JP2543837B2 - 湿度インジケ―タ― - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は相対湿度の変化に感応して色変化を生じ、雰
囲気の湿度を簡便に知ることができる湿度インジケータ
ーに関する。

（従来の技術） 従来、吸湿により変質、劣化、錆を発生するような食
品、産業資材、金属製品等は、それらの変質等を防止す
るために乾燥剤と共に密封包装されている。又、近年で
は押し入れ等の物置内の湿気を除去するために除湿剤が
一般家庭でも普及しつつある。

以上の如き乾燥剤や除湿剤の使用に際しては、それら
の効果や使用限界を把握するために雰囲気中の相対湿度
を知る必要がある。

相対湿度を知る方法としては、従来乾湿球温度計や毛
髪湿度計のような測定器が知られているが、これらの測
定器は室内の湿度の測定等には有用であるが、食品等を
密封包装した場合において該包装内の相対湿度を知る手
段としては使用困難である。

このような欠点を解決するために従来湿度変化により
変色し、その変色によって湿度を肉眼で知ることができ
る塩化コバルトのような湿度インジケーターを使用する
方法が知られている。

（発明が解決しようとする問題点） 上記の塩化コバルトからなる湿度インジケーターは、
湿度変化を肉眼で検知する手段として有用であるが、そ
の変色湿度は相対湿度40乃至50％程度であるため、例え
ば、60乃至80％程度の高い相対湿度を肉眼で検知できな
いという問題がある。この欠点を解決する方法としてコ
バルト塩類に界面活性剤を添加する方法が知られている
（特開昭60−25477号公報参照）が、この湿度インジケ
ーターは変色速度が遅いという問題がある。

従って、本発明の目的は広い範囲、特に50％以上の相
対湿度に感応でき、且つ変色速度が速い湿度インジケー
ターを提供することである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的は以下の本発明によって達成される。

すなわち、本発明は、コバルト塩類及びアルカリ土類
金属塩を含有することを特徴とする湿度インジケーター
である。

（作用） コバルト塩類にアルカリ土類金属塩を組合せて用いる
ことにより、広い範囲の相対湿度変化に感応して且つ優
れた変色速度で変色し、雰囲気内の湿度変化を肉眼で容
易に検知することができる。

（好ましい実施態様） 次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。

本発明において使用するコバルト塩としては、塩化コ
バルト、臭化コバルト、硫酸コバルト、炭酸コバルト等
従来公知のいずれのコバルト塩も使用することができる
が、変色性及び変色スピードの点で特に好ましいのは水
溶性のコバルト塩、特に塩化コバルトや臭化コバルト等
のようなハロゲン化コバルトである。

又、本発明において使用するアルカリ土類金属塩とし
ては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロ
ンチウム、塩化バリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カル
シウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウム等従来公知
のアルカリ土類金属塩はいずれも使用することができる
が、特に好ましいものは水溶液の塩、特に塩化カルシウ
ムである。

以上の如きアルカリ土類金属塩を前記コバルト塩に添
加することによって、変色範囲を高湿度領域に拡大する
ことができ、又、添加量や種類を変えることによって変
色速度や変色湿度範囲を自由に調整することができる。

上記２成分の使用割合は任意であるが、好ましい範囲
はコバルト塩100重量部当りアルカリ土類金属塩が５乃
至1,000重量部の範囲である。

又、本発明においては上記必須成分に加えて酸化チタ
ンの様な白色顔料、炭酸カルシウムのような体質顔料、
有彩色の顔料や染料等を必要に応じて添加混合すること
もできる。

上記の必須成分又は任意成分からなる本発明の湿度イ
ンジケーターは、上記の必須成分又は任意線分を乾燥状
態で均一に混合して製造してもよいし、又、この混合物
をインキ化又は塗料化してもよいし、又、水溶液又は有
機溶剤中の分散液でもよくその形状は特に限定されな
い。

更に上記のインキ化又は塗料化したものや更に水溶液
や分散液を用いて、紙、プラスチックフイルム、不織
布、織布等に印刷、塗工或いは含浸させて乾燥し、例え
ば、短冊状に好ましいサイズに裁断したものであっても
よい。

以上の如き本発明の湿度インジケーターの使用方法と
しては、インキや塗料の形態である場合には、これらの
組成物を密封包装用の袋の内側に印刷又は塗工して用い
ることができ、又、シート状にしたものは適当なサイズ
に裁断してそのシート密封包装時に包装用袋内に同封す
ることもできる。更に、一般家庭や事務所において、例
えば、貯蔵場所等の大まかな湿度の高低を簡便に使用す
る手段として有用である。

（効果） 以上の如き本発明の湿度インジケーターは、広い範囲
の湿度の変化に従って青色（低湿度）−ピンク色（高湿
度）に可逆的に明瞭且つ迅速に変化するので、雰囲気の
相対湿度を肉眼でもって容易に知ることができる。

従って、本発明の湿度インジケーターは、食品、機械
部品、電気部品、金属製品、その他の物品のように湿度
変化によって品質劣化を生じる物品を包装する場合に、
その包装内の湿度変化を容易に知ることができる。又、
一般家庭その他においても、使用雰囲気の湿度の高低を
容易に知ることができるので、除湿剤を適切に使用する
ことができる。

（実施例） 次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。

実施例１乃至３ 塩化コバルト６水塩1gに対し、下記第１表のアルカリ
土類金属塩1.5gを加え、この混合物を20mlの水の溶解し
た。この溶液を濾紙に含浸及び乾燥させて３種の本発明
の湿度インジケーターを得た。この湿度インジケーター
を30℃で40乃至70％RHの雰囲気に保存して変色を観察し
たところ下記第１表の結果が得られた。

比較例１ 塩化コバルト６水塩1gを20mlの水に溶解したものを用
いた以外は実施例１乃至３と同一にして得た結果を下記
第１表に示した。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コバルト塩類及びアルカリ土類金属塩を含
   有することを特徴とする湿度インジケーター。
2. 【請求項２】コバルト塩がハロゲン化コバルトである特
   許請求の範囲第（１）項に記載の湿度インジケーター。
3. 【請求項３】アルカリ土類金属塩が塩化カルシウムであ
   る特許請求の範囲第（１）項に記載の湿度インジケータ
   ー。