JP2545740B2 - 温度センサ - Google Patents

温度センサ

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JP2545740B2
JP2545740B2 JP6074309A JP7430994A JP2545740B2 JP 2545740 B2 JP2545740 B2 JP 2545740B2 JP 6074309 A JP6074309 A JP 6074309A JP 7430994 A JP7430994 A JP 7430994A JP 2545740 B2 JP2545740 B2 JP 2545740B2
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magnetic field
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temperature
temperature sensor
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広一 奈良
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01KMEASURING TEMPERATURE; MEASURING QUANTITY OF HEAT; THERMALLY-SENSITIVE ELEMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01K7/00Measuring temperature based on the use of electric or magnetic elements directly sensitive to heat ; Power supply therefor, e.g. using thermoelectric elements
    • G01K7/16Measuring temperature based on the use of electric or magnetic elements directly sensitive to heat ; Power supply therefor, e.g. using thermoelectric elements using resistive elements
    • G01K7/18Measuring temperature based on the use of electric or magnetic elements directly sensitive to heat ; Power supply therefor, e.g. using thermoelectric elements using resistive elements the element being a linear resistance, e.g. platinum resistance thermometer
    • G01K7/183Measuring temperature based on the use of electric or magnetic elements directly sensitive to heat ; Power supply therefor, e.g. using thermoelectric elements using resistive elements the element being a linear resistance, e.g. platinum resistance thermometer characterised by the use of the resistive element

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  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度変化に伴って電気
抵抗が変化する導電体を用いた温度センサに関し、特に
磁場下での温度測定に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近来は、超伝導マグネットの実用化等に
より、様々な分野で高い磁場を使用することが増加して
いる。斯かる超伝導マグネットの使用に際しては、安全
性および省エネルギの観点からマグネット各部の温度管
理が重要である。このような低温環境で使用されている
温度計として、温度変化に基づく導電体の抵抗変化を利
用した温度センサが一般に使用されている。なお、この
ような温度センサにおいては、導電体が磁場の影響を受
けるため、その指示値に偏差が生じてしまうが、この偏
差を静磁場下で校正することにより、個々の温度計に対
する補正が原理的には可能である。よって、磁場下にお
ける従来の温度測定は、予め既知の磁場下で当該温度セ
ンサに必要な補正値を求めておき、測定値に対して補正
を施すことにより、当該環境下の温度を決定するもので
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
補正を逐一行っていたのでは、温度測定が煩雑になって
作業効率を著しく低下させることは勿論、補正値の特定
の際に混入する誤差も測定精度の向上にはマイナス要因
となる。
【0004】また、超伝導技術の発展により、超伝導磁
石の磁場の値を数Hzあるいは数十Hzといった周波数
で変動させることができるようになり、新しい応用分野
が広がったことで上記のような従来の温度センサでは対
応できないという問題が生じた。すなわち、温度センサ
を構成する導電体の抵抗値が変動磁場による影響を受け
るために、変動磁場の周波数に同期して抵抗値が変動す
ることとなり、その値を精密に測定することはおろか、
従来行われていたような補正が全く行えない状態になる
ことに起因する。
【0005】そこで、本発明は、磁場の影響を受け難
く、変動磁場下においても高精度の温度測定を行える温
度センサの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る温度センサは、略々均一な磁場内に配
置されて、巨視的な電流の流路が磁界の向きに対して一
定方向に定まる第1導電体(1a)と、該第1導電体と
は異なる向きに巨視的な電流の流路を有する第2導電体
(1b)と、を第1電位検出部(1c)を介して接合す
ると共に、磁場内で第1導電体に生ずる抵抗変化と第2
導電体に生ずる抵抗変化とが等しくなるように各抵抗値
を設定した第1センサ部(1)と、上記第1センサ部と
同じ磁場内に配置されて、巨視的な電流の流路と抵抗値
を上記第1導電体と略々同一条件に設定した第3導電体
(2a)と、巨視的な電流の流路と抵抗値を上記第2導
電体と略々同一条件に設定した第4導電体(2b)と、
を第2電位検出部(2c)を介して接合してなる第2セ
ンサ部(2)と、上記第1センサ部および第2センサ部
を熱接触させることで、略々均一な温度にする熱結合手
段(例えば等温ブロック7)と、を備え、上記第1セン
サ部の第1導電体と第2センサ部の第4導電体を接合し
た第1給電点(例えば第1給電端子3a)と、上記第1
センサ部の第2導電体と第2センサ部の第3導電体とを
接合した第2給電点(例えば第2給電端子3b)と、を
介して第1センサ部および第2センサ部に給電した際
に、上記第1センサ部の第1電位検出部と上記第2セン
サ部の第2電位検出部より得た電圧に基づいて、当該磁
場の環境温度を測定するようにした。
【0007】
【作用】測温環境の磁場によって、第1センサ部の第1
導電体と第2センサ部の第4導電体に生ずる抵抗変化は
略々等しいと共に、第1センサ部の第2導電体および第
2センサ部の第3導電体に生ずる抵抗変化も略々等しい
ので、磁場強度が変化することに起因する抵抗の変化は
互いに相殺され、第1電位検出部と第2電位検出部との
間に生ずる電位差は温度変化のみに依存することとな
る。
【0008】
【実施例】次に、本発明に係る温度センサを添付図面に
基づいて詳細に説明する。先ずは、その動作原理を図1
〜図3により説明する。
【0009】導電体の電気抵抗Rは、一般に磁界H中で
は零磁界中の電気抵抗R0 から式1のように変化する。
なお、式1中のεは磁気抵抗変化率(無磁場下における
当該導電体の抵抗値を1としたときに、磁場の作用によ
り導電体の抵抗値が増加する変化率のこと)であり、温
度T、磁界Hおよび電流と磁界のなす角度θに依存す
る。また、その依存性は感温材料の物質により異なる。
【0010】
【数1】 R=R(1+ε) …式1
【0011】また、代表的な感温材料である白金につい
ては、磁気抵抗変化率とその異方性との関係について、
次のような2点が知られている。εは電流と磁界のな
す角が垂直の時最大ε⊥であり、平行の時に最小ε//と
なる。その比ε///ε⊥は細線で厳密に測定したとこ
ろ30%程度であり、温度依存性はあまり大きくない。
【0012】その結果、実際の市販薄膜温度センサ(H
ycalEngineering製のPTF−7)にお
いて、薄膜の配線パターン中で電流の流れている主たる
部分の方向(以下、巨視的方向という)が磁界と平行で
ある時に磁場の影響が最小となり、磁界と垂直の時(す
なわち磁界の向きと膜面とが完全に直交する時)には最
大となることが見い出されている。
【0013】その磁場の影響の異方性の測定結果例(環
境温度は約40K)を図1に示す。ここでは薄膜センサ
の膜面に対し、磁場をX、Y及びZの方向から加えた場
合の磁気抵抗変化率(ε)を磁場の強さ(磁場の二乗)
に対して示している。この例では磁気抵抗変化率の最大
の場合と最小の場合との比は概ね0.5程度である。な
お、本薄膜センサの巨視的な電流の方向は、Y方向に略
々平行である。従って、図1の特定線図においては、Y
方向の磁場が印加された際に最も磁気抵抗変化率が小さ
くなり、X方向及びZ方向の磁場に対しては磁気抵抗変
化率が高くなる。因みに、薄膜センサの回路パターンの
一部には、X方向の電流路も含まれることから、Z方向
よりもX方向の磁場に対して若干磁気抵抗変化率が低く
なるのである。
【0014】上記のような異方性を有する薄膜センサ等
の導電体を用いれば、磁場の影響をキャンセルできる。
以下に、その原理を図2に基づいて説明する。
【0015】磁界方向Hに略々平行な電流の流路を形成
する第1導電体1aと、磁界方向Hに略々直交する該第
1導電体1aに直交する電流の流路を形成すると共に第
1導電体1aと略々同一の抵抗値を有する第2導電体1
bと、を第1電位検出部1cを介して接合したものが第
1センサ部1である。上記第1導電体1aと略々同一条
件(磁界方向Hに平行で且つ同一の抵抗値を有する)に
設定した第3導電体2aと、上記第2導電体1bと略々
同一条件(磁界方向Hに直交して且つ同一の抵抗値を有
する)に設定した第4導電体2bと、を第2電位検出部
2cを介して接合したものが第2センサ部2である。な
お、第1センサ部1および第2センサ部2は略々均一な
温度(測定環境の温度)となるように熱結合してある。
また、第1電位検出部1cの電位は第1測定端子4aか
ら、第2電位検出部2cの電位は第2測定端子4bから
得るようにしてある。
【0016】そして、例えば第1センサ部1の第1導電
体1aと第2センサ部2の第4導電体2bと導通する第
1給電端子3aを高電位に、上記第1センサ部1の第2
導電体1bと第2センサ部2の第3導電体2aと導通す
る第2給電端子3bを低電位にして、直流電流を流す場
合を考える。第1導電体1aと第3導電体2aに生ずる
磁気抵抗変化率はその配置から最小の値εMIN をとり、
第2導電体1bと第4導電体2bに生ずる磁気抵抗変化
率はそ配置から最大の値εMAX をとる。この比を以下の
式2のようにδと定義する。なお、このδは厳密には温
度と磁場の複雑な関数であるが、その依存性は大きくは
ない。
【0017】
【数2】 δ=εMIN/εMAX …式2
【0018】ここで、上記式2を用いて、第1〜第4導
電体1a,1b,2a,2bの抵抗を下記の式3のよう
に設定する。この設定は、同一の素材を使う限り全ての
温度範囲で成り立つことから、例えば室温などの最も測
定容易な環境下で設定しても良いが、微小な誤差の混入
を極力防ぐためには、零としたい温度でのδの値を用い
て行うことが最も望ましい。なお、導電体として白金細
線を用いた場合、δは略々0.3であることから、「第
1,第3導電体1a,2aの抵抗値:第2,第4導電体
の抵抗値=10:3」となるように調整すれば良く、線
路長のみで抵抗値を変化させる場合に、図2のような線
路長が想定される。
【0019】
【数3】 RMIN=RMAX/δ …式3
【0020】上記した第1,第2センサ部1,2に外部
回路を結線したのが図3であり、定電流源5より直流電
流Iを流したときの第1,第2電位検出部1c,2c間
に生ずる電圧Vを電圧計6で測定できるようにしてあ
る。ここで、本回路の実効抵抗Reff をV/Iで定義す
ると下記の式4のように求められる。
【0021】
【数4】 Reff=(RMIN−RMAX)/2 …式4
【0022】そして、各導電体の磁気抵抗変化率を代入
して、磁場中のReff の変化ΔRef f を求めると以下の
通り零となる。
【0023】
【数5】
【0024】従って、磁場による実効的な抵抗変化は零
となり、磁場の影響は受けない。また式4から本センサ
は温度センサとしての相対感度(dR/dT)/Rには
もとの感温材と変化ないことが解り、温度センサとして
の特性はいささかも損なわれていない。すなわち、本発
明に係る温度センサの原理においては、実効抵抗を零磁
場中の温度に対して校正すれば、磁場中でそのまま無補
正で使用することができ、変動磁場下での測温への信頼
性が非常に高まることが期待できる。なお、上記のよう
にして得られた抵抗値は、当該感温材料より作成した温
度センサ特有のデータテーブル(零磁場下の抵抗−温度
特性)に照らして温度値に変換する。
【0025】ここで、第1センサ部1と第2センサ部2
を形成する第1〜第4導電体1a,1b,2a,2bの
電流路は、図2に示した一直線状の細線パターンに限定
されず、巨視的に一定方向の電流路が形成されていれば
よいので、上述した市販の薄膜温度センサのように、本
来の電流の流路と異なる方向の電流路が一部存在してい
ても実用上は差し支えない。
【0026】また、第1,第3導電体1a,2aと第
2,第4導電体1b,2bは、夫々に生ずる磁気抵抗効
果(磁場により導電体の抵抗値が変化する現象)が最小
の方向と最大の方向に配置する場合に限らないと共に、
各センサ部の各導電体を互いに垂直に配置する必要も
な。例えば、第1,第3導電体1a,2aと第2,第4
導電体1b,2bの磁気抵抗変化率がεMAX とεMIN
の間の適宜な値であるεmi dHとεmidLとなるように設定
(但し、εmidH≠εmidL)して、上記式3の条件が満た
されるように抵抗比が調整されていれば良い。しかしな
がら、両者の抵抗差が大きいほど、第1,第2電位検出
部1c,2cから得られる温度変化に応じた電位差が大
きくなるので、測定精度を高める上では、磁気抵抗変化
率をεMAX とεMIN に設定することが有効である。
【0027】なお、上記したように、2つの電流路が磁
界となす角度を異ならしめれば、原理的に磁気抵抗効果
の影響を受けない温度測定が可能となるが、温度センサ
としての実用性を満たし得る条件につき考察してみる。
【0028】磁気抵抗変化率εの異方性は電流と磁界の
成す角θに依存し、電流と磁界が垂直の場合に磁気抵抗
変化率は最大値εMAX となり、白金よりなる導電体が磁
界と成す角θの時の磁気抵抗変化率は広い範囲で下式の
ような条件を満たすことが知られている。
【0029】
【数6】 εθ/εMAX=0.3+0.7(sinθ)
【0030】上式より、θが0に近づく(磁界の向きと
平行になる)程、角度θにおける磁気抵抗変化率は0.
3×εMAX (最小値)に近づき、磁気抵抗変化率の最大
値ε MAX との差が大きくなることが分かる。而して、本
発明に係る温度センサにおいては2種類の導電体の流路
が成す角度によって、εmidH(θ=90゜のときε
MA X )とεmidL(θ=0゜のときεMIN )が定まり、こ
れら2つの磁気抵抗変化率の相対的な差に応じた電圧出
力が得られることから、必ずしも一方の導電体を最大あ
るいは最小の磁気抵抗変化率が得られるように配置する
必要はない。しかし、一方の磁気抵抗変化率が最大ある
いは最小値をとるように設定しておいた方が、磁場内に
おける導電体の配置調整が容易になるので、実用上の利
便性が高い。そこで、一方の導電体が最大の磁気抵抗変
化率となる場合と、一方の導電体が最小の磁気抵抗変化
率となる場合とで、実用的な温度センサとして機能し得
る構造を例示する。
【0031】ここでは、温度センサとして実用に供し得
る測定精度を得るために必要な各センサ部の各導電体の
抵抗値の比が2:3程度であるものとする。先ず、一方
の導電体の磁気抵抗変化率がεMAX である場合、すなわ
ちθH が90゜である場合、他方の導電体の巨視的な電
流路が磁界と成す角度θL は45゜以下にすることが望
ましい。また、一方の導電体の磁気抵抗変化率がεMIN
である場合、すなわちθL が0゜である場合、他方の導
電体の巨視的な電流路が磁界と成す角度θH は30゜以
上とすることが望ましい。
【0032】また、温度測定に際して第1,第2給電端
子3a,3bより供給する電源は直流電源に限らず、交
流電流源を用いて実効電圧と実効電流を取得して実効抵
抗を求め、該実効抵抗値から環境温度を特定することも
可能である。しかし、回路構成を簡易化できると共に、
測定精度を向上させる点においては、直流電源を用いる
ことが望ましい。
【0033】また、導電体として使用する感温材料も白
金に限定されるものではなく、測温範囲に応じて感度の
良好な素材を適宜に選定すればよい。なお、液体窒素温
度域程の低温環境においては白金が極めて有用な感温材
料であるが、その他、白金コバルトやロジウム鉄等も低
温環境下での感温性能に優れている。
【0034】次に、上述した原理に基づいて作成した本
発明に係る温度センサの具体的な実施例を説明する。
【0035】図4に示すのは、第1実施例に係る温度セ
ンサであり、磁界方向Hに対して市販の薄膜温度センサ
を銅製の等温ブロック7に貼着して作成したものであ
る。該等温ブロック7に貼着する薄膜温度センサ8a
…,8b…は、既に図1において磁場の影響と異方性と
の関係を示したものであり、等温ブロック7における磁
界方向Hと平行な2つの面に対して、巨視的な電流路が
電界方向Hと平行になるように薄膜温度センサ8a…を
2枚づつ貼着し、等温ブロック7における磁界方向Hに
直交する1つの面に対して、薄膜温度センサ8b…を2
枚貼着してある。すなわち、図1の結果より式2のδが
ほぼ0.5であることが認められるので、RMIN =2R
MAX として、2枚の薄膜温度センサ8a,8aを直列接
続することにより、第1,第3導電体1a,2aとして
用いたのである。
【0036】なお、これらの薄膜温度センサ8a,8b
を貼着する等温ブロック7は銅製のものに限らず、熱伝
導性の良好な材質のものであれば良いと共に、その形状
も図示のような立方体のものに限定されない。少なくと
も、第1,第3導電体1a,2aの巨視的な電流の流路
と、第2,第4導電体1b,2bの巨視的な電流の流路
とが、磁界方向に対して夫々異なる一定方向に定めるこ
とができると共に、第1〜第4導電体1a,1b,2
a,2bを略々均一な測定環境温度にする機能を備えて
いればよい。
【0037】上記のように構成したブロック状の温度セ
ンサを、図5に示すような回路構成に結線し、8T(テ
スラ)の磁場下で温度測定を行い、磁場の及ぼす影響の
温度依存性を測定した結果が図6である。なお、本測定
環境は、磁界方向Hを三次元軸のY軸(図4の斜視図に
おいては上下方向)に設定し、薄膜温度センサ8aの巨
視的電流路はY軸に平行に、薄膜温度センサ8bの巨視
的電流路はZ軸(図4の斜視図においては左手前から右
奥へ向う方向)に位置させた。また、ブロック状の温度
センサを作成する場合の個体差が測定結果にどの程度の
影響を及ぼすかを確認するために、同じ条件のものを4
種類作成し、夫々No0,No1,No2,No3とし
て測定結果を示してある。
【0038】図6より明らかなように、市販の白金温度
センサ2種(A,B)の温度値に含まれる測定誤差に対
して、上記の第1実施例に係る温度センサ(0,1,
2,3)においては、数分の1から十分の1程度の測定
誤差しか生じていない。特に、20K〜30K程度の低
温環境下においては、市販の白金センサに生ずる測定誤
差が著しく高くなっているのに対して、上記第1実施例
の温度センサにおいては十分に高い精度で温度測定が可
能であることを示しており、本発明の有効性が実証され
ている。
【0039】このように、本発明に係る第1実施例の温
度センサは、磁場による磁気抵抗効果の影響を受け難い
(原理的には受けない)ので、静磁場下は勿論、第1導
電体1aおよび第3導電体2aに生ずる磁場による抵抗
変化と、第2導電体1bおよび第4導電体2bに生ずる
磁場による抵抗変化との間に相対的な変化が無いような
変動磁場についても、磁場の影響を受けることがない。
例えば第1実施例の場合では、図2における磁界方向H
を変えない状態で磁界強度が変化したり、そのまま磁界
方向が反転したりするような変動磁場においても、磁気
抵抗効果の影響を受けることがない。また、上記実施例
のように、第1,第2センサ部1,2の第1,第3導電
体1a,2aに生ずる磁気抵抗変化率がεMIN となるよ
うに設定した場合には、第1,第3導電体1a,2aを
磁界方向Hと平行にした状態で磁場内を移動させるよう
な場合にも、何ら磁場の影響を受けることはない。
【0040】なお、上記した原理では磁気抵抗効果の影
響を受けない事を証明したが、本第1実施例においては
市販の薄膜温度センサの組合せで第1〜第4導電体を代
用したために、磁場の影響が比較的高くなったものと推
認される。従って、第1〜第4導電体の抵抗値調整を高
精度に行えば、磁場の影響を一層軽減することが可能と
なるので、磁界方向に対する各導電体の配設方向を予め
設定しておき、この条件下における第1〜第4導電体の
各抵抗値を高精度に実現した温度センサを、所定条件を
満たすように磁場中へ配置すれは、温度センサ自体を汎
用品として供給可能となる。
【0041】上記のような汎用的温度センサを作成する
場合の実用的な構造としては、図7に示すような配線構
造を基板上に導電性薄膜で形成したものが考えられる。
すなわち、当該板状の温度センサの板面に平行な磁界方
向Hに対して、巨視的に平行な電流路を形成した第1電
流パターン9と、巨視的に直交する電流路を形成した第
2電流パターン10とを一対づつ作成し、各第1電流パ
ターン9,9と第2電流パターン10,10の接合部に
給電端子11,11と電圧測定端子12,12を設ける
のである。なお、第1電流パターン9は磁気抵抗変化率
の小さい部分であることから抵抗値を大きく、第2電流
パターン10は磁気抵抗変化率が大きい部分であること
から抵抗値を小さくしてある。因みに、この配線構造
は、上述した図1のY方向の結果とX方向の結果を組み
合わせることと同等である。そして、本第2実施例の如
く同一面上に形成した薄膜一体センサとして構成するこ
とが、小型化・量産化等の実用上の見地から望ましい。
【0042】なお、本第2実施例において、第1,第2
電流パターン9,10中に、巨視的電流路と直交する反
流路部9′…,10′…を含んでいるが、これらの反流
路部9′,10′における磁界中の抵抗値が相殺される
ように調整を行えば良い。例えば、白金を導電材料とし
て用いた場合には、δ=0.3であることから、「反流
路部9′の流路長:反流路部10′の流路長=0.3:
1」とすれば、反流路部の抵抗値補正を良好に期すこと
ができる。また、上記した実施例においては、抵抗値の
調整を電流の流路長で調整する例のみ掲げたが、流路幅
や膜厚を増減することでによって抵抗値を調整しても良
い。
【0043】図8に示すのは、例えば白金細線を用いて
温度センサを構成した第3実施例を示すもので、磁界方
向H(図中、実線で示す)に平行な2つの第1細線1
3,13と、磁界方向Hと垂直な第2配線14,14と
から構成してあり、各第1細線13,13と第2細線1
4,14の接合部に、各々給電端子15,15と電圧測
定端子16,16を設けてある。このように、磁場に垂
直な部分(磁気抵抗変化率がεMAX である部分)は磁場
に垂直な平面内に位置するように設定してあれば、必ず
しも磁場に平行な部分と同一平面上に位置させる必要は
ない。なお、本実施例は、円筒体の外周に細線を巻き付
けて形成した形状であり、これは、ガラスの芯に感温材
を巻き付けてなる細線型の温度センサが多く用いられて
いることによる。白金細線の場合では、磁場の方向が円
筒の軸に平行である場合、磁場の影響が現れない条件
は、直線部分の長さをL、円部分の半径をrとすると、
磁気抵抗効果の実験結果から、「L:2πr=1:0.
3」が成立する。
【0044】また、上記した第3実施例は、磁界の方向
をH′(図中、破線で示す)とした場合にも使用でき
る。斯くした場合、第2細線14,14には、磁界方向
H′と平行な部分や垂直な部分が混在することとなる
が、その実質的な磁気抵抗変化率はこれら全体の総和と
しての算術平均値として得られる。白金の場合、第1細
線13,13の磁気抵抗効果に対する比率は概ね0.6
5となることから、「L:2πr=0.65:1」とな
るように、Lとrを設定すれば、磁場の影響をキャンセ
ルできる。しかも、本実施例においては、磁界方向H′
と第2細線14,14の配置面とが平行である限り、磁
界の影響をキャンセルできるので、より使用上の制限を
なくすことができる。
【0045】なお、細線状の導電体を用いて温度センサ
を作成する場合、抵抗値を調整するために感温材をコイ
ル状に巻くことがしばしば行われるが、この場合には、
円形部分の全長の長さの比で上式が成立するように設計
すればよい。また、第1配線を完全な直線とすることが
困難である場合には、細線を比較的大きなピッチ幅で巻
くことによって代用することも可能であるが、斯くする
場合には、単位長さあたりの磁気抵抗変化率が完全な直
線状態のときと異なるので、高精度の温度測定を行う場
合には、その影響を補正する必要がある。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る温度
センサによれば、磁場下における第1〜第4導電体の抵
抗値を調整することで、磁場の影響によって第1センサ
部と第2センサ部に生ずる抵抗変化を互いにキャンセル
させるものとしたので、外部磁場の影響を受け難い温度
センサとすることができ、測定精度を高めることが可能
となる。また、本発明に係る温度センサは、第1導電体
および第3導電体に生ずる磁場による抵抗変化と、第2
導電体および第4導電体に生ずる磁場による抵抗変化と
の間に相対的な変化が無いような変動磁場についても、
磁場変動の影響を受けることなく測温精度の低下はな
い。したがって、静磁場下はもとより、変動磁場下にお
いても高精度の温度測定を期せる、極めて有用な温度セ
ンサと成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄膜温度センサ(市販品)の40Kにおける磁
気抵抗効果の異方性を示す特性線図である。
【図2】本発明に係る温度センサの基本原理を示す概念
図である。
【図3】本発明に係る温度センサを使用する場合の回路
構成図である。
【図4】既存の温度センサを用いて作成した第1実施例
に係る温度センサの立体配置図である。
【図5】第1実施例に係る温度センサを使用する場合の
回路構成図である。
【図6】8Tの静磁場における各種温度センサへの磁場
の影響の温度依存性を示す特性線図である。
【図7】第2実施例に係る温度センサの回路配置図であ
る。
【図8】第3実施例に係る温度センサの回路配線図であ
る。
【符号の説明】
1 第1センサ部 1a 第1導電体 1b 第2導電体 1c 第1電位検出部 2 第2センサ部 2a 第3導電体 2b 第4導電体 2c 第2電位検出部 7 等温ブロック

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略々均一な磁場内に配置されて、巨視的
    な電流の流路が磁界の向きに対して一定方向に定まる第
    1導電体と、該第1導電体とは異なる向きに巨視的な電
    流の流路を有する第2導電体と、を第1電位検出部を介
    して接合すると共に、磁場内で第1導電体に生ずる抵抗
    変化と第2導電体に生ずる抵抗変化とが等しくなるよう
    に各抵抗値を設定した第1センサ部と、 上記第1センサ部と同じ磁場内に配置されて、巨視的な
    電流の流路と抵抗値を上記第1導電体と略々同一条件に
    設定した第3導電体と、巨視的な電流の流路と抵抗値を
    上記第2導電体と略々同一条件に設定した第4導電体
    と、を第2電位検出部を介して接合してなる第2センサ
    部と、 上記第1センサ部および第2センサ部を熱接触させるこ
    とで、略々均一な温度にする熱結合手段と、 を備え、上記第1センサ部の第1導電体と第2センサ部
    の第4導電体を接合した第1給電点と、上記第1センサ
    部の第2導電体と第2センサ部の第3導電体とを接合し
    た第2給電点と、を介して第1センサ部および第2セン
    サ部に給電した際に、上記第1センサ部の第1電位検出
    部と上記第2センサ部の第2電位検出部より得た電圧に
    基づいて、当該磁場の環境温度を測定するようにしたこ
    とを特徴とする温度センサ。
  2. 【請求項2】 上記第1〜第4導電体は、導電性薄膜よ
    りなる電流路の回路パターンを非導電性板材に形成した
    ものであることを特徴とする請求項1に記載の温度セン
    サ。
  3. 【請求項3】 磁場による磁気抵抗変化率が最小となる
    ように第1センサ部の第1導電体および第2センサ部の
    第4導電体を配置すると共に、磁場による磁気抵抗変化
    率が最大となるように第1センサ部の第2導電体および
    第2センサ部の第3導電体を配置するようにしたことを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の温度セン
    サ。
  4. 【請求項4】 上記熱結合手段は、平坦な導電体装着面
    を備えると共に、熱伝導性の良好な素材よりなる板材と
    したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記
    載の温度センサ。
  5. 【請求項5】 上記熱結合手段は、平行ではない2つ以
    上の導電体装着面を備えると共に、熱伝導性の良好な素
    材よりなるブロック材としたことを特徴とする請求項1
    〜請求項3の何れかに記載の温度センサ。
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