知られている。
とのできないアルコキサイドの合成には固体金属塩化物
をガラス製反応容器に装入し、アンモニアなどと共にア
ルコールを添加し加熱する固−液反応が知られている。
しかし、この方法によれば小規模の合成は可能ではあ
るが大量生産には適さず得られる金属アルコキサイドは
必然的に高価なものとなる。
るが大量生産には適さず得られる金属アルコキサイドは
必然的に高価なものとなる。
[発明の背景] 本発明者らは、上記金属アルコキサイドの安価にして
大量生産に適する方法を求めて鋭意研究した結果、金属
のハロゲン化物の製造・精製とアルコールとの反応を連
続一体化することにより、金属ハロゲン化物の取扱いを
容易にし、収率を向上させることができるという知見を
得て本発明を完成したものである。
大量生産に適する方法を求めて鋭意研究した結果、金属
のハロゲン化物の製造・精製とアルコールとの反応を連
続一体化することにより、金属ハロゲン化物の取扱いを
容易にし、収率を向上させることができるという知見を
得て本発明を完成したものである。
[発明の構成] 本発明においてアルコキサイドを製造するために用い
られる金属としてはIV a族、V a族、VI a族に属する金
属があるがこれらの族に属するTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,M
o,Wなどが好ましい。
られる金属としてはIV a族、V a族、VI a族に属する金
属があるがこれらの族に属するTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,M
o,Wなどが好ましい。
これらの金属のハロゲン化反応式(1)には、塩素、
臭素、などが都合よく用いられるが、塩素が経済的であ
る。特に金属と塩素の反応は200〜300℃の低温で起り、
生じたガス状の金属ハロゲン化物は、アルコール及びア
ンモニア又はアミン類と接触させアルコキシドとされる
(反応式を(2)に示す)。この反応に用いられるアル
コールは特に限定されるものではないがエチルアルコー
ル、ブチルアルコール、プロピルアルコールなどが好ま
しく用いられる。
臭素、などが都合よく用いられるが、塩素が経済的であ
る。特に金属と塩素の反応は200〜300℃の低温で起り、
生じたガス状の金属ハロゲン化物は、アルコール及びア
ンモニア又はアミン類と接触させアルコキシドとされる
(反応式を(2)に示す)。この反応に用いられるアル
コールは特に限定されるものではないがエチルアルコー
ル、ブチルアルコール、プロピルアルコールなどが好ま
しく用いられる。
ここでガス状の金属ハロゲン化物と接触させるアルコ
ールは芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キ
シレンなどで希釈して用いられる。
ールは芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キ
シレンなどで希釈して用いられる。
次に得られた混合物はアンモニアガス又はアミン類と
接触させることによりハロゲン化水素をハロゲン化アン
モニア等の状態で析出させ除去する(反応式(1))こ
とにより金属アルコキサイドが回収される。反応式は以
下の示される。
接触させることによりハロゲン化水素をハロゲン化アン
モニア等の状態で析出させ除去する(反応式(1))こ
とにより金属アルコキサイドが回収される。反応式は以
下の示される。
塩素化:M+nCl2→MCl2n アルコキサイド化: MCl2n+2nROH→ M(OR)2n+2nHCl 脱HCl: 2nHCl+2nNH3→2nNH4Cl 次に本発明を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明に用いられる反応装置の概略図を示す
ものである。
ものである。
第1図において1は流動ハロゲン化炉、2は金属を流
動ハロゲン化炉に導入するためのホッパー、3はハロゲ
ン導入管、4は流動ハロゲン化炉に内設された目皿を示
すものであり、5はガス状金属ハロゲン化物の排出口を
示す。6はガス状金属ハロゲン化物とアルコールとを接
触されるためのアルコール接触炉、7はアルコール供給
部でありアルコール導入管8と接続されアルコールが芳
香族炭化水素によって希釈され液状(シャワー)として
供給されるよう適宜微小な穴が設けられている。9はア
ルコールとの反応によって得られた混合物の排出管であ
り、この排出管9はアンモニア吹き込み塔10に接続され
ている。アンモニア又はアミン類はアンモニア導入管11
より導入される。このアンモニア吹き込み塔10でハロゲ
ン化水素がアンモニアと反応し、固体のハロゲン化アン
モニア等として排除される。一方、ここで生成した金属
アルコキサイドはアンモニア吹き込み塔10に設けられた
金属アルコキサイド排出管12より排出され、金属アルコ
キサイド蒸留塔13に供給され蒸留により精製され高純度
の金属アルコキサイドとされる。ここで回収される金属
ハロゲン化物は回収されアルコールとの反応に再び供さ
れる。
動ハロゲン化炉に導入するためのホッパー、3はハロゲ
ン導入管、4は流動ハロゲン化炉に内設された目皿を示
すものであり、5はガス状金属ハロゲン化物の排出口を
示す。6はガス状金属ハロゲン化物とアルコールとを接
触されるためのアルコール接触炉、7はアルコール供給
部でありアルコール導入管8と接続されアルコールが芳
香族炭化水素によって希釈され液状(シャワー)として
供給されるよう適宜微小な穴が設けられている。9はア
ルコールとの反応によって得られた混合物の排出管であ
り、この排出管9はアンモニア吹き込み塔10に接続され
ている。アンモニア又はアミン類はアンモニア導入管11
より導入される。このアンモニア吹き込み塔10でハロゲ
ン化水素がアンモニアと反応し、固体のハロゲン化アン
モニア等として排除される。一方、ここで生成した金属
アルコキサイドはアンモニア吹き込み塔10に設けられた
金属アルコキサイド排出管12より排出され、金属アルコ
キサイド蒸留塔13に供給され蒸留により精製され高純度
の金属アルコキサイドとされる。ここで回収される金属
ハロゲン化物は回収されアルコールとの反応に再び供さ
れる。
第1図には図示していないが、本発明において、出発
原料として本発明の金属元素からなる合金を用いた場合
に、当該合金成分の一方の成分を除去するために、ハロ
ゲン化流動炉1とアルコール接触炉6との間に例えばNa
Clペレットを充填した吸着塔又はハロゲン化物蒸留塔を
設け適宜合金成分を分離することができる。
原料として本発明の金属元素からなる合金を用いた場合
に、当該合金成分の一方の成分を除去するために、ハロ
ゲン化流動炉1とアルコール接触炉6との間に例えばNa
Clペレットを充填した吸着塔又はハロゲン化物蒸留塔を
設け適宜合金成分を分離することができる。
[実施例] 次に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
らの実施例により何ら限定されるものではない。
らの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1 −200meshNb金属粉1kgをホッパー2より流動ハロゲン
化炉1内に供給する一方、塩素ガス650をハロゲン導
入口3より供給し、炉1を約300℃に加熱し流動させNbC
l5蒸気2.7kgを生成させた。
化炉1内に供給する一方、塩素ガス650をハロゲン導
入口3より供給し、炉1を約300℃に加熱し流動させNbC
l5蒸気2.7kgを生成させた。
同時に生成したNbCl5蒸気をハロゲン化物排出管5よ
りアルコール接触炉6に導入し、7.4kg(9.5当量)のブ
チルアルコールをベンゼン35kgで希釈しアルコール供給
部7よりシャワーとして降らせ、NbCl5蒸気とブチルア
ルコールとを接触させ両者を反応させた。ここで得られ
た液状混合物をポンプにより混合物排出管よりアンモニ
ア吹き込み塔10に導入し、塩化水素をアンモニアと反応
させ塩化アンモニアとして析出除去し、Nb(OBu)5と
分離した。分離された液状Nb(OBu)5はポンプにより
金属アルコキサイド排出管12を通してアルコキサイド蒸
留塔13に導入し、真空蒸留し、高純度のNb(OBu)54.0k
gを得た。収率はNb金属基準で85%であった。
りアルコール接触炉6に導入し、7.4kg(9.5当量)のブ
チルアルコールをベンゼン35kgで希釈しアルコール供給
部7よりシャワーとして降らせ、NbCl5蒸気とブチルア
ルコールとを接触させ両者を反応させた。ここで得られ
た液状混合物をポンプにより混合物排出管よりアンモニ
ア吹き込み塔10に導入し、塩化水素をアンモニアと反応
させ塩化アンモニアとして析出除去し、Nb(OBu)5と
分離した。分離された液状Nb(OBu)5はポンプにより
金属アルコキサイド排出管12を通してアルコキサイド蒸
留塔13に導入し、真空蒸留し、高純度のNb(OBu)54.0k
gを得た。収率はNb金属基準で85%であった。
実施例2 実施例1の方法に準じて得られたTiCl41.9kgをアルコ
ール接触炉6に導入し、ベンゼン20kgと共に3.7kgのエ
チルアルコールをアルコール供給部7より供給し、両者
を反応させた。
ール接触炉6に導入し、ベンゼン20kgと共に3.7kgのエ
チルアルコールをアルコール供給部7より供給し、両者
を反応させた。
TiCl4+3EtOH→ TiCl2(OEt)2,EtOH+2HCl ここで得られたTiCl2(OEt)2,EtOHと塩化水素ガスの
混合物を実施例1に準じてNH3ガスと接触させHClをNH4C
l(固体)として析出除去し、Ti(OEt)4を冷却し、Ti
(OEt)4を得た。収率は90%であった。
混合物を実施例1に準じてNH3ガスと接触させHClをNH4C
l(固体)として析出除去し、Ti(OEt)4を冷却し、Ti
(OEt)4を得た。収率は90%であった。
実施例3 −200meshのW金属粉1kgを実施例1に準じて650の
塩素と反応させWCl6蒸気を生成させた。同時に生成した
WCl6蒸気を実施例1に準じてイソプロピルアルコール4.
0kgを20kgのトルエンと共に6のシャワーで捕集した。
得られた反応混合物をアンモニア吹き込み塔に移送導入
しNH3を吹き込みNH4ClとしてHClを固定した。ここで得
られたW(OPriso)6の液体を真空蒸留することにより
純W(OPriso)61.83kgを得た。収率は85%であった。
この蒸留で回収された過剰のi−PrOHは再びWCl6との反
応に供するために回収再使用される。
塩素と反応させWCl6蒸気を生成させた。同時に生成した
WCl6蒸気を実施例1に準じてイソプロピルアルコール4.
0kgを20kgのトルエンと共に6のシャワーで捕集した。
得られた反応混合物をアンモニア吹き込み塔に移送導入
しNH3を吹き込みNH4ClとしてHClを固定した。ここで得
られたW(OPriso)6の液体を真空蒸留することにより
純W(OPriso)61.83kgを得た。収率は85%であった。
この蒸留で回収された過剰のi−PrOHは再びWCl6との反
応に供するために回収再使用される。
[発明の効果] 本発明によれば従来の固体塩化物とアルコール液体の
反応によるアルコキサイド合成法と比較して、次のよう
な利点がある。
反応によるアルコキサイド合成法と比較して、次のよう
な利点がある。
1) 気液反応のため反応が迅速である。
2) 塩化物蒸気を直接アルコールと反応させるため工
程数が減少し、塩化物のコンデンサーが不要となる。
程数が減少し、塩化物のコンデンサーが不要となる。
3) 一体化装置で行うため外気に塩化物が触れること
なくオキシクロライドや酸化物に変化することなく、ア
ルコキサイドの収率を向上させる。
なくオキシクロライドや酸化物に変化することなく、ア
ルコキサイドの収率を向上させる。
4) 塩化物のコンデンサーは固体塩化物析出の場合、
析出物の熱伝導性が悪くコンデンサーの能力が極端に減
少し、塩化物の捕集が困難となるが、液体で反応物とし
て捕集するため塩化物の完全回収が計られる。
析出物の熱伝導性が悪くコンデンサーの能力が極端に減
少し、塩化物の捕集が困難となるが、液体で反応物とし
て捕集するため塩化物の完全回収が計られる。
5) 液化した塩化物−アルコール反応物はポンプ等で
圧送でき多量に取扱いが出来、蒸留を連続化して行うこ
とができ極めて経済的に優れている。
圧送でき多量に取扱いが出来、蒸留を連続化して行うこ
とができ極めて経済的に優れている。
第1図は本発明で用いられる反応装置の概略図である。 1……流動ハロゲン化炉 2……ホッパー 6……アルコール接触炉 7……アルコール導入部 8……アンモニア吹き込み塔 13……アルコキサイド蒸留塔
Claims (1)
- 【請求項1】Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,及びWからなる
群から選ばれた一種以上の金属粉末をハロゲンガスと反
応させガス状金属ハロゲン化物とし、次いでこれを芳香
族炭化水素中でアルコールと接触させ得られた混合物を
アンモニア又はアミン類と接触させることを特徴とする
金属アルコキサイドの連続製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62229729A JP2546208B2 (ja) | 1987-09-16 | 1987-09-16 | 金属アルコキサイドの連続製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62229729A JP2546208B2 (ja) | 1987-09-16 | 1987-09-16 | 金属アルコキサイドの連続製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6475436A JPS6475436A (en) | 1989-03-22 |
JP2546208B2 true JP2546208B2 (ja) | 1996-10-23 |
Family
ID=16896778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62229729A Expired - Fee Related JP2546208B2 (ja) | 1987-09-16 | 1987-09-16 | 金属アルコキサイドの連続製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2546208B2 (ja) |
-
1987
- 1987-09-16 JP JP62229729A patent/JP2546208B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6475436A (en) | 1989-03-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |