JP2545842B2 - Cu系合金製変速機用同期リング - Google Patents

Cu系合金製変速機用同期リング

Info

Publication number
JP2545842B2
JP2545842B2 JP62070758A JP7075887A JP2545842B2 JP 2545842 B2 JP2545842 B2 JP 2545842B2 JP 62070758 A JP62070758 A JP 62070758A JP 7075887 A JP7075887 A JP 7075887A JP 2545842 B2 JP2545842 B2 JP 2545842B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
ring
wear
work
strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62070758A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63238231A (ja
Inventor
英俊 阿久津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP62070758A priority Critical patent/JP2545842B2/ja
Priority to KR1019880002323A priority patent/KR910009871B1/ko
Priority to DE3809994A priority patent/DE3809994C3/de
Publication of JPS63238231A publication Critical patent/JPS63238231A/ja
Priority to US07/416,867 priority patent/US4995924A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2545842B2 publication Critical patent/JP2545842B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、特に相手部材との当り面の初期なじみ性
にすぐれ、かつ耐摩耗性にもすぐれたCu系合金製変速機
用同期リングに関するものである。
〔従来の技術〕
従来、一般に、変速機用同期リングは、第1図に斜視
図で例示されるように、内面1が回転するテーパーコー
ンとの当り面となり、この当り面に相手部材たるテーパ
ーコーンが高面圧下で断続的に面接触し、一方外周面に
はキーが嵌合するキー溝3が形成され、さらに、その外
縁にそって所定間隔おきに設けたチャンファ2が同じく
相手部材たるハブスリーブのチャンファとかみ合う機能
をもつことから、強度、耐摩耗性、および相手部材との
なじみ性を具備することが要求され、したがってその製
造には、これらの特性をもった高力黄銅が多用されてい
る。なお、同期リングは、この他にネジが外周側につ
き、この外周側で相手部材であるテーパーコーンと摩擦
する、通称ピンタイプのものがある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、近年の変速機の高出力化に伴い、上記の従来
高力黄銅製同期リングにおいては、特に上記のテーパー
コーンやキー、さらにハブスリーブのチャンファのうち
の少なくともいずれかの相手部材との当り面は高面圧を
受けるようになるため、初期なじみ性が低下し、これに
よって輝面摩耗や凝着摩耗などによる異常摩耗が多発す
るようになり、使用寿命短命化の原因となっている。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上記のような従来高力黄銅製
変速機用同期リングのもつ問題点を解決すべく研究を行
なった結果、重量%で(以下%は重量%を示す)、 Zn:20〜40%、Al:2〜8%、 Si:0.2〜2%、Mn:0.1〜5%、 Tiおよび/またはZr:0.8〜1.5%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成を有す
るCu系合金で構成し、かつ相手部材との当り面の所要個
所、すなわちテーパーコーンやキー、さらにハブスリー
ブのチャンファのうちの少なくともいずれかの相手部材
との当り面に、ショットブラスト加工や冷間プレスを用
いる押付け加工などにより平均層厚で5〜300μmの加
工硬化層を形成したCu合金製変速機用同期リングにおい
ては、変速機の高出力化に伴う高面圧下での使用条件で
も、すぐれた初期なじみ性を示し、使用初期における異
常摩耗の発生が抑制されるようになるという知見を得た
のである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
って、成分組成および加工硬化層の平均層厚を上記の通
りに限定した理由を説明する。
(a) ZnおよびAl これらの成分は、合金の素地組織を決定する成分であ
って、素地の耐摩耗性を向上させると共に、同期リング
に必要な強度と靭性を付与し、さらに、疲労強度と耐力
にすぐれ、局部的高温加熱に伴う塑性流動による凝着
(焼付き)を防止し、もって初期異常摩耗を防止して、
初期なじみ性を向上させる加工硬化層をリング表面に形
成するのに不可欠な成分であるが、その含有量がZn:20
%未満およびAl:2%未満では、前記特性を確保すること
ができないばかりでなく、前記の特性を具備した加工硬
化層を形成するのが困難になり、一方その含有量がZn:4
0%およびAl:8%を越えると、靭性が低下するようにな
ることから、その含有量をZn:20〜40%、Al:2〜8%と
定めた。
(b) SiおよびMn これらの成分には、お互いに結合して、素地中に微細
に分散する金属間化合物を形成して、リングの強度およ
び靭性を向上させ、さらに耐摩耗性も向上させ、また加
工硬化層のなじみ性および耐焼付け性を改善する作用が
あるが、その含有量が、Si:0.2%未満およびMn:0.1未満
では前記作用に所望の効果が得られず、一方、その含有
量がそれぞれSi:2%およびMn:5%を越えると、溶解時に
スラグの発生が多くなることから、その含有量をSi:0.2
〜2%、Mn:0.1〜5%と定めた。
(c) TiおよびZr これらの成分には、素地に分散するMn−Si系の金属間
化合物を微細球状化すると共に、自体もMnおよびSiと複
化合物を形成して、強度、靭性および耐摩耗性を向上さ
せる作用があるが、その含有量が0.8%未満では前記作
用に所望の顕著な効果が得られず、一方その含有量が1.
5%を越えてもより一層の向上効果が現われず、経済性
を考慮して、その含有量を0.8〜1.5%と定めた。
(d) 加工硬化層 加工硬化層は、上記のようにショットブラストやサン
ドブラスト加工、さらに例えばリングのテーパーコーン
との摩擦面だけに設ける場合には、鋼製ダイスを用い
て、冷間プレスにて押付け加工を行なうことなどにより
形成でき、このように形成した加工硬化層は、これのも
つ成分組成と合まって、すぐれた疲労強度と耐力をもつ
ようになることから、局部的高温加熱に対してすぐれた
耐塑性流動性を示し、この結果焼付けなどが抑制される
ことから初期異常摩耗が防止され、すぐれた初期なじみ
性を示すようになるが、その平均層厚が5μm未満では
所望の効果が得られず、一方300μmを越えた平均層厚
にしてもすぐれた効果を確保することができないことか
ら、その平均層厚を5〜300μmと定めた。
〔実施例〕
つぎに、この発明の同期リングを実施例により具体的
に説明する。
通常の高周波炉を用い、それぞれ第1,2表に示される
成分組成をもったCu系合金溶湯を調製し、金属鋳造に
て、直径:200mmφ×長さ:400mmのビレットを形成し、こ
のビレットを押出しプレスにて直径:60mmφの丸棒に押
出し、この丸棒を所定の長さに切断した後、切断片に60
0〜750℃の範囲内の温度にて熱間鍛造を施し、さらに切
削加工を施し、引続いて大気中で、直径:50〜1000μm
のSiC製ビーズを用いて、ショットブラスト加工を施し
て、同じく第1表に示される平均層圧の加工硬化層を表
面全体に形成することによって、内径:58mmφ×厚さ:4m
mの寸法をもち、かつチャンファ数:36個の本発明同期リ
ング1〜11および比較同期リング1〜6をそれぞれ製造
した。
なお、比較同期リング1〜6は、成分組成および加工
硬化層の平均層厚のうちのいずれかの条件(第2表に※
印を付したもの)がこの発明の範囲から外れたものであ
る。
つぎに、この結果得られた各種の同期リングについ
て、 相手部材たるテーパーコーンの回転数:1000r.p.m.、 押付け荷重:55kg、 油:80番ミッションオイル、 油温:75℃、 テーパーコーンの作動:0.25〜0.3秒の同期時間で20000
回、 の条件でシンクロ耐久試験を行ない、リング内面におけ
る落ち込み量(摩耗量)、凝着摩耗の有無、初期(500
回まで)および後期(安定期)の摩擦係数をそれぞれ測
定および観察し、さらに、 相手部材たるテーパーコーンの回転数:2000r.p.m.、 押付け荷重:90kg、 油:80番ミッションオイル、 油温:70℃、 テーパーコーンの作動:0.25〜0.3秒の同期時間で5000
回、 の条件でシンクロ耐久試験を行ない、リングにおけるワ
レおよび変形の有無を観察した。これらの結果を第3表
に示した。
〔発明の効果〕
第1〜3表に示される結果から、本発明同期リング1
〜11は、いずれも高強度 および高靭性を有し、特に高面圧条件にもかかわらず、
実用初期におけるなじみ性にすぐれ、異常摩耗の発生も
なく、すぐれた耐摩耗性を示すのに対して、比較同期リ
ング1〜6に見られるように、構成要件のうちのいずれ
かの要件でもこの発明の範囲から外れると、前記特性の
うち少なくともいずれかの特性が劣ったものになること
が明らかである。なお、ピンタイプの同期リングでも同
様な結果が得られることは勿論である。
上述のように、この発明のCu系合金製変速機用同期リ
ングは、高強度と高靭性を有し、特に初期なじみ性にす
ぐれ、変速機の高出力化に伴う苛酷な条件下での実用に
際しても、輝面摩耗や凝着摩耗などの異常摩耗の発生が
なく、すぐれた耐摩耗性を著しく長期に亘って発揮する
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は変速機用同期リングを例示する斜視図である。 1……テーパーコーン摩擦面(内面)、 2……チャンファ、 3……キー溝。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Zn:20〜40%、Al:2〜8%、 Si:0.2〜2%、Mn:0.1〜5%、 Tiおよび/またはZr:0.8〜1.5%、 を含有し、残りがCuと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有するCu系合金で構成され、かつ相手部材と
    の当り面の所要個所に、加工硬化層を5〜300μmの平
    均層厚で形成してなるCu系合金製変速機用同期リング。
JP62070758A 1987-03-24 1987-03-25 Cu系合金製変速機用同期リング Expired - Lifetime JP2545842B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62070758A JP2545842B2 (ja) 1987-03-25 1987-03-25 Cu系合金製変速機用同期リング
KR1019880002323A KR910009871B1 (ko) 1987-03-24 1988-03-05 Cu계 합금제 변속기용 동기링
DE3809994A DE3809994C3 (de) 1987-03-25 1988-03-24 Synchronring auf Basis einer Kupferlegierung zur Verwendung in Geschwindigkeitsreglern
US07/416,867 US4995924A (en) 1987-03-24 1989-10-04 Synchronizer ring in speed variator made of copper-base alloy

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62070758A JP2545842B2 (ja) 1987-03-25 1987-03-25 Cu系合金製変速機用同期リング

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7283409A Division JP2663930B2 (ja) 1995-10-31 1995-10-31 Cu系合金製変速機用同期リング

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63238231A JPS63238231A (ja) 1988-10-04
JP2545842B2 true JP2545842B2 (ja) 1996-10-23

Family

ID=13440727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62070758A Expired - Lifetime JP2545842B2 (ja) 1987-03-24 1987-03-25 Cu系合金製変速機用同期リング

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2545842B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102443717B (zh) * 2012-01-10 2015-04-15 宁波金田铜业(集团)股份有限公司 一种低成本弹性黄铜合金

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6086237A (ja) * 1983-10-18 1985-05-15 Mitsubishi Metal Corp 摺動部材用Cu合金
JPS6086236A (ja) * 1983-10-18 1985-05-15 Mitsubishi Metal Corp 摺動部材用Cu合金
JPS60114545A (ja) * 1983-11-25 1985-06-21 Kobe Steel Ltd 耐摩耗性銅合金
JPS60149754A (ja) * 1984-01-13 1985-08-07 Furukawa Electric Co Ltd:The 耐食耐疲労性銅および銅合金管の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63238231A (ja) 1988-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR910009871B1 (ko) Cu계 합금제 변속기용 동기링
US5337872A (en) Synchronizer ring
JP3085627B2 (ja) シンクロナイザーリング
JPH072980B2 (ja) 複合摺動材料
JP2605791B2 (ja) Cu系焼結合金製変速機同期リング
KR20050002596A (ko) 슬라이딩 부재
JP2673956B2 (ja) Cu系合金製変速機用同期リング
JP2545842B2 (ja) Cu系合金製変速機用同期リング
JP2507931B2 (ja) Cu系合金製変速機用同期リング
JP3279109B2 (ja) 耐摩耗性に優れた銅合金製シンクロナイザリング
GB2285059A (en) A tin-base white metal bearing alloy
JP2663930B2 (ja) Cu系合金製変速機用同期リング
JP2673955B2 (ja) Cu系合金製変速機用同期リング
JP2673954B2 (ja) Cu系合金製変速機用同期リング
JP2605833B2 (ja) Cu系焼結合金製変速機同期リング
JP2674588B2 (ja) Cu系合金製変速機用同期リング
JP2623777B2 (ja) Cu系焼結合金製変速機用同期リング
JP2507929B2 (ja) Cu系合金製変速機用同期リング
JP2507930B2 (ja) Cu系合金製変速機用同期リング
JP2507928B2 (ja) Cu系合金製変速機用同期リング
GB2274313A (en) Bearings
JP3033990B2 (ja) 変速機用シンクロナイザリングおよび変速機
JPH07126778A (ja) 耐焼付性のすぐれた自動車変速機のCu合金製シンクロナイザリング材
JP2605790B2 (ja) Cu系焼結合金製変速機同期リング
JPH0234763A (ja) 摺動部材

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070808

Year of fee payment: 11